最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 ちょっと時間が跳びます。

 投下します!


おいでよ!クジゴジ堂アビドス本店

 ~半年後 アビドス市街~

 

 

 「店長~!昨日のお客さんの持ってきた、SRとHGの修理終わりました~!配達して来まーす!」

 

 「うん、気を付けてね~!」

 

 「このパーツがここで、これがこっち?それでこれがこう……ひぃん!間違えたぁ~!」

 

 「うへっ!?先輩、暴れないで下さいよ!私の方までパーツ飛んできてますよ!?」

 

 「ひぃ~んっ!!ごめんなさ~い!!」

 

 「……今日も賑やかで、繁盛されているようですね?」

 

 「お陰様でね~。でもウチ、時計屋なんだけどね~…。何で時計以外の物ばかり、修理に持ち込むかなぁ~…。」

 

 「そりゃ、店長がほいほい引き受けるからでしょ。評判になってますよ?仕事も接客も丁寧で、早くて安価で仕上げてくれて配達までしてくれる何でも屋って!」

 

 「うん。ありがたいけどウチ、時計屋なんだけどね~?」

 

 「クックックッ!やはり、貴方は面白い…!…あ、珈琲のおかわりをお願いします」

 

 「何度も言うけど、ウチは時計屋だからな?何でも屋でもなければ、喫茶店でもないからな?……ブラックでいいのか?」

 

 「はい、ブラックでお願いします。…黒服だけに。クックック!」

 

 「……お前も大分、印象変わったよな。大概面影ないぞ」

 

 「まぁ、自覚はあります。しかし、このような自分も案外気に入っているのですよ」

 

 「今のお前さんなら、友人として付き合ってはやれるけど…。子供を犠牲にするような事は許さないからな?」

 

 

 珈琲のおかわりを受け取り、香りを楽しみながら黒服は答える。

 

 

 「えぇ、肝に銘じていますとも。あの出会いから私の中で変化が生じ、アプローチの仕方を変えることにしたのです」

 

 「その結果がここに毎日、入り浸ることか?…暇なの?」

 

 「いえ、確りと目的は果たしていますよ?貴方の言った、子供と向き合うという行為。ここには様々な子供が訪れ、日々新たな発見がある…。何より、美味しい珈琲が頂けますしね?」

 

 「子供を犠牲にしないのは良い変化だと思うが、お前絶対ここを喫茶店だと思ってるだろ?」

 

 「……クックックッ!」

 

 「おい、否定しろ。笑うな真っ黒くろすけ」

 

 「とーさま!かーさま!ただいま~!……何で今日も不審者が居るんです?」

 

 「おや、メグリさん。お帰りなさい、相変わらず嫌われているようですね」

 

 「私は貴方のような怪しい大人は嫌いです」

 

 「クックック…。時に子供の言葉というのは、大人の心を抉るものなのですね…。新たな発見です…。」

 

 「…なんか、ごめんね?」

 

 

 黒服はしょぼくれたまま“今日のところは失礼します”と言って店を出ていった。

 いやぁ、人って変われば変わるもんだよなぁ。原作の黒服って出番は少なかったけど、最後まで悪い大人ってスタンスは崩れてなかったと思うけど。

 

 まぁ、それはそれとして愉快な感じではあったか?記憶も大分薄れてきてるし、そもそも原作を改変し過ぎているから、宛になんかならないが。

 

 

 「お帰りなさい、メグリ。あら?黒服さん、帰っちゃったんですか?ちょうど今クッキーが焼き上がったので、お出ししようと思ってたんですが…。」

 

 「かーさま!あんな怪しい見た目の、得たいの知れない奴に優しくしないで下さい!塩まいてきます…!」

 

 「ああっ!ちょっと、メグリ!…行っちゃった。兄様、あの子どうしてあんなに黒服さんを嫌ってるのでしょう?」

 

 (あるとしたら、無意識下でゲマトリア時代の事を覚えてて、それで嫌ってるとは考えられるけど…。)

 

 

 ベアトの疑問に“なんでだろうね?”と曖昧に笑って、ソウゴは話を逸らす。

 

 

 「それにしても、まさか店を持ててこんなに繁盛するとはなぁ。半年前には思いもよらなかったよ」

 

 「そうですねぇ。それもこれも、アロナちゃんがお礼にって張り切ってくれたお陰ですねぇ~」

 

 

 半年前のあの日、目が覚めて自己紹介をしたアロナはユメちゃんやホシノちゃんらに保健室に運ばれた経緯を詳しく聞いた。

 

 そこからアロナは助けられたお礼がしたいと言い出し、皆は遠慮したが更に目覚めた連邦生徒会の生徒達からも押し切られる形でお礼を受け取る流れになった。

 

 ユメちゃんやホシノちゃんは、申し訳なさそうにしていたらしいが弾薬や補給品などを頼んだらしい。

 マトイやベアトは大人の対応でやり過ごそうとしたが、メグリとシロコが……

 

 

 「とーさまがお店をいつか開きたいって言ってました!」

 

 「ん!なら、お店を所望する!1番良い店を希望!そして私は、そこの可愛い看板娘として君臨する!」

 

 「「ちょっと!?二人とも!?」」

 

 「お店ですね!分かりました。このアロナにお任せです!」

 

 「「わーい!」」

 

 

 という短いやり取りで店を持つ事になった。マトイとベアトは絶句してたらしい。

 

 そんな風に話していたら俺が帰ってきて詳細を聞き、アロナちゃんにお断りの話をしたが、メグリとシロコの涙目&上目遣いの訴えには勝てなかったよ…。

 …俺が了承した瞬間ケロッとして、わいわい喜んでたが。

 

 それからは流石、未来の連邦生徒会長というべきなのか…。特定の自治区に特別扱いは出来ないと、アロナちゃんと他の助けた連邦生徒会の子達の訴えを却下した、現連邦生徒会長を巧な話術で説得してしまった。

 

 

 「その結果、この店が出来たってわけさ!」

 

 「兄様…?急にどうしたんです…?」

 

 「あ、いや、ちょっと回想を…。」

 

 「店長?なんかメグリちゃんが塩持って店の前でまいてましたが、何かありました?」

 

 「ああ、アイちゃん。気にしないで、いつものだから…。」

 

 「…ああっ!黒服さんですか!あの人もホントに嫌われてますね…。確かに怪しい見た目ではありますけど」

 

 

 いつもの事で通じるくらいには、黒服の存在はこの店では当たり前のものになっていた。

 

 で、このアイちゃん。実はヴァルキューレに連行されていった子の一人である。

 店が出来て少ししたくらいに、アイちゃん達と再び出会った。何でも、あの時の騒ぎが初犯だったらしく直ぐに釈放されたんだとか。

 

 しかし、職もなければ住むところもなく。いよいよまた犯罪に手を染めるか?と話し合っていたところに俺達と出会ったと。

 そこで、幸いなことにアロナちゃんが張り切りすぎて、店舗兼住宅として部屋も余っているので、住み込みでバイトとして働かないか?と話を持ち掛けたところ、泣いて喜ばれ快諾してくれた。

 

 

 「で、今ではウチの欠かせない従業員として真面目に働いてくれてるってわけ!」

 

 「店長?働きすぎでは…?少し休んだ方が…。」

 

 「配達終わりました~!…って、どしたん?店長手で顔覆って俯いてるけど?何かあったん、アイ?」

 

 「あぁ、マイか。お帰り。…それが私にも分からなくて…。」

 

 「お!お帰り~マイ!タツキさんとベアトさんがクッキー焼いてくれてるから、休憩入ってきて~」

 

 「マジっ?タツキさんのお菓子美味しいから大好き~!んじゃ、先に休憩頂くね?アイ、ミイ!あ、店長もお先で~すっ!」

 

 「うん…。ゆっくりしてきてね…。」

 

 

 またもや声に出していたソウゴは、割りと本気で心配されてしまい恥ずかしくなってしまう。ちなみにベアトは呆れていた。

 

 ー閑話休題ー

 

 そんなわけでアイちゃん、マイちゃん、ミイちゃんがウチのバイトとして働いている。

 後は、学生としても青春を楽しんでほしくて、これは俺達の我儘で学校に通ってもらっている。

 

 三人共凄く申し訳なさそうにしていたが、今では毎日楽しそうにアビドス高等学校へ(・・・・・・・・・)通っている。

 学年はホシノちゃんと同じで、いきなり同級生が出来たホシノちゃんは戸惑いつつも嬉しそうに、うへうへ言っていたと同じく後輩が増えて舞い上がっていたユメちゃんに聞いた。

 

 ちなみに、ユメちゃんとホシノちゃんもここでバイトとして働いている。

 今日はたまたま全員のシフトが被り、いつもより店内が賑やかになっている。

 

 

 「…ベアト、俺達も少し休もうか?」

 

 「そうですね。では行きましょうか…貴方♪」

 

 (あ、この甘え方は今日寝れないやつだ…。)

 

 

 スルリと腕を絡め、ピッタリと寄り添って歩くベアトに戦慄しつつリビングへ向かうソウゴ。

 

 今日もアビドスは平和である。

 

 

 「だからっ!ユメ先輩、このパーツはここっ!これはそっちですってばっ!」

 

 「ひぃ~んっ!!」

 

 

 ……うん、平和である。




 という感じの日常回でした!
 不良だった子達も更正して毎日健全に青春しています!

 アイ、マイ、ミイという名前は安直でモブ感出しつつ、良い感じでは?と作者が勝手に思って付けました。はい、またオリキャラです。
 黒服の面影、どこ…?もう、わっかんねぇなこれ。
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