最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 前回の続きです。
 仕事の都合で長らく更新できませんでした・・・。

 読んでくれている方々には、お待たせしてすみません!ちょくちょく更新遅れることがあるとは思いますが、生暖かい目で見守っていただけると幸いです・・・!


ブラックマーケットへGO!!(2)

 ~便利屋事務所~

 

 

 ここは便利屋の事務所。今現在、ここでは電話が延々と鳴り響いていた。

 

 

 「アルちゃん、何してんの?電話出ないの?」

 

 「・・・・・・」

 

 「表情が暗い・・・もしかしてクライアント?」

 

 「うわ、そりゃそんな顔にもなるわ。失敗したって報告しないとじゃん?」

 

 「アル様・・・」

 

 「くっ・・・」

 

 

 暗い表情のまま、アルは意を決して電話に出る。

 

 

 「はい・・・便利屋68です」

 

 

 いくらか報告をした後、黙って聞いていたクライアント・・・カイザーPMC理事が口を開く。

 

 

 『ふむ。興味深い報告だ。ここまでの練習は拝見したよ。で、実戦はいつだ?』

 

 「・・・うえ?あれが実戦だったんです、が・・・。あ、いえ、何でもありません。も、もちろん実戦はすぐにでも・・・という感じで・・・あ、えっと、1週間以内には・・・はい」

 

 

 アルの対応に驚きの表情を隠せないカヨコとムツキ。

 

 

 「ふふっ。はい、そうです。・・・任せてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~カイザーPMC~

 

 

 電話でのやり取りを終え、受話器を置いて理事は呟く。

 

 

 「やつらのデータ自体は正確な物だったはず。であれば、誤算だったのはシャーレという組織の介入と、突然現れた謎のライダーか・・・。忌々しいことこの上ないな・・・」

 

 「・・・お困りのようですね」

 

 

 理事の呟きに何処からともなく現れる、蛇の紋様の入った仮面を被った白い服の女。

 

 

 「いや、困ってはない。ただ、計算に少しエラーが生じただけだ。まさか、アビドスに新戦力が加わるとはね・・・」

 

 「ふむ。データに不備はありません。これは単に生徒側がさらに強くなった、と解釈すべきかと」

 

 「それは一体・・・」

 

 「アビドスにどのような変化要因があったのか、財団の方で確認しましょう。なに、そのための実験動物(生徒)は沢山います。すぐに確認できるでしょう。では・・・」

 

 

 薄気味の悪い笑みを浮かべて、そう言った白い服の女は静かにその場を後にした。

 

 その得たいの知れなさに、まるで蛇に睨まれた蛙のように固まった理事を残して・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~再び、便利屋事務所~

 

 

 (ガチャ)

 

 

 「・・・はあ」

 

 「やつれたねえ、アルちゃん」

 

 「社長、一体どういうこと?まさか、また戦うの?」

 

 「・・・あのクライアントは、私も詳しくは知らないけど、超大物なのよ。・・・この依頼、失敗するわけにはいかないわ」

 

 「だけどアビドスの連中、というよりあのいきなり現れたライダー。めちゃ強かったじゃん。それに、あの「シャーレ」の先生が一緒にいるし、その中には「ジオウ」と「災厄の狐」もいるんだよ?私らだけじゃ無理だよ。お金もないし、どう戦うのさ?」

 

 「・・・融資を受けるわ」

 

 「は?アルちゃんブラックリスト入りしてるでしょ」

 

 「違うわよ!私は指名手配されて口座が凍結されただけ!」

 

 「そうだっけ?・・・あ、そうだった。風紀委員会にやられたんだよね。中央銀行も、行ったところで門前払いだろーね」

 

 「うぐぐ・・・!見てなさいよ、アビドス。このままじゃ終わらせないんだから。便利屋のミッションはこれからなのよ!」

 

 「あらら・・・。飛び出していっちゃった。どうするつもりなんだろ」

 

 「はぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~ブラックマーケット~

 

 

 ヒフミとアズサにより、一行は数時間の探索を行う。しかし、手掛かりらしきものは一向に見つからない。

 

 そんなこんなで、休憩がてらに偶然見つけたたい焼き屋でたい焼きを購入し、みんなで食べながら現状を整理する。

 

 

 「もぐもぐ・・・。う~ん、それにしてもおかしいです。ここまで情報がないなんてありえません・・・妙ですね。お探しの兵器類の情報・・・。絶対にどこかにあるはずなのに、探しても探しても出てこないなんて・・・」

 

 「もぐもぐ・・・。・・・確かにヒフミの言う通り。普通はこれだけ探せば情報の一つや二つは出てくる。・・・何か、作為的なものを感じる」

 

 「もぐもぐ・・・。私もお二人の意見に同意です。以前、私もここに何度か足を運んだことはあります・・・。その際にも、後ろ暗い情報はよく出回っていました。今回に限り、ここまで何も掴めないというのは・・・」

 

 「販売ルート、保管記録・・・。すべて何者かが意図的に隠しているような、そんな気がします。いくらここを牛耳っている企業でも、ここまで徹底してブラックマーケットを統制することは不可能なはず・・・」

 

 「そんなに異常なことなの?もぐもぐ・・・」

 

 

 ヒフミ、アズサ、ワカモの3人がそれぞれの見解を述べて頭を捻るなか、ヨワコは疑問を口にする。

 

 

 「異常というか、普通ここまでやりますか?という感じですかね・・・」

 

 「うん。ここに集まってる企業は、ある意味で開き直って悪さをしてる。だから逆に変に隠したりしないんだ。・・・ごちそうさまでした」

 

 「むぐむぐ・・・ごくん。ごちそうさまでした。えっと、例えばあそこのビル。あれがブラックマーケットに名を馳せる闇銀行です」

 

 「闇銀行?」

 

 「ブラックマーケットで最も大きな銀行の一つです。聞いた話だと、キヴォトスで行われる犯罪の15%の盗品があそこに流れているそうです。・・・それらが違法な武器や兵器に変えられ、他の犯罪へ使われる。そんな悪循環が続いているんです」

 

 

 闇銀行の説明をするヒフミの表情は暗く、皆一様に苦虫を噛み潰したような顔になる。

 

 

 「・・・そんなの、銀行が犯罪を煽っているようなもんじゃんか!」

 

 「先生の言う通りです。まさに銀行も犯罪組織なのです・・・」

 

 「・・・ふむ」

 

 「ひどい!連邦生徒会は一体何やってんの?」

 

 「理由はあるんだろうけどねー、どこもそれなりの事情があるだろうからさ」

 

 

 キヴォトスの闇を垣間見てしまった一行に、アヤネから通信が入る。

 

 

 『みなさん!そちらに敵が向かっています!気付かれた様子はありませんが、早く身を隠してください!』

 

 

 その通信で身を隠し、成り行きを見守っているとあることに気がつく。

 

 

 「トラックを護送してる・・・現金輸送車だね」

 

 「あれ、あっちは・・・。銀行に入りましたね?・・・え?」

 

 「ちょっと、あの人・・・!!」

 

 「うへ・・・。毎月、うちに来てる銀行員だね。これはちょーっと、キナ臭くなってきたねー・・・?」

 

 『ほ、本当ですね!車もカイザーローンのものです!午前中に来たものと同じようですが・・・なぜ、ブラックマーケットに!?』

 

 

 まさかの事態に混乱が隠せないアビドス組。その話を聞いていたヒフミは声を上げる。

 

 

 「か、カイザーローンですか!?」

 

 「ヒフミちゃん、知ってるの?」

 

 「カイザーローンと言えば、かの有名なカイザーコーポレーションが運営する高利金融業者です・・・」

 

 「有名な?マズイところなの?」

 

 「あ、いえ、グループ自体は犯罪を起こしてはいません・・・。しかし合法と違法の間のグレーゾーンで上手く振舞っている多角化企業で・・・。カイザーは私たちトリニティの区域にもかなり進出しているのですが、生徒への悪影響を考慮し、「ティーパーティー」でも目を光らせています」

 

 「ティーパーティーというと、ナギサちゃんが所属する生徒会だよね?彼女達が目を光らせる企業か・・・」

 

 「ところでみなさんの借金とはもしかして、アビドスはカイザーローンから融資を・・・?」

 

 「借りたのは私たちじゃないんですけどね・・・」

 

 「話すと長くなるんだよねー。アヤネちゃん、さっきの走行ルートを調べられる?」

 

 『少々お待ちください。・・・ダメですね。すべてのデータをオフラインで管理しているようです。全然ヒットしません』

 

 「だろうねー」

 

 「そういえば、いつも返済は現金だけでしたよね。それはつまり・・・」

 

 「私たちが支払った現金が、ブラックマーケットの闇銀行に流れていた・・・?」

 

 「じゃあ何?私たちはブラックマーケットに、犯罪資金を提供していたってこと!?そんなのって・・・!?」

 

 「落ち着いてください!セリカちゃん!」

 

 

 突然突きつけられた現実に動揺し、頭を抱えて震えるセリカを抱き締めて落ち着かせるワカモ。

 

 セリカ程ではないにしろ、皆一様に苦しそうな表情をしている。

 

 子供達にこんな顔をさせていると思うと、やるせなくなる先生とソウゴ。何か声を掛けようと口を開く前に、黙って聞いていたアズサが声を上げる。

 

 

 「まだハッキリと決まったわけじゃない。落ち込んだり、悩むのは後でもできる。まずは証拠を集めよう」

 

 「・・・そうですね!アズサちゃんの言う通りです!・・・あ!さっきサインしてた集金確認の書類・・・!それが証拠になりませんか?」

 

 「ん、さすが」

 

 「おお、そりゃナイスアイデアだねー、ヒフミちゃん」

 

 「あはは・・・でも考えてみたら、書類はもう銀行の中ですし・・・無理ですね。ここで最も強固なセキュリティを誇る銀行の中となると・・・。それにあれだけの数のマーケットガードが目を光らせてますし・・・」

 

 

 うーん、うーん・・・と、頭を悩ませるヒフミ。

 

 そこへ、我らが問題児がお目目キラキラ状態で手を挙げる。

 

 

 「ん!これを解決するには、あれをやるしかない!!」

 

 「なるほど、あれかー。あれなのかー・・・」

 

 「あ・・・!!そうですね、あの方法なら!」

 

 「何?どういうこと?・・・まさか、あれ?まさか、私が思ってるあの方法じゃないよね?」

 

 「セリカちゃん・・・多分、それです」

 

 「あ、あのう。全然話が見えないんですけど・・・「あの方法」って何ですか?」

 

 「なんだろう、聞きたくない・・・。ヨワコの提案っていうのが特に・・・!」

 

 

 アビドス組の反応に戸惑う、ヒフミとアズサ。特にアズサは猛烈に嫌な予感が止まらない・・・!

 

 

 「残された方法はたったひとつ・・・」(スッ)

 

 

 そんな二人の気持ちを知ってか知らずか、キラキラ状態で続きを話すヨワコ。ついでに何かをカバンから取り出し頭に被り、振り返ってそれ(・・)を告げる。

 

 

 「銀行を襲う!」

 

 「は、はいっ!?」

 

 「ばにたす・・・」

 

 「はー、しょうがない。お姉さんも覚悟決めるかぁー」(スッ)

 

 「ホシノさん!?」

 

 「わあ☆そしたら悪い銀行をやっつけるとしましょう!」(スッ)

 

 「あぁ・・・そうだよね。ノノミはこういう時、ノリがいいもんね・・・。あはは・・・」

 

 「アズサちゃん、しっかり!?」

 

 「はぁ・・・マジで?マジなんだよね?ふぅ、それなら・・・とことんまでやるしかないか!!」(スッ)

 

 「では、私も・・・」(スッ)

 

 「ワカモさんまで!?」

 

 『はぁ、了解です。こうなったら聞く耳持たないでしょうし・・・どうにかなる、はず・・・』(スッ)

 

 

 あまりの展開に頭が着いていかないヒフミとアズサ。アズサにいたっては、「ばにたす・・・ばにたす・・・」と呟いて現実逃避を始めている。

 

 

 「ごめん、ヒフミにアズサ。2人の分の覆面は準備がない」

 

 「うへー、ってことは、バレたら全部トリニティのせいだって言うしかないねー」

 

 「「理不尽が過ぎるっ!!」」

 

 「それは可哀そうすぎます!」

 

 「「ノノミ(さん)!」」

 

 「なので、お2人共これをどうぞ☆」(スッ)

 

 「たい焼きの紙袋?おお!それなら大丈夫そうー!」

 

 「「ガッデムっ!!」」

 

 

 しばしの抵抗も虚しく、目のところに穴を開けて額に”5R””5L”と書かれた紙袋を装備した2人がいた。

 

 ちなみに、ヒフミが”5R”でアズサが”5L”だ。

 

 

 「ん、完璧!」

 

 「番号も振っておきました。2人で一つの番号、5番RLです☆まさに、比翼連理ですね☆」

 

 「見た目はラスボス級じゃない?悪の根元だねー、親分だねー」

 

 「わ、私たちもご一緒するんですか?闇銀行の襲撃に・・・?」

 

 「さっき約束したじゃーん?今日は私たちと一緒に行動するって」

 

 「ヒフミ・・・諦めて。アビドスはこういうところ。大丈夫・・・目撃者はみんな消せば、何の問題もないから」

 

 「アズサちゃん!?目が据わってる!?戻ってきてぇーー!!」

 

 

 アビドスの雰囲気に呑まれ、お目目グルグルで叫ぶヒフミと覚悟ガンギメ(ヤケクソとも言う)のアズサ。

 

 ヨワコはその光景に満足げに頷くと、先生とソウゴに向かって声を掛ける。

 

 

 「それじゃあ先生、おじさん。例のセリフを」

 

 「こうなりゃやるしかないか・・・」

 

 「ですね・・・。では・・・・・・」

 

 「「みんな、銀行を襲うよ!」」

 

 

 こうして、この日、ブラックマーケット(この場所)で後にキヴォトスに名を馳せる「覆面水着団」が誕生したのである。




 取り敢えず、次回は銀行を襲います・・・!テンポ上げなきゃ・・・!(使命感)
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