~??? ソウゴ~
ーーあれ?何処だ、ここ?俺はさっきまで、バルバラと闘って…?
『そして、お前は負けた。ここは、お前の精神世界だ』
何処からか、荘厳な声が聞こえてくる。
ーー俺の精神世界…?てか、あんた誰だよ?
『こうして会うのは、初めてだったな。別世界の私よ』
ーー別世界の、俺…?それって、まさか…!
突如、目の前で銀色のオーロラが揺らめいたかと思うと、中から声の主が現れる。
『挨拶は必要無さそうだな?私よ』
ーーオーマジオウ…!
黄金の禍々しくも、荘厳なオーラを纏った魔王が。
『此の世界の私は、女に格好付けるために覚醒を促すか…。世界が変われば、その精神性も又然りというわけか』
ーー何を訳の分からないことを…!そもそも、何であんたがここに居る!?
『ふむ、本当に解らぬか?私の物語を観てきたお前が』
ーー…!俺が、オーマジオウになる未来が確定したって事か…?
『察しは良いが、少し違う。まだ、可能性の話だ。しかし、お前はこれから先の選択で覇道を取るか、王道を取るか…。それともそのどれでもない、お前だけの道を選ぶか。それにより未来は確定する』
ーー俺の選択…。
『私がここに来たのは、もう一人の私…。お前に力を与えるためだ』
ーー力って、俺はオーマジオウに成るつもりはない…!俺は、王様に成りたいわけじゃない…!そんな力は要らない!!
俺はただ、この世界を最高最善のハッピーエンドへ導きたいだけなんだから…。
『力は要らないか…。お前は随分と傲慢だな』
ーー俺が傲慢?何処がだよ!俺は最高最善のハッピーエンドを求めてるだけだ!オーマジオウのような魔王の力じゃない!!
『それが傲慢だというのだ。お前が、ハッピーエンドとやらを求めるのは自由だ。しかし、この世界の者達はお前にそれを望んだのか?』
ーーそれは…。でも、誰だって幸せに成りたいだろ…!この世界の物語は辛い思いをする人が、子供が多すぎる!だから俺はっ!俺、は…?
『誰もが幸福を願うか…。確かにそうだろう。だが、その幸福とは何を基準にする?誰が定める?まさか、お前か?』
ーー違うっ!俺はそんな独裁者のような真似、は……。
『気付いたか?』
そうだよ、何で考え付かないんだよ…。俺のこの願いは、ただの押し付けじゃないか…?人はそれぞれの基準に従って生きている。なら、俺が知っている物語を改変する事が本当に、最高最善のハッピーエンドに繋がるかなんて分からないじゃないか…。
ーーなら、俺のこの願いはなんだ?こんなの、俺自身が特大の厄ネタでしかないじゃないか…?
『その考えは、早計だな』
ーー…え?
『お前が何を望もうが、それはお前の勝手だ。…そして、何を成すのかもな』
ーーけど、それは傲慢な考えだって…?
『思考を捨て、それのみが正しいのだと、他者の言葉にも耳を貸さず、楽観的に突き進めばそれは傲慢だ』
オーマジオウは諭すように、語り掛ける。
『だが、お前は私の言葉を聴き今一度自身の願いに向き合い、考えを改めた』
ーーそれでも俺は、不安だ…。何が正しいのか、分からない…!
『ならば他者を頼ればいい』
ーーは?いや、だってこれは俺の問題で…。
『笑止!お前の周りには助けてくれる者達が居ないのか?居るだろう。苦しい時に苦しいと、助けてほしい時に助けてほしいと自分の弱さも吐き出せないような者に、何が救えるか!』
ーー…っ!あんたは…。
『一人で解決出来ないのなら、仲間を頼れ。その先に答えは出るものだ』
ーー…分かった。迷った時には皆を頼る。そうやって、俺の願いを成し遂げるよ…!
『では、これを受け取れ。どう使うか、そもそも使わないかはお前次第だ…。』
オーマジオウは俺に向かって手を翳す。すると、俺の手には一つのライドウォッチが握られていた。
ーーこれっ!?オーマジオウライドウォッチ!?
『力は力でしかない。問題はその力をどう扱うかだ。あの女神候補生とやらも言っていただろう?』
ーーあぁ、そうだったよな。…よしっ!切り替え完了だ!
『ならば目覚めるのだ。お前の仲間が待っている』
ーーなぁ、最後に一個聞かせてよ。あんたは今の自分に後悔はないか?
『ないな。我が覇道にそのようなものは』
ーー…そっか。なんか色々ありがとう!俺も後悔しないように頑張るよ!
『さらばだ、もう一人の私よ…』
意識が段々と遠のき、視界がボヤけていき完全に俺の意識は落ちていった。
『…あれ、多分ばれてたよね…。いける気がしてたんだけどなぁ…。』
オーマジオウの変身が解け、中から
『ま、あれだけ念押ししたし大丈夫でしょ。頑張ってね、こっちの世界のジオウ?』
最後に激励を送り、オーマジオウは消えていった。
オーマジオウになるか、オーマフォームになるか、どちらになるかは、もう少し未来のお話し…。