最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 上中下と分けた最後です。シロコの本当の戦いが今から始まる…!

 最近、改めてドライブに嵌まり始めたので初投稿です。


彼女は何を破壊するのか(下)

 ~ロイミュード事件より二日後 クジゴジ堂~

 

 

 「あぁ~…。何で私が、店番なんかしないといけないんだよ…。私は悪者だぞ~…。恐いんだぞ~…。」

 

 「もうっ!ミクちゃん?ちゃんと働かないと駄目でしょ?それに自分で言うのも恥ずかしいけど、その見た目で恐いって思う人はいないよ?むしろ可愛いもん」

 

 「本っ当に自分で言うことじゃないよな!私の見た目はユメなんだからさ!うぅ~…。ユメをコピー元にしたのがそもそもの失敗だよ~…。」

 

 「やめてよっ!?その言い方だと私がポンコツみたいじゃんっ!」

 

 「実際、ポンコツだろ…。」

 

 「ひぃ~ん!自分の顔でポンコツって言われるのが、一番傷付くよ~!」

 

 

 ひんひん鳴いて悲しむユメの隣で、長い髪をツインテールにしてジト目を向けるユメ……もとい、歌姫(うたひめ) ミク。

 

 ユメにも事の経緯は説明し、本人は「妹が出来たみたいで嬉しい!」と納得(?)していた。

 

 

 「…それにしても、今日は客が来ないな…。昨日なんか凄かったのに」

 

 「そう言われればそうだね。いつもは、世間話をするためだけに来店する人もいるのに…。」

 

 「…この店を喫茶店かなにかと勘違いしてらっしゃる?」

 

 「確かに、このお店のコーヒー目当てで来る人も多いからねぇ~。半分は喫茶店みたいになってるよね」

 

 「それで良いのかこの店は…?」

 

 

 などと二人で話していると、店の扉が開かれる。

 

 

 「いらっしゃいませ~!今日はどう……って、黒服さん!?どうしたんですか!その怪我っ!!」

 

 「…すみません…。ソウゴさんはいらっしゃいませんか…?至急、伝えなければいけないことがあるのですが…。」

 

 「えと、今日はソウゴさん達は家族でアビドス砂漠まで出掛けてて…!!それより、黒服さんの手当てをしないと…!!」

 

 「…!だからヤツはこのタイミングで…!!すみません、私はソウゴさん達の所へ向かいます。失礼しました」

 

 「え、あっ!黒服さんっ!…行っちゃった…。何があったんだろう?」

 

 「ユメ、さっきのヤツ誰?」

 

 「うん?…あぁ、ミクちゃんは会った事なかったね。あの人はーー」

 

 

 黒服の姿に動揺を隠せないユメであったが、止める間も無く出ていったため、ミクの質問に答える。

 説明しながらも、ユメの中では言い様のない不安が拡がるのだった。

 

 

 

 

 ~アビドス砂漠~

 

 

 所変わってアビドス砂漠。ここには先日、門矢 司より力を授かったシロコの希望で、ライダーの力を試すために来ていた。

 

 

 「シロコ、準備はいいか?」

 

 「うん。いつでも…!」

 

 「よし、ならウォッチを起動させてみてくれ」

 

 「んっ!」

 

 

 ーディ・ディ・ディ・ディケイドッ!

 

 ウォッチを起動させると、シロコの腰へ『ネオディケイドライバー』が巻かれる。

 

 

 「ん~!ベルトが出てきた!感動っ!」

 

 「使い方は分かるか?」

 

 「うん!何か頭に勝手に浮かんできた!いくよっ!」

 

 

 シロコはサイドハンドルを引き、ライドブッカーからカードを取り出し、バックルへ装填する。

 

 

 ーKAMEN RIDE

 

 

 「……んっ!変身っ!!」

 

 

 ーDECADE!

 

 

 「おぉー…。これが、ディケイド…!私の新しい力…!!」

 

 

 シロコが変身し、仮面ライダーディケイド(ライダー少女ver)となり、軽く身体を動かしながら感動する。

 

 

 「パパ!私と模擬戦しよ!」

 

 「いきなり俺とかい?先ずは、その状態に慣れるところから始めた方が……」

 

 「パパ……ダメ?」

 

 「よぉ~しっ!パパ、張り切っちゃうぞ~!」

 

 「ん、おじさんは娘に激甘。あんな上目遣いぐらいでチョロい」

 

 

 チロコの上目遣いに、簡単に堕ちるソウゴに呆れ顔で呟くヨワコ。

 

 いざ、模擬戦!というところで、待ったがかかる。

 

 

 『家族で楽しそうだねぇ~?俺も交ぜてくれよ?』

 

 「誰だッ!」

 

 『これはこれは…。初めまして、時の王者様?俺の名はブラッドスターク。黒服から聞いてるだろぉ?』

 

 「…!!お前が……お前が、エボルトかぁッ!!」

 

 『おぉ!465番!!元気にしてたか~?なんだぁ?あのバーコード野郎と同じ様な格好して……どうやら、順調に育ってる様だなぁ…。』

 

 「私はシロコだッ!二度と番号で呼ぶなッ!」

 

 『おぉ~恐っ!…まぁ、何だっていいがな。どうせ教えたのは黒服だろうが、この姿の時はブラッドスタークって呼んでくれよ?結構、気に入ってんだよ~』

 

 

 突如として現れ、チロコを煽るブラッドスターク改めエボルト。それに対し、チロコは激昂するがエボルトはどこ吹く風だ。

 

 

 「エボルト、お前の目的は何だ?何で俺達の前に姿を現した?」

 

 『んだよ…。お前もエボルト呼びかよ…。ま!いいさ。目的、目的ねぇ~…?何て言って欲しい?』

 

 「は?巫山戯てるのか?」

 

 『巫山戯るぅ~?違う違う!どうせ何言ったって、お前らは素直に信じないだろう?だから何て言えば満足かって聞いてんのさ。ま、でもそうだなぁ……なら、こんなのはどうだ?』

 

 「っ!?!?…ガッ!ゲホッ!!」

 

 「シロコッ!!…何のつもりだ、エボルトォォォッ!!」

 

 『あぁん?だから、目的の話だよ。せっかくコイツが面白そうな力を手に入れたんだ。…だから、俺が試してやろうってんだよォッ!!』

 

 「アグッ!?」

 

 「エェェボォルゥトォォォォッ!!!!」

 

 『……はぁ。うるせぇなぁ…。お前らはコイツらと遊んでろッ!』

 

 

 スタークが鬱陶しそうにぼやき、二つに割れた銀色の物体を複数投げつけてくる。

 

 

 「なっ!セルメダル!?それに、クズヤミーだと!?」

 

 

 スタークの投げた物体……セルメダル。それを割った事により、クズヤミーが何百体と出現してきた。

 

 その向こう側ではスタークがシロコを痛め続けている。

 

 

 「クソッ!……変身ッ!!」

 

 「私達も行くぞッ!……変身ッ!!」

 

 「「「「「変身ッ!!」」」」」

 

 「ミサキとシロコは、メグリを守って?お母さん達はシロコちゃんを助けに行ってくるから!」

 

 「分かった。ベアトお母さん、気を付けて!」

 

 「ん、任せて!メグリは絶対守り抜く!」

 

 「かーさまっ!チロコお姉ちゃんを助けてね!」

 

 「うん!お母さん達に任せなさいっ!」

 

 

 メグリをミサキとシロコに任せて、ベアトも戦列に加わる。

 

 

 「兄様達と訓練はしてたけど、この姿で敵と戦うのは初めて……先ずはどの程度通じるか小手調べだッ!!」

 

 

 ベアト……仮面ライダー響鬼(ライダー少女ver)は走りだす。

 

 ベアトリーチェとの一件の後、自らの未熟さを恥じて修行を行い、その過程で響鬼の力を手に入れていた。

 

 

 「ハァッ!ヤッ!タァッ!」

 

 

 音撃棒・烈火を両手に持ち、クズヤミーを殴り付ける。クズヤミーはその攻撃で簡単に消滅する。

 

 続けてクズヤミーを倒し続けるベアトは、シロコの元へ向かうべくソウゴ達と連携して少しづつ歩を進めていく。

 

 

 「この力…十二分に通じている…!待っててシロコちゃん…!」

 

 

 ~エボルトVSシロコ~

 

 

 「強い…!でも、まだ手を抜いてるでしょっ!?」

 

 『そりゃぁな?お前の今の仕上がり具合を確かめてんだから、壊すわけにもいかんだろ?だが…!』

 

 

 一気に距離を詰め、シロコの腹部に強烈な一撃を叩き込むスターク。

 

 

 「う…あ……。こ、のォッ!!」

 

 『おおっと!危ない危ない~!』

 

 

 苦し紛れに放つシロコの拳を、スタークは言葉とは裏腹に余裕を持って躱す。

 

 

 「お前は、さっきから試すとか、私の仕上がりを確認するとか、何様のつもりだッ!!」

 

 『そりゃお前、俺はお前の生みの親だぜ?子供の成長は気になるだろう?親としてな~?』

 

 「…ッ!!……私の親はッ…!パパとママ達だッ!!お前じゃないッ!!うわぁぁぁッ!!」

 

 『……はぁ。たくよぉ…こっちが甘い顔見せてれば、ピーピー喚くばかりで……うぜぇな?』

 

 

 スタークは敢えてシロコの拳を顔で受け、その腕を掴む。

 

 

 「ッ!放せ!このッ!」

 

 『親として、躾の時間だ。壊れるなよ?』

 

 「何をッ…ゴッ!?ガッ!?」

 

 『いいか?よく聞けよ?お前はなぁ……お前がッ!どんなにッ!否定してッ!抗ってッ!奴等と家族ごっこを楽しんでてもなぁッ!!』

 

 「イッ!?ギッ!?アグッ!?ガハッ!?」

 

 『お前は偽物の……紛い物の生命なんだよぉッ!!!!』

 

 「ガッ!?アァァァァーーッ!?!?」

 

 

 シロコを否定する言葉と共に、何度も打ち付けられるスタークの拳。最後にオーラを纏った渾身の一撃を受け、派手に吹き飛び砂山に突っ込むシロコ。

 

 変身も同時に強制解除される。

 

 

 『…あちゃ~!やり過ぎたか…?加減ミスったかもなぁ~…。』

 

 

 砂山に突っ込んだまま、ピクリとも動かないシロコを見て「殺っちまったか?」と呟くスターク。

 

 どうするか…。と考えていると、シロコの指先がピクリと動く。

 

 

 『お!良かったぁ~…。いや~!生きてたか!折角の成功体がおじゃんになったかと思って、焦ったぜ~!』

 

 「……まれ」

 

 『…あん?』

 

 「黙れッ!!」

 

 

 シロコの叫びと共に埋もれていた砂が弾け飛ぶ。

 

 

 「私は、お前の言う通りの存在なのかもしれない…。けどッ!私は!こんな私を家族だと、娘として、友達として、仲間として愛してくれてる人達がいる事を知ってるッ!!」

 

 『だから、それは所詮はごっこ遊びーー』

 

 「違うッ!!!!」

 『!?』

 

 「お前は知らないのかもしれないから、教えてあげる。……人はね、血の繋がりや生まれによって何もかもが決まる訳じゃないんだよ。お互いを愛して、信頼して、理解し合えば……多少の困難くらい乗り越えて、本物の家族にだってなれるんだッ!!」

 

 『……何なんだよ、お前は?研究所に居た時とは全然、精神力が違いすぎる…!ここまでやられて折れないお前は、何なんだ!?』

 

 「…私?私は『絆 シロコ』。そして……これからは通りすがりの仮面ライダーだッ!!覚えておけッ!!……変身ッ!!」

 

 

 ーKAMEN RIDE

 

 ーDECADEッ!!

 

 

 シロコの想いに呼応するように、力強い衝撃波が変身の余波としてスタークに叩き付けられる。

 

 スタークはたたらを踏みつつも留まり、変身したシロコを睨みつける。

 

 

 『そうかいそうかい…!躾が足りないってことか……なら、もう一度身体に叩き込んでやるよぉッ!!』

 

 「…フンッ!!」

 

 『ガッ!?』

 

 「ハッ!ヤッ!セェイッ!!」

 

 『ゴハッ!?何だ?急に動きや力が増しやがった…?これはいったい…!?』

 

 「ん、ごちゃごちゃ五月蝿い。…先ずはこれ」

 

 

 ーATTACK RIDE……SLASHッ!

 

 「ハァッ!!」

 

 『ガァァッ!?』

 

 「おかわりもある。遠慮しないで受け取って?」

 

 

 ーATTACK RIDE ……BLASTッ!

 

 『グッ!?アアアアアッ!?』

 

 「……今の私の全力の一撃を、これに乗せて叩き込む…!!」

 

 

 ーFINAL ATTACK RIDE ……DE.DE.DE.DECADEッ!!

 

 「ハァァァァ…ッ!!ハァーーーーッ!!!!」

 

 『ク、ソッ!ガァァアアアアアッ!?!?』

 

 

 シロコの『ディメンションキック』をもろに食らい、大爆発を起こすスターク。

 

 シロコが用心深くその炎を見つめていると、中からボロボロではあるが辛うじて立っているスタークが現れる。

 

 

 『…今回はこれで一度引き下がるさ。だがッ!忘れるなよ?俺はまたいつか、お前の前に現れるからなぁ?』

 

 「ん、何度来ても同じ。私は負けない!!」

 

 『そうかい…。んじゃあ、またな?』

 

 「あ、待って」

 

 『うん?』

 

 「……貴方の事は大っ嫌いだけど、私を造ってくれた事は感謝する。お陰でパパ達と家族になれた。だからそこだけは、ありがとう」

 

 『……Ciao~』

 

 

 スタークはシロコの言葉に反応は見せず、煙と共に消えていった。

 

 シロコはそれを力強い眼差しで見つめるのであった。




 エボルト襲撃から撃退までの回でした。長くなり過ぎると思って書いてない部分もあるので、後で幕間書ければいいかなと思ってます。
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