コードギアス反逆のルルーシュ ロストカラーズ 短編集 作:アシッドレイン
なお、ライがゲームと違い、優柔不断気味です。
イメージ合わない方は、スルーをお願いいたします。
私は、飲み物が入ったグラスを二つ持ち、きょろきょろと周りを見渡して彼を探す。
「あれ?おかしいなぁ…。さっきまでここにいたのに…」
すると同じように誰かを探しているかのような動きをしているゼロを見つけた。
「あ…ゼロも誰か探しているんですか?」
私が声をかけると、ゼロも同じように聞いてきた。
「も…という事はカレンも誰か探しているのか?」
「ええ…。さっきまでライがいたと思ったんですけど…」
「カレン、君もか…。確かについさっきまでここにいたはずだ。どこに行ったんだ…あいつは…」
「ゼロも彼を探してたんですね」
気まずそうに暫く間が空き、ゼロは頷いた。
「まぁ、また共に戦うのだ。以前の蟠りは無い方がいいからな」
以前の事をゼロも気にしていたのだろう。
まるで意地っ張りの男の子が素直に仲直りできない時に言い出しそうな感じで言う。
普段の時とのギャップの差が大きい分、その行為がとても可愛く思う。
クスッ…。
自然と笑いが私の口から漏れた。
その笑いを何か勘違いしたのだろう。
慌ててゼロはいろいろ言い訳を言い出す。
それがますます笑いを誘う。
さすがにこれ以上は言っても無駄とわかったのだろう。
ゼロは咳払いをすると話題を変えた。
「カレンは、どして彼を探していたんだ?」
「うーん、なんというか話したかったから…かな」
そう言ってはみたものの、心の中の思いは形を成しておらず、いろんな思考が混ざり合って自分自身正確にはわからない。
ただ、彼が帰ってきてすごくうれしいという思いと、彼と話しをしたいという思いだけが私を突き動かしている。
「そうか…」
ゼロは私の顔をじっと見た後、やれやれといったジェスチャーをする。
「今回は、君に彼を譲るよ、カレン」
「え?」
「そんなにうれしそうな顔をされたら、譲りたくもなる」
私の頬がカーッと燃えあがったかのように熱を持つ。
多分、真っ赤になっているのだろう。
「ち、違いますっ…ゼロぉ…」
そんな私の言葉をゼロは笑って聞き流す。
「ではな…。ライによろしく…」
そう言うと藤堂さんたちのいる方に歩いていった。
「違うのにぃ…」
ぶつぶつとそう言ったものの、私はゼロの言葉や配慮がうれしかった。
そして、再びきょろきょろと会場をうろつきながら彼を探す。
しかし、その日、私は彼と会って話すことは出来なかった。
あーーっ、なんでやっちゃったんだろう…。
私はキスの後、格納庫を飛び出すと廊下を駆け出しながら後悔していた。
彼が大事にしているであろうカレンの写真を見た瞬間、私は自分の心の思いを殺す事を選択したはずなのに…。
だが、自信なくうなだれる彼を見ていたら、慰めてあげなくちゃという思いが心を支配して……気が付くと唇を重ね合わせていた。
まるでそうするのが当たり前のように…。
未だに自分がそんな行動をしたのが信じられなかった。
なんとかその場は言い繕ったものの、私の心は複雑だった。
どうすれいいの…。
思いも殺せず、だけどカレンのことを考えたら…。
心の中で思いと理性の戦いがあれからずっと続けている。
だが、この戦いは終わりそうになかった。
なせなら…あのキスの後、殺したはずの思いはますます強くなって私の心を大きく占めるようになったのだから。
僕は、井上さんにキスされた後、その場に呆然と立ち尽くしていた。
「柔らかかった…」
右手の指が自分の唇をなぞり、唇の感触が頭の中で再現される。
その瞬間、僕は膝から力が抜けてその場に座り込んでしまっていた。
予想外の井上さんの行為にまだ感情が落ち着かず、思考がうまく働かない感じだ。
そして、頭の中は井上さんとの思い出ばかり浮かんでくる。
始めて会って、いろいろ話をして…。
そう思い返してみて、ふと気が付いた事があった。
そういえば、いつも彼女は僕を見ていてくれた様な気がする。
常に僕に気をかけて、話しかけてくれたり、手伝ってくれたり…。
そこまで考えて、僕はその考えを払いのけた。
何を考えているんだ…僕は…。
キスされた途端、そういう事を考えるなんて…。
彼女も言ってたじゃないか「勇気のつくおまじない」って…。
だから、それは僕の思い違い…。
それに…それに…僕には、カレンへの思いがあるはずだ。
そこまで考え、僕はやっと思い出す。
カレンの事を…。
カレンへの思いを…。
あれほど迷い、考えていた事をすっかり忘れてしまっていた事がショックだった。
あんなに…あんなに…思っていたはずなのに…。
何をやっているんだ僕は…。
僕は…そのまま、格納庫を後にすると自室へ閉じこもった。