最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 感想、誤字報告ありがとうございます。
 今後もそれらを励みにして、物語を作っていきたいと思います。


白い服と黒い服

 ~アビドス自治区 市街~

 

 

 「ヒャッハーッ!暴れるぜぇ~!止めてみなぁッ!!」

 

 「やはり暴力ッ!暴力は全てを解決するッ!!」

 

 「貴女達ッ!無駄な抵抗は止めて大人しく…あ痛っ!?おと、大人しくしなさぁ~いっ!!」

 

 「なんだコイツら、頭キヴォトスかよ。怖いなぁ~…。」

 

 「って、言ってる場合ですか!?あの涙眼で頑張ってる子、連邦生徒会の人ですよ!?助けないと…!?」

 

 「あ、待ってよホシノちゃ~ん!!」

 

 「んっ!パパ達に私の強さを見せつける良い機会!!不良を襲うっ!!その首置いてけっ!!」

 

 「あっ!?こら、シロコ待て…って足速っ!?あぁ~…もうっ!父さん、私達も加勢してくるからメグリの安全確保をお願い!……行くぞ、皆っ!絆シスターズ出撃っ!!

 

 「…止めてサオリ!?そのクソダサチーム名を大声で叫ばないでっ!?」

 

 「うわぁ~んっ!恥ずかしいですぅ~!こうなったら、不良生徒には八つ当たりして殺りますぅ~!」

 

 「サッちゃんは時々ポンコツになるからねぇ~…。そこが可愛いんだけど。うん、それはそれとして恥ずかしいから私も久し振りに暴れるね~」

 

 「アツコ…?笑顔が怖いぞ?…程々にな?」

 

 「お姉ちゃん達~!頑張れ~!」

 

 「サオリ~!お母さんとの特訓を思い出せ~!おまえ達なら殺れるぞ~!」

 

 「いや、殺っちゃ駄目だろ…シオリ……」

 

 

 シロコを家族に迎え入れ、街へと足を運びシロコの服を一通り揃えたところまでは良かった。

 会計を済ませ外に出ると、爆発音が鳴り響き何事かと向かうと、白い服を着た複数の生徒と不良生徒達が銃撃戦を行っていた。思ったよりも練度が高いらしく、不良生徒達が優勢で白い服の生徒は一人を除き全員気絶していた。

 

 

 「連邦生徒会といえど、所詮は烏合の衆!圧倒的暴力の前には、雑魚に過ぎんわ~ッ!!わ~はっはっはっ!!」

 

 「…ん、油断は命取り。先ずは一つ」

 

 「かぺっ!?きゅ~…。」

 

 「何だ!?急に倒れてどうし……がっ!?」

 

 「二つ」

 

 「何か居やがるぞッ!!気をつけ……きゃんっ!?」

 

 「三つ」

 

 「くそっ!?そこだぁッ!」

 

 ーズガガガガッ!!

 

 「狙いが甘い。そんなんじゃ私は止まらないよ?」

 

 「何だ…!何なんだお前は…!!」

 

 「ん、私は只の通りすがりの孤高の狼…。覚えなくていい」

 

 「シロコッ!勝手に突っ込むなッ!心配するだろ、この馬鹿狼!」

 

 「何が孤高の狼だっ!仲間が居るじゃねぇかっ!?」

 

 「雑魚雑魚のよわよわ不良が何か吠えてる。恥を知るべき」

 

 「あぁんっ!?このクソガキッ…!!分からせてやるッ!!」

 

 

 シロコの奇襲に始まり、絆シスターズ(仮)も加わり戦闘は激しさを増すが、シロコが所々で不良生徒を煽り冷静さを奪うことで段々と不良の数を減らす。

 

 

 「…ほぇ?一体何が起きてるんですか…?」

 

 「大丈夫ですか!?こちらは、アビドス高等学校生徒会の者です!連邦生徒会の方ですね?援護しますので、後方へ下がってください!」

 

 「ユメ先輩!!他の方は回収しました!後はその方だけです!急いでっ!」

 

 「了解だよっ!すみません、失礼しますねっ!」

 

 「きゃっ!?」

 

 

 連邦生徒会生徒の最後の一人を横抱きに抱え、全力で後方へ下がるユメ。

 既に回収された他の生徒達はマトイ達により治療を受けている。

 ソウゴはジカンギレードで流れ弾を処理している。

 

 

 「大人の男の人…?ヘイローも無いのに危険です…!!」

 

 「あ、大丈夫ですよ?家の旦那様は強いので♪」

 

 「旦那様…?いやでも、いくら強くてもヘイローが無いなら危険ですっ!」

 

 「まぁ、落ち着いて。ほら、よく見て?涼しい顔で流れ弾を処理してるでしょ?それに、万が一被弾しても彼はキヴォトス人と同じくらい頑丈だから大丈夫。今は、自分の怪我を心配して?」

 

 

 そう言われソウゴをよく見ると本当に、苦もなく淡々と処理している。

 それから自分の怪我を再認識したことにより、身体に痛みが走るのと、保護され安心したことで意識が遠退く。

 

 

 「う…ぁ…?意識が…。」

 

 「後は任せてゆっくり休んで?」

 

 「ありがとう……ござ…………」

 

 「こっちは何とかなりそうだから、ユメちゃん、ホシノちゃん、子供達を手伝ってきて?」

 

 「「分かりましたっ!」」

 

 

 その後、ユメとホシノの加勢により不良生徒達は一人残らずお縄となった。

 

 

 「ふぃ~…。んっ!いっぱい倒したっ!満足っ!」

 

 「シロコには後でよく話して聞かせるとして……おい、お前達は何故暴れまわっていた?答えろ」

 

 「ぐ…。何故って…依頼されたんだよ…!」

 

 「誰に?」

 

 「黒い服を着た大人だよ…。全身黒の気味悪い大人だったぜ」

 

 「なんでそんな怪しいヤツの依頼を受けるんだ…。」

 

 「金払いがよけりゃ、そんくらい関係ねえのさ!」

 

 「…まぁいい、それで依頼内容は何だったんだ?」

 

 「あん?あぁ~…なんかこの辺で適当に暴れてくれって言ってたぜ?こっちは金貰えて暴れるだけでいいんだから、楽な依頼だったぜっ!」

 

 

 そう答える不良生徒はケラケラと笑い、愉快そうにしている。

 尋問していたサオリは、呆れたように溜め息を吐き不良生徒に告げる。

 

 

 「それで捕まってたら世話無いだろう…。後先を考えろ…。」

 

 「そんなもん考えてたら、不良なんかやれねぇし、なってねぇってのっ!」

 

 

 そこまで話して、ちょうど到着したヴァルキューレに不良生徒達を引き渡す。

 不良達を回収したヴァルキューレ生徒の一人が、ソウゴ達の元に挨拶にやってきた。

 

 

 「通報して下さった方々ですね?私はヴァルキューレ警察学校の1年、公安局所属の尾刃 カンナといいます。不良達の確保に御協力、ありがとうございます」

 

 (カンナって、確かヴァルキューレの公安局長だったよな…?1年生ってことは、まだ新人の頃か。確か正義感と責任感が強かったんだよな。もしかしたら…。)

 

 「あの…?私の顔に何か?」

 

 「へ?…あ、ごめんね!少し考え事してて…。不快にさせちゃったかな…?」

 

 「いえ、私の顔を見て固まられていたので、気になっただけですから。お気になさらず」

 

 「あぁ~…やっぱり女の子の顔をじっと見られてると、気になるよね…。」

 

 「…実は私、生活安全局を希望していたのですが、その……顔が怖いという理由で公安に配属されまして。ちょっとだけ、過敏になっていただけですから…貴方のせいではないので…。」

 

 

 よっぽど気にしているのか、カンナの耳がへにょりと垂れる。ソウゴは居たたまれなくなるが、カンナへある確信を持ってブランクライドウォッチを取り出す。

 

 

 「…カンナさん、君は怖くなんて無いさ。ただ、人よりちょっとだけ誤解されやすいってだけだよ。それと、これ。受け取ってくれ」

 

 「これは…?」

 

 「ちょっと変わった時計さ。これも何かの縁ってことで、御守り代わりにでも持っておいてくれ」

 

 「いいのですか?偶々、今回知り合っただけなのに…。」

 

 「袖触れあうも多生の縁ってね?俺の名前は、絆 ソウゴ。これでお互いの名前も知ったし、縁が出来たろ?」

 

 「…ふふっ!貴方は無茶苦茶な方ですね?ソウゴさん?」

 

 「よく言われるよ。主に嫁達に…。

 

 

 ウォッチを受け取り笑うカンナは、年相応の可憐さを魅せる。ひとしきり笑い終えると、カンナ達ヴァルキューレはこちらに敬礼し去っていった。

 

 

 「パパっ!パパっ!んっ!」

 

 「どうした、シロコ?」

 

 「私にもさっきの渡すべきっ!んっ!」

 

 「さっきの?ライドウォッチの事か…。シロコも欲しいのか?」

 

 「欲しいっ!」

 

 

 キラキラとした目でソウゴへおねだりするシロコに“まぁ、問題はないか”とブランクライドウォッチを渡す。

 受け取ったシロコはソウゴに抱き付き、甘えだす。不思議なものでこのシロコは、出会って間もないというのに素直に思ったままに接してくる。

 

 今もソウゴの胸に頭をグリグリと擦り付け、全力で嬉しさを伝えている。

 こうも素直に甘えてくるものだから、嫁や子供達とも関係は良好で、まるで最初から家の家族だったように溶け込んでいる。

 

 

 「そういえば、連邦生徒会の子達はどんな感じ?」

 

 「まだ眠ったままだが、その内に目を覚ますだろう。放置も出来ないし、何処か落ち着ける場所に移動させてやりたいんだがな…。」

 

 「そうですね…。うちの学校に連れて行ってあげられれば、いいんですけど…。」

 

 「学校でいいなら、俺が送るよ。よっと…!」

 

 

 ヒイロとユメの言葉にソウゴはオーロラカーテンを展開し、アビドス高等学校へ繋げる。

 

 

 「え~!?何ですかこれ~!?」

 

 「父さんは色んな事が出来るから、その内の一つだよ。ユメ姉も直ぐ慣れるよ」

 

 「そういう問題かなぁ…?」

 

 「取り敢えず、早く運んであげましょう?ユメ先輩?」

 

 

 ホシノも動揺していたが、先ずは怪我人の安全確保が優先だと動きだす。

 絆一家の観光一日目はこうして幕を閉じるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふむ…。不良生徒程度では、彼の力を計れませんか…。ヘイローも無く、キヴォトスには珍しい大人の男性…。しかも計り知れない程の神秘を秘めている…!ああ…久し振りに感情が昂っているのを感じますね…!」

 

 

 とあるオフィスの中で全身黒ずくめの存在は、ソウゴの写真を見ながら呟く。

 

 

 「一度、直接お話をさせて貰うとしましょう。…ソウゴさん?」

 

 

 静かな空間に、その言葉はやけに大きく響いていた。




 途中何度も何故かデータが消え、やる気が削れまくっていたので筆が進まず大変でした…。
 連邦生徒会所属の彼女は誰なのか?黒ずくめの大人は誰なのか?次回、明かされます。
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