走者がガバったら(世界が)即終了チャート はーじまーるよー! 作:私は地を統べる
更新遅れました…許してクレメンス♡
今回も前回に引き続き日常回です。
次回は虚圏にイクゾーッ!
お気に入り、しおり、感想、評価、ここ好き、誤字報告ありがとうございます。
評価を一言ありの設定にしたのですが、最近ようやく見る方法が分かりまして、やっと確認できました。
コメントをくださった方々に、この場を借りてお礼を申し上げます。
★★年★月★日(★) 晴れ
要が護廷十三隊に入隊した。原作通り九番隊へと配属された彼は、霊術院で優秀な成績を納めていた為、卒業前に席官の席を用意されていた。
死神になってから月日が経つのが早く感じる。長命種族の時間感覚だ…。
今回は、前回の反省を活かして、贈り物を事前に用意することにした。というわけで眼鏡屋に行ってきたのだが、なかなか目当てのものが見つからず苦戦…
原作で要が掛けていたスコープのような眼鏡を求めて、二、三軒ほど店を回ったのだが何処にもない。
原作だと、阿散井恋次が着けていたゴーグルは六番隊副隊長の銀銀次郎が運営する「眼鏡の銀蜻蛉」で購入していた。銀さん、眼鏡屋を運営するどころか、副隊長にすらなっていないからな…。
どうしたものかと頭を悩ませていたが、ここでふと、僕は閃いたのだ。
ないなら作れば良い!
というわけで作ったゴーグル型の電子眼鏡。
内蔵されたセンサーで文字を認識し、対象に情報を伝える機能付きだ。
骨伝導の仕組みを採用し、眼鏡でいうモダン部分から発生させた振動で音を伝えているので、周囲の音を聞きながら文字を認識することが出来る。
音声ガイド機能はオンオフの切り替えが可能なので、通常の眼鏡としても使用出来るのだ。
大部分は鬼道で補っているので、霊力を込め直したり、記した言霊の更新などの定期的なメンテナンスは必要だが…まあ、わりと良いものになったのではないだろうか(自画自賛)
他の機能案もあったのだけれど、付けなかった。必要な機能は後から追加できるし、それに、そんなに機能を多く付けたところで、本人に使いこなせるか分からないからだ。
そうして今日、要にゴーグルを渡した。
渡した時の要の表情が忘れられない。最初は眉をしかめて、何かを我慢しているような顔をしていた。もしかして気に入らなかったのかと不安になったけれど、実は喜びを必死に抑えていただけだったみたいで、泣きそうな声で感謝の言葉を伝えられた。
どうやら要は、真央霊術院でかなり苦労したらしい。特に読み書きが大変だったようで、友人の助けを借りて教科書の内容を暗記したと言っていた。霊術院は実技重視のため、卒業自体は何の問題もなく出来たようだけれど、護廷十三隊に入隊したら書類仕事も増えるし、頼れる人もいないから悩んでいたそうだ。
尸魂界にはバリアフリーの概念がないんだよな…。入学前に視覚補助の鬼道は教えておいたけど、あれは結構高度な術で、維持するのにも集中力が必要だし、霊圧もゴリゴリ削られる。
今になって思えば、真央霊術院に入学する前にこのゴーグルを渡せば良かったなと後悔した。でも、要が喜んでくれて本当に良かった。
★★年★月★日(★) 曇り
今日は良い収穫があった!なんと、あの、二番隊副隊長にして隠密機動第二分隊警邏隊の隊長である大前田希ノ進に鬼道を教わったのだ!やったー!うれしい!
いつものように平子隊長を捕縛し、五番隊へと戻る。その時、大前田希之進が声を掛けてきた。
一体何事かと思えば、なんと僕が仕掛けた鬼道に興味があると言う。首を傾げる僕に、希之進は「罠を悟られないように使った、あの鬼道だよ」と続けた。
ああ、なるほど。たぶんアレの事だ。
最近、僕は平子隊長捕縛のため、罠を仕掛けるようになった。
事前に展開した結界術を曲光で隠蔽し、隊長を誘導し捕縛。その上から縛道の六十三「鎖条鎖縛」で完全に拘束する、至ってシンプルな方法だ。(追い込み漁業かな?)
ただし、これにはひとつ問題がある。
曲光は、霊圧で対象を覆い隠すだけの縛道。霊圧探査に長けた平子隊長には、仕掛けた罠が容易に見破られてしまうのだ。
そこで僕は、赤煙遁を重ねて使うようにした。
本来、赤煙遁は「使用地点に赤色の煙幕を焚き、敵からの視界を遮るため」の縛道だ。しかし、僕はこれを、煙の代わりに自分の霊圧が辺りに広まるように改良した。こうすることによって、相手の霊圧探査を撹乱させることが出来る…僕のオリジナル鬼道だ。
…上司を捕まえるために作った鬼道なんだよなこれ。なんだか空しい。というより、こんなことまでしないと捕まえられない平子隊長って一体何なんだ?もしかして、原作の時よりも強くなってたりする?
とにかく、そのオリジナル鬼道を見た希ノ進さんは、自身の隊長の捕獲に使えるかもしれないと考え、僕に話しかけてきたらしい。
この人の隊長、四楓院夜一も脱走癖がひどいものな…と深い共感を抱いてしまった。嫌な共感である。
それ以来、希ノ進さんには鬼道を教えてもらったり、たまに飲みに行ったりしている。話を聞いてしみじみ思うのだが、この人の鬼道の腕前は化物じみている。八十番台の断空を詠唱破棄で6つ同時に出すなんてすごい。尊敬。
★★年★月★日(★) 曇り
やっとできた…(疲労)
念願叶って、崩玉のガワだけは出来た。
後は肝心の中身だけだ。
現世と虚圏を繋ぐのが「黒腔」
現世と尸魂界を繋ぐのが「穿界門」
現世と尸魂界の間には「断界」が存在しており、「断界」には虚等の外敵を防ぐ為の「拘流」という霊体を絡め取る気流で満たされている。
しかし、不思議なことに虚は黒腔を通じて尸魂界に現れることができるという。上記の通りなら不可能なはずだが、ひょっとすると虚の方が死神よりも優れた移動能力を持っているのかもしれない。まあ、そこは深く追及しないでおこう。
輪廻から外れ断界内をさまよい続けた魂魄が徐々に集まり、その集合体が生み出したもの「叫谷」
僕が目指すのはこの叫谷だ。
通常、叫谷への入り口は現世の特定の場所にしか現れない。だが、小説内で、アウラが黒腔内に叫谷を発見したという記述があった。そして、綱彌代時灘の研究施設も叫谷にあったし、そこへの侵入も涅マユリが可能にしていた。
そこで僕は虚圏に向かうことにした。小柄で意思疎通が可能な虚を捕まえ、その虚が開く黒腔の能力を解析し、叫谷へと侵入する為の技術を得るためだ。(あわよくば捕まえた虚を虚圏に行き来するための部下にしたい)
虚圏に行くための方法として、私は事前に捕らえておいた虚にしがみついて行くことに決めた。
うん…?この虚圏用虚くん(あるいは「ちゃん」かもしれない)を解析すれば良いのではないかって?
僕もそうしたいのは山々なんだけれど、この虚は知性に乏しく、ただグギャギャと鳴くばかりで話が通じないから、解析の余地がないんだよね。僕はモルモットより被検者がほしい。
まあ、一番の理由は他にあって。
実のところ、解析、研究のための適切な場所がないのだ。
所謂、研究施設が必要なのだが、今後敵地となる尸魂界にそのような重要な施設を設置するのは危険すぎる。それに、原作とは異なる世界にいるのだから、僕の研究資料が誰かに悪用されるような事態になったら目も当てられない。どうする?藍染惣右介の研究資料が悪人に利用されて映画オリジナルストーリーみたいな展開になったら。そんなの絶対に避けたい。
そのため、人が来ない虚圏で研究施設を作れたらという希望的観測を込めて、僕は虚圏へ向かおうとしているのだ。
僕だってこんな乱暴な案は使いたくないけどね!でも仕方ないんです!僕にはこれしか思い浮かびません!(開き直り)
まあ、万が一に備えて鑑化水月で作った複製体を使用する。安全と言えば安全だ。きっと何とかなるはず。たぶん。
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人の死を見るのは初めてでは無かった。
人生の殆どを、護廷十三隊の隊士として過ごしてきた僕は、片手では数えられないほど、人が死ぬ様を見た。
食い荒らされる流魂街の住民。臓物を撒き散らして事切れる隊士。どれだけ力を得たとしても、見えない、届かない場所では手の施しようがない。
何度も、何度も何度も命を見送ってきて、そうして気付く。ここでは皆、命が平等に軽いのだと。
初めて人を殺したとき、僕は冷静さを失うことなく、ただその遺体をじっと見つめていた。
大きく見開かれた目は伽藍堂で、半開きの口の中は深淵のように真っ黒だった。首筋には深い刀傷が走り、その傷口からは止めどなく液体が流れ出て地面に小さな水溜まりを作っている。
僕がしたことだ。背後から近づき、彼の首筋に当てた刀をスッと引く。呆気なかった。本当に呆気なく彼は死んだ。
月明かりに照らされ、キラキラと反射するその液体を眺める僕は、ぼんやりとした感慨にふけっていた。
「(良かった、)」
心の奥底には達成感が満ち溢れていた。殺せた。人を殺せた。躊躇わなかった、容赦しなかった。紛れもなく、僕自身の手で彼の命を奪ったのだ。
その事実に安堵して、救われて、そして
絶望した。
草履に染み込む生暖かい液体の感覚が、僕の意識を現実へと引き戻した。
ああ、そうだ。崩玉。
本来の目的を思い出す。
そうだ、僕は崩玉の動作確認をしたかったのだ。
片手で握りこめるほどの大きさのそれを胸元から取り出す。冷たい感触のそれを、遺体へとゆっくりと押し当てる。
瞬間、崩玉は青白い光を放ち、まるで生きているかのように脈打ち始めた。彼の魂魄をゆっくりと、しかし確実に飲み込んでいく。渦を巻く光の様子を見つめながら、ふと、親鳥がヒナに餌を与える光景が脳裏に浮かんだ。給餌だ。この状況はそれによく似ている。実際のそれとは違い、これは全く微笑ましいものではないのだけれど。
喰らい尽くした崩玉は、まだ足りないと言わんばかりに青白い光を点滅させた。やがて、ゆっくりと眠りに就くように点滅を止め、内部から滲み出るような柔らかい光を放ち始める。
その不気味な輝きに、僕は思わず顔をしかめる。薄気味悪さを感じながら、それを懐に仕舞い込んだ。
無言でその場を離れる。なにもしなかった。土に染み込んだ暗い血痕も、彼のボロボロの衣服も、血に濡れた草履でさえもその場に脱ぎ捨てて、全部そのままに置いてきた。
あの場所─更木では、死を纏うそれらでさえ、ただの風景として流れていくのだから。これらの痕跡もやがては夜の闇に飲み込まれ、消えていくだろう。
そうして薄暗い寮に戻った後、僕は思い返していた。
伽藍堂の目。半開きの口から覗く深淵。地面を染め上げていく鮮血の水溜まり。その光景が、脳裏にこびりついては離れない。
ジワジワと押し寄せる現実感に、僕は思わず顔をしかめる。胸の奥底で渦巻く罪悪感が、まるで毒のように全身を蝕んでいく。それと同時に、どうしようもない空虚さが心を覆い尽くした。
人を殺めたら、今までの価値観が根底から覆され、非情で無情な人でなしに変貌するのだと、僕はずっと信じていた。しかし、実際の僕の心情は、驚くほど何一つ変わらなかった。僕は依然として僕のままだった。
いっそ全てが一変してしまえばよかったのに。目の前に横たわっていたアレが、人間ではなく単なる物体だと認識できてしまえば、そうすれば…、
僕は、自分自身のままで、人を殺めることができた。
価値観が狂うこともなく、人の死を悼み、悲しみ、それでもなお、目的のために人命を奪うことができる。その事実が、どうしようもなく怖かった。
僕は、自分自身が怖かった。
主人公の感情変化
人を殺せたことへの安堵(藍染惣右介チャートを走るための覚悟○)→人を殺してしまったことへの後悔+絶望→人の死を悼みながら、目的の為なら人を殺せてしまう自身への恐怖
主人公、五番隊で飲み会する前に人殺してます。