最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 バルバラがソウゴ君に絆される回です。
では、どうぞ!


幕間(ユスティナ編)
不思議な不審者


 ーーーユスティナ聖徒会 教会中庭ーーー

 

 「あ、あの…?急に叫ばれて、どうされました?もしかして、何処かお具合でも…。」

 「貴様ァッ!」

 ガンッ!と後頭部を殴られ、俺は訳も分からず倒れ伏す。

 

 「バルバラ!?何をしているの!?」

 「会長!不用心です!不審者に近付くとは!貴様ァッ!奇声をいきなり上げて、会長を威嚇するとはいい度胸だ!!ここで死ね!!!!」

 「ち、違…。俺は、そんなつもりは…。」

 「待ちなさい、バルバラっ!私は何もされていません!それに、相手の話しも聞かずに命を奪うなど、私は許しませんよ!?」

 

 頭の痛みが激しく、ボヤける視界の中で俺は必死に訴え掛ける。が、頭が上手く回らず言葉が続かない。

 しかし、会長と呼ばれた女性がバルバラの腕を掴み、その凶行を止めさせようと声を荒げる。

 

 「ですが、会長!?」

 「会長命令です!今直ぐに彼を手当てして、安静にさせなさい!!」

 「っ!……分かりました」

 「それと、手当てが終わったら部屋で休ませてあげるように。後で私もお話をしに行きますから」

 

 不承不承といった雰囲気で、俺を肩に担ぎ上げ運んでいくバルバラ。俺は揺られながら、段々と意識を手放していった。

 

 

 ーーー時は進み、現在ーーー

 

 「何でだよぉ~!?」

 

 俺は目を覚ますと、薄暗い牢屋の中に寝かされていた。

 

 「喧しいぞ!不審者が、我等に拷問されず五体満足でいられるだけで奇跡なのだ!感謝しろ!!」

 「いや、拷問を受けないのは有り難いけど!あの会長さんは、牢屋に入れろって言ってなかったじゃないか!?」

 「会長はお優しいからな。だが、私は違う。あの方を御守りするため、貴様のような得たいの知れない者を野放しになどしない。それが、私が自身に課した聖女バルバラとしての在り方だ」

 「(現状が)最っ悪だぁ~!?」

 

 ドヤ顔じみた表情で此方を見下ろす、聖女バルバラ。俺はその顔を見ながら、思った。あれ?コイツもしかしてポンコツ属性付いてない?と。

 そう思って見ていると、その視線に気付いたバルバラがこちらに話し掛ける。

 

 「なんだ貴様、ジロジロと不躾な…。死ぬか…?」

 「気軽に人を殺そうとするなよ…!あれだよ、最初の印象では恐怖が勝ってて分かんなかったけど、バルバラってかなり美人さんだよなって思ってたんだよ…!」

 「…はぁっ!?何を言うんだ、おまっ!お前っ!やはり、我等ユスティナを潰すのが目的か!?」

 「なんでそうなる!?」

 「五月蝿い!敬虔な信徒を誑かす悪魔めっ!ここで処断する!!」

 「止めろって!?簡単に命を刈ろうとするな!…銃を向けるな!誰かーー!!誰か助けてーー!!」

 (なんなんだ、コイツは!私が美人って…!…初めて言われたぞ…!)

 

 大声で騒いでいると、扉を勢いよく開けて会長が入ってくる。ソウゴの様子を見に向かっていたら、廊下にまでソウゴの悲鳴が響いてきたのだ。ただ事ではないと思い、何事ですか!?と、急いで扉を開けると目に飛び込んできた光景に、白眼を剥いてしまう。

 

 「あ、か、会長!?これは違うんです!コイツが訳の分からないことを言うから…!」

 「ば、バルバラ…。貴女がユスティナの聖女として、人一倍忠義に厚いのは理解していますが、これは流石に看過できませんよ…?」

 「お、御許しを…!会長…!」

 「…今すぐ私の部屋に来なさい。少し貴女にはお話があります」

 「……分かりました」

 「すみません、ソウゴさん。来たばかりですが、少々用事を思い出したので、此れで失礼しますね?」

 「は、はい…。お構いなく…。」

 

 行きますよ。とバルバラに声を掛け、牢屋を出ていく二人。命は助かったが、会長の圧に呑まれてしまった…。

 …バルバラの奴、めっちゃしょぼくれてたな…。会長は怒らせないように気を付けよう…。

 

 ー夜 バルバラ自室ー

 

 「全く、今日は散々な目に遭った…。それも此れも、あの不審者のせいだ…!会長も奴を名前呼びする程、何故か気安く接しているし…。」

 

 そもそも、何で私はこんなに心を乱されている?私はユスティナの聖女だぞ?この称号に恥じぬように、心技体の全てを鍛え抜いた。驕りではなく、事実としてだ。でなければ、ユスティナで聖女など名乗れはしない。なのにーー

 

 「アイツの前だと、不思議と気が抜けるというか…素の自分を出してしまいそうになる…。」

 

 最初にアイツを発見した時には、アリウスの刺客かと思い、本気で処理しようと動いた。なのに今は気が付いたら此れだ。情けない。私はユスティナの聖女バルバラだ。こんな体たらくでは、聖女を名乗れない。気を引き締めなくては…!

 

 『ーー美人さんだよなって』

 

 「っ~!?ま、まぁ?それはそれとして、相手を知る努力も必要かっ!会長も仰っていたしなっ!」

 

 牢屋を出た後に会長からお叱りを受けたが、拒絶するだけでなく、受け入れる寛容さも必要だと言われた。ただ危険だからと否定するだけでは、見落としてしまうものも多いと。

 

 「…よし、明日からは奴の事を知る努力をしてみるか。此れも聖女として更に成長するためだ。うん、他意はないとも」

 

 そう決意を改めて、床に付く。

 

 (全く、この私を惑わすとは。…不思議な不審者もいたものだ…。)

 

 この日から、ソウゴを理解しようと毎日牢屋を訪れては毎度騒ぎを起こすのだが、その度に絆されていく自分を自覚し、それも悪くないと変化を受け入れるバルバラなのであった。




~バルバラ~
容姿は原作をベースに、素顔は切れ長の目、瞳は薄い菫色、髪の色は薄い金色をイメージしています。(あくまで家のバルバラの場合です。)
服装は普段は普通のシスター服に深目のスリットを入れて機動力を確保している。戦闘時には、例のヤベェーイ!になる。
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