誰にとっての向き合うべき真実なのか?……エデンを求めた先に答えは出るでしょう。
短いですが、どうぞ。
~トリニティ総合学園 再建された記念聖堂~
「ソウゴさん達は旅立ちましたか…。寂しくなりますね…。」
…え?急に語り出した私は誰かって?
…おほんっ!失礼致しました。私は、トリニティ総合学園初代生徒会長……「
以後、お見知りおきを。
さて、私もトリニティ総合学園創設の際から大変御世話になった「絆一家」がつい先程、未来に旅立ちました。
あ、いえ比喩表現ではなく本当にこの時代から未来に旅立ったのです。
思えばソウゴさんに始まり、皆不思議な方々でした。共に過ごしているだけで、心に暖かな熱を灯してくれる…。その様な方々…。
「あなた方の事は未来まで語り継ぎましょう。未来であなた方が道に迷わぬように、私達があなた方を忘れないように…。今は、あなた達の為に祈りましょう…。」
胸の前で手を組み、祈りを捧げるルナ。その足下に赤黒いスライム状のナニかが忍び寄り、ルナへ溶け込むように消えていく。
「…?今、何かーー」
『少し眠ってろ』
「っ!?…………ん、上手く馴染んだな。たくよぉ~、ジオウとか言ったか?あんなのがこの
ルナの蒼い瞳が金色に変わり、口調が変化する。瞳孔は縦に延び、雰囲気はまるで蛇のようだ。
「ま、都合良くこの時代からは消えてくれたし?アイツ対策も兼ねて、この身体で実験を始めるかね~。…次に会う時はお前ごとこの惑星の力を喰ってやる。それまでは精々、家族ごっこを楽しみな、ジオウ?」
ルナに入り込んだナニかは舌舐りをし、愉快そうに嗤い身体の所有権をルナへ返す。
「…?あれ?私、今何を…?体調が優れないのでしょうか…。今日は早めに帰って休むとしましょう」
(くくっ…!ああ、大切にしてくれよ?この身体はもうお前だけの物じゃないからなぁ…?さぁて!忙しくなるぞぉ!!)
本来ならば存在しなかったモノが、ソウゴというイレギュラーによりキヴォトスへ降り立った。
ソウゴや様々な人の善意による歴史の変化は、思いもよらない形で新たな歴史を生み出す。
この世界の物語は既に、本来の歴史より大きく舵を切った。この先の未来で何が起こるのか?それは、もはや誰にも予測は出来ない…。
静かに、されど着実に悪意の種は、未来へ向かって成長を続ける。……誰かがその悪意を止めるまで。
「……ん、ここはどこ?分からない…。何も思い出せない…。」
小さな影が目を覚ました時、そこは砂とそれに埋もれた建物だらけの場所だった。
「寒い…。何も分からない…。寂しい…。誰か……」
影は彷徨う。宛もなく、ふらふらと。夜とはいえ、気温は差程低くはないのに、身体の奥から凍てつくような孤独感と誰かの温もりを求める欲求に身体を丸めながら。
「……大きい建物。灯りが点いてる…?誰か、居るのかな…?」
辺りを探りながら建物の中へ入る。……人の気配を感じる。
「誰か居るみたい…?良かった…。取り敢えず、何処かで休んで明るくなったら探してみよう…。」
適当な部屋を見付け、横になり身体を丸める。
「…独りぼっちは嫌だなぁ…。」
ポツリと言葉を溢し、寝息をたて始めたそこに忍び寄る影。
「…たくっ!あのバーコード野郎、俺の実験体を持ち逃げしたと思ったらこんなところに放り出しやがって…!」
その影は腰の辺りから翼を生やした女性に見える。
「まぁいい。どうやら時の王者様もここに居るみたいだしな?少し記憶と、後は性格を弄ってと…。」
女性は手を伸ばし、小さな影の頭を掴み何かを行うとやがて手を離し、夜の闇に溶けていく。
「俺の目的のために良い動きを期待してるぜ、465番?そんじゃ……チャ~オ~!」
影は闇に消え、後には静かな寝息をたてる少女のみが残された。
何も知らない無垢なる少女は翌朝、彼女にとっての運命に出会う。
ーー願わくばこの少女の未来が、祝福されたものでありますように…。
あ、勿論救いは最終的にはありますとも!(唐突なネタバレ)
……救いはね?(意味深)