最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 今回、話し的に前話から少し時間が飛びますが、いずれ幕間として補完するのでご容赦を…。
 では、どうぞ!


腕試しと変身と

 ~ユスティナ聖徒会 修練場~

 

 「準備はいいか、ソウゴ?」

 「おう!胸を借りるぜ、バルバラ!」

 「ソウゴ兄様!頑張って下さい!」

 「お互いに無茶はしないようにお願いしますね?」

 

 ユスティナの修練場を借りて、ソウゴはバルバラとの腕試しを行おうとしていた。

 そこに、マトイにベアト(本人から愛称で呼ぶようお願いされた)、ユスティナの大勢のギャラリーが観戦に来ていた。

 

 「只の腕試しに付き合ってもらうだけなのに、大事になってしまったな…。」

 「まぁ、ヘイローの無い他所から来た男と自慢ではないが、ユスティナ最強の称号を与えられている私が闘うんだ。皆、興味ぐらい引かれるのさ」

 「そっか。…じゃぁ、始めようか!」

 「来い!」

 

 ージクウドライバー!ー

 

 気合いを高め、ソウゴの腰にベルトが巻かれる。すると、いつの間にか右手にはライドウォッチが握られていた。

 ウォッチのウェイクベゼルを90度回転させ、ライドオンスターターを押し起動させる。

 

 ージオウ!ー

 

 ベルトのD'9スロットへウォッチを装填し、ライドオンリューザーを押し込みジクウサーキュラーのロックを解除する。

 

 (ここから、始まるんだ…!ツムギちゃん、見ててくれよ。俺の最初のーー)

 『変身!!

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 ~三日前~

 

 

 「私と腕試しがしたい?」

 「おう!バルバラって、ユスティナ最強なんだろう?このキヴォトスで何処まで通じるのか、知っておきたくてさ!」

 「…それにしたって、何もいきなり私じゃなくてもいいだろう?お前の意気込みは買うが…なぁ?」

 「はい…。ソウゴ兄様は見たことがないから仕方がないとは思いますが、バルバラ様は本当に凄くお強いんです。腕試しをなさりたいなら、私がお相手致しますから…。」

 「心配されるのは分かるけど、一番強い奴にどれだけ通用して、どれだけ生き延びれるのかってのを知っておきたいんだよ」

 「しかしなぁ…。」

 「分かった分かった。俺だって何の根拠も無しに、こんな無謀なこと言ってないって証明するからさ。昼休みにでも、マトイにも声を掛けて俺の部屋に来てよ」

 「自分でも無謀な事とは理解しているのか…。まぁ、分かった。昼休みに会長へ声を掛けておく。しっかり証明とやらをして見せろよ?そうでなければ、私はお前とは闘わないからな?」

 「分かった!」

 「ではまた、後でな」

 「待ってるよ~」

 

 去っていくバルバラを見送っていると、服の裾を引かれる。

 

 「ベアト?」

 「ソウゴ兄様…私はやっぱり不安です。もし、兄様が大怪我でも負ったら…。」

 「心配してくれて、ありがとう。ベアト」

 

 言葉通り不安そうな顔をして、此方を見上げるベアトの頭を優しく撫でながら、絶対の自信を込めて言葉を告げる。

 

 「それでもね。なんか…いける気がする!」

 

 

 

 ~昼休み ソウゴの部屋~

 

 コンコン、と扉を叩かれる音に次いでマトイとバルバラが部屋に入ってくる。

 

 「来たぞ、ソウゴ。お忙しいなか、会長にまで御足労願ったのだ。下らん話なら牢屋に叩き戻すからな?」

 「バルバラ、私は大丈夫ですから…。えぇっと、ソウゴさん?なんでも、バルバラと腕試しをなさりたいとか…?」

 「あぁ、でもバルバラとベアトに心配されちゃってね?俺としては、問題ありませんって事を証明したくて部屋まで来てもらったんだ」

 「正直に言いますと、私も心配ですがソウゴさんがそこまで自信ありげに仰るのです…。お話をお聞かせ下さい」

 「ちょっと信じ難い話しになるだろうけど、全部本当の事だから最後まで聞いてほしい」

 

 ~ソウゴ説明中~

 

 「…一度死んで、女神様に力を与えられてこのキヴォトスへ転生して来た…?それを信じろと…?」

 「まぁ…。」

 「(絶句)」

 

 三者三様、基本的にはやはり信じ難いという表情で此方を見つめている。

 

 「お前なぁ…。確か出会った時にも女神様がどうとか言っていたが、よりによって私達に神の名を出して証明を計るとはな…。お前の事をある程度知った今だから、信じてやりたいとは思うが…う~む…。」

 「確かに、これは…。」

 「ソウゴ兄様…。」

 「…あれ?いける気がしてたんだけどなぁ…。」

 「むしろ、下手すれば折角築いた信頼がマイナスになるだろう…。馬鹿か?」

 「くっそ…。他に方法はーー」

 

 『心配はいりませんよ、ソウゴさん!』

 

 「!この声は…ツムギちゃん!?」

 『はい!貴方のツムギですよ!』

 「なっ…!何だ!?何処から声が聞こえている!?」

 「これは、一体…?」

 「(え、幽霊?幽霊です!?姿はないのに声だけ聞こえるなんて…。)ソウゴにぃさまぁ~…。」

 「落ち着いてくれ皆!特にベアト!怖くない!怖くないから!さっき話した女神様だから!だからバルバラはその銃を仕舞え!?」

 

 突然の天からの声に騒然となる室内。バルバラに至っては完全に臨戦態勢に入っている。それを必死に宥めるソウゴ。

 

 「……皆、落ち着いたか…?」

 「「「はい…。」」」

 『あの、そろそろ話をしても…?』

 「お願いします…。」

 『こほんっ。ユスティナ聖徒会の皆さん、初めまして。私はソウゴさんの話に出た、女神候補生のツムギといいます。宜しくお願いします』

 「此方こそ、宜しくお願い致します、女神様。…ソウゴさんのお話は、本当だったのですね…。」

 「よ、よろしくお願いしましゅっ!(か、噛んじゃった~…。)」

 「宜しくお願い致します。女神様。…ん?候補生…?とは?」

 『え~と…簡単に説明しますと、女神見習いという感じですね。なので、あまり畏まらないで下さいね?』

 「いえ、私達からしますと信仰を捧げる方として何一つ変わりはありませんので、お気になさらず」

 『う~ん、もう少し砕けた感じでいいんですが…。無理強いは出来ませんもんね。仕方ありません』

 

 流石は信仰に厚い信徒というところか。彼女達からしたら、神は神。そこに貴賤はないらしい。

 

 『なんだかあっさり信じてもらえたので、少し拍子抜けですが…。話が早くて助かりました!』

 「そうですね。元々、ソウゴさんが嘘を吐いているとは本気で思ってはいなかったので。こうして女神様御本人とお話が出来ている以上、ソウゴさんの証明は果たされましたね」

 「いえ、会長。女神様の件は証明されましたが、私と闘う事が問題ないという証明は済んでいませんよ」

 『あ、それも大丈夫ですよ!ソウゴさん、貴方の願った力を思い浮かべて下さい』

 「えっと…こうかな…?」

 

 目を閉じて、特典の事を思い浮かべる。すると、いつの間にか腰にはベルトと手にはライドウォッチが握られていた。

 

 「…本当に、出てきた」

 「え?兄様、自信があったのでは…?」

 「あ、うん。自信はあったけど、実物を見るとこう…感慨深くてさ?」

 「ほう…。そのベルトと時計?がお前の力か。確かに、並々ならぬ神秘を感じるな」

 「えぇ、どこか畏怖のような念も抱かせますね。ソウゴさんが自信を持つわけです…。」

 「ソウゴ兄様、凄いです!私でもそれが、とんでもない物だと漠然とですが理解できます!」

 「…うん。そうだね。俺にもベルトとウォッチを通して伝わってくるよ…。」

 (力だけじゃない。本来の持ち主の想いや、これを手にした俺に対する覚悟を問う想いもだ)

 『良かった…。無事に力は顕現しましたね。ソウゴさん、後はその力をどう扱うかは、貴方次第になります。力は力でしかありません。使い手次第で、善にも悪にも成ることをお忘れなく』

 「あぁ、肝に銘じるよ」

 

 ウォッチを眺め、自分の願いを再確認する。俺が目指すのは、最高最善のハッピーエンドだ。その為に、俺に力を貸してくれ!王様!

 

 ーいいよ。なんか、いける気がする。だから見せてよ、最高最善のハッピーエンドをさ!

 

 あぁ、ありがとう…。常磐 ソウゴ(王   様)

 

 「ふむ。これでソウゴは全ての証明を果たしたことに成るわけだ。話しは変わるが、どうしてお前はこんな重要なことを私達に聞かせたんだ?普通は隠そうとしないか?」

 「え?だって俺は三人とも信頼してるし。そんな相手にはこっちも信頼してほしいし、なら隠し事なんか出来ないだろ?それに、ツムギちゃんなら何となくだけど、助け船出してくれそうな気がしてたし!」

 「「「『(この人誑しめ…!)』」」」

 

 頬を赤らめ、顔を俯かせる少女達。ソウゴが本心から此方を信じているのが、嬉しいやら恥ずかしいやら、人(神)というのはこうも真っ直ぐに気持ちを伝えられる事に弱いのか…。それとも自分がチョロいだけなのか、乙女心は複雑だった。

 

 「ま、まぁ、お前の気持ちは分かった!だが、流石に事が事だからな。女神様の事は、私達三人の中で留めておく。宜しいですよね、会長?」

 「え、えぇ、そうですね。ソウゴさんの力に関しては、大丈夫だと思いますが、女神様に関してはそうしましょう。ベアトリクスも、よろしいですね?」

 「はい!承知しました!」

 「よろしく頼む」

 「では、私との腕試し…いや、模擬戦はいつにする?私はいつでも構わないが」

 『あ、それに関しては三日後まで待っていただけませんか?』

 「構いませんが、何か事情が?」

 『はい、まだ力がソウゴさんに馴染んでいないので時間がほしいんです』

 「それが、三日後?」

 『そうなりますね』

 「分かりました。では、三日後に場所はユスティナ聖徒会の修練場にて、バルバラとソウゴさんの模擬戦を行うこととします。ソウゴさんは、それで構いませんか?」

 「あぁ、よろしくお願いするよ。…バルバラ、当日は全力で君の胸を借りるよ」

 「あぁ、私も久しく心が踊っている…!当日は手加減できそうにないからな、覚悟しておけよ?」

 「おう!望むところだ!」

 「ほどほどに…ほどほどにお願いしますよ…?」

 『私もしっかり応援しますね!頑張って下さい!』

 「兄様!私もしっかり応援します!」

 「うん、ありがとう。頑張ります!」

 

 こうして各々、三日後を楽しみにして過ごすのであった。

 

 

 

 

 ーーそして時は現在に戻る。

 

 

 

 『変身!!

 

 ポーズを決め、勢いよくジクウサーキュラーを回転させると、ソウゴを起点として世界も一回転する!

 

 ーライダータイム!ー

 

 ーカメ~ンライダー!ジオウ!ー

 

 ソウゴの身体にアーマーが形成され、最後にライダーの文字が複眼として装着される。

 

 

 

 ーー今ここに、新たなるジオウが誕生した。

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