最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 前回はブルアカのバッドエンドスチル回みたいな感じです。
 しかし、あれは夢ではなく一度本当に起こったことです。それを踏まえた上でソウゴ君がどういう選択をするのか、続きをどうぞ!


人は誰でも光りになれる

 ~ソウゴ宅 寝室~

 

 

 ーーソウゴさんっ!

 

 (誰かが呼んでる…。)

 

 ーーソウゴっ!

 

 (止めてくれ…。俺はもう辛い現実を見たくないんだ…。)

 

 ーーソウゴさんっ!

 

 (止めてくれよ…。アイツらの声で俺を呼ばないでくれ…!)

 

 ーーう~…っ!ぱ~ぱ~っ!!

 

 ーぺち~んっ!

 

 (あ痛っ!……え、もしかしてこれって…!)

 

 ーガバッ

 

 「あうっ!?…ぱ~ぱ?おはおう~」

 

 

 頬に走る痛みに、勢いよく上半身を起こすとそれに驚いて転がったらしいサオリが、俺の腹の上で朝の挨拶をする。

 その姿を見た瞬間、どうしようもない感情に支配されサオリを抱き締める。

 

 

 「……サオリっ!!」

 

 「んきゃっ!?…ぱ~ぱ?よちよち」

 

 「暖かい…現実なんだ…。良かった……!」

 

 「ソウゴさん、凄く魘されていましたよ?夢見が悪かったのですか?」

 

 「…マトイ……うん。スッゴく嫌な夢を視ていたよ…。」

 

 (…夢ではない。あれは現実に起こったことだ)

 

 (…!?オーマジオウ…!?あれが現実って……あんな苦しみが、絶望が、俺を支配した闇が全部現実…?)

 

 

 ソウゴは自分を支配したあらゆる負の感情を思いだし、心臓の鼓動が速くなり、背中に冷たい汗が伝う。

 

 

 「…だあぁぁうっ!!」

 

 ードゲシッ!

 

 「ごはっ!?ア、アズサ?なんで急にヒイロの腕から飛び蹴りを…!?」

 

 「だうっ!ぱ~ぱっ!うきゃうい~っ!!…めっ!!」

 

 「な、なに言ってるか分からないけど、滅茶苦茶怒られてる…?」

 

 (…ふむ。その娘にはお前が、負の感情に流されて塞ぎ込みそうになっていたのが理解できているようだな)

 

 「…アズサ、もしかして励ましてくれてるのか?」

 

 「んいっ!」

 

 

 ふんすっ!と、(ᓀ‸ᓂ)例の顔で父親を鼓舞する娘はそのまま、ソウゴに抱き付き甘えだす。

 

 

 「ん~…ぱ~ぱ…むふ~!」

 

 「…ありがとう、アズサ。ちょっとやり方はヴァイオレンスだけど、お陰で気合い入ったよ…!うりうり~っ!」

 

 「きゃあ~!」

 

 「う、うん?急にアズサが飛び出してソウゴに蹴りを入れたと思ったら、今度は遊びだして…?」

 

 「サオリにいたっては、抱かれたまま寝息をたててるし…。こんだけ騒いでるのに、将来は大物になるかもな…。」

 

 「あ、他の子達もソウゴに群がっていった。ミーたんを独り占めとか良くないよソウゴ?」

 

 「ヒヨリちゃんが……ご飯の途中で…?あ、あぁ…!ど、何処か調子が悪いんじゃ…!」

 

 「タツキさんっ!大丈夫ですって!ほら、よく視て下さい!ちゃんと片手に哺乳瓶持って行ってますから!…あれ?アツコ?貴女なんか光ってません…?」

 

 「ぱ~ぱっ!あいっ!あげうっ!」

 

 「ん?これって…!なんでアツコが…!?」

 

 

 子供達が集まってきてワチャワチャと揉みくちゃにされていると、アツコの身体がうっすらと光ったと思うと、こちらにライドウォッチをその小さな掌に乗せて差し出してきた。

 

 

 「……ジオウIIライドウォッチ。アツコ?どうして、これを持ってたの?」

 

 「…んう?」

 

 「分かんないみたいだね…。」

 

 『……すみません。やっぱりそれも、私が関わってます…。あ、いえ今回は間接的にですよ…?』

 

 「ツ、ツムギ様…。また貴女ですか…!?」

 

 『あはは…。すみません…。その、私とマトイさんの関係って前に話しましたよね?それ関係です…。』

 

 

 アツコがソウゴに差し出してきたジオウIIライドウォッチ…。正確にはその半分。D'3サイド側だけではあるが、それにツムギちゃんが関係しているらしい。

 

 

 『えぇっと…。マトイさんもかなり特異体質で、私と親和性が高いと思ってたんですが、アツコちゃんは更にその上をいく親和性を持ってるみたいで…。……正直、私とほぼ変わらない力を持ってます…。』

 

 「……な、なんですってぇぇ~っ!?」

 

 「まーま。うるしゃい…。」

 

 「じゃあ、このウォッチもその力を使って生み出したってこと?」

 

 『正確には、貴方を想う奥様方と子供達の心がアツコちゃんを通して形になった。そういう感じです。いや~ソウゴさんは、愛されてますね~!』

 

 「皆の心が…。」

 

 

 ウォッチを改めて見てみると、そこから皆の想いが流れ込んでくる。

 

 

 (もう一人の私よ。誰の心にも闇はある。だが、それと同時に人は誰でも光りになれる可能性も秘めている)

 

 (誰にでも闇はあり、誰でも光りになれる…。)

 

 (そうだ。…お前が己の闇を受け入れることが出来た時、新たな力を手にすることが出来るだろう。最低最悪の魔王となるか、最高最善の存在になるか。全てはお前の選択次第だ)

 

 (うん、きっと乗り越えて見せるよ。妻や娘にカッコ悪いとこ見せられないしね!……それに、ベアトを救わなきゃいけない。俺の愛するもう一人の奥さんをさ)

 

 (ならば、もう私からは何も言わん。お前を救うのはこの一回キリだ。次に最低最悪の魔王になった時は、黙ってそれを受け入れろ…。さらばだ…。)

 

 

 オーマジオウは……いや、常磐 ソウゴはそう言って俺との会話を終え、気配が消えた。

 ……やっぱり貴方は最高最善の魔王だと、俺は思うよ。チャンスをくれて、ありがとうございます…!

 

 

 「……皆。今から大事な話をする。…正直、凄くショックな話になる。聴いてくれるか?」

 

 

 

 ソウゴは子供達を寝かし付けた後、妻達に自分の体験した事を話した。

 

 

 「…そんな、ベアトが乗っ取られて……っ!?」

 

 「しかも、その状態で私達や子供達まで手にかけるとは……っ!!」

 

 「……酷い…人間のやることじゃないですよ…っ!!」

 

 「……絶対に止めなきゃ…っ!!」

 

 「でも、先ずは…。」

 

 「「「「そうですね/ああ/はい/うん」」」」

 

 

 ヒイロの言葉に妻達は顔を見合せ頷き、ソウゴに向き直る。

 

 

 「「「「「貴方を一人遺して逝ってしまい、ごめんなさい…っ!」」」」」

 

 「なんで…?なんで皆が謝るんだよ…?俺が、守らなきゃいけないのに……守れなかったんだぞ?……謝るなら俺の方じゃないか…っ!!」

 

 「それは違いますよ?私達は貴方と歩むと決めた。貴方の後ろではなく、隣で歩くと決めたのです」

 

 「貴方を支え、守り守られ…。そんな明日を選んだんだ。決して貴方一人を孤独にするための選択なんて、していない」

 

 「貴方の手が塞がっている時は、私達が代わりになります…。貴方が辛く、苦しい時は私達がそれを一緒に背負います」

 

 「自分一人でなんでもやらなきゃいけないなんて、思わないで?貴方は一人じゃない…。私達がいるから…頼ってよ?」

 

 「病める時も健やかなる時もって、あの日誓ったろ?……愛する貴方を置いて逝くなんて、そんなの妻失格さ…。」

 

 

 ……あぁ、そうだよ。何度間違えれば気が済む?俺は、一人なんかじゃないし、彼女達は守られるだけの存在じゃないだろ…。

 ……俺の中にある闇も、彼女達は照らしてくれる。彼女達や子供達が俺の光なんだ…っ!なら、もう俺の負の部分なんて恐くないっ!!

 俺はマトイ達をまとめて抱き締め、感謝を伝える。

 

 

 「皆…!ありがとうっ!俺はもう大丈夫だっ!!」

 

 

 俺の腕の中で照れ臭そうに笑う、彼女達を見てお願いをする。

 

 

 「皆、ベアトを取り戻す為に力を貸してほしい。…きっと今ならまだ、ベアトリーチェは力を蓄えきれていない。皆で家族を取り戻そうっ!!」

 

 「「「「「はいっ!!」」」」」

 

 『そう言うことなら、俺達の力も使いな?』

 

 

 虚空から声が響いたと思ったら、マトイ達に渡していたライドウォッチが目の前に飛び出して光を放ち、それぞれの手に収まる。

 

 

 ーゴーストッ!

 

 「ゴースト…?幽霊です?」

 

 

 マトイにはゴーストライドウォッチが。

 

 

 ーアギトッ!

 

 「私のはアギトと言うのか」

 

 

 シオリにはアギトライドウォッチが。

 

 

 ーブレイドッ!

 

 「私は剣か。使いこなしてみせるさ」

 

 

 ヒイロにはブレイドライドウォッチが。

 

 

 ーエグゼイドッ!

 

 「えらくカラフルになりましたね~…。」

 

 

 タツキにはエグゼイドライドウォッチが。

 

 

 ーデンオウッ!

 

 「……何となくだけど、私のヤツだけ面倒臭そうな感じがする」

 

 

 ミツキにはデンオウライドウォッチが収まる。

 

 

 『へっ!今から敵の所にカチ込むんだろ?なら、俺達が力を貸すぜッ!』

 

 『まったく…先輩はいつも通り、後先考えず行動するんだから…。ところで、君たち?僕に釣られてみない?』

 

 『こらっ!人妻にまで手ぇ出すんやないっ!…すまんなぁ…。』

 

 『わ~い!わ~い!久し振りに一杯暴れられそう~!』

 

 「……ほら、やっぱり私のだけ変なのじゃんっ!!」

 

 

 ミツキの発言にイマジン達が反応し、騒がしくなるが話が進まないので割愛する。

 

 

 「…えっと、先輩ライダーの皆が力を貸してくれるって事でいいの?」

 

 『うん、ここに居る人達と相性の良い俺らしかいないけどね。俺のゴーストの力、存分に使ってよ!』

 

 「はい、この力お借りします…!」

 

 『俺のアギトの力も、きっと役に立つ筈だからさ。大事な人、救ってあげてね!』

 

 「あぁ、必ず…!」

 

 『君からは運命に抗う意思を感じた。それが認められない運命なら、この力で切り開けっ!』

 

 「運命か…。ソウゴを苦しめた運命は、私が切り裂くッ!」

 

 『僕の力は、色々応用が効く筈だからその力で皆を助けてあげて下さい。協力すれば、攻略できないステージはありませんから!』

 

 「はいっ!ありがとうございますっ!」

 

 『…ミツキって言ったか?いいか、教えといてやるが、戦いってのはなぁ……ノリのイイ奴が勝つッ!』

 

 「くそ…!その理論には悔しいけど賛成だよ…っ!」

 

 『あぁ~…。何となくこの娘と相性がいい理由が垣間見えたかも…?』

 

 

 各々と相性が良いライダーが力を貸してくれるからか、早くも打ち解けているみたいだ。

 うん、これなら…いける気がするッ!!

 

 

 「よしっ!皆で家族を取り戻すぞっ!先ずは作戦を立てよう。ツムギちゃん、聞こえる?」

 

 『はいっ!聞こえてますよっ!』

 

 「お願いがあるんだけど、ツムギちゃんならベアトの居場所が分からないかな?」

 

 『お任せ下さいっ!…少々お待ちを…。』

 

 「俺達は今の内に作戦を考えよう。先ずはーー」

 

 

 ベアト…!絶対にお前を取り戻すからなッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…っ!…ぐ、うぅっ!兄、様…ッ!!……ッァアアアアッ!!』

 

 『……忌々しい。まだ完全には堕ちませんか…!ですが、この感じだと完全に馴染むのは時間の問題…。その時こそベアトリクス……地獄を楽しみなさい?』

 

 (私は負けないッ!家族の元に帰るんだッ!!)

 

 

 ーー零れ落ちる砂は止まらない。




 ライドウォッチの配布理由と紹介。

 マトイ(ゴースト):一番の理由は名前由来。マトイは纏いと読む。名は体を表すと言うように、ツムギと相性が良いのもここから来ている。
 後はタケルがマトイの信心深さに、宗教の違いはあれど共感した為に力を託すに至った。
 結婚して家庭に入り、組織の長という心労から解き放たれた。その為、持ち前の優しさと思いやりが家庭に集中した結果、皆のお母さん的存在になる。
 相変わらず弄られる事が多いが、母性は断トツにトップであり、よくソウゴを甘やかす。趣味はアツコと花壇に花を植えること。

 シオリ(アギト):フィジカル押しで戦う超インファイター。持ち前の神秘を制御する技術が高いお陰で、どんな武器でも巧みに操る。それはそれとして、結婚して実は料理スキルが開花した部分に共感した翔一が他を抑えて参戦した。

 ヒイロ(ブレイド):ヒイロはかなりのアンチバニタスなので、不幸な運命が待ち受けるなら全て切り開く系お母さんとして、運命と戦う戦士とマッチした。

 タツキ(エグゼイド):結婚して母になり、昔の狂暴さはすっかり無くなったが、ソウゴ絡みで問題が起こればスイッチが切り替わり、大切な者が出来た分昔より手が付けられなくなる。それはそれとして、どんなにキていてもヒヨリの腹ペコを感知すると、優しいお母さんに戻る。
 そんな優しさと、激しさを持つタツキにスイッチの切り替わり方が自分と似ているし、優しい時には何処までも相手のために尽くす心に共感した。

 ミツキ(電王):基本的にはダウナー系(笑)。その場のノリに合わせてキャラがよくブレるのと、楽しい事が好き。ソウゴは人生で一番好き。
 要は色んな型に嵌まらない性格とノリの良さが、イマジン達とマッチした。
 結婚して母になり、永遠のミサキ推しになった。
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