最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 たぶんホシノは怒っていい。
 また短めですがどうぞ!


先輩?ちょっとお時間頂きますね?…ひぃんっ!?

 ~アビドス砂漠 移動中~

 

 

 「へ~!皆さん、最近になってキヴォトスに戻って来られたんですね!」

 

 「えぇ、それで久し振りなので各自治区を旅して回ろうという話になりまして。でも、良かったです。偶々ではありますが、ユメさんを助けることが出来て…。」

 

 「うぅ…。本当にありがとうございました…!」

 

 「ところで、ユメ姉は何で生き埋めになってたの?…趣味?」

 

 「ひぃんっ!?ミサキちゃん!?そんな趣味なんかないよ~!」

 

 「ユメ姉は弄ると面白いね」

 

 「ミサキ?ユメちゃんは大変な思いをしたんだ、そういうからかい方は感心しないな?」

 

 「う……ごめんなさい、ダディ、ユメ姉…。」

 

 「私は気にしてないから大丈夫だよ~!ぎゅ~!」

 

 「く、苦しいよユメ姉…!ユメ姉のそれは最早、凶器だって…!」

 

 

 アビドス高等学校へとユメを送る途中、ソウゴ達が過去からやって来たという訳にもいかず、事前に考えていたカバーストーリーを説明しながら雑談に興じていた。

 全てが嘘という訳ではなく、アツコ達が現代でどの学園に通いたいかを決めるために旅をしている面もあるので、ある意味観光の様なものでもある。

 

 

 「けほっ…。それで、話を戻すけどユメ姉がああなってた理由って何なの?」

 

 「うぅ…。笑わないでね?実は……」

 

 ーユメ説明中…。

 

 「いや、ユメ姉…。砂漠地帯でコンパス忘れるとか、笑えないって…。」

 

 「ユメちゃんはドジっ娘なんですねぇ~。でも、確かにミサキちゃんの言う通りちょっとこれは笑えませんねぇ…。」

 

 「うん、ちゃんと準備は確りしないと今回みたいに命に関わる。ユメ姉さんはもっと危機感を持つべき」

 

 

 ユメの説明を聞き、ミサキ、タツキ、アズサの順でそれぞれユメの説明に呆れてしまう。他の面々も口に出さないだけで、苦笑いを浮かべている。

 

 

 「ユメお姉さんはポンコツなんですね♪」

 

 「ぽ、ぽんこつ…。」

 

 「まぁまぁ、次から気を付ければいいさ。ね?ユメちゃん?」

 

 「ソウゴさぁん…!」

 

 「…と、話してたら見えてきたみたいだよ。アビドス高等学校ってあそこであってる?」

 

 「わぁ~!はい!合ってます!2、3日しか経ってないけど、随分久し振りに感じるなぁ~」

 

 

 ユメは自分が死にかけていた事など忘れたかのように、ポワポワとした様子で校門をくぐり、クルリとソウゴ達に向き直る。

 

 

 「ようこそっ!アビドス高等学校へっ!」

 

 「ここがアビドス高等学校…。随分と静かだけど、他の生徒さん達は授業中なのかな?」

 

 「あぁ~…。じ、実はですね…。」

 

 ーユメ説明中…。

 

 「全校生徒が、二人!?しかも、借金までって…。」

 

 「え、でもユメは今3年だろう?君が卒業したらどうなるんだ?」

 

 「…。私が、確りしていたら何とか出来てたかもしれないのに…。だから、ホシノちゃんも…。」

 

 「ホシノちゃん?」

 

 「あ!ホシノちゃんはですね!とっても可愛くて、強くて、素敵な私の後輩なんですっ!!」

 

 「ユメお姉さんは、そのホシノさんが大好きなんですね!」

 

 「うん!そうなんだぁ~!と~っても大切な後輩ちゃんなんだよぉ~!」

 

 

 アビドス高等学校の抱えている問題と、ホシノという後輩がいるという話を聞いて、メグリとはしゃぐユメにサオリが疑問を口にする。

 

 

 「ユメさん、校舎に人の気配が無いけど……ホシノさんはユメさんを探してるんじゃないの?」

 

 「…………あ…!」

 

 

 サー……。とユメの顔から血の気が引いていく。どうしよう…!とあたふたしていると校門の方から声が掛かる。

 

 

 「ユメ、先輩…?」

 

 「ひぅっ!?……ホシノちゃん?」

 

 「あ、え、な、何で?……ユメ先輩は、先輩が生きて?でも、あれ?盾もここにあって…?砂漠に他には何も無くて……それで、わた、私は…!?」

 

 ーふわり……

 

 「ごめん、ごめんなさい…。ホシノちゃんに一杯心配掛けちゃったよね?大丈夫…。私はここにちゃんと居るよ…。生きてるよ…。」

 

 ートクン…。トクン…。

 

 「……ユメ先輩の音が聴こえる。温もりを感じる…。先輩……先輩っ!うわぁーーっ!!」

 

 「よしよし…。大丈夫…。大丈夫…。」

 

 

 混乱しているホシノをユメが抱き締め、ホシノがユメの心臓の音と温もりを感じる事で安心し、その腕の中で泣き叫ぶ。

 

 背中を撫でながらホシノを落ち着かせるユメの顔は、とても穏やかで子供を宥める母親のようにも見えた。

 

 落ち着きを取り戻したホシノはユメから今までの経緯を説明され、表情を真顔に変えユメに言う。

 

 

 「……ユメ先輩、正座。早くして下さい」

 

 「ほ、ホシノちゃん…?可愛いお顔が恐くなってるよ…?」

 

 「二度は言いませんよ?」

 

 「ひぃんっ!は、はい~!」

 

 

 ユメがその場で正座するのを見て、ソウゴ達に顔を向け話し掛けるホシノ。

 

 

 「すみません…。改めて後でお礼をさせて下さい。今はうちのポンコツ会長に説教をしますので、先に校舎の方へ入っていて下さい。案内しますので、ユメ先輩はそのままそこに居て下さいね?」

 

 「え、でもホシノちゃん…?ここ校庭で、すっごく暑い……」

 

 「何か言いましたか?」

 

 「…何でもないです。待ってます…。」

 

 「…では、皆さん此方です。どうぞ」

 

 

 ソウゴ達はホシノの圧に黙って従うが、ユメの方に視線を送りながら、とても残念なものを視る目になる。

 校舎に入った後、案内された教室を出ていくホシノへ“ほどほどにね?”と声をかけて送り出す。

 

 

 「……さて、ユメ先輩?」

 

 「は、はい…。何でしょうか、ホシノちゃん…?」

 

 「すこ~し、お時間頂きますね♪」

 

 「ひ、ひぃ~んっ!」

 

 

 校庭から聞こえるユメの叫び声に、青春だなぁ…と現実逃避する大人達と、アビドス高校の探検に出掛ける子供達とで反応が分かれていた。

 少なくともそこには暗い雰囲気は無くて、説教をするホシノの表情にも説教を受けるユメの表情にもどこか明るいものが見えていた。

 

 

 ちなみに説教は1時間続いた。ホシノ曰く程々にしてこれらしかった。




 ソウゴはブルアカのストーリーを知っている筈なんですが、ユメ先輩の事にはあまり反応していません。これは転生してから記憶が少しずつ薄れていっているからですね。
 ストーリーの大筋は覚えていますが、あまり話に出てこなかった生徒に関してはかなり記憶があやふやになっています。
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