最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 う~ん…。調子が出ない…。あ、地雷回になるので注意をば。


Project.EDEN

 ~クジゴジ堂~

 

 

 「…がるるるるっ!」

 

 「メグリ、どうどう…。」

 

 「クックック…。止めを刺されるかと思いました…。」

 

 「お前は反省しろな?」

 

 

 黒服が冷蔵庫から現れ、サプライズ等と巫山戯て言ったら、メグリが盛大にキレ散らかした。

 

 なんとか皆で抑えたが、今でもベアトが抱っこ状態で拘束していなかったら、恐らく黒服は今日が命日になっているだろう。

 

 

 「で?なんでお前は家の冷蔵庫から出てきたの?」

 

 「少し前に、此方でゲマトリアから離反するという旨の話をした事を覚えていらっしゃいますか?」

 

 「確かにしたな」

 

 「その時に、今回の様になるケースも想定してセーフハウスを用意しようと思い立ったのですよ」

 

 「ふむ?」

 

 「で、どうせならソウゴさん達の近場に作った方が後々、何かと便利だと考えましてね?」

 

 「…続けて?」

 

 「皆さんに気付かれないように、こっそりと地下にセーフハウスを造りました」

 

 「ギルティ」

 

 

 黒服のキャラ崩壊具合に頭を抱えつつ、ソウゴは話が進まないのでそのまま続ける。

 

 

 「…良くはないが、家の地下に秘密基地を造ったのは分かった。それで?お前がスタークに襲われたって話だったよな?」

 

 「…ええ。どうやら奴は、とある計画を実行しているようなのです」

 

 「計画…?」

 

 「はい。その名は……『エデン』。奴は奴にとっての楽園を築くつもりのようです。…この、キヴォトスを……いえ、地球そのものを支配して」

 

 「…待ってくれ。確かスターク……エボルトは星を吸収することで、自分を強化する存在だよな?」

 

 「はい、そのように把握しています」

 

 「なら、何で支配なんて考える?」

 

 「……そこなのです。私が奴に襲われた最大の理由は」

 

 

 黒服は顔を俯かせ、低い声で続ける。

 

 

 「私は、奴の計画の核心に近付いてしまった…。恐らく、今回のシロコさん襲撃の件も絡んではいるのでしょう。だが恐らくは、私の知ってしまった事が、貴方方の耳に入るのを嫌ったのだと私は考えています…。」

 

 「それって…?」

 

 「奴の計画である『エデン』、その内容は神秘溢れるこの世界を支配下に置き……神秘を持つ人間を家畜扱いするためです…!」

 

 「……は?何だよ…それ。人間を家畜…?」

 

 「最初は、星を取り込むというスタンスだったようです。しかし、奴は気付いた…。神秘を持つ人間を増やし、それらを吸収した方が、より良い力を得られると…。」

 

 「…なんて、悍ましい…!そんな神をも恐れない鬼畜の所業を、本当に実行しようとしているのですか!?」

 

 

 黒服の語った内容に、マトイは血の気の失せた顔でふらつき、シオリに支えられながら叫ぶ。

 

 ソウゴは家族を見渡すと、反応は一様に同じだった。メグリに至っては、先程までの元気が嘘の様に震えてベアトにしがみついている。

 

 

 「…その計画の一環で生み出されたのが、シロコさんです。そして、私にも把握出来ていない物もまだ幾つかあるようです」

 

 「……エボルトは私が、絶対に倒す。絶対に…!」

 

 「シロコ…。」

 

 「あのぉ、すみません…。」

 

 「はい?」

 

 

 お通夜の様な空気の中で、カンナがおずおずと手を上げて割って入っていく。

 

 

 「そのぉ、シロコさんの事とかこの黒服さん?の事とか、詳しい事をお聞きしても宜しいですか…?」

 

 「あ、カンナちゃんは知らない事が多いか…。えっとね……」

 

 

 ──ソウゴ達説明中…。

 

 

 「……そんな事が、現実にあるんですか…?いえ、だからこそ皆さんは、先程の様な反応をされていたのですよね…。」

 

 「現実離れした話だとは思うけど、本当の事だよ…。」

 

 

 一通りの説明を終え、カンナには絆一家の事情を含め理解してもらった。

 

 

 「…ソウゴさん。今後のエボルトとの戦いに備えて、私から一つ提案をさせて頂きたいのですが?」

 

 「教えてくれ」

 

 「はい。…エボルトが非道な存在であり、此方の埒外にある事は今までの経緯で知ってもらえたと思います」

 

 「ん…。アイツには人間の常識や倫理観は無い。きっとこれからもそれは変わらない」

 

 「ええ、シロコさんの言う通りです。更に言えば、こちら側の戦力がエボルトと戦うには心許ない…。ですので、ソウゴさん……」

 

 「俺…?」

 

 「貴方には、一人でも多くの仮面ライダーの素質を持つ方を探してもらいたい」

 

 「て言っても、簡単なことではないぞ?」

 

 「それは理解しています。ですが、これは私の推測になりますが、貴方は恐らく仮面ライダーの素質を持つものを引き寄せる人です」

 

 「そんな事は……」

 

 「現に貴方の奥方達や、シロコさん。それにカンナさんや私は、貴方にライダーの素質を見出だされた。貴方という存在は恐らくこの世界の特異点…。自然と様々な事象がソウゴさんに引き寄せられるのでしょう」

 

 「……了解だ。取り敢えずはこの星を救うために、俺なりに頑張ってみるよ」

 

 「ええ、宜しくお願いします」

 

 

 粗方の方針を決め、一旦解散しようとなったところで唐突に声が上がる。

 

 

 『話が纏まったみたいだから、俺からもいいかな?』

 

 「え?……貴方は!」

 

 『王様は知ってるかな?…俺は、火野 映司!仮面ライダー オーズをやってました!』

 

 「どうして貴方が…!」

 

 『そこの黒服さんが言ってたでしょ?仮面ライダーを探そうって』

 

 「正確には、その素質を持つ者ですがね」

 

 『どっちでも同じですって!で、この流れで俺が言いたい事は分かるでしょ?』

 

 「…まさか、いるのですか?この場に、貴方の力を受け継ぐに相応しい相手が…!」

 

 『はい!…俺のオーズとしての力を託せるのは、君だよ。ユメちゃん』

 

 「……へ?わ、私!?どうして!?」

 

 『そうだなぁ…。説明するのは難しいから、俺の手を握ってくれる?』

 

 「え?は、はい。じゃぁ、失礼します…。」

 

 

 映司の手を恐る恐る握ったユメの頭の中には、これまで映司のオーズとして歩んできた記憶と、ユメに託したい想いが流れ込んできた。

 

 時間にして一瞬の事だったが、ユメはその記憶と想いを受け、自然と涙が頬を伝う。

 

 

 「…映司さんの想い、伝わりました。何故、私が貴方に選ばれたのかも心で理解しました。……映司さんも、誰かのために手を伸ばし続ける事を、辞められなかったんですね…。」

 

 『うん。どんな相手でも、困ってたり、助けが必要なら、俺はこの手を伸ばして相手の手を掴みたい…。でも、俺一人の手じゃ届く範囲はこれだけ。だけど、二人、三人って手を繋げば届く手は拡がる。…ユメちゃん、君はそれが出来る人だ。だから俺は君にこの力を託したいと思った』

 

 「…正直、私は戦いは苦手です。けど、私も映司さんの想いは理解出来ます。誰かを本気で助けたいって思うなら、自分が傷付かないで掴める手はないですもんね…。映司さん、私…!!」

 

 「ちょっと待ったぁー!!」

 

 「あれ?ホシノちゃん?どうしてここに…?」

 

 「私のユメ先輩レーダーが反応したので、ダッシュで来ました!」

 

 

 いきなり扉をバタンッ!と開き現れたホシノの言葉に、軽く引いて見ていると確かにホシノのアホ毛がピーンっと立っていた。

 

 え、あれってユメちゃんレーダーだったん?

 

 

 「扉の前で話を聴いてましたが、ユメ先輩に危険な真似はさせられません!ユメ先輩に何かあったら、私は…!」

 

 「ホシノちゃん…。」

 

 『だったら、その間抜けそうな女一人じゃなきゃいいわけだな?』

 

 『あ!おい!ちょっと待てって!!』

 

 「へ?うっ!?……ほう?こいつは驚いたなぁ。この身体、かなりしっくりきやがる」

 

 「ホシノちゃん…?」

 

 

 映司とは違う声が響いたと思ったら、慌てた様子の映司が声を上げた次の瞬間にはホシノの様子が変化した。

 

 ピンクの髪の中に一房だけ赤と金のメッシュが入り、右手には籠手とは違う、生物的な物が取り憑いている。

 

 

 「おい、ユメとか言ったか?映司の代わりにお前がオーズになるらしいな?」

 

 「ひぃん!?ホシノちゃんが不良さんみたいな話し方してる~!」

 

 「あ?俺はホシノじゃない、アンクだ!俺がサポートとして着いてやる。感謝しろ」

 

 『こらっ!アンク、頼むから印象悪くするような真似はしないでくれよ…。ごめんね?ユメちゃん。コイツこんなだけど、滅茶苦茶頼りになるから!』

 

 「えっと…?よろしくお願いします?」

 

 「はっ!よろしくするかはこれからのお前次第だ。せいぜい俺をガッカリさせんなよ?」

 

 「あ、あの…。ホシノちゃんはどうなったんですか…?」

 

 「あぁ、この身体の持ち主か?それなら……うおっ!?」

 (わ・た・しの身体……返せ~!!)

 

 

 ユメの言葉に反応するようにホシノの身体が跳ね、右手から何かが離れると肩で息をするホシノがいた。

 

 

 「ぜぇ…ぜぇ…。勝手に人の身体に入ってきて、許可くらい取ってよっ!この馬鹿っ!」

 

 『あぁっ!?誰が馬鹿だ!このチビ!』

 

 「あ?てめぇ、ぶっ殺すぞっ!?」

 

 「ホシノちゃん、落ち着いて~!」

 

 『あはは…。大丈夫かな…?』

 

 

 ぐだぐだな空気を感じ取った黒服は空気を変えるために、咳払いと共に話を戻す。

 

 

 「んんっ!…映司さんでしたね?今し方ホシノさんへ憑依?されたアンクさんとは、何者でしょうか?」

 

 『あ、はい!アンクは、グリードっていう存在です。性格は見ての通り素直じゃないですけど…頼りになる奴なんで、そこは安心して下さい!』

 

 「こんな腕だけの奴に何が出来るのさ?」

 

 『はっ!少なくとも、お前よりは上手くオーズに変身したユメをサポート出来るがな?』

 

 「は?私程ユメ先輩を熟知し、傍で24時間オールサポート出来る人間はいないが?あと、ユメ先輩を呼び捨てにするなよアンコ」

 

 『俺は、アンクだッ!しっかり覚えとけ、幼児体型!』

 

 「……殺す」

 

 「頼むから店の中で暴れないでくれ~!!」

 

 

 この後も、売り言葉に買い言葉で収拾がつかなくなり、また後日集まって話をすることになった。

 

 

 『取り敢えず、オーズの力はユメちゃんに託すよ。ホシノちゃんの事もあるし、それを使うか使わないかは君に任せる。あ、ウォッチは王様が使って!君になら、俺は預けられるから』

 

 「はい、有り難く使わせてもらいます!」

 

 『それじゃ、アンク?……信じてるからな?』

 

 『……あぁ、いつかまた会う日まで休んどけ。またな…映司』

 

 『うん。また…。いつかの明日で!』

 

 

 アンクを残して映司は消えていった。

 

 

 「よし!取り敢えず今日は一旦、解散として明日また話し合おう!」

 

 

 ソウゴの掛け声で各々解散していく。

 

 そんな中、ユメとホシノ、そしてアンクは気まずい空気を感じながら帰路に着くのだった。




 次回、最高最善のハッピーエンドは──

 「私が仮面ライダーかぁ…。」

 『一度変身したら、その力はお前以外使えなくなる。よく考えるんだな』

 「私は…!ユメ先輩に傷付いてほしくないッ!」

 「ごめんね?ホシノちゃん…。私、オーズになる」

 「アンク!私の身体貸すから!ユメ先輩を助けてっ!」

 『チッ!後でアイス寄越せよッ!』


 次回、『欲望の王』
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