最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 皆様、明けましておめでとうございます。皆様の健康とご活躍を願っております!
 後、今年も作者の作品を宜しくお願い致します!

 読んでくれる読者様により、支えてもらっている作品です。
 宜しければ、感想も頂ければなと新年より欲を出してみたり…。

 では、新年一発目を宜しくお願いします!


エピローグ ~幕間を添えて~

 ──私のミスでした…。

 

 ──私の選択、そしてそれによって招かれたあの全ての状況。

 

 ──結局、あの結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて……。

 

 

 気が付くと、私は電車の中で揺られていた。

 

 目の前には、胸から血を流している女の子が酷く後悔に満ちた顔で、独白を……いや、私に対して語りかけている?

 

 ──今回の世界は、私の……いえ、私達の願いに応えてくれたあの方のお陰で、少しずつ善き未来へ向かっています。

 

 

 目の前の少女は暗かった表情から一転して、穏やかな表情で話を続ける。

 

 “あの方…?というか、この子は一体…?”

 

 

 ──あの方は云わばイレギュラー。本来なら存在しない方です。それによりこの世界は、本来の形から大きく形を変え、多くの困難も増えています。

 

 

 “え。…それって善くなってなくない?むしろ悪化してるのでは…?”

 

 

 ──ふふっ…。それだけなら、そうですね。けれど、あの方は多くの縁を紡ぎ、絆とし、多くの涙を拭っています。

 

 

 “ほえー…。すっごい…。”

 

 

 ──誰かを助け、救って、癒して、寄り添って笑いあってくれる…。私には出来なかった事です。

 

 

 “優しい人なんだね?”

 

 

 ──そうなんですっ!だから私は…!…んんっ!失礼、少々取り乱しました。

 

 ──私が信じられる大人である、あなた方になら、この捻れて歪んだ終着点とは、また別の結果を……。

 

 ──そこに繋がる選択肢は……きっと見つかるはずです。

 

 

 そこまで言って少女は一呼吸置き、続ける。

 

 

 ──ですので、先生。あの方と共に、どうか、ハッピーエンドへと導いて下さい。お願いします…。

 

 

 “うん!任せて!きっと、最高のハッピーエンドを決めてあげるよ!”

 

 

 ──はい、期待しています。先生…。

 

 

 “あ、でもさ。…君もいつか向かいに来るから!それまで、待っててね!”

 

 

 ──!……はい、お待ちしてますね?先生。

 

 ──では、そろそろあちらにお送りします。お気をつけて。

 

 

 “うん!行ってきますっ!”

 

 

 少女に向かって笑顔で手を振ったところで、私の意識は真っ白に染まっていった…。

 

 

 ──……行ってしまいましたね。きっと貴女はここでの事は忘れてしまっているでしょう…。ですが、そうですね。赦されるのなら……。

 

 ──あなた方の歩む未来に、私も居ることをほんの少しだけ、願ってみましょうか…。

 

 

 最後に呟いた少女の顔には、笑顔が輝いていた。

 

 ─エピローグ 終─

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─ 幕間1:オーズアーマーに変身した頃、あの人は… ─

 

 

 「…ん?あれ、まさかこの感覚は…!?」

 

 「マトイ?どうし──」

 

 『祝えッ!!』

 

 「うわ、うるさっ!?」

 

 『ハッピーバースデー!祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来を知ろしめす時の王者!その名も仮面ライダージオウオーズアーマー!…また一つ王たるライダーの歴史を継承した瞬間である!』

 

 

 マトイは急に立ち上がり、一通り祝い終わると静かに座り直して眼を瞑る。

 

 

 「……はっ!ヒイロさん!今、私祝ってませんでしたか!?」

 

 「あ、うん。祝ってたけど、まさか…。」

 

 「…ツムギ様ですね。久し振りだったので、油断していました…!」

 

 「油断て…。というか、ソウゴが居ないのに祝うんだな」

 

 「あの方は、ソウゴさんを祝う事には妥協しませんからね…。せめて先に一言欲しいです…。」

 

 

 一言あればあの奇行は許容出来るのか…。と、ちょっとだけ引いたヒイロであった。

 

 

 

 

 ─ 幕間2:仮面の下にいるのは誰なのか? ─

 

 

 「クソ…。身体が付いていってない…!アイツらは変身して直ぐに戦えてるのにッ!私は…!!」

 

 

 アビドスのとある路地裏で、紫色の人影……魔進チェイサーは己の不甲斐なさに叫んでいた。

 

 

 「折角、戦う力を与えてくれたのに…すまない…。」

 

 

 チェイサーの足元に寄り添うようにやって来た、黒いミニカー……プロトスピードシフトカーにチェイサーは謝る。

 

 プロトスピードは“気にするな”と言うように、車体を動かす。

 

 

 「取り敢えず少し休んだらまた、加勢に行くよ。少しだけ眠るから、見張りをよろしく頼むな?」

 

 

 プロトスピードは“任せろ”と言うように、またアピールして表通りの方へ向かっていく。

 

 チェイサーは変身を解くと、中からはミクが姿を現して座り込み、壁に背を預けて眼を閉じる。

 

 

 「私が、守るんだ…。皆を…今度こそ…私が……」

 

 

 眠りに落ちたミク。その目元には涙の痕が残っていた…。

 

 

 

 

 ─ 幕間3:彼と彼女の密会 ─

 

 

 「──御足労願ってすみません、ソウゴさん」

 

 「いや、気にしなくていいよ。それより、久し振りだね?アロナちゃん」

 

 

 ブラッドスタークによるキヴォトス襲撃事件より二日後。

 

 とあるビルの最上階にある部屋へと、ソウゴはアロナから招かれていた。

 

 

 「絆 ソウゴさん……いえ、時の王者、仮面ライダージオウとお呼びした方がよろしいでしょうか?」

 

 

 クスリ、と笑いながらアロナはソウゴへからかうように伝える。

 

 

 「人が悪いなぁ…。何時から気付いて、というか知ってたの?」

 

 「助けて頂いたあの日、ですね♪」

 

 「初日からですか!?」

 

 「ふふっ♪まぁ、詳しくお話ししますと気を失っている間に、もう一人の私に会って聞かされただけなんですがね?」

 

 「もう一人のアロナちゃん…。」

 

 「あ、その顔。何か思い当たる事がありそうですね?」

 

 「…なんとなくね」

 

 

 そこからはアロナによる、今回ソウゴを招いた理由を話始めた。

 

 

 「もう一人の私によると、元々この世界は破滅に向かう運命にあったらしいです。そしてそれを何としても防ぎたかった」

 

 「(まさか、この世界はプレナパテスに繋がる世界だったのか?)他には何か言ってた?」

 

 「はい、自分の願いに応えてくれた人が現れたと。とても嬉しそうに語っていましたよ♪」

 

 「ははは…。それってもしかしなくても?」

 

 「ええ、ソウゴさんの事です。そして、その力の事や過去のキヴォトスでの活躍の事なども語っていました」

 

 

 どうやら、ソウゴに関する事は概ね知られていると考えていいらしい。

 

 

 「ここからが本題なのですが、私は今から二年後に失踪する事になっています。これはどうしても必要な事らしいです」

 

 「…そっか。変えられない事もあるのか…。」

 

 「あんまり悲しまないで下さいね!正確には貴方も知っている存在に置き換わるだけです。ある意味では、側に何時も居ることが出来ますから!」

 

 「…うん、君が納得してるなら、俺から言える事はないかな」

 

 「残り二年の間に、出来る事は全てやります。そのための一歩が、今回の二人だけの会談になります。次に、ブラッドスタークへ対抗するための組織を立ち上げます」

 

 「組織を…?」

 

 「はい。その為に、仮面ライダー達にこの組織に所属してほしいのです」

 

 「それは問題ないよ。他の皆も反対はしないと思う」

 

 「ありがとうございます。ちなみにその組織の場所は、ここになります♪」

 

 「もしかして此処って…。」

 

 「未来ではシャーレ、と呼ばれる場所ですね♪まぁ、私の失踪までは別の名称になりますが♪」

 

 

 俺は知らない内に、将来シャーレとして運用される場所に誰よりも先に足を踏み入れていたらしい…。

 

 

 「…皆さんには、沢山の苦労を強いる事になると思います。でも、それでも、私ともう一人の私は止まれない。止まってはいけないんです。ハッピーエンドを掴み取るまでは…!」

 

 「それは同じ気持ちだよ。俺も最高最善のハッピーエンドを目指してるからさ。全力で力になる。…だから、自分を責めて泣かないで?」

 

 「え?あれ?いつの間に、私、泣いて…?」

 

 「…よしよし。大丈夫、君は一人じゃない。君だって、誰かを頼っていいんだ。だから、今だけは心の声を聞かせて?言葉にしないと、伝わらない事もあるから…。」

 

 「……私、本当は失踪なんてしたくないです。リンちゃんや、他の皆ともっと一緒にいたいです…。」

 

 「…うん」

 

 「私だって生徒です、もっと青春だってしたいし、恋だって…。今しか出来ない事、沢山、沢山したいです…!」

 

 「出来る事は協力するよ」

 

 「それから…!それから…!」

 

 「全部聞くから。ゆっくり話てごらん」

 

 

 強く抱き着いて本音を語るアロナの背中を優しく叩きながら、あやすように聞いていく。

 

 暫くすると落ち着いたようで、名残惜しそうにゆっくりとソウゴの胸から離れる。

 

 

 「えへへ…。こんなに誰かに甘えたのは初めてです!これが、バブみってやつですかね…?」

 

 「多分違うと思うけど、アロナちゃんが少しでも楽になったなら良かったよ」

 

 「少しなんてものじゃないですよ!なんていうか…全部あげたくなってしまいそうでしたもんっ!」

 

 「思い止まってくれて良かったよ。いや、切実に」

 

 

 リラックス出来たのか、アロナは自然体で無邪気な笑顔を浮かべている。

 

 そこから、この計画にスポンサーとして関わっている信用に足る企業の事や、諸々の話をして別れの時間となる。

 

 

 「本日は、本当にありがとうございました。この世界を、宜しくお願い致します」

 

 「任せて!絶対にこの世界は守ってみせるよ!」

 

 「はい、そこは心配していませんから。あ、でも無茶はしないで下さいね?」

 

 「善処します…。アロナちゃん!」

 

 「は、はい!」

 

 「全部終わったら、君の事ももう一人のアロナちゃんの事も迎えに行くから!約束!指切りしよう!」

 

 「…はいっ!」

 

 

 指切りを終え、去っていくソウゴの背中を眺めながらアロナは小指を大事に包み込んで呟く。

 

 

 「…ソウゴさん?私、言いましたよね?恋をしたいって。あの日貴方と出会った日から、この恋心に蓋をしていたのに、もう止まらなくなっちゃったじゃないですか…。」

 

 

 ──全部終わったら、覚悟しておいて下さいね?

 

 

 これは、夜空に浮かぶ満月しか知らない彼と彼女の物語り。




 やっと次から、原作開始です。
 アロナちゃんが言ってましたが、辛く苦しい事が沢山起こります。けど、最後には皆揃って笑顔でわっぴ~!します。

 家の子達の事をこれからも、宜しくお願いします!
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