走者がガバったら(世界が)即終了チャート はーじまーるよー! 作:私は地を統べる
主人公に現実を突き付ける回。
残酷な描写があります。
藍染惣右介成り代わりなのにほぼオリキャラになってきてる…(泣)でもここら辺を誤魔化すと後々面倒なことになるので、本編に関わってくるまで今暫くお待ちください……。
早く私は平子さんたちとカラオケ大会とか、浦原さんと爆発オチなんてサイテー!とか、破面とお買い物とかそういうトンキチ騒ぎを主人公にさせたいんだ!!
お気に入り、しおり、感想、評価、ここ好き、誤字報告ありがとうございます。
ランキングにも載るようになってかなりびっくりしています…。皆様の期待に応えられるよう丁寧に執筆していきたいと思いますので、温かく見守ってくださると嬉しいです♪
▲▲年▲月▲日(▲) 晴れ
六席に就任してからおおよそ二年が経った。
死神の仕事は多岐に亘る。書類仕事は勿論のこと、瀞霊廷内の見回りや流魂街に出現した虚の討伐。時には現世へと赴き、これまた虚の討伐と整の魂葬をしたり等…結構多忙だ。
席官はその他に、一般隊士のサポートや指導もしなければならない。
六席に就任した当初は、先輩隊士からの当たりが強く、コミュニケーションをとるのにかなり苦労した。
何よりも自分より歴の長い人に指示を出すのがやりにくかったが、白ヨン様ムーブで何とか乗りきった。
今では人間関係も上々で、業務もえなさんのサポート無しに問題なくこなせている。
えなさんの指導は的確で、僕は何度もそれに助けられた。白ヨン様ムーブもえなさんを参考にして何とか取り繕ったものだ。先輩として尊敬しているし、憧れている。
そんな風に平穏な日々を過ごしていたが、今日は思わぬ出会いがあった。
「オマエもしかして総司の息子か?」
書類の整理をしていると急に声をかけられた。柱にもたれかかりながら此方を見下ろす男。ストンと落ちた長い金髪が、隊長羽織を着た肩に掛かり良く映えている。
─五番隊隊長 平子真子である。
僕の顔をまじまじと見つめながら「あんま総司には似とらんな~」と独り言を呟く平子さん。突然の出会いに内心動揺した。
八番隊の隊舎に居る理由を訊ねたところ、京楽隊長に用があって来たらしい。
京楽隊長は外に出ていると伝えたら「あんのオッサン何時来ても居らんやんけ」と呆れていた。ずっとサボってるからなあの人。矢胴丸副隊長の所在も聞かれたが、副隊長も外に出ていると伝えると頭を抱えていた。僕も頭を抱えたい気持ちで一杯である。
八番隊 上官ふたりが サボりすぎ(仕事を押し付けられる部下の一句)
京楽隊長が戻ってくるまで待つと言うので、客間へと案内し茶請けを出し、そのまま業務へ戻ろうとしたのだが、何故か平子さんに呼び止められた。
そこからは軽い雑談をした。日常会話の中にウィットに富んだボケとツッコミが入り交じるなかなか楽しい会話だった。やっぱり関西弁キャラってコミュ力が高いんだな(偏見)
京楽隊長が戻ってきた後は、軽い別れの挨拶をして業務へと戻った。中々濃い一日である。
……僕を呼び止めたあの時、平子さんは自分の斬魄刀に触れ、こちらを見定めるかのような視線を向けてきた。
確か、平子さんの斬魄刀である逆撫が、ヨン様に興味を持ったのがきっかけでヨン様を疑うようになったんだよな。
八番隊に入隊するというズレは生じているが、平子真子に疑念を持たれるという原作通りの展開。良い調子だ、このまま原作通りにいけばズレも修正できるだろう。
追記
矢胴丸副隊長に春画を押し付けられた、雀部副隊長のものらしい。良質な隠れものを見つけたと満足げだった。仕事サボってなにやってんだこの人。
▲▲年▲月▲日(▲) 雨
最近、流魂街での虚の出現が多いため、見回りをするようになった。
正直、流魂街はあまり好きではない。酷い生活をする住人をみると胸が痛むからだ。
流魂街の現状はひどい。
原作だと、流魂街の統治も行うと言われていたが、実際はほぼ放置である。たまに見回りをするが、殆どは虚が出現した時にしか流魂街には行かない。
西流魂街の潤林安など番号が若い地区は比較的治安が良好だが、59以降になると途端に文明が低くなる。草履を履く文化が無いと聞いたときはどん引いてしまった。
最下層になると、盗みや殺しなどが絶えず、常に死体が路上で捨てられているらしい。最悪である。
いざという時、三界のバランス取るために消しても良い霊魂を底辺に集めているみたいな話も聞いたが、あんまりすぎないだろうか?
あくまで尸魂界は現世で死んだ魂の停留所であり、尸魂界で魂が死ぬことまでがこの世界の生命の循環だ。
そのため、流魂街の治安を良くしすぎると、尸魂界に魂が居着いてしまい、世界のバランスが崩れる可能性がある。だから今の現状を放置をしているのだろう。そして、護廷十三隊は瀞霊廷を護る組織であって流魂街の治安維持は仕事じゃない。
…分かっているのだが、盗みをして自分の地位を守ろうとする者や、ボロボロの布切れを纏う子供を見るたびにやるせない気持ちになる。
流魂街に赴くたびに、
せめて、霊力がある者が死神への道を進めるような指標を作れるといいのだけれど……
追記
この世界、既に破綻してないか?
▲▲年▲月▲日(▲) 快晴
僕のせいだ。
・
・・
・・・
・・・・
・・・・・
─何てことの無い、只の見回りの筈だった。
えなと惣右介は、東流魂街37地区流厳を見回っていた。最近、流魂街での虚の出現が多くなった為である。たまにすれ違う流魂街の住人に挨拶をしながら二人は探査を続けていた。
突如、ビリッと肌を刺すような霊圧を探知する。それに気づいた二人は、顔を見合わせ頷きあい、瞬歩で現場へと直行した。
そこでえなたちは地獄をみた。
地面に落ちている黒い影。それに覆い被さるよう這いつくばる虚は、何かを貪っている。辺りへと広がる鉄の匂いと、ぐちゃぐちゃと咀嚼する異音が響く空間。
気配を断ちながら、ゆっくりと虚の側へ近寄る。
そうして見えたものに、二人は絶句した。
黒い影だと思っていたもの、それは死体だった。
四股が欠け、真っ二つに裂けた腹からは赤黒い臓物が溢れ出ており、こちらを向いた瞳は黒く濁った伽藍堂でなにも写していない。つい先程まで生きていたであろうモノが転がっている。
「……っ」
その凄惨な光景に吐き気が込み上げてくる。
気配を察知した虚が、咀嚼をピタリと止め、ゆっくりと此方を振り向いた。
白い体躯には部分的に体毛が生えており、長い腕には鉤爪が着いている。肥大した頭部を覆うように被せられた白い仮面には二つの穴がポッカリと空いている。大きく裂け真っ赤に染まった口からは、布の切れ端と人の手が垂れていた。
二人は斬魄刀を構える。
先に動いたのは虚だった。飛びかかってくる巨体を二人は避け、惣右介は鬼道を唱える。
「縛道の三十 嘴突三閃」
3つの嘴が虚へと突き刺さる。声をあげながら拘束を振りきろうと身を捩る虚に、えなは斬魄刀で斬りかかる。
「ギェァオオオ゛オォ"オ゛!ォオオオオ゛!!!」
大きな裂傷を残したその一撃は、致命傷には至らず、痛みに暴れ狂う虚は叫び出した。周囲に轟音が響き渡り、思わず顔をしかめる。何度も、何度も叫ぶ虚に、痺れを切らしたえなは再度斬魄刀で斬りかかろうとした。しかしその時、まるで、仲間の救援信号を受け助けに来たように、二体目の虚が出現したのである。
バックステップで虚たちから距離を取ったえなと惣右介。縛道によって固定されている虚と、新しく出現した虚の姿は瓜二つであり、二人は戸惑った。
二人が様子をうかがっている間に、虚を楔つけていた縛道を、新しく出現したもう一体の虚が叩き割る。黄色い嘴は粉々に砕け、二体の虚は二人を挟み込むように立ち塞がった。
えなと惣右介は背中合わせになりながら、其々の正面に立つ虚を睨み付ける。
焦燥に呑まれそうになるえなへ、この状況を打破すべく惣右介は告げた。
「僕が一体引き受けます。えな五席はもう一体の方を」
「……分かりました!」
そうして二人は虚へと走り出した。
惣右介は行使する鬼道にえなを巻き込まぬよう、離れた場所へと虚を誘導する。
「散在する獣の骨 先塔・紅晶・鋼鉄の車輪」
捕まるか捕まらないかの瀬戸際を見極めながら、虚を翻弄するよう、木々の合間を蛇行し走る惣右介。
「動けば風 止まれば空」
何時までも捕まらない獲物に痺れを斬らした虚は、惣右介に向け鉤爪を振り切った。
「槍打つ音色が虚城に満ちる」
左からせまってくる鉤爪を上へと跳躍することで躱す。滞空する惣右介は下に居る虚を見下ろし、右手の掌を突き出した。
「破道の六十三 雷吼炮!」
掌から放たれた完全詠唱の破道は、空を見上げる虚目掛け、落雷のように墜ちた。
断末魔の声をあげることも出来ず、倒れ伏す虚。
空中から着地した惣右介は、黒い煙を出しながら嫌な匂いを放つ虚の死を確認すると、直ぐ様えなの元へと向かった。
ちょうど惣右介が着いた頃、えなと虚の戦闘は佳境を向かえていた。
無数の切り傷がついた虚と無傷のえな。
最後の悪足掻きのように、長い両腕がえなへと振り落とされる。その大振りの攻撃を右へと躱し、舞い上がった砂埃を隠れ蓑に、虚の背後へと回り込む。そうして、肥大した後頭部をめがけ、えなは斬魄刀を振り下ろしたのだ。
「ギェァア゛ア゛アアァア゛!!!」
鼓膜を突き破るような、聞くに耐えない悲鳴を上げながら、真っ二つに別れていく虚。えなはその様子を尻目に、惣右介の方へと顔を向けた。
「良かった!惣右介くん無事だったん…」
「っ!後ろ!!」
─惣右介の目は、えなを通り越し、その背後に立つ二体の虚を写していた。
えなはその言葉に、後ろを振り返る。
倒した筈の虚が存命しており、増殖している状況に驚きながらも、対処しようと斬魄刀を構え足に力を込めた瞬間、
「、あっ」
前日の雨により出来た泥濘に足をとられ、体勢を崩した。その一挙が、この戦場では致命的だった。
二体の虚は、体勢を崩したままのえなに襲いかかる。
迫る脅威に刀を構えることも出来ず、ただ呆然と見上げることしか出来ないえなの瞳には、振り下ろされる二つの鉤爪がスローモーションのようにゆっくりと映っていた。
ぶつりと、皮膚が破れるような音が響いて、
そうして、其れはえなの腹を貫いたのである。
血を吐き、地に伏せるえな。仰向けに倒れ伏した身体からは大量の血液が流れだし、地面を赤く染め上げていく。
─明らかに致命傷だった。
(どこで間違えたんだろう)
血溜まりに沈みながら、えなは青い、青い空を見上げ、走馬灯を見ていた。
今を置き去りにし、過去を、今までの半生を巻き戻していく。
(どこで間違えたんだろう)
死神になったあの日?
真央霊術院に入学したあの日?
家を出たあの日?
両親に逆らったあの日?
それとも、それとも、
(ああ、多分、いやきっと)
─産声をあげたあの日から私は間違えていた。
取り留めのない記憶の奔流を受け止める時間も無いまま、えなの意識はそこで途絶えたのだ。
えなが倒れた直後、惣右介は既に動いていた。
あの虚は、致命傷を負ってもーー仮面を斬られても尚、別れた切り口を修復し、二体へ分裂した。
(推察するに、あの虚の能力は切り分けられた分だけ自分を分裂させるもの。つまり斬魄刀で対応するのは悪手!)「破道の五十四 廃炎!」
惣右介は即座にそう判断し、えなに対し虚の追撃が始まる前に、詠唱破棄の破道を唱えた。
紫がかった円盤状の衝撃波が放たれ、二体の虚へと着弾する。瞬間、対象を焼き尽くさんと燃え広がっていく爆炎。
炎に包まれながら絶叫し、暴れ狂う二体の虚の隙を突き、惣右介は瞬歩でえなへと近寄り、身体を抱き上げ後退した。
「えな五席、えな五席聞こえますか!?」
未だ暴れ狂う虚から決して目を剃らさず、惣右介はえなへと声をかけ続けた。
呼び掛けに何の反応も示さず、全身から力が抜けダランと垂れ下がった腕。貫かれた胸部と腹部からは止めどなく血が流れ出しており、それは惣右介の死覇装へと染み込んでいく。
半開きになった口からは鮮紅色の血が垂れており、虚ろな眼は何も映さない。
─悔やんだ。
もしあの時、もう少し早く声をかけていれば
もしあの時、刃が振り上げられた時点で鬼道を放っていれば。
そもそも、二手に分かれようなんて言わなければ。
(…いや、後悔は後だ)
燃え尽き灰へとなっていく虚の死に様を確認した後、惣右介は直ぐに応急手当へと移った。
自身の死覇装を引き裂き、傷口へと押し込むように布を当てる。痛みに呻き、暴れだすえなの身体を押さえ込みながら、流れ出す血を塞き止めるように強く、強く圧迫し止血する。その状態で首元に有る通信機の電源をつけ応援を要請した。
「こちら八番隊六席 藍染惣右介!
東流魂街37地区流厳1145地点にて、重傷者一名!
胸部、腹部からの多量出血、呼吸速く浅い、動脈は弱く速いです!
至急、四番隊からの救援をお願いします!」
そうして四番隊からの救援が来るまで、止血処置と回道をかけ続けたのだ。
増やしたオリキャラは削れば良いってバッチャンが言ってた。