お気に入り登録されてくれている方々…すみません。
良ければ小話を読んであげて下さい…。
~ミレニアム某所~
ミレニアム某所、そこにはエンジニア部の面々にセミナーのユウカにコユキ、会長のリオまでもが倒れ伏していた。
「何故だ…。何故、こんな事をしたッ!サオリッ!!」
「母さん…。貴女には分からないだろうさ…!持たざる者の気持ちがッ!!」
「私達は親子だろうッ!?相談くらい……」
「親子だからこそ、出来ないこともあるッ!」
「……サオリ。今ならまだ間に合う。帰ってこい、私達が何とかしてやるから…!」
「……ごめんね、母さん…。もう、遅いんだよ…。」
「なっ…!?まさか、既に…?」
「あぁ…。今頃、父さんはもう…!」
「ッ!!……サオリッ!なんて事をッ!!」
「vanitas vanitatum et omnia vanitas…。全ては虚しいものさ、母さん。許されない事をした私は、もう、戻れない…!!」
「それでもッ!お前は私の、私達の大切な娘なんだッ!何がなんでも、連れ戻すぞッ!サオリッ!!」
「こんな私を、まだ、娘と呼んでくれるんだな…。……母さん、嬉しいよ…。だけどやっぱり、私は…!」
「……子供を叱るのは親の務めだ。これ以上は言葉では語らない。……いくぞッ!」
「……来いッ!母さんッ!!」
───時は遡ること一週間前。
「お父さんに手作り料理を贈りたい?」
「はい、お恥ずかしい話なんですが、その…料理は得意ではなくて…。」
「それで私に相談してきたと…。何、可愛い後輩の頼みだ。力になるとも!」
「ありがとうございます!ウタハ先輩!」
「「話は聞かせてもらったよ/もらいました!」」
「ヒビキにコトリ?いたのか…。」
「「酷い!?」」
それから、エンジニア部で料理を始めたのだけれども…。
「……全ては虚しい…。」
「ま、まさかこれ程とは…。」
「発明に関しては天才的なのに、どうして料理だけこんな…。」
「せ、説明出来ませ~ん!」
サオリの作る料理は、見た目は完璧で臭いも食欲をそそる物が出来た。
しかし、いざ口に運ぶと見た目とかけ離れた味が口内を蹂躙し、見た目とのギャップも相成って脳内をも掻き乱される。
……そう、サオリは料理だけは壊滅的に才能が無かった…!
母親譲りの容姿に戦闘力、父親譲りの優しさと勇気、そして本人の努力する才能と素直さによる物事の吸収力。
それらを兼ね備え、ミレニアムでも一線を画す程の才能を発揮している。
だが、料理…!料理だけは何故か上手くいかない…!
母親のシオリも付きっきりで、何度も教えていたのだが“味”だけはどうにもならなかった…!
「話は聞かせてもらったわ」
「会長!?何故貴女が…!」
「アバンギャルド君の作成に関して、サオリには大きく貢献してもらったもの。これでも少しは料理に関して覚えはあるわ。任せて頂戴?」
「は、はい!ありがとうございます!リオ会長!」
───1時間後。
「不甲斐ない女と笑いなさい…。」
「か、会長~!!」
「ばにたす…。」
1時間前には自信ありげにしていたリオも、サオリの前には膝を屈していた。
当のサオリは、虚空を眺めてばにっていた。
「会長!!セミナーの予算についてお話が…って、どうなってるのこれ…?」
「ユウカ…。私は会長を降りるわ…。」
「はい!?ちょ、何がどうなってるんです!?」
「……それは私から説明させてもらうよ。実はね──」
───ウタハ説明中…。
「えぇ…?そんな事で悩んでいるの?」
「そんな事とはなんだっ!このミレニアムオオフトモモがっ!」
「フトッ!?…こほん。いいでしょう、ならこの私が完璧な計算に基づいた方法でサポートしてあげます」
「本当か!やはり持つべきは頼れる友だな!」
「ふふん♪私に任せなさい♪」
───1時間後…。
「何故?何故?何故?何故?何故?何故?……」
「には、は…。なん…で、私まで…。」
「雑に捲き込まれたコユキが死んだ!」
「この人でなし!」
「さすがにしなないもん…。さおり、そこまでおりょうり、へたじゃないもん…。」
「サオリが幼児退行を…!」
「混沌を極めています~!」
……等という一連の流れの後、遂に身体が限界を迎えた者達が倒れ伏し、自棄になったサオリは取り敢えず出来た料理をソウゴに送った。
その姿を見たウタハが最後の力を振り絞り、メッセージをシオリに送り今に至る。
ちなみに、愛する娘からの贈り物に感涙の涙を流したソウゴ。
その後、真っ白に燃え尽きた状態で発見され一日寝込む事となった。料理だけは綺麗に完食されていた。
「あれ程お前は私が側に居ない時には、料理をするなと言い含めていただろう!?」
「しょうがないじゃないか!私だって父さんに美味しい手料理を振る舞いたかったんだ!!」
「だから私に相談しろと言った!」
「やだっ!恥ずかしいもんっ!」
「子供かっ!」
「子供だっ!!」
やんややんやと、親子喧嘩を始める二人。
徒手空拳で目にも止まらぬ速さで打ち合うも、やはりシオリの方が圧倒してサオリを押さえ込む。
「はぁ~…。あの人が心配だからこのまま一緒に帰るぞサオリ?」
「うぅ…。分かった…。」
「帰ったら料理の特訓だ。いいな?」
「!……うんっ!」
手を繋ぎ、親子二人で家へ帰る姿は仲が良くて結構なのだが、倒れているミレニアムの面々は思った。
((((((あれ?もしかして、私達って忘れられてる…?))))))
後に、今回の件に関わった者達の間ではこの事件の事をこう呼ぶ……『大惨事サオリハザード』と…。
ちなみにシオリによる再特訓により、サオリは取り敢えず食べれるものを生み出すことには成功した。
──おしまい。
本編の内容をなるべく早く更新出来るよう頑張ります。