ジオウタグが息してないからね!
ぼちぼちやっていきます。
~クジゴジ堂~
ある日の昼下がり。
業務用冷蔵庫の修理を依頼しに来たお客さんに、ある噂話を聞いた。
「アビドス市街で怪物が出た~?」
「おうよ。まぁ、話し半分にでも聞いててくれや!」
「怪物ね~?何かと見間違えたとかじゃなくて?」
「俺もそう思ったんだがな?あんまりにも怪物を見た見たって通報が多くて、ヴァルキューレの生徒さんが見回りに来てよ。……見たんだと」
「見たって?」
「……機械で出来た身体で、胸元に数字の彫ってある怪物をだよ~!」
「ひぃ~んっ!?怖いよ~!やめてよ柴大将~!もう一人で外歩けなくなるよ~!」
「ビッッックリしたぁ…。ユメちゃん、急に大声出されると心臓に悪いって…。大将もあんまり脅かさないで下さいよ…。」
「あわわ……ご、ごめんなさい!」
「あっはっはっ!いや~悪い悪い!ユメちゃん、こういう話しが苦手だったんだな!」
怖い話しが苦手らしく、大声で叫ばれたソウゴはそちらに驚き、心臓が跳ねて痛む。
お客さん……柴関ラーメンの大将は、最近アビドスで噂になっている「機械で出来た怪物」の話を聞かせてきた。
「しかしよぉ、ヴァルキューレが介入してるのは事実だし、ソウちゃんとこの奥さんや嬢ちゃん達に何かあったら大事だろ?俺も心配なんだよ」
「それは有り難いけど、脅かさなくてもいいでしょうに…。」
「うぅ…!ホシノちゃんに迎えに来てもらおう…。」
「……でだ、この話しには続きがあってな?この怪物が出る前には、ある特徴があるらしい」
「「特徴?」」
「あぁ、なんでも怪物が出る前には“どんより”とした感覚に陥るんだとよ」
「どんよりって、まさかな…。」
「ま!ヴァルキューレが動いてんだ!その内に解決するだろうさ!…じゃ、修理頼んだぜ~!」
「次は時計を持ってきて下さいね~!ウチ、時計屋なんで~!」
ソウゴの掛け声に大将は手を振るだけで応え、店を出ていった。
柴大将と入れ替わるように店の扉が開き、誰かが入店する。
「いらっしゃいませ~!今日はどのようなご用件ですか?」
「…お久し振りです、ソウゴさん。覚えていらっしゃいますか?」
「ん?おおっ!カンナちゃん!一年振りかな~!元気そうで良かったよ~!」
「えぇ、お久し振りです。ソウゴさんも、お元気そうでなによりです」
「今日はどうしたの?あっ!座ってて、今コーヒー淹れてくるから!」
「え、あ、お、お構いなくっ!って、もう居ない…。」
「「ただいまっ!私が帰ったっ!!」」
「あ、シロコちゃん達。お帰りなさい~」
ソウゴがカンナを置いてコーヒーを淹れにキッチンへ向かうと、入れ替わりでシロコ達が帰宅してくる。
ユメが挨拶を返すとシロコ達も挨拶を返し、カンナに気付かないまま入り口で話し出す。
「ん、今日のランディングは私が速かった。弱シロコはいい加減、敗けを認めるべき」
「ん!チョロシロコが校門を出る時にフライングした!今日のはノーカン!」
「証拠もないのに騒ぐのは弱者の証拠。まったく、みっともない…。」
「ただいま~。あれ?チロコとヨワコ、何言い争ってんの?」
「「んっ!!その略称は止めてって言ったっ!」」
「え~…?可愛いと思うけど?別に良いじゃん」
「「良くないっ!可愛くないっ!」」
「あぁ~…。はいはい、分かりましたよまったく……それで?何があったの?」
シロコ達が説明するとミサキは、また下らない事で…。と呆れるが、不毛な争いに終止符を打つべく告げる。
「ちなみに、私見てたけど確かにチロコはフライングしてたよ。だからヨワコの言い分が今回は正しいかな」
「ほらっ!私が正しかった!チョロシロコは今すぐ謝罪してっ!」
「くっ…!…いいよ。私はちゃんと自分の非は認める事が出来る女…。……ご、ごめ…!ごめん、なさい…!」
「いや、滅茶苦茶嫌そうに頭下げるじゃん…。全然、素直じゃないじゃん…。」
そんなやり取りを見せられていたカンナは、ぽかんと口を開けて呆気に取られていた。
「カンナちゃん、お待たせ~!ウチのオリジナルコーヒーだよ。飲んでみて……ってミサキ、シロコ達お帰りなさい!帰ってたんだな」
「うん、ダディただいま。…お客さん居たんだね、気付いてなかったや…。」
「あ、いつぞやの犬のお巡りさん。こんにちは!」
「ん?誰?」
「あぁ、シロコは初めて会うのか。この人はヴァルキューレ警察学校の尾刃 カンナちゃん。カンナちゃん、こっちのシロコがあの時一緒に居たシロコ。こっちのシロコは最近ウチの居候になった砂狼 シロコだよ。仲良くしてやって?」
「シロコちゃんが二人…?ええと、御紹介に預かったヴァルキューレ警察学校二年生の、尾刃 カンナです。宜しくお願いします」
「ん!砂狼 シロコだよ。よろしく」
挨拶を済ませ、少しばかりのアイスブレイクを挟みカンナはクジゴジ堂を訪れた用件を語り出す。
「コーヒーありがとうございました。とても美味しかったです」
「お粗末様でした」
「ところでソウゴさん。本日、私がこちらを伺った件なのですが…。」
「あぁ、ごめん!つい話し込んじゃった…。それで、用っていうのは?」
「はい。……もう耳にしているとは思うのですが、近頃アビドスで噂になっている怪物の件です」
「例のヤツか。まぁ噂程度になら…。」
「その怪物なのですが、今のところ大事には成っていませんが、事に当たっているウチの生徒との間で交戦が何度か行われていまして…。」
「え!戦ってるの!?」
「正確には良いようにあしらわれている、といった感じです…。」
カンナ曰く、何度か怪物と交戦しているものの、相手は謎の現象である“どんより”を引き起こし、ヴァルキューレを煙に巻いていると言う。
依然として捕まえるまでに至っていないため、外出の際は気を付けて欲しいとの事だった。
「分かったよ、捜査に行き詰まったらまたここにおいで?コーヒーと、愚痴くらいなら聞いてあげられるから」
「……はい、その時は宜しくお願いします。では、本日はこれで」
「うん、何時でもおいで~!」
こちらに軽く会釈して去っていくカンナを見送りながら、ソウゴは思考を巡らせる。
(十中八九、その怪物は“ロイミュード”だろう…。だけど、どうやって現れた?まさかタイムジャッカー?いや、奴らはこの世界には存在しない筈…。なら一体何が起こって…?)
「ダディ?怖い顔してるよ?どうかしたの?」
「ん?…いや、なんでもないよ。心配してくれてありがとう、ミサキ」
「ん…ダディ、頭撫でるの好きだよね。…私も好きだから良いけど、家族以外に簡単にやっちゃ駄目だよ?」
「嫉妬しちゃうから?」
「……バカ、ダディの女誑し。べ~!っだ!」
ソウゴに揶揄われて頬を紅くし、走り去るミサキを見ながらソウゴは苦笑し、呟く。
「何もなければ良いんだけどな…。」
~アビドス郊外 廃ビル~
「そろそろ事を起こす頃合いか。何度か脅威度を測るために、生徒と交戦したが……何れも脅威足り得なかったな」
郊外にある廃ビルの中で、機械の怪物は己の中の記録を再生しながらそう結論付ける。
「さて、創造主の命令を果たすとするか…。」
怪物はアビドス市街へその足を向けた。
ソウゴの願いも虚しく、悪意は忍び寄る。
新たな戦いの幕が揚がろうとしていた…。
悩んだ末のロイミュード。
これからちょいちょい、何らかの怪人を出していきます。
改めてライダー見直したり、調べたりとかしてるので時間はかかりますが更新していきますので、宜しくお願いします。