何故こうなったか?作者にも分からない・・・。
そして長い・・・。
「それじゃ、先生が元気になったお祝いと、ついでにヘルメット団を潰した祝勝会を始めま~す!!」
『いえ~い!!』
「ヘルメット団の事はついでなの!?でも、私のためにありがとう!」
先生が弱音を吐きだした夜の翌日、晴れやかな先生の顔を見たアビドスの生徒達は安堵の表情を浮かべ、ワカモに至っては泣きながら抱き着いていた。
割り切ったつもりでも、みんなも心のどこかでは先生と同じように割り切れない想いを抱えていた。だから、先生の心が耐えられないかもしれないと心配していたのだ。
そんな中、一晩経つと元の明るい先生に戻っていたので、昨日の祝勝会を兼ねて先生の復活祝いをしようとなったのだ。
・・・柴関ラーメンで。
「先生が元気になって良かったですね!ワカモさん!」
「セリカさん。ええ、本当に・・・あの方はキヴォトスの外から来られた方です。私たち生徒に対して、どこまでも優しい心を持つ先生だからこそ、私はそのお心が砕けてしまわないか心配だったのです・・・」
「私からしたら、ワカモさんも先生と同じくらい優しい人だと思いますよ?あんなに誰かを心から心配できる人って、自分の事には鈍感だったりするから。ワカモさんの事、私は心配してたんだから!」
「・・・本当にあなたという娘は、どうしてこうも私の心に寄り添ってくれるのでしょう・・・。ありがとうございます、セリカさん・・・」
「嬢ちゃん達、湿っぽいのはそこまでにしな?今日は、目出度い席なんだろ?なら、目一杯楽しみな。ほら!特性チャーシュー丼だ!たんと食べて騒いで、辛いことは忘れな!」
「はいっ!」
それからは飲めや騒げやの大盛り上がり。(飲酒はしてないよ!)
昼頃から夕方まで騒いで、お店を貸し切らせてくれた大将へお礼をして各自解散となった。
「セリカちゃん、片付けなんて俺に任せて皆と帰ってよかったんだぜ?」
「ううん、大将。私はここでバイトさせてもらってるし、今日は1日お店を使わせてもらったんだから!これくらいはしなくちゃ!」
「ははっ!気にしなくていいのに、セリカちゃんは真面目だな!だけど、この後ワカモさんだっけ?と待ち合わせしているんだろう?なら、後は俺に任せて暗くなる前に行ってあげな」
「・・・わかった!今回は大将に甘えるわ!それじゃぁ、今日はありがとうございました!」
「おうっ!気を付けて帰りな~!」
大将の気遣いに素直に甘えて店を出るセリカ。その後ろ姿を黙って見つめる影に、セリカは気付けなかった・・・。
ーワカモside
「・・・セリカさん、随分と時間が掛かっていますね。やはり今からでもお店に戻って・・・」
ーぴこん!
「モモトーク・・・?いったい誰から・・・・・・ッ!?」
『お前の可愛い子猫ちゃんは預かった。どうでもいいなら無視しな。けど、もし大切な相手なら・・・・・・来なかったら二度と会えないかもな?・・・災厄の狐さん?』
そう書かれた文章の後に、セリカを捕えている場所の詳細と目隠しに猿ぐつわをされた上に、椅子に縛り付けられ、四方八方から銃口を突きつけられている姿が送られてきた。
「ここでも・・・私の過去が邪魔をするのですかッ・・・・・・!!」
文章の最後に今となっては自分にとって忌み名である「災厄の狐」とわざわざ付け加えるのだ・・・恐らく過去に因縁のある輩だろう。
・・・いくら人に認められようが、改心しようが、己の積み重ねてきた業は、この身を焼き尽くすまでは消えてくれないらしい。
それはいい。それは今まで好き勝手に生きてきた、己の責任だ。・・・だが、セリカは違う。あの子はこんな自分にも心を砕いてくれる、善なる人物だ。彼女にもしもがあれば私は・・・!!
・・・いや、落ち着け。送られてきた画像を見る限りでは、怪我などを負っている様には見えない。ならば、少なくとも今はまだ無事だということ。
で、あれば・・・・・・。
「・・・申し訳ありません、あなた様。そして、ソウゴさんにアビドスの皆様・・・。このワカモ、最後に今一度、獣に戻ります・・・。どうか、お元気で・・・」
日の落ちかけたアビドスの地に、悲しき決意を秘めた狐が一匹駆け抜けた・・・。
ーへえ・・・。面白そうなやつがいるな。こいつを化かしてみるのも・・・悪くないかもな?
・・・どこかの世界で、誰かがそう呟いた。
~アビドス郊外 廃棄されたビル~
(・・・あれ、わ、たし?寝てた・・・っ!?なにこれ!目隠し!?それに動けないし、喋れない!?なによ、どうなってるの!?)
「お、目が覚めたかい?子猫ちゃん?」
(だ、誰・・・!?)
「あ~・・・猿ぐつわ噛ませてるからな、喋れねぇか。混乱してるだろうから、簡単に説明してやるとだ・・・お前は私たちに災厄の狐を誘き出すための餌にされたって訳だ」
(災厄の狐・・・ワカモさん!?)
「ま、奴には昔色々と恨みがあってね。今はシャーレとかいう組織で、真っ当に生きてるみたいだが・・・そうは問屋が卸さねぇ。過去は絶対に消せねぇ・・・所詮、奴は獣だ。人に混じって生活しても、すぐに化けの皮が剥がれるさ。嬢ちゃんも、今の奴しか知らずに化かされちまった口だろう?可哀相になぁ・・・」
(ッ!!ワカモさんを貶すなッ!!)
「あ?なんだ?うーうー唸って?まさか本当に奴に化かされてんのか?・・・クククっ!ハハハハハハハハハハっ!」
(な、なによ急に笑いだして・・・!)
「いいねぇ、あんた・・・最高だぁ!!・・・決めたぜ、嬢ちゃん。あんたは狐を始末したら逃がしてやるつもりだったが、やめだ・・・。奴を地べたに這いつくばらせた後、その目の前でッ!あんたをッ!惨たらしく殺してやるッ!!さぞかし狐も喜んでくれるだろうよッ!!ハハハハハハハハハハッ!!」
(なに、こいつ・・・。怖いっ!怖いよワカモさんっ!誰か、助けてっ!!)
ー・・・ドオォオオオオオオオンッ!!
「・・・来たか」
(ひっ!?なに!?今の音!?)
ー災厄の狐だッ!!やれッ!!
ー駄目だッ!!止まらな・・・!!
ーギャァーーーッ!?腕が!私の腕がぁッ!まが、曲がってッ!?
ーヒィッ!!止めろ!視るな!私を視るなぁーーーッ!!
ークソッ!!もっと増援を出せッ!!早くッ!!
ー・・・悪夢だ・・・・・・。
ー化物めぇーーーッ!!・・・ごぶッ!?
凡そ15分後。ビル内に響きわたっていた、ありとあらゆる音が静まりかえっていた。
・・・こつ、こつ、と誰かが歩く靴音を除いて。
「よぉっ!災厄の狐!息災みたいだなぁ!ぬるま湯に浸かってるって聞いてたが、腕は鈍ってないようで安心したぜ!」
「・・・」
「おいおい、黙りかよ・・・?つれないねぇ、折角パーティーにご招待してやったのによぉ?」
「・・・であれば、趣味の悪いパーティーはもう幕引きです。お前も、早く逝きなさい」
「おぉ~、怖い怖い!・・・でもまだゲストを呼んでないからな。ゲストに挨拶してからでも遅くねぇだろ?」
そう言って、ボスと思われる女はワカモの前に両手を縛っただけのセリカを連れてくる。
「ほれっ!感動の再会だ!」
「ワカモさん・・・!」
「ッ!!セリカさんッ!」
「おっと!動くなよ?下手に動くと、嬢ちゃんに怪我させちまうかもなぁ?」
「・・・下衆がッ!!」
「にしてもこの娘、健気だよなぁ?あんたの事を、ずーっと心配してたんだぜぇ?怪我はしてないか、自分のせいで大変な事に巻き込んじゃったとか・・・。けどよぉ、それがどうだい?実際に現れたあんたは怪我どころか・・・・・・」
女はワカモを下から上まで眺めて言う。
「・・・全身、他人の血で真っ赤じゃねぇか!流石は「災厄の狐」様だ!ハハハハハハハハハハッ!!」
「っ!・・・すみません、セリカさん。このような姿、あなたには見せたくはなかったのですが・・・やはり私は、どこまで行っても、只の獣のようです・・・。誰かに寄り添ってもらえる、誰かのお力になれる、こんな私でも・・・誰かを救えるなどと考えた罰が下ったのでしょう。安心してください、セリカさんは絶対に救い出します。その後は・・・獣は野に還りますので・・・・・・」
「・・・馬鹿言ってんじゃないわよッ!!!!」
「あ?」
「セリカさん・・・?」
ワカモの独白を聞かされたセリカは、怒りで震えていた。つい先程までは恐怖で震えていたというのに、|ワカモの勘違いっぷりに怒髪天をついていた。《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》
「確かに最初はワカモさんについて、あたしは何も知らなかった。でも、ワカモさんが話してくれて、昔は災厄の狐って呼ばれて大暴れしていたことも、その時の記事やらも後で調べて知った!」
「なら、コイツがいかにヤバイ奴かは嬢ちゃんも分かって・・・」
「でもッ!!そんな事は
「セ、リカ、さん・・・。わ、わたくしは・・・」
「あ~っ!もうっ!うっさい!もう一回だけしか言わないわよ!?・・・あたしは「災厄の狐」を好きになったんじゃない、『狐坂 ワカモ』を好きになったの!分かったら、こんな奴早くやっつけて、皆のところに帰るわよっ!」
「はい・・・はいっ!帰りましょう!皆さんのところに、二人で!」
「・・・んだよ」
「「はい?」」
「なに、もう終わった気でいんだよって言ったんだよッ!!」
セリカとワカモのやり取りを聞いていた女は、額に幾つもの血管を浮かせ、眼は血走らせて怒り狂う。
「ふざけんなッ!!なに、いっちょ前に人間気取ってんだよワカモよぉ・・・ッ!手前ぇはッ!!どこまで行っても、私たちと同じ、クズの獣だろうがぁッ!!!!」
「だから、違うって言って・・・!」
「セリカさん」
「ワカモさん?」
セリカが女の言葉を否定しようと言葉を続ける前に、ワカモがそれを制す。
「・・・確かに、あなたの言う通りに私は獣でした。ですが、その獣に人の道を教え、導き、あまつさえ心に寄り添い人へと掬い上げてくれる方々が、私には居た。そして今、それに気が付けた。・・・ですから今の私は獣に非ず、『狐坂 ワカモ』という一人の人間です。過去の自分の罪とは確りと向き合います。先ずはその一つと、今、決別すると致しましょうッ!」
「なっ!?」
ワカモが言い切ると同時に一瞬で、セリカを抱えて離脱する。
「・・・巻き込んでしまい、本当に申し訳ございません、セリカさん・・・・・・」
「ん~ん!全然っ!こうやって助けてくれたもの!やっぱりワカモさんは、あたしの最高のヒーローよっ!」
「うふふっ・・・では、セリカさんは囚われのお姫様というわけですね?」
「ふえっ!?な、なに言ってるんですか!?うぅ~・・・」
縛られていた手を解放され、お姫様扱いされたセリカは顔を赤くして手で覆い隠す。しかし、少し嬉しいのか口許は少しだけ緩んでいた。
「・・・イチャついてるとこ悪いけどよぉ、こっちはいい加減にブチキレそうなんだよッ!覚悟は出来てんだろうなぁッ!?」
「あら、手下も全て失って、人質も取り返されておいて何を吠えているんです?」
「そうよ!大人しく捕まりなさい!」
「コケにしやがってッ・・・殺すッ!!」
ーマスカレイド!
女はUSBめもりの様な物を取り出すと、スイッチを押して起動。音声が鳴った後に、それを自身の胸へと突き立てると女の姿は変化していく。
「ワカモさん・・・あれって・・・!?」
「ええ、ガイアメモリですわ・・・。それも、使い捨ての中でも特別厄介な強化型・・・!!」
以前、ワカモが先生へ説明したように財団Xの流通させている物にはグレードがある。
その中でも、今回の使い捨てメモリの強化型・・・とは名ばかりの、自己崩壊型メモリ。
これは、使い捨てメモリでは残っている自我を失くす代わりに、自己を崩壊させながら消え去るまでの間、どんなメモリであっても使用者に最上級メモリと同じレベルでの力を与えるという物。
当然、その分のデメリットは凄まじく、常に激痛と共に全身が崩壊していき、自我は使用した瞬間に消え去り、消滅するその瞬間まで破壊の限りを尽くすという狂気のものである。
・・・故に、「自己崩壊型」と名付けられているが、それを知るのは財団の人間だけである。
「ゴロズゥゥゥゥッ!!ゼンブ!ゴロォオオオオズッ!!」
「セリカさん、失礼します!」
「きゃっ!?」
マスカレイドドーパント(崩壊)は叫びながら、手当たり次第に周囲を破壊し始める。
ワカモはセリカを横抱きに抱え、物陰へ退避する。
「ガアァアアアアアアッ!!!!」
「っ!まさかあんなものを用意しているなんて・・・セリカさん?大丈夫ですか?」
「はい、あたしは大丈夫ですけど・・・どうしましょう?メモリを使った相手には仮面ライダーしか対抗できないのに・・・」
「放っておけば勝手に自滅するでしょうが、その間に街へ出てしまう恐れもあります。なんとか食い止められればよいのですが・・・」
”お困りのようだな、お二人さん?”
「だ、誰!?」
「声・・・?」
”俺の事は、そうだな・・・狐の神様とでも呼んでくれ”
「神様、ですか?」
「胡散臭いわねぇ・・・」
”信じる信じないは任せるさ。そんな事より、そこの狐のお嬢さん”
「私ですか?」
”ああ、君には2つの選択肢がある。1つは、俺が特別にこの状況を納めること。2つ目は・・・君自身が俺から力を受け取り、自分の手で決着をつけるかだ”
突如、語りかけてきた謎の声に二人は困惑する。その上、神様だと名乗るのだ。怪しさしかない。
だが、ワカモは自身に告げられた問いに強く反応した。
「・・・本当に、アレをどうにかするだけの力を頂けるので?」
”ああ、保証するぜ。ただし、一度この力を手にしたなら、君はその代償として戦い続けなければならない。君の望む世界が平和になるまでね”
「私の望む世界・・・」
ワカモは呟き、セリカを見る。そして微笑み、覚悟を持って答える。
「・・・承知しました。私に力をお与えください」
「ワカモさん!?」
「心配しないでください、セリカさん。私はもとより、あの方とソウゴさんと共にシャーレに所属すると決めた際に、願い誓ったのです。この世界が平和になるようにと。皆が救われる世界になるように戦うと。それに、私はセリカさんのヒーローなのでしょう?・・・必ず、あなたの元へ帰りますわ。ですから・・・」
ーぎゅうっ・・・
セリカはワカモの言葉を最後まで聞かずに、その胸に飛び込み力一杯抱き締める。
「・・・あたし、信じてる。ワカモさんのこと、信じてるから・・・!だから・・・いってらっしゃい!」
「はい・・・行ってきます!!」
”もういいのか?”
「はい。いつでも」
”・・・よし。なら、受け取りな。これで君は今日から・・・・・・”
『おめでとうございます!今日からあなたは、仮面ライダーです!』
「「え!?誰!?」」
神様から力を貰えると思っていると、急に目の前に箱を手に持った女性が立っていた。
女性はフードを深めに被り、口許はマフラーで隠されていて容姿は分からない。
混乱した頭のまま箱を受け取ると、女性は瞬きの間に消えていた。
「先程の女性はいったい・・・?」
”協力者とでも思ってくれれば言い。それよりも、君は見事に俺に覚悟を示し、仮面ライダーの資格を得たわけだ”
「ワカモさんが仮面ライダー・・・!しゅごい・・・!」
物凄くキラキラとした目でワカモを見るセリカに、思わず破顔するワカモ。
箱を開けてみると、中央に何かを納める穴の空いたドライバーと、小さなパーツが入っていた。
”ドライバーを腰にあてて、IDコアを中心に填めろ”
「コア・・・こう、ですね」
ーENTRY
”よし。次に、足元の箱からバックルを取り出して右側に填める。そしたら、バックルを操作してこう叫べ・・・「変身」と”
「足元・・・?え!いつの間に!?ま、まあ取り敢えず言われた通りに・・・」
ーSET!
いつの間にか足元に置いてあった箱を手に取り、中から白い銃を模した様なバックルを取り出すと、言われた通りにドライバーへセットする。
(ああ・・・いざ、自分が仮面ライダーになろうとして初めて、分かった気がする。仮面ライダーがなぜ、人々のためにその身を酷使してでも、戦うことを止めないのか・・・)
変身待機音が鳴り響くなか、目を閉じて想いを馳せるワカモ。
数秒の後、目を開き覚悟を込めて叫ぶ。今までの自分から変わるための言葉を・・・・・・
「セリカさん。見ていてください、私の・・・変身ッ!!」
バックル・・・マグナムレイズバックルのリボルバーを回転させ、トリガーを引く。
すると空中に白いアーマーが形成され、ワカモへ装着される。
ーMAGNUM READY FIGHT !
キヴォトスに新たな仮面ライダー・・・仮面ライダーギーツ(ライダー少女ver)が誕生した。
「ワカモさんが、変身した・・・!!」
”行け!この世界の仮面ライダーギーツ!戦って勝ち抜いて、仲間と共に望む世界を手に入れろ!”
「仮面ライダーギーツ・・・それが、今の私の名前・・・。ええ、分かりました。では行きましょう・・・ここからが、私という人間のハイライトですッ!!」
「ゴ、ァ・・・ワガボォオオオオオッ!ガアアアアァッ!!」
「流石は強化型といいましょうか、スピードもパワーも凄まじい・・・。ですがッ!!」
「ギャアアアァッァアアアアアアッ!?!?」
「理性が無い分、攻撃は単調で避けるのは容易いです」
「マグナムシューター
ただでさえ崩壊型の副作用により、激痛が走っている中での攻撃・・・想像を絶する痛みが襲っているだろう。
「グゥウウ・・・ッ!!ウオアアアアアアアアッ!!」
「フッ!ハッ!そんなに私が憎いのですか・・・。だとしても、すみません・・・私はその手に掛かることは出来ません」
ーガガガガガガガガガガガガガッ!!
両前腕部へ装備されている固定式短銃「アーマードガン」とシューターを叩き込み、膝を着かせる。
「・・・傲慢ですが、あなたの命も背負って、私は生きていきますッ!!」
マグナムレイズバックルを操作して、必殺技を発動する。
ーMAGNUM STRIKE !
「ハァッ!・・・タアァアアーーーッ!!」
「ガアアアアアアアアアアアアッ!?」
気合いと共に飛び上がり、マスカレイドドーパントへとライダーキックを叩き込む。
マスカレイドドーパントは断末魔の叫びを上げると、静かに塵となり消滅していった。
「やりましたね!ワカモさん!」
「おっと!ふふ・・・いきなり飛び付くと危ないですよ?セリカちゃん?」
「・・・え。待って、ワカモさん、今、セリカちゃんって・・・!?」
「あなたには何度も救われました。今では、その・・・妹のように思っています。・・・お嫌でしたか?」
「~っ!!全然っ!あ、じゃあじゃあ!私もワカモさんの事、お姉ちゃんって呼んでもいいですか!?」
「少し気恥ずかしくはありますが・・・セリカちゃんがそう呼びたいなら、ええ、構いませんとも」
「やった!ワカモお姉ちゃんっ!」
「あ・・・・・・」
セリカにお姉ちゃんと呼ばれた瞬間、ワカモの脳内に過る存在しない記憶・・・・・・!!
~閑話休題~
「うふふ♪どうやら、私達は姉妹だったようですわね♪」
「えへへ~♪お姉ちゃんの撫で撫で♪」
”あ~・・・仲良くやっている中すまないが、いいか?”
「「!?」」
神様から声を掛けられ、バッと離れ姿勢を正す二人。
”これからは、その世界で君は「仮面ライダーギーツ」として戦っていく事になる。もう一度だけ聞くが、本当に覚悟はあるな?”
「ええ、あります!」
”・・・そうか。なら、2代目としてよろしく頼むぜ?俺の後輩!”
「後輩って、あなたはまさか・・・!?」
”じゃあな!”
「ちょっと、ま・・・!気配が完全に消えましたね・・・はぁ、何だか狐に化かされた気分です・・・」
少しして、セリカとワカモは、すっかり日の暮れて月の浮かぶ夜の道を、二人並んで手を繋いで帰っていくのでした。
『ふぅ、何とか無事に済みましたね・・・。うん。身体も特に問題なく動きますし、大丈夫そうですね!』
ワカモ達の去ったビルの中から、月明かりの下へ歩き出る女性。
それは先程、ワカモへベルトを届けた人物である。
”すまないな、本物の女神様を使いっぱしりにして”
『いえいえ!こちらこそ、この世界へ降りるついででしたから!』
”これからは、あんたも物語に加わると?”
『はい。もう視ているだけは辛いので・・・。あ、でも大丈夫ですよ?ちゃんと許可は上司に取りましたから!』
”そうか・・・。じゃあ、俺はこの辺で失礼するぞ”
『はい、お元気で!』
謎の人物と会話を終え、女性はフードとマフラーを取り呟く。
『待っててくださいね?ソウゴさん♪』
月明かりに照らされた女性の顔には、満面の笑みが浮かんでいた。
もう一度言う。どうしてこうなった?
いや、当初の予定にはセリ×ワカなんてなかったよ!?なんで!?案はあったけど、まさかこんな形でギーツも出すことになるとは・・・!
やっぱ、キャラクターは生き物やなって。そう思う今日この頃。