最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 ぐだぐだ回、或いはギャグ回。

 感想を送ってくれる方、本当にありがとうございます!次の展開を考えている時に、迷っている時などヒントを頂いたり出来ています!
 どんな意見であっても、今はただ感想に感謝を…!


ぐだぐだはディナーの後で

 ~アリウス学園校庭~

 

 

 「諸君っ!突然の開戦から、終戦まで振り回してすまなかったっ!ここに正式に、アリウス生徒会長である白洲 ヒイロが謝罪するっ!誠に申し訳なかった…!」

 

 

 校庭に集まったアリウス生徒達とユスティナ聖徒達は、今までのヒイロを知っている分、自分達に向かい頭を下げるヒイロに戸惑いを覚えざわめきが起こる。

 

 

 「…アリウス生徒の諸君が驚くのも分かる…。そして、ユスティナ聖徒の諸君が戸惑い、君達の長を拐った私を許せないのも分かる…。」

 

 

 おもむろに、下げた頭を上げ語り出す。普段の芯の通った強い瞳ではなく、不安に揺れる瞳で。

 

 

 「私は不安だった…。学園の平穏を守る為に各学園を統合する…それ自体は良い。その中でも各宗派の自由は守られる…これも良い。しかし、今この時代の私達がどれだけの祈りを込めて平和を築いても……未来では?自分達が居なくなった後の世代ではその願いは正しい形で存在するのか?」

 

 

 ただ己の心の内を吐露する。

 

 

 「…いずれ先の世代では、表面上だけを取り繕い、内面ではお互いに上下関係を付け合い、弱者を糾弾し排斥する…。そんな未来になるのでは?…宗教間の問題は、そんなに簡単なものではない。…だから、私は抗ったのだ。全ての者が盲目的に未来を信じるのではなく、誰かが否と唱えその危険性を知らせる者が必要だと…。」

 

 

 アリウス生徒もユスティナ聖徒も黙って話を聞き続ける。

 

 

 「私は待った。私のこの不安を、弱さを否定し未来に希望はあるのだと教えてくれる誰かを…。」

 

 

 先の戦闘で痛みふらつく身体をそっと、マトイとソウゴが支える。そんな2人に柔らかい笑みを浮かべ続ける。

 

 

 「…そして抗い続けた私はいつしか摩耗し、疲れ果てていた。どれだけ戦い続けても、望む結果を得られない。それが私の只の独善、自己満足でしかないと解っていても止まれなくなっていたから…。」

 

 

 自分を支えてくれる2人の手を握り、その暖かさに欲しかったものを自分はやっと得られたのだと、実感し紡ぐ。

 

 

 「だが、凝り固まり最初の想いすら忘れかけていた私はやっと出会えた。私の願いを叶えてくれる人を…。彼がそうだ」

 

 

 ソウゴへ顔を向け微笑むと、彼も笑い返す。…あぁ、私は答えを得た。もう、大丈夫だ…。

 アリウス生徒は誰だ?と首を傾げるが、ユスティナ聖徒達は“あぁ、ソウゴさんね。なら納得だわ。てか、アリウスの生徒会長すら絆すとかマジパネェっす…!”とソウゴへの株が更に上がった。

 

 

 「よって、白洲 ヒイロは宣言する。今この時を持って、アリウスはユスティナとの一切の戦闘行為を止め、彼女達と同じ戒律の守護者になると!未来の未だ見ぬ世代に、希望を紡ぐ者となると!!」

 

 

 その宣言に、マトイは“はぇ?え、私聞いてない!?聞いてないですよヒイロさん!?”と白眼を剥き、タツキは、キラキラとした眼で“会長~!カッコいい!!一生、着いていきます!!”と内心で叫び、ミツキは“ま、ソウゴ達と敵対しなくていいならなんでもいいや”と受け入れ、ソウゴは“なんか、いける気がするっ!”と笑っていた。

 

 

 「え、私ら戦うことしか能がないのに…」

 

 「守護者とか、難しいこと出来るかなぁ…?」

 

 「会長の想いは伝わったけど、そんないきなり言われても…」

 

 「それに会長は信用してるみたいだけど、あの男って本当に信用出来るの…?」

 

 「怪しいよね?」

 

 「会長、洗脳でもされてるんじゃ…!」

 

 

 アリウス生徒達の間には混乱が巻き起こる。そこに、ユスティナ聖徒達が声を掛ける。

 

 

 「アリウスの皆っ!ソウゴさんは信用出来るよっ!」

 

 「一緒に過ごしてたら、あの人の優しさに癒されるしっ!」

 

 「マジ推せるしっ!」

 

 「私的には、アリウスの皆が一緒に守護者になってくれたら心強いよっ!」

 

 「そうだよっ!一緒に手を取り合おうっ!ほら、握手から始めようっ!」

 

 「ユスティナを癒し、アリウスも癒すイケメン……。嫌いじゃないわッ!!!嫌いじゃッ!!!!ないわッ!!!!」

 

 「お前そんなヤツだったっけ…?」

 

 「たま~にその娘、変な電波受信するのよね…。その状態の時は妙にクネクネしだすし」

 

 「なにそれ恐っ…」

 

 

 アリウス生徒達とユスティナ聖徒達が1人、また1人と手を繋ぎ、ユスティナ聖徒達の説得により少しずつ混乱が治まっていく。

 

 

 「…まぁ、不安がっててもしょうがないよな?」

 

 「それに、未来を守るってよく考えたらメッチャカッコよくない?」

 

 「だよねっ!ユスティナの娘達も良い娘だし、あの男の人もよく見るとカッコいいし?会長倒しちゃうくらい強いなら、お近づきになるのも良いかも?」

 

 「でも、あの人って会長のお気に入りでしょ?私達じゃワンチャンなくない?…ばにたす…。」

 

 「あれ?あたしらってこんな俗っぽかったっけ…?」

 

 「まぁ、皆余裕無かったしねぇー。」

 

 「このカオスっぷりには、私が泣いた…!」

 

 

 先程までの不穏な空気は何だったのかと言いたくなる程、和気藹々とした生徒達を見て、ヒイロは穏やかな顔で呟く。

 

 

 「…皆が笑っている。…そうか、手を取り合い心からの気持ちを伝える。こんなにも簡単なことだったんだな…。」

 

 「ヒイロさん…。その、先程の守護者の件は…?」

 

 「ん?本心さ。私はソウゴに答えを貰った。なら、私の感じていた不安が未来への祈りを阻む理由にはならない。これからは、私も君らと共に祈り、歩きたい…。いいかな?」

 

 「はいっ!私達ユスティナは貴女方を歓迎しますっ!宜しくお願い致しますねっ!」

 

 「あぁ、宜しく頼む。…時に物は相談なのだが、我等の和解を祝して今から親睦会を開かないか?」

 

 「いいね!それ!やろうよ、マトイ!」

 

 「そうですね。では、皆で準備をして今日は親睦会と致しましょうか?」

 

 「そうこなくちゃっ!皆~っ!今から親睦会を始めようと思うんだっ!準備するから手伝ってくれ~っ!」

 

 

 ソウゴが大声で呼び掛けるとあちらこちらから、賛同の声が返ってくる。

 

 

 「じゃぁ、準備しよっか!タツキとミツキも手伝ってくれる?」

 

 「いいよ。私はご主人様のモノだしね」

 

 「わ、私も構わないぞ…!」

 (声かけられちゃったっ!しかも名前覚えてくれてるっ!)

 

 「ありがとう2人とも。…ミツキは後で覚えてろよ」

 

 「「ソウゴ(さん)、ミツキ(さん)の事で話があるから逃げないで下さいね?(るなよ?)」」

 

 「俺は悪くないのに…!」

 

 

 そんなこんなで親睦会が始まり、アリウスもユスティナも関係なく一様に笑顔で語り合い、楽しんでいる。

 日も落ちて、校庭でBBQして親睦を深める。これも立派な青春ではなかろうか。

 

 

 「うぅ…!マトイ様ぁ~っ!バルバラは役立たずですぅ~っ!」

 

 「泣かないのバルバラ…。私は気にしていませんから…!」

 

 「わ"た"し"は"っ!聖女な"の"に"っ!マ"ト"イ"様を"お救いできな"く"て"~っ!わ"ぁ~んっ!」

 

 「…。なぁ、これジュースだよな?お酒とかじゃないよな?」

 

 「その筈だが…。聖女殿も溜まっているものがあるのだろうさ。……本当にただのジュースだよな…?」

 

 「ソウゴ兄様っ!お肉焼けましたよ?ベアトが食べさせて上げますね?」

 

 「ありがとう、ベアト。けど、自分で食べられるから遠慮するね?」

 

 「そ、ソウゴさん…。野菜もどうぞ…。」

 

 「ありがとう、タツキ。…こう言ったらなんだけど、タツキって恐い人なのかなって思ってたけど、優しい人なんだね。勘違いしてて、ごめんね?」

 

 「い、いえっ!その、こちらこそお褒め頂き、ありがとうございましゅっ!…噛んじゃったぁ~っ!」

 (ソウゴさんに褒められて嬉しいのと、噛んで恥ずかしいのとで、頭が沸騰しそうだよぉ~っ!)

 

 「あはは…。あれ?そういえば、ミツキの姿が見えないけど…?どこ行ったんだろ?」

 

 「ん?あぁ、ミツキなら…ほれ。ステージを見てみろ」

 

 「いつの間にステージが…?」

 

 

 ヒイロに促され仮設ステージに眼を向けると、そのタイミングでミツキが小走りでステージの上に現れた。

 ……アイドル衣装で。

 

 

 「みんな~っ!盛り上がってる~っ!?みんなのアイドル~!ミーたんだよっ!」

 

 「お前、マジでキャラ定めろよ?キラッキラの笑顔とポーズなんなんだよ?俺達の前では割りとダウナー系気取ってたろ…!」

 

 「ふくくっ!あれはな?勝手に裏切った事と、ソウゴをご主人様扱いしていることに対する罰だよ。散々拒否していたが、なんだノリノリじゃないか?」

 

 「会長、恐らくあれは自棄になってなりきっているだけかと…。」

 

 「ソウゴ兄様っ!ベアトも、ああいうフリフリの衣装を着て、兄様だけのアイドルになってあげますねっ!」

 

 「うん。ベアトのその気持ちだけ、貰っておくね?だから、実際にはしなくていいからね?」

 

 「ソウゴ兄様ったら、謙虚なんですから~!…でも、見たくなったら何時でも言って下さいね?」

 

 「……ソウゴ、お前の妹を名乗るコイツは誰なんだ?」

 

 「あ、あぁ、彼女はベアトリクス。今は俺のお世話をしてくれてて、まぁ色々あって妹(仮)になったんだよ」

 

 「ソウゴ兄様の妹(真)のベアトリクスです。宜しくお願いしますね?ヒイロさん…?」

 

 「あ、はい…!宜しく頼むよ…?」

 (笑顔の圧が凄い…。)

 

 「ベアト?皆さんにご迷惑をお掛けしてはいけませんよ?」

 

 「マトイ様、マトイ様。ソウゴ兄様の周りには、沢山の女の方がいらっしゃいます。そんな引け腰では、その他大勢の中に埋もれてしまいますよ?」

 

 「そ、そんな話はしていないでしょうっ!?それに、私はソウゴさんと確かな絆を育んでいますし?なんなら、バルバラの次に出会ったの私ですし?そんな事で焦る事はーー」

 

 「始まりの時点で2番目じゃないですか。今のままなら、マトイ様は予選落ちですねっ!うふふっ!」

 

 「……ソウゴさ~んっ!ベアトが苛めますっ!私の事、捨てないで下さい~っ!うぁ~ん…!」

 

 「しゅ、収集がつかない…!!」

 

 

 ヒイロやタツキから憐れみの眼を向けられながら、なんとかこのぐだぐだな空気を変えようと、口を開きかけた時、更なる燃料が投下される。

 

 

 「…ソウゴっ!わらしを抱けっ!!」

 

 「……はい?」

 

 「「「「……あ?」」」」

 

 「わらしは、きめらぞっ!ソウゴのおくひゃんになりゅことをっ!」

 

 「いや、いやいやいやっ!?何処からその考えに至った!?ちょっと冷静になれっ!?」

 

 「……ふむ。理由か…。私がお前を求めるのに、惚れて、自分をお前の色に染めて欲しいと想うだけでは駄目か…?」

 

 「うわっ!?急に冷静になるなよっ!?……というか、バルバラって俺の事好きだったの?」

 

 

 バルバラのカミングアウトに、マトイにベアトは絶対零度の瞳を、ヒイロは先を越されたという顔を、タツキは顔を真っ赤にして頭から煙を噴いている。

 

 

 「あぁ、やはり気付いていなかったか。…まぁ、私もベアトがマトイ様をせっつかなければ、私自身の気持ちに気付いていなかったからな」

 

 「えっと…?」

 

 「難しい事じゃないさ。要は、私はソウゴにこの身を捧げたいと思っているということさ」

 

 「バルバラ…。」

 

 

 バルバラの想いに言葉を失っていると、更なるカミングアウトが重なる。

 

 

 「ちょっと待ってください!バルバラ様だけ抜け駆けとか、ズルいですっ!ソウゴ兄様?ベアトも貴方を愛しています…。私も貴方の側に一生置いて下さい…!」

 

 「バルバラにベアトまでっ…!?うぅ…っ!……ソウゴさんっ!私、秤 マトイも貴方をお慕いしておりますっ!貴方と共にこれからを歩ませて下さいっ!!」

 

 「マトイにベアトも…!?」

 

 「何を驚く?ソウゴ。お前を知り、触れ合い、語り合えば……ソウゴを知れば知るほど惹かれるのは道理だろう?かくいう私もその1人だ。…その、一番でなくてもいいから、私も愛してくれると……嬉しい…。タツキっ!お前も思っていることを伝えろっ!」

 

 

 ヒイロは恥ずかしくなったのか、タツキへ話を振る。

 

 

 「はぇ?……え、えぇぇぇぇっ!?わ、私は別にそんなっ……いえ、ソウゴさん…。私は他の方に比べれば、大した理由はありませんが…。貴方の戦う姿に、その想いの強さに惹かれました。……恋仲でなくても構いません。ただ、お側に居させて下さい…。」

 

 「ヒイロ…タツキ…。」

 

 「私の事忘れてない?ご主人様?」

 

 「まさか…?」

 

 「うん、私も。付き合いは1日にも満たないけどさ。でも、人を好きになるのって、理屈じゃなくない?あ、因みにソウゴが嫌がっても付いていくから。この気持ちは否定させないよ?」

 

 「否定なんかしないし、出来ないよ…。そっか、俺の事をこんなに思ってくれてる人がいるんだな…。皆!おれ、真剣に考えたいから時間をーー」

 

 

 考える時間をくれ。そう言おうと口を開く前に、バルバラとヒイロに両脇を固められる。

 

 

 「あの、バルバラさんにヒイロさん…?これは一体…?」

 

 「ん?あぁ、気にするな。ちょっとな?」

 

 「そうそう。ちょっとな?なぁ?皆…?」

 

 「…っ!そ、そうですね。えぇ、ちょっと。ちょっとですね!ねぇ?ベアト?」

 

 「はいっ!ちょ~っとだけですねぇ~…。……じゅるっ!」

 

 「はわわ…!はわわわわわ…!よ、よしっ!頑張れ私っ!」

 

 「ま、取り敢えずさ?ソウゴーーーー」

 

 「「「「「「ちょっとお時間、頂きますね?」」」」」」

 

 「……止めろ…!離せっ!お前ら笑顔だけど、眼がっ!眼が獲物を刈る眼になってるからっ!」

 

 「はいっ!ベアト、ソウゴ兄様を襲いますっ!」

 

 「……嘘でしょ?」

 

 

 脇を固められたまま、引き摺られていくソウゴ。その後を、ギラついた眼をした少女達が続いていく。

 余談ではあるが、翌日の昼頃にソウゴ達は起きてきて、皆一様に寝不足気味だったらしい。

 

 

 「……はい。皆の事はちゃんと幸せにします…。こうなったからには、絶対に離さないから覚悟しておけよ?」

 

 「「「「「「……はいっ!!旦那様っ♪」」」」」」




 はい。正直、一番最後がやりたかったんです。私の考えるハッピーエンドには必要なので…!(過酷顔)
 ぼちぼち、ユスティナ編も終わりに入っていきます。仕事の関係で更新速度は落ちるかもですが、物語を止めないように頑張ります!
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