段々メンタル回復してきたので、ぼちぼち本編も更新頑張ります!
いつも読んでくれている読者様には、最大限の感謝を!!
では、どうぞ!
~アビドス市街 某所~
皆さん、こんにちは。尾刃 カンナです。今日も今日とて、アビドスへやって来ました。
理由はクジゴジ堂のコーヒーがお気に入りになってしまい、ちょくちょくコーヒーを買いに来ているからです。
ストックが少なくなってきたので、休暇を利用してやって来たのですが…。
「…どうしてこうなった?」
「カンナさん!カンナさん!次は、おすすめのカフェに案内してあげる♪」
「せ、セリカちゃん!待ってよ~!」
「あははっ!アヤネちゃん!カンナさん!早く~!」
「いや~、若いというのは良いものだね?カンナ」
「ベルトさん…。それ、親父臭いですよ?」
「む?そうかい?」
私とベルトさん(ベルトさんは上着で隠してる)は、以前のロイミュードに襲われていた時に助けた中学生……黒見 セリカさんと、奥空 アヤネさんに偶然再会した。
改めてお礼を言われ、話の流れで今日はオフの日だと伝えたところ、セリカさんが「だったら、この前のお礼も兼ねてアビドスを案内してあげる♪」と止める間も無くあちらこちらに引っ張られて現在に至る。
「ごめんなさい…。カンナさん、本当は何か用事があったのではないですか?セリカちゃんが切っ掛けとはいえ、私もつい楽しくて引っ張り回してしまい…。」
「…気にしないで大丈夫ですよ。私もかなり楽しんでましたしね?それに、アビドスには仕事で来ることばかりで、まともに散策したこともなかったですし。とても有意義な時間を過ごせていますよ?」
「…そうですか。なら、良かったです♪」
「あ!カンナさん、あそこだよ!おすすめのカフェ!」
「へぇ~ここが…?あれ?ここって……」
「ふふんっ!アビドスに来たなら、一度はここに来ないとね♪」
「あはは…。そこまで大袈裟ではないと思うけど、確かにここは鉄板だよね」
「ここ、クジゴジ堂じゃないですか…。」
そう、二人が案内してくれたのは“時計屋の”クジゴジ堂であった。
セリカは勢いよく扉を開けて入店していく。
「マスターっ!コーヒーと本日のおすすめをお願いしまーすっ!」
「やあ、セリカちゃん。今日も元気だね?でもね、ウチは時計屋であって、喫茶店ではないんだよ?……あ、ミルクとお砂糖はいつも通り?」
「うん♪あ、後ね?今日は私とアヤネちゃんの恩人さんを連れて来たのっ!」
「えぇっ!?恩人さんかい!?二人の大事な人なら、歓迎しないとね!今日は俺のサービスだ、お代わり自由で楽しんでってよ♪」
「さっすがマスターっ♪話が分かる~!」
「あっはっは!……あれ?ウチは時計屋だよな…?」
セリカとのやり取りの中で、ソウゴは頭に疑問符を浮かべるが、続いて入店して来た二人に思考を中断する。
「セリカちゃん…。また、店長さんにサービスさせて…。ごめんなさい、店長さん…。」
「いやいや、気にしないでよアヤネちゃん。こうやって可愛い二人が遊びに来てくれるだけで、店の中が明るくなるんだからさ?」
「か、可愛いなんてそんな…。あうぅ…!」
「…随分と女の子の相手が手馴れてますね?事案ですかね、ソウゴさん?」
「いやいや!誤解です!俺は思った事を素直に言っただけで……て、カンナちゃん!?」
「はい。ヴァルキューレ警察学校所属のカンナです」
「あの、なんで所属を強調したの…?」
「さあ?何ででしょうね?」(良い笑顔)
「ひえっ!?」
ソウゴとカンナが漫才をしている姿を、驚いた顔で見ていたセリカとアヤネはおずおずと話し掛ける。
「あのぉ…もしかして、カンナさんはここに来たことがあったり…?」
「店長さんとはお知り合いですか…?」
「はい。クジゴジ堂さんには、個人的によくお世話になっていまして。こちらのご家族とは親しくさせて頂いてるんですよ」
「ちぇー…。折角、とっておきを紹介出来たと思ったのになぁー…。」
「私は何よりも、セリカさんのその優しい思いが一番嬉しいですよ?今日は沢山の発見がありましたし。ありがとうございます、セリカさん」
「…えへへ♪カンナさんがそう思ってくれたんなら、良かった♪」
それから、ソウゴの計らいで最近増設したイートインスペース(あくまでも此処は時計屋)に三人を案内し、楽しい一時を過ごしてもらった。
「…あぁ~!今日は楽しかったぁ~!」
「そうだね、セリカちゃん♪」
「ええ、本当に有意義な時間でした。とてもリラックス出来ました」
クジゴジ堂を後にし、三人で帰路に着きながら一日を振り返る。
楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、少しの寂しさを覚える。
「…カンナさん。今日一日、私達といて迷惑じゃなかった…?」
「セリカちゃん…?」
「セリカさん…?」
立ち止まり、俯き気味に問うてきたセリカに訝しむカンナとアヤネ。
セリカは先程までの元気が嘘のように、寂しそうな声で続ける。
「その、ね?私って、よく突っ走っちゃって、アヤネちゃんや周りを巻き込んで迷惑かけたりする事が多くて…。今日一日を振り返ってみたら、やっぱり今日もカンナさんの事を考えずに、私の都合で二人を振り回してただけの様な気がして…。不安になっちゃって…。」
「セリカちゃん…。」
「だから、カンナさん……本当は迷惑だったんじゃないかなって……」
「セリカさん」
「ふえ…?」
カンナはセリカを優しく抱き締める。
「今日一日、途中で何度も言いましたが、私はとても楽しかったです。また、一緒に遊びたいくらいに」
「…ぐしゅ。…本当?」
「ええ、だからセリカさん……いえ、セリカちゃん。私とお友達になってくれませんか?」
「!!……なる!なりたい!私、カンナさんと友達になる!」
「あ!ずるいよセリカちゃん!私もカンナさんとお友達になりたいですっ!」
「もちろん。アヤネちゃんも私とお友達になって下さいますか?」
「はいっ!こちらこそ、よろしくお願いします!」
「ふふっ♪ええ、よろしくお願いします♪」
三人でモモトークを交換し、今日の記念に最後に写真を撮り、共有した。
写真の中の三人は、とても良い笑顔でピースをしている。
カンナは、セリカとアヤネと別れてトライドロンに乗り込み、写真を眺めて優しく微笑んでいると、ベルトさんから声を掛けられる。
「カンナ、今日は君にとってアメイジングな一日だったようだね?」
「…はい。とても暖かな、心地よい一日でした…。」
「私も側で見ていて、彼女たちの純粋さには癒されたよ。また、今日の様な日を過ごしたいね…。」
「そうですね。そのためにも、また明日から市民の平和のために頑張りましょう!」
「うむ。その意気だとも!私も君の相棒として、力を尽くすさ!」
この日から、カンナがアビドスへ訪れる際には、時間が合えば三人でクジゴジ堂でお茶をしたり、遊びに出掛けたりと仲を深めていくのだが……それはまた、別の機会に語ろうと思う。
ツンの無いセリカちゃんは、ただの素直な良い子だと私は思っています。
多分、最後の写真を眺めて微笑むカンナを誰かが見ていれば、一発で惚れる位には魅力的な表情だったと作者は思います。