こういうのは、ノリの良いやつが勝つってライダーから学んだ私に死角はない!(ないとは言ってない)
ーー転生の間ーー
「え、ちょっと!なんでソウゴさんは過去に跳んでるんですか!?」
「それは彼の願いと特典の力、そして精神性が関係していますね…。」
「女神様!?なぜこちらへ!?」
「少し、気になる気配を感じましたから」
「ソウゴさんが気になったんですか…?」
「安心なさい。貴女の想い人を奪う気はありませんから。ふふっ」
「違いますよ…?違いますからね…?」
ーー姦しくする事数分後。
「…こういった事でからかうのは今後、しないで下さいね?女神様…?」
「え、えぇ、分かりました…。」
(ツムギさん、笑顔の圧が凄いです…。)
「いい加減本題に入りましょう。ソウゴさんが過去に跳んでしまった理由を、知ってるんですよね?女神様」
「はい、といっても一部推測の域を出ませんがね…。」
それでも良ければ、と前置きしてから女神は語りだす。
「まず確実なのは、彼の願いと精神性を
「世界が?でも、そんな事って可能なのですか?基本的には我々、神が転生者を指定した時間、場所へ送り届ける事しか出来ないはずでは…?」
「えぇ、その認識で間違ってはいませんよ。ただ今回の世界が、少しだけ例外があったということです」
例外?と、女神の言葉に首を傾げ、考え込んだツムギに助け船を出す。
「ツムギさん、あの世界には彼の居た世界とは決定的に違うものがあるでしょう?」
「あ!神秘!神秘です!あの世界には、神秘が溢れてます!…あれ?でも、こちらの力に干渉出来る程のモノでしょうか?」
「そこで、彼自身の願いと精神性が関係してくるのです。彼の願いは、最高最善のハッピーエンド。そしてその精神性は限りなく善であり、しかし混沌も持つ。その不安定さが上手く噛み合ってしまったのです」
「…ソウゴさんは善き人です。彼は絶対に混沌には堕ちませんし、私がソウゴさんを導きます」
ツムギは理解していた。ソウゴと出会い、話すなかで彼の内にある善性を、歪さを。
だから、彼が魔王の力を望んだ時に不安になってしまった。この善き人が、いずれは堕ちてしまうのではないかと。過ぎた力を持てば、大なり小なりその在り方は変わってしまう、神も人もそこは同じだ。
でも、彼はーーー。
『俺を見守っていてほしい』
こちらの不安を理解し、私を頼ってくれたのだ。他人に頼れる精神性を、他人を想いやれる心を彼は持っている。
確かに、歪な部分もある。けれど、それは誰でも同じだ。きっと、私だって気付いてないだけで、そういった面はあるはずだ。だからーー。
「私が、彼の友として彼を導きます」
「…善き出会いがありましたね。貴女はきっと、私よりも良い女神になりますよ」
「はわわ!?あ、ありがとうございます!?」
(ちょっとだけ、慌てんぼさんなところがありますが、そこは成長に期待ですね。彼と共に…。)
たった一人の人間が、彼女を変えた。私の知る彼女は、優秀ではあるが精神的に未熟な部分が強かった。このままでは、候補生止まりも視野に入れるべきかと考えてもいた。そうならないように、力を貸すつもりだった。
それがたった一人の人間との出会いで、心が強くなった。少々入れ込みすぎている気もするが、それはそれとして喜ばしい事だ。でも、やはり少しだけーー。
(ツムギさんを成長させた彼に、柄にもなく嫉妬してしまっている…。ふふっ。私にも、まだこんな子供っぽい感情があったんですね…。)
別に、その在り方は特別でもなんでもない、普通の人間。されども、気付いたら周りに影響を与えている不思議な人…。
(一度、機会があれば私も彼とお話してみますかね?あぁ、久しく忘れていました…。何かに、誰かに強く興味を持つという感情を。願わくばーー)
彼が善き道を歩めますようにーー。
キャラクターが勝手に動く…動く…。
長くなるので、上下回に分けます。