最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 誰もシロコが一人しか出ないなんて言ってないもんに!

 可愛いシロコが増える分には…かまへんか!!

 投下します!


もう一人のシロコ

 ~アビドス高等学校 保健室~

 

 

 「さて、保健室まで運んだのはいいけど…。この子が誰なのか全く分からないままだね…。」

 

 

 ユメは保健室のベッドに謎の少女を寝かせ、布団を掛けて頭を撫でる。見付けた時よりは幾分か血色が良くなっているように見える。

 

 

 「取り敢えず、ソウゴさんに連絡してみましょう。大人の力を借りた方が良いと思いますし」

 

 「分かった。電話してみるね?」

 

 

 アイが再度電話を掛けると今度はソウゴが出たので、シロコそっくりの少女を保護した事、その時の状況等を話してこちらに来てもらうようになった。

 

 電話を切って待つこと10分程でオーロラカーテンを使って、保健室へやって来たソウゴ。

 ついでにシロコもソウゴの腰にがっちりくっついて来た。

 

 

 「あの、ソウゴさん?シロコちゃん、どうしたんですか?」

 

 「いや~…。電話の内容が聞こえてたみたいで、付いて行くってきかなくて…。」

 

 「ん!私のそっくりさんがいるなら、会いたいって思うのは当然!」

 

 「こんな感じです…。」

 

 「ん!娘に勝てる父親なんていない!」

 

 「あはは…。えっと、その子が?」

 

 「はい。電話でもお話ししましたが、路地裏で倒れてて…。」

 

 

 ソウゴとシロコが少女に近付き顔を覗くと、確かにシロコにそっくりで二人共目を見開いて驚いてしまう。

 

 そうこうしていると周りの話し声に反応し、少女の目がうっすらと開き呻き声を上げる。

 

 

 「うぅ…。あ、れ?…わたしは?」

 

 「ん?気が付いた?」

 

 「…え?わたし…?」

 

 「パパ、この子目が覚めたよ!」

 

 「パパ…?」

 

 「お、目が覚めたかい?」

 

 

 シロコの呼び声に少女の元へやって来るソウゴ。少女自身、何がなにやら分からないといった表情だ。

 

 ベッドの側にある椅子に腰掛けると、すかさずシロコが膝の上に座ってきて、満足気に耳をしきりに動かしている。

 娘のいつもの奔放さに苦笑しながら、ソウゴは少女へ話しかける。

 

 

 「こんにちは。俺は、絆 ソウゴっていうんだ。こっちは娘のシロコ」

 

 「ん。将来の夢はパパのお嫁さんの、絆 シロコ。よろしく!」

 

 「その夢は初耳ですが!?」

 

 「ん、将来はパパを襲う」

 

 「襲うなー!」

 

 「あ、あの、えっと……?」

 

 「お二人とも!この子が混乱してますから、いつもの親子漫才は後にして下さいっ!!」

 

 「「ご、ごめんなさい…。」」

 

 

 ホシノに一喝され、改めて少女に話しかける。

 

 

 「気を取り直して……君の事を教えてもらえるかな?」

 

 「……私もあまりハッキリと自分の事を覚えていない…。確かに分かるのは、私の名前はシロコ……砂狼 シロコって名前。後は、気が付いたら砂に囲まれた人気の無い場所を彷徨っていて……空腹で倒れて目が覚めたらここに居たってことくらい…。」

 

 「ん、すごい偶然。私も気が付いた時はその辺を彷徨ってて、パパと家族になった。私も自分の名前しか覚えてなかった。旧姓は、砂狼。貴女と同じ」

 

 「んっ!?貴女も砂狼 シロコ…?ど、どういうこと?」

 

 「ん、今は絆 シロコ。世の中には自分にそっくりな人が三人はいるって、この間テレビで言ってた。だから多分、今回のはそれ」

 

 「今回のはそういう問題じゃないような…?」

 

 「う~ん…。まぁ、考えてもよく分からないしさ?取り敢えず君、ウチに来る?」

 

 「…おじさんの家に?なんで?」

 

 

 シロコ(やんちゃ)の発言に突っ込むユメに、現状で衣食住を提供できる環境から、一緒に来るか提案するソウゴ。

 

 シロコ(新)は警戒しつつ尋ねる。

 

 

 「…困っている子供を、見捨てる大人にはなりたくないってだけだよ。それにウチは部屋も余ってるし、衣食住は提供できるよ?どうかな?」

 

 「……私は、私より強い者にしか従わない。…だけど、今はそうも言っていられないのも事実。だから、今は貴方を利用させてもらう」

 

 「ん、素直じゃない」

 

 「……ん、貴女がチョロいだけじゃない?」

 

 「は?喧嘩売ってる?弱シロコ」

 

 「…私は弱くない。チョロシロコの方が弱い」

 

 「…ん!」

 

 「ん!ん!」

 

 「「ん~!!」」

 

 「わぁ~!早速仲良くなってるね~!」

 

 「え、これ見てその感想出ます?先輩?」

 

 「喧嘩する程仲が良いっていうじゃん?似た者同士、直ぐに仲良くなるって!」

 

 「マイまで…。はぁ…。まぁ、悪い子ではないみたいだし、大丈夫かな?」

 

 

 お互いをペチペチと叩き合うダブルシロコを見ながら、生暖かい眼で見守る。

 

 アビドスに新しい出会いが舞い込んで、ドタバタと時間は過ぎていく。

 それから時は進んでいき――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~2020年 春 アビドス高等学校~

 

 

 「これより、アビドス高等学校入学式を行います。名前を呼ばれたら、元気よく返事をして下さい。……十六夜 ノノミさん」

 

 「はい!」

 

 「絆 シロコさん」

 

 「はいっ!」

 

 「絆 ミサキさん」

 

 「はい!」

 

 「砂狼 シロコさん」

 

 「はい!」

 

 「以上四名、御入学おめでとうございます!」

 

 

 ーーパチパチパチパチッ~!

 

 

 今日はアビドス高等学校の入学式。ホシノの司会進行により、無事にそれも終えて校門にて皆で写真撮影を行っている。

 

 え?知らない顔がいるって?…きっと幕間とかで紹介されると思うから、多少はね?

 

 

 「うぅっ…!ウチの子の晴れ姿は、何度見ても泣けるでぇ…!」

 

 「もう…。貴方って人は…。この間はゲヘナで、その前はトリニティで同じ様に泣いて…。明後日はサオリのミレニアムでの入学式だぞ?…いい加減に馴れたらどうだ?」

 

 「だって、娘の晴れ姿だぞ!立派に育った姿を見たら、感極まるのはしょうがないだろう!?」

 

 「親バカが過ぎる!気持ちは分かるが、どっしり構える事も覚えてくれっ!…そんな所も好きだけどな!」

 

 「えぇ~…。隙あれば惚気るじゃん…。まぁ、私もだけど」

 

 

 娘の晴れ姿に号泣するソウゴに、写真を撮りまくるミツキ。ソウゴに注意しつつもしっかり惚気るシオリ、それを見せられる子供達という割りとカオスな空間が広がる。

 

 

 「ホシノちゃん!司会進行、お疲れ様~!新生徒会長として最初のお仕事、格好良かったよ~!」

 

 「うへぇ~!ユメ先輩!抱き付くのは止めて下さい~!」

 

 

 正史と比べ、アビドスの歴史はかなり変わっている。

 

 ユメは生存し無事に卒業を迎え、今はクジゴジ堂に就職。仕事をこなしながら、アビドス高等学校へも時々OGとして顔を出している。

 

 ホシノは、ユメより生徒会長の座を受け継ぎアイマイミイと生徒会を運営している。

 

 本来ならノノミとシロコだけが入学する筈の今日、更に二人の新入生を迎えた。

 

 確実に歴史は変わっていき、元の姿から解離している。

 

 ソウゴにとってキヴォトスはアニメでもゲームでもなく、現実だ。

 この先に何が待っていてもその瞬間瞬間を必死に生きて、最高最善のハッピーエンドを迎えてみせる。

 

 子供達の輝かしい青春の物語を見ながら、ソウゴは改めて心に誓うのだった。




 最終回の様な終わり方したな…。

 でも終わりませんッ!!今後は2~3話幕間を挟んで本編更新していきます。

 今後も宜しくお願いします!
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