最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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vanitas vanitatum et omnia vanitas

 ~アリウス学園 カタコンベ出口~

 

 

 「…うん。周りには誰もいないね。ソウゴ、ここから一気に生徒会室まで走るよ?遅れず着いてきて」

 

 「分かった!」

 

 

 2人でカタコンベの出口から飛び出し、生徒会室を目指す。その中、ミツキは違和感を覚える。

 

 

 (おかしい…。いくらユスティナと全面的にぶつかり合ってるっていっても、学園の中に警備の1人も居ない…?)

 

 「ミツキ、あとどれくらいで着くんだ?」

 

 「あ、えっと、そうだね…。このまま行けば、もうすぐそこだよーー」

 

 「ーー裏切り者のお前が、会長の元に行けるわけないだろう?」

 

 

 ーガッ!バキィッ!

 

 

 「グッ!?ガハッ!?」

 

 「ミツキィッ!?」

 

 

 突然、横合いから何者かに頭を鷲掴まれ、殴り飛ばされるミツキ。そのまま壁に叩きつけられ崩れ落ちる。

 

 

 「う…。副、会長…?なんでこっちの事情を知ってーー」

 

 「黙れ」

 

 

 ーバキィッ!!グシャッ!!ドゴッ!!

 

 

 「イッ!?アガッ!ゴッ!?」

 

 「おいッ!止めろッ!?それ以上やると、ミツキが死んじまうッ!?お前、仲間だろうッ!?」

 

 「貴様は黙ってろ。これは裏切り者に対する罰だ。それに、この後は会長直々に粛清される予定だからな、死なせはせんさ?」

 

 「……ソ、ウゴ……副…ヤバい…。にげ……」

 

 「まだ喋れるか。……ふんッ!」

 

 

 ーゴキンッ!!

 

 

 「……ッ!アアァァアアアアアアッ!?」

 

 

 副会長と呼ばれた少女は、淡々と作業を行うようにミツキの左腕を持ち、折った。

 

 

 「…お前ぇぇッ!」

 

 「吠えるな。喧しい…。ミツキ、貴様もいい加減に黙ってろ」

 

 

 ーゴシャアッ!!

 

 

 「……あ…。ソ、ウゴ……。」

 

 「…やっと大人しくなったか。おい、貴様。この裏切り者の代わりに、私がお前を案内する。着いてこい」

 

 

 ミツキを力一杯殴り付け、気絶させ担ぎ上げるとソウゴに着いて来るように促す。

 

 

 「…なんなんだよ…?お前、ミツキの仲間なんだろう?なんで平気な顔して、そこまで滅茶苦茶できんだよ!?」

 

 「…さっきも言ったが、コイツは我々にとって既に裏切り者だ。そんなヤツに仲間意識など有るわけないだろう?…それにな、これも言ったが黙ってろ。貴様は、会長の元まで案内するように仰せつかったから手を出していないだけだ。分かったら、黙って、着いて来い」

 

 「…クソッ!」

 

 

 目の前の少女の異常性を見せ付けられ、気圧されて言うことに従うソウゴ。

 そのまましばらく歩くと、生徒会室と書かれた扉の前に着く。

 少女は扉をノックして、ソウゴを連れてきた旨を伝えると、扉の向こうから“入れ”、と声がして扉が開かれる。

 

 

 「失礼します。裏切り者の連行と、ご指名の男を連れて参りました」

 

 「良くやった、タツキ。…ほう、お前がソウゴか。会いたかったぞ?」

 

 「アンタは誰だよ…?それに、何で俺の事を知っている?」

 

 「ユスティナには常に眼を光らせているからな?敵の情報を集めるのは、基本だろ?」

 

 「…そうかよ」

 

 「それと私が誰か、だったな…。ここまで御足労願ったんだ、自己紹介といかせてもらおうか」

 

 

 玉座から立ち上がり、此方にゆっくりとした足取りで歩み寄りながら話し始める。

 

 

 「私は、このアリウス学園を治める生徒会長…。白洲 ヒイロだ。宜しくな?ソウゴ。…そうだな、ついでだ。タツキ、お前も自己紹介しろ」

 

 「はっ!アリウス学園生徒会所属、副会長の槌永(ついなが) タツキだ」

 

 (白洲に槌永ね…。流してたけど、ミツキは戒野って言ってたっけ…。なら、もしかしなくても未来のスクワッドの先祖ってことか…?)

 

 「おいおい?こっちは自己紹介したんだぞ?そちらも自己紹介し返すのが礼儀だろ?」

 

 「はっ!そっちはとっくに俺の事調べてんだろ?なら必要ないだろ?」

 

 「はぁ…。つれないねぇ~…。まぁ、いいさ。それじゃぁ、話をしようか?」

 

 「話し…?」

 

 「そうだ。単刀直入に言おう。ソウゴ、お前はこの私のものになれ。そうすればマトイは解放し、兵も退かせよう。なんなら、ユスティナには今後一切手を出さないと誓いを立てても良いぞ?」

 

 

 こちらにグイと、顔を近付けそう提案するヒイロ。その顔には薄い笑みを浮かべている。

 

 

 「……ふざけているのか?」

 

 「そんなわけないだろう?私は本気さ、ソウゴ…。私はお前というイレギュラーが気に入ったんだ…。愛してると言っても良い」

 

 「は…?愛…?意味が分からない…!俺達は初めて会ったし、会話するのも初めてだぞ…!?」

 

 

 まるで理解できないモノを見るような目で、ヒイロを見る。ソウゴは得たいの知れない狂気を感じていた。

 

 

 「……vanitas vanitatum et omnia vanitas」

 

 「…なに?」

 

 「全ては虚しい。どこまで行こうとも、全てはただ虚しいものだ…。アリウスの教義だ。そう、この世は空虚で伽藍堂だ…。私にとって、この世界は地獄と同義だったーー」

 

 

 だが、と前置きし続ける。

 

 

 「そこに現れたのが、お前さソウゴ!突如としてユスティナに姿を現し、日に日にユスティナ聖徒達の心を癒し、支え、変革して見せたっ!それのなんと胸を焦がした事かっ!」

 

 

 恋に恋する乙女のように、頬を染め両腕でその身を抱く。

 

 

 「私は何時しか、お前に焦がれていた!憧れた!側に置いてもっと知りたいと思った!!己が宗派の教えを忘れ、学園の統合等と叫ぶ痴れ者共に辟易していた中に舞い降りた、お前という光りを…!!」

 

 

 言葉を紡ぐ度に、その熱量と狂気は増していく。

 

 

 「学園を統合し平和をもたらす。確かに一時は平和にもなろう…。しかし、未来は?私達が卒業し、去った後は?誰がそれを保証する?どれだけの善意と祈りを捧げ成し遂げようとも、必ず何時しかそれは歪み、捻れて、歪な存在へと変わっていく…!何故、ここの連中はそれが解らない…!?」

 

 「…そんなの、皆がそれでも未来に希望を抱いているからだろ!ヒイロの言うことも解るけど…!それでもって、叫ぶことを辞めたらそれこそ虚しい未来しか待っていないじゃないか!!」

 

 「……あぁ…。やっぱりだよソウゴ…。お前は眩しいなぁ…?…マトイには言ったが、歪な未来を後輩たちに遺すくらいなら、私達アリウスがその未来を潰し、統治し、これまで通りの日常を与えてやるつもりだ。未来を護るために」

 

 「…ヒイロの想いは理解したよ。けど、やっぱりその想いは肯定出来ても、手段は肯定出来ない…!!俺は、例えどんなに未来が暗くても、抗って、手を取り合ってより良い未来を創ることを望む…!!」

 

 (…全てを否定せず、想いは肯定してくれるか…。やはり、ソウゴならば、或いは…。)

 

 

 ヒイロは自身の胸に拡がる、暖かな熱に浮かされたように言葉を紡ぐ。

 

 

 「ならば示してくれ、この私にッ!未来は虚しく等なく、希望を持って歩んでいけるのだとッ!君の眩しさに眼と心を焼かれた私に、教えてくれッ!!」

 

 「きっと言葉で解り合えるって、手を取り合えるって教えてやるさッ!拗らせ過ぎた分らず屋のヒイロにさッ!!」

 

 

 ージオウ!ー

 

 

 「変身ッ!!」

 

 

 ーカメ~ンライダ~!ジオウ!ー

 

 

 「それがジオウ…!ソウゴという王の力か…!!」

 

 「違うッ!笑顔を護り、誰かを救うための力だッ!!」

 

 「どちらでもいいさッ!!さぁ、始めようッ!この学園の未来を懸けた戦いをッ!!」

 

 

 未来を想う者同士の戦いが、幕を開けた。




 次回、最高最善のハッピーエンドはーー。

 「その程度では、私に響いてこないぞッ!ソウゴォッ!」

 「未来を創るのは、お前も含めた皆の想いだぁーーッ!」

 「信じています、勝って下さい…!ソウゴさん…!」

 「なに…?意識が…?」

 「ふむ。まだ動かし辛いですが許容範囲内でしょう…。さぁ、試運転と行きましょうか?」





 ※内容は変わることもありますので、御容赦を!

皆さんに唐突な質問なんですが、ブルアカにベアおばって居るじゃないですか?皆さん的にはベアおばの最期について、アンケートを取らせて下さい!

  • 未来永劫救われない
  • 光堕ち
  • 作者の好きにせい
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