最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 ベアトリクス回です。構想は頭の中にあるのに、それを上手いことアウトプット出来ないもどかしさ…!

 では、どうぞ!


貴女の優しさに触れたから

 ーベアトリクスの自室ー

 

 

 

 正直な話し、私は神という存在を信じきれていませんでした。だってどれだけ祈っても、どれだけ救いを求めても神は不動です。

 ならば何故、ユスティナ信徒としてユスティナ聖徒会にいるのか?単純な話しです。ユスティナ聖徒会に私が救われたからです。正確には、マトイ様とバルバラ様にですが…。

 

 私は孤児でした。常に喉は渇き、空腹に喘ぎ、周りにいる同じ孤児達が、さっきまで命だったものが次の日には冷たく転がっている…。

 ……恨みました、私を勝手に産み捨てた親を。憎みました、スラムを一歩出た先に見える、幸福そうな同い年の子供を。呪いました、こんな格差を付ける世界を。

 

 ……そして、気が付けば私はスラムに捨てられていた銃を握り締め、全て壊れてしまえと自暴自棄になり、ところ構わず暴れまわりました。

 そんなことを繰り返していると、何処かで不興を買ったのでしょう。スラムにある寝床の朽ち果てた教会で、私はスラムのチンピラ集団にリンチされていました。

 

 「…げほっ!…一人に対して、集団でリンチですか…。如何にも屑どものやりそうなことですね…。」

 「アアッ!?んだ、テメェ…。自分の置かれた状況が理解できてないのか?ガキ!?」

 「…キャンキャン吠えないで下さいよ…。五月蝿くて、耳がキーンとしちゃいます…。」

 「…チッ!…おい、お前ら痛ぶるのは終わりだ。さっさとバラして、闇市でコイツ売り捌くぞ」

 (…あぁ、私の人生もこれで終わりですか…。まぁ、生きてても辛くて、痛くて、苦しいだけですし…。それも悪くはーー)

 

 ードグォォンッ!!

 

 「!?何だ!何が起きた!!」

 「分からねぇよ!?急に天井からナニかが!?」

 (何が起こって…?)

 「…神聖な教会の中で、随分な事をなされていますね?」

 

 巻き起こる砂煙の中から、場に似つかわしくない清く澄んだ声が響き渡る。

 

 「誰だ!?テメェッ!!」

 

 チンピラの一人が叫ぶと、砂煙が中から吹き飛ばされる。

 

 「私はユスティナ聖徒会、生徒会長…。秤 マトイです。……バルバラ」

 「イエス・ユア・ハイネス!!」

 

 マトイが名乗った後にバルバラの名を呼ぶと、マトイの隣から弾丸のような速さでバルバラがチンピラへ飛び掛かる。

 

 「ユスティナ聖徒会!?何でこんなところに!?しかも、生徒会長と聖女だと…!?」

 「相手は二人だけだ!怯んでんじゃねぇッ!!」

 「チクショゥッ!何て日だッ!!」

 

 バルバラは両手に持ったガトリングで、チンピラ集団の攻撃をものともせずに全て蹴散らす。

 

 「…会長。清掃が済みました。私はゴミを捨ててきます」

 「よしなに…。」

 

 失礼しますとマトイへ一礼し、チンピラ達を教会の外へ捨てに行くバルバラ。それを見送り、マトイは少女へ歩み寄り問い掛ける。

 

 「怪我は…見た目程酷くはないようですね…。よければ、貴女のお名前を、教えて下さいませんか?」

 「……ベアトリクス、です…。」

 「ベアトリクス…。可愛らしいお名前ですね?私はマトイといいます。先程出ていった方はバルバラといいます」

 「何で、私を助けてくれたんですか…?」

 

 私が警戒しながら問い掛けると、マトイはキョトンとした顔をしたかと思うと直ぐに笑顔になり答える。

 

 「貴女を助けたいと思ったからです」

 「なん、ですか、それ…。答えになってないですよ…!貴女達もどうせ、私を何処かに売り飛ばそうとしているんでしょう…!?」

 

 訳が分からなかった。助けたいと思ったから?何だそれは。そんなことを言ってくれる人なんて、居なかったじゃないか。道端で寒さに震えていた日も、空腹で飢えに苦しんでいた日も、幸福そうな同い年の子供を見て、世界を呪ったあの日も…!全部ッ…!!誰も手なんか差し伸べてくれなかったじゃないか…!!!

 

 「…ごめんなさい」

 「…え?」

 

 フワリと、柔らかな物に包まれる感覚に呆然となる。

 

 「貴女を見付けるのが遅れて、ごめんなさい。不幸を当たり前と思わせて、ごめんなさい。世界は冷たいものだと思わせて、ごめんなさい」

 「…。離して下さい」

 (暖かい…。)

 「人を傷付けさせて、ごめんなさい。貴女の心を、傷付けて、ごめんなさい」

 「はな、し…て、よぉ…。」

 (暖かいよぉ…。)

 「何よりも…貴女を独りぼっちにしてしまって、ごめんなさい…。」

 「う、あぁ…。ひっぐ…。うわぁぁ~ん!」

 「…よしよし。もう貴女は一人じゃありませんよ…。私達が保護しますから…。安心して下さいね」

 

 こうして私はマトイ様とバルバラ様に保護され、ユスティナ聖徒会の信徒となった。元々、定期的にスラムへは孤児達を保護するために、何度か足を運んでいたらしい。

 今回は、スラムにある廃教会に孤児が住み着いているらしいという噂を聞き、急ぎ捜索に来たという話だった。

 

 「ふふっ…シスター服、良く似合っていますね?ベアトリクス」

 「うむ!可愛らしいぞ、ベアトリクス!」

 「は、恥ずかしいですよぉ…。あまり見つめないで下さいぃ…!」

 

 ユスティナ聖徒会へとやって来て、早数日。検査やら体調回復やらと忙しかったが、そんな日々を終え、正式に入信することが出来た。

 

 「さて、ベアトリクス。貴女はこれからユスティナ聖徒会の信徒として、共に学び、人々を助ける為に尽力してもらうことになります。それに異存はありますか?」

 「ありません。私は、御二人が私を救ってくれたように、辛い思いをしている人達を救いたいんです…!」

 「そうですか…。貴女は優しい娘ですね…。貴女が手を伸ばし、誰かの手を掴み続ける限り、その願いは叶うでしょう…。」

 「はい。御二人のように、人々を導けるよう精進します」

 「うんうん。良い心掛けだな!」

 

 自分達と共に歩んでくれることを、心の底から喜んでくれている二人を見てこちらも嬉しくなる。

 

 「これから、ベアトリクスには一年生として編入してもらいます。そして、貴女にはバルバラの側仕えになってもらいます」

 「バルバラ様の?しかし私は…。その、スラム暮らしが長く側仕えなどとても…。」

 「これは、バルバラからの要望なのです」

 「あぁ、お前には何か感じるものがあってな?礼儀や作法などは私が教えていく。それに、戦闘技術もな」

 「…本当に、私で宜しいんでしょうか…?」

 「お前がいいんだ。駄目だろうか…?」

 「いいえっ!このベアトリクス、慎んでお受け致します!」

 「はい、宜しくお願いしますね?ベアトリクス」

 「宜しく頼む!」

 

 こうして、私のユスティナ聖徒会としての生活が始まった。マトイ様とバルバラ様の優しさに触れたから、私は変わる事が出来た。

 そして、少し未来の話しにはなるがもう一人、私の人生において大切な人が増えるのだが…。それは次の機会に致しましょう。




 天井からマトイとバルバラがエントリーする所は、着地は任せるわ!アーチャー!のあれです。
 あと、イエス・ユア・ハイネスとバルバラが叫んだときには内心では「え、初めて言われた…。何それ知らん…。」と白眼を剥いてます。

あと、唐突にベアトリクスの容姿をば!

~紅染 ベアトリクス~

髪:真紅の腰まで伸びたストレート
顔:少し童顔気味。本人は気にしている。
瞳:髪同様に真紅の瞳
身長:157cm
身体的特徴:小柄な身長に似合わず、胸部装甲は大きめ。腰はしっかりとくびれており、下半身はスラッとしている。(3食栄養をしっかりと補給出来るようになってから、身体の変化に戸惑い気味)
服装:普通のシスター服。しかし、戦闘時には覚悟礼装を身に纏う。
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