走者がガバったら(世界が)即終了チャート はーじまーるよー! 作:私は地を統べる
藍染惣右介の成り代わり小説みてぇなぁ…→BLEACH全巻入手→全巻あるなら書くかぁ…→見切り発車
そんな感じで書き始めましたのでクオリティは低いです。しかし欲には正直です。稚拙な作品ですがよろしくお願いします。
■■年■月■日(■) 曇り
今日から日記を付けようと思う。
あまり筆まめな方ではないし、未だに毛筆には慣れないのだけれど、それでも筆を取ったのは僕が置かれている現状と、これからの事をまとめるためだ。
そのためにも先ず初めに、僕の前世について書き留めておくことにする。
僕には令和の時代を生きた記憶がある。
前世の僕は中小企業の営業マンをしていて、毎日の晩御飯をスーパーで半額になった惣菜で済ませてしまうような、どこにでもいる平凡な人間だった。
そんな僕は、ある日突然死んだのだと思う。
正直死因については詳しく覚えていない。ただ死に間際、うつ伏せの僕の頬に刺さるアスファルトがとても暑かったのと、脳ミソをじんじんと刺す様なうるさい蝉の声を覚えているから、多分夏、それも猛暑に何らかの原因(熱中症?)で倒れてそのまま死んだのだろうと推理している。
残してきたであろう家族には申し訳ない…。どうか親不孝者の僕を許して欲しい。(顔も名前も覚えていないので無意味な感傷ではあるのだけれど)
とにかくそんな前世の記憶を持ちながらオギャーッと生まれ落ちた僕に、今世の両親は名前を付けてくれた。
すべてをたすける人になって欲しいという願いを込めて、
素晴らしい名前だと思う。込められた思いからは両親の溢れんばかりの愛を感じるし、僕には勿体ないくらい素敵な名前だ。嬉しい。とても嬉しいのだけれど、
それと同じくらい絶望している。……何故かって?
いや、僕だって最初は「偶然かな?」と思った。けれども日常会話にポンポンと出てくる
僕はBLEACHの世界に転生した挙げ句、何の因果か《実質ラスボス》《オサレを極めた男》《レスバ王ヨン様》こと、
追記
十数年生きた今でも鏡花水月に掛けられてるんじゃないかと思ってる…(現実逃避)
■■年■月■日(■) 晴れ
藍染惣右介になってしまったのはしょうがない。いやしょうがなくはないのだけれど、とにかく今後の身の振り方を考えなければならない。(昨日は現実逃避をしていて考える余裕がなかった)
そもそも僕は藍染惣右介のような野心があるわけでもないし、もちろん天に立ちたいとも思えない。
何ならこのまま両親とのんびり暮らせたらそれが一番だと思ってしまっている。
しかし、先の事を考えるとそうもいかない。
藍染惣右介はメタ的に言ってしまえば原作における中ボスであり、ラスボスは滅却師の王であるユーハバッハだ。
原作の最終章である千年血戦編では、
その結末を迎えるために欠かせない主人公の出生にガッツリ関わってしまっているのが、藍染惣右介である。
藍染惣右介の計画の一端であるホワイトを使った実験によって、滅却師の生き残りである黒崎真咲(黒崎一護の母親)と、志波家の分家筋の出身で、護廷十三隊十番隊隊長である志波一心(黒崎一護の父親)が出逢う。
この流れによって二人は結ばれ、それに通ずる形で石田竜弦と片桐叶絵も結ばれるのだ。
つまり藍染惣右介がいなければ、一護と雨竜がこの世に誕生することはない
主人公の誕生を絶対にし確実に世界を護るためにも、僕は藍染惣右介に成らなければならない。生半可な覚悟じゃ不可能だろう。
……正直、人を傷つけるのは怖いし、嫌だ。けれども、僕が何もしなかったせいで世界が滅んでしまうのはもっと嫌だ。
ならば最悪でも、最低でも、確実で最善の選択を選ぶべきだと思う。
お生憎様、今世のガワのスペックは凄まじい。
前世に比べ格段に思考の回転も早くなったし、身体能力も大幅に高まった。このヨン様スペックを活かしつつ、僕が死ぬ気で努力すれば原作のヨン様ムーブを再現することは可能な筈だ。
懸念として僕は自分の演技力に一切の自信がないことだ。平凡な男である僕に
追記
前世の家族の事や、僕自身の記憶はぼんやりしているのに、BLEACHの原作知識はハッキリと覚えている。それどころかキャラクターの台詞を一言一句記憶しているのだ。不思議、というより気持ち悪い、嫌な気分だ。これも霊王の意思ってヤツなのか?
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─閉じた日記帳に息を吐く。
行灯に照らされ、仄かに薄まった藍色の表紙をひとつ撫でると、指に糸綴じがつかえた。
視線をあげ、窓障子の隙間から覗く外をみる。
藍色の空の中、一人ぼっちで浮かぶ白い月を眺め、先の事を想像する。
自分の握った刀が人を■す。
自分の放った鬼道が人を■す。
自分の突き出した拳が人を■す。
自分の手で、自分の意思で人を■す想像をする。
いつの間にか閉じていた瞼を開き、窓障子を閉めた。行灯を消し布団の中に無理やり体を押し込め胎児のように身体を丸める。
すべてをたすける
なんとも皮肉だと思う。けれど、それでも、僕は
「僕は藍染惣右介だ」
藍色に染まった部屋で震える身体を押さえながら、当時の僕はそう何度も、何度も小声で呟いたのだ。
準備するもの 人を■す覚悟