そういうお話し。
ーー???ーー
ーー私は何も間違ってはいなかったはず…。
闇が広がるだけの空間で、彷徨う存在が一つ何度も繰り返した思考を、また繰り返す。
ーー私の目的を達成する為の手駒も、手段も、舞台も何もかもを用意出来ていた筈だ…。
なのに何故だ…?……何故、何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故…!?!?!?!?!?
何故、失敗した…!?私の悲願は、もう、目の前ではなかったのか!?……いいえ、分かっています…。そう、生け好かない元同胞の言葉を使うのなら、私は驕り高ぶり、自分は主役なのだと思い込んでいただけの舞台装置だったのだ…。腹立たしいが現状が物語っている。
ーーしかし、しっかりと置土産も置いてきましたし、遠くない未来にあの世界は滅びるでしょう…。
『色彩』
未だ謎の多い存在だが、アレは特大の滅亡装置だ。私を虚仮にした者達、その全ての命を吸って世界を滅亡させてくれることでしょう…。
彷徨う何者かは、元々いた世界のその後を想像し多少の溜飲を下げる。
が、その妄想さえも打ち砕かれることになる。
ーー何ですか…?この光は…?
彷徨う何者かの眼前に、一筋の光が突如現れる。
ーーもしや、出口でしょうか…?
永く彷徨っていたため思考は単調になり、如何にも怪しいそれに、普段なら慎重になるだろうその者も、藁にも縋る気持ちでその光に触れる。
そう……触れてしまったのだ。
その瞬間、その者の脳裏に自身が消え去った後の世界が映し出される。
色彩を退け、ひとまずの
「……ふ、フザケルナァッ!!!!」
何だ、これは?何故、滅んでいない?何故、貴様らは笑いあえている?何故、○○は世界を救える……?
「フザケルナァッ!!こんな…!こんな結末がっ…!認められるかぁっ!!」
私は何処ぞとも知れないこの場所で、滅びを待つだけだというのに?あの世界は救われる?
「何処までも私を虚仮にするのかァァァッ!!○○ーー!!」
先程まで頭は働かず、同じ思考を繰り返すだけの襤褸雑巾だった者は、もう居ない…。
「復讐だッ!!必ず、あの○○に!世界に滅びを与えてやる…!!!」
そこには復讐者が一人、全てを呪い叫んでいた。
一頻り叫び終えた後、復讐者は頭を回転させる。
(何か、ここから出ていく手段は本当に無いのでしょうか?…いいえ、必ず何かある筈です)
記憶の中にある知識を思い起こす内に、一つの可能性を思い付く。
「…そういえば、同胞の研究成果の中に並行世界についての記述がありましたね…。」
この世界には、無数の並行世界が存在し、そこには自分と同じ、もしくはその要素を含んだ並行同位体が存在しているだったか…。
「……そうです。何も、身体ごと此処を出る必要はないのです。私の意識を並行同位体に憑依させ、肉体を奪えばいい。元は同じ存在なのです、良心も痛みませんしねぇ…?」
まぁ、痛む良心など私にはありませんが。と、凄惨な笑みを浮かべて笑い出す。
「そうと決まれば、早速探しましょうか?並行同位体の私をね…。」
これは未だ、遠い場所での出来事ーー。
いったい、復讐者は誰なんだ…!でも、遠い場所での出来事なら、問題ないね!