最高最善を目指して   作:秋月 ヒカリ

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 久しぶりに登場したユメ先輩。私服はオーズの英司と同じ様な感じです。

 あと今回長いです。


面倒事には事欠かない

 「・・・鴻上 コウセイだッ!!」

 

 「アビドスのみんなを支援してくれてる方って、貴女だったんですね・・・。初めまして、連邦捜査部「シャーレ」所属の明光院 アイナです。よろしくお願いします」

 

 「ああ、よろしく。それと、良い機会だから伝えておくと、実は「シャーレ」へ支援しているのもうちの企業なのさ!そういう意味でも、末長くよろしく頼むよ!」

 

 「何かさらっと凄いこと聞かされましたけど・・・はい!よろしくお願いします!」

 

 「本当はもっと語らいたいが、今日こちらに赴いたのは先程君たちが話していた事についてだからね。それはまたの機会にしよう」

 

 

 鴻上会長はアヤネの用意した椅子に腰掛けると、一言礼を言った後に本題には入る。

 

 

 「・・・では、本題だ。アヤネくんの推察通り、カイザーはアビドスの土地を狙っている。それは何故か?どうやら、アビドス砂漠に彼らを惹き付ける何かがあるらしい・・・」

 

 「その何かって、何なの?」

 

 「それは・・・・・・分かんない♪」

 

 「分かんないのかよっ!?」

 

 「あっはっは!そう怒らないでくれ、ミサキくん。どうやら相当、彼らにとっては重要な情報らしくてね?ここまでの情報を得るのにも、それなりに苦労したのさ。今は、黒服くんが潜入捜査中さ」

 

 

 真面目に話していたと思ったら、急に茶目っ気を出す鴻上に突っ込むミサキ。

 鴻上はそれに対し、笑顔で現在調査中だと返す。

 

 

 「それにしても、こちらでやっとの思いで手に入れた情報を自分達だけで手に入れてしまうとは・・・。やはり君たちは、素晴らしいッ!!後でケーキをご馳走しよう♪」

 

 「じゃあ、取り敢えず今日のところはこれで解散かな?うへ・・・お姉さん、今日は色々あって疲れちゃったよ」

 

 「あっ!なら、久しぶりに今日は一緒にお風呂でのんびりしよっか、ホシノちゃん。会えなかった分のホシノちゃん成分を補給だ~♪」

 

 「(入りませんよ!?まったく、いつまでも子供扱いしないで下さいよ!)うへへ、ユメ先輩のたわわで癒されるとしますか~♪」

 

 「ホシノ先輩・・・たぶん、本音と建て前が逆です」

 

 「!!??・・・やだなぁ~冗談だよ~?」

 

 『はぁ・・・。欲望に忠実なのは良いが、時と場所を弁えろよ・・・』

 

 

 その日は解散し、それぞれ体を休めることに専念した。

 

 ちなみに、ヒフミとアズサはクジゴジ堂で泊まってソウゴのオーロラカーテンでトリニティへ帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~数日後 柴関ラーメン~

 

 

 アビドスがブラックマーケットで書類を手に入れて、数日。

 

 柴関ラーメンに便利屋は来ていた。

 

 

 「来たあ!!いただきまーす!」

 

 「ひ、ひとりにつき1杯・・・こんなに贅沢してもいいんですか?」

 

 「アビドスさんとこのお友だちだろう。替え玉が欲しけりゃ言いな」

 

 「・・・!?」

 

 「ホントに美味しいよね、ここのラーメン。たまたまお店が空いてたから、貸しきりみたいになってるし」

 

 「この時間はアイドルタイムって言ってな。まあ、暇な時間なのさ」

 

 「静かに食べられるから、いいね。それじゃ、いただ・・・」

 

 「・・・じゃない」

 

 「ん?」

 

 

 ほのぼのとした空間で、いざラーメンを啜ろうとしたところでアルが何かを呟き、カヨコが動きを止めてアルに注目すると・・・。

 

 

 「友達なんかじゃないわよぉーーーー!!」

 

 

 ダンッ!と、大きく机を叩き叫ぶアル。

 

 

 「お行儀悪いよ?アルちゃん」

 

 「シャラップ!ずーーーっと、何か引っ掛かってたのが何かわかったわ!問題はこの店、この店よっ!」

 

 「!?」

 

 「どゆこと!?」

 

 「私たちは仕事しにこの辺りに来てるの!ハードボイルドに!!アウトローっぽく!!なのに何なのよ、この店は!お腹いっぱい食べられるし!!あったかくて親切で!話しかけてくれて、和気あいあいで、ほんわかしたこの雰囲気!ここにいると、みんな仲良しになっちゃう気がするのよ!!」

 

 

 一息に捲し立てて、肩で息をするアルにムツキが疑問を口にする。

 

 

 「それに何か問題ある?」

 

 「ダメでしょ!!メチャクチャでグダグダよ!私が一人前になるには、こんな店は要らないのよっ!!私に必要なのは、こんなほっこり感じゃない!!」

 

 「いや、それは考えすぎなんじゃ・・・」

 

 「それは聞き捨てならないかな?」

 

 「!?だ、誰!?」

 

 

 騒いでいるうちに、どうやら新しい客が来ていたようで店の入口に立った人物が声を掛けてくる。

 

 

 「自己紹介の前に、そこのお嬢さん?手に持った物を離してくれないかな?」

 

 「!?・・・わ、わかりました」

 

 

 静かな口調の中に、有無を言わせない何かを感じ取ったハルカ。

 

 言われた通りに、起爆装置(・・・・)から手を離して机に置く。

 

 

 「ちょっ!?ハルカ、なんで起爆装置なんか!?」

 

 「アル様がこの店をぶっ壊せとおっしゃったので、吹き飛ばそうかと・・・」

 

 「言ってないわよっ!?」

 

 「あはは・・・。ちょっと過激なお嬢さんみたいだね・・・」

 

 「ところでいい加減、あなたは誰なのか教えてくれない?」

 

 「そうだったね!私は、梔子 ユメ。アビドス高等学校の卒業生だよ」

 

 「!!アビドスの・・・!!」

 

 「わわっ!?そんなに身構えないで!別に、あなたたちに危害を加える気はないから!」

 

 

 便利屋に声を掛けた人物・・・ユメの自己紹介に臨戦態勢を取ろうと動いた便利屋の面々に待ったをかける。

 

 

 「・・・じゃあ、アビドスの卒業生であるユメさんは、なぜ接触してきたの?」

 

 「そりゃだって、たまたま入ったお気に入りのお店の中で物騒な話しと気配を感じたら、声くらいかけるでしょ?」

 

 「う、確かに・・・」

 

 「それと、アルちゃんって呼ばれてたあなた」

 

 「私・・・?」

 

 「うん。詳しいことは知らないし、分からないけどさ?この場所は、あなたが言ってたようにあったかい場所で、誰かの癒しの場所なんだよね。だから、それを否定するのはやめてほしいかな?」

 

 「うぅ・・・ご、ごめんなさい」

 

 「ううん。こちらこそ、急にごめんね?・・・さ!麺が伸びちゃうから、美味しく食べられるうちに早く食べちゃお!」

 

 「おいおい、ユメちゃん。舐めてもらっちゃ困るな、うちのラーメンは伸びても旨いぜ?」

 

 「え~?さすがに伸びたら美味しさ半減でしょ~?」

 

 

 ワイワイと大将とユメが騒いでいるのを横目に、大人しくラーメンを啜る便利屋。

 

 改めて食べるラーメンの味に、お店を壊してしまわなくて良かったと思うのであった。

 

 ・・・その時。

 

 

 「っ!・・・大将、みんな!!伏せてっ!!」

 

 「え、一体どうし・・・?」

 

 「ユメちゃん・・・?」

 

 「間に合わない・・・!変身ッ!!」

 

 

 ーコブラ!カメ!ワニ!

 

 

 ードゴゴゴゴーーーン!!ズガガガガーーーン!!ドッガーーーン!!

 

 

 「ゆ、ユメさん!?」

 

 「わわっ!?何がどうなってんの!?」

 

 「これは・・・!」

 

 「た、大将さん・・・!大丈夫ですか?」

 

 「あ、ああ。俺は大丈夫だが・・・」

 

 「みんな!!怪我はない!?」

 

 

 ーブラカ~ワニ!

 

 

 柴関ラーメンに対する攻撃に敏感に反応し、「ブラカワニコンボ」へ変身することで特殊技の「ゴーラシールデュオ」により全員を守りきったユメ。

 

 しかし・・・・・・。

 

 

 「そんな、お店が・・・!!」

 

 

 アルの悲痛な声に回りを見渡すと、柴関ラーメンがユメの守ったところ以外が綺麗に吹き飛んでいた。

 

 

 「・・・っ!一体、何処のどいつよッ!!こんな酷いことするなんてッ!!」

 

 「これは50mm迫撃砲・・・ということは・・・・・・!!」

 

 「あ、アル様!あれ・・・!!」

 

 

 ハルカの指差す方に目を向ければ、遥か先のそこにはゲヘナ風紀委員会が大挙していた。

 

 

 「みんな、もう一撃来るッ!私の後ろに集まってッ!!」

 

 

 ードゴゴゴゴーーーン!

 

 

 「う、ぐぅ・・・!」

 

 「くそっ!なんでこんなタイミングで奴らが!いや、今だからこそ・・・!?」

 

 「ユメさん!!大丈夫なの!?」

 

 「えへへ・・・心配してくれて、ありがとうアルちゃん。けど、平気だよ!伊達に仮面ライダーとして戦ってきてないしね!」

 

 「あなた、仮面ライダーだったんだね・・・」

 

 「うん!仮面ライダーオーズっていうんだ!よろしくね!」

 

 「和んでるところ悪いが、やっこさん、こっちに向かってくるみたいだぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~ゲヘナ風紀委員会~

 

 

 「よし。歩兵、第2小隊まで突入」

 

 「・・・イオリ、ちょっと待ってください。どうやら、一般人を巻き込んでしまったようです。それにこれは・・・仮面ライダー!?」

 

 「な!?なんで仮面ライダーがうちの不良生徒と一緒にいて、守ってんのさ!?」

 

 「わかりません!わかりませんが、取り敢えず今は進軍は取り止めないと・・・!!」

 

 

 便利屋を捕縛しに来たゲヘナ風紀委員会。

 

 しかし、まさかの仮面ライダー登場に足を止めて様子を見ることにするも、更に状況は動く。

 

 

 「・・・待ってください。あれは・・・「シャーレ」のアイナ先生!?それに、ソウゴさん!?アビドスの生徒達まで・・・!!」

 

 「は!?シャーレ?ってのは良くわかんないけど、ソウゴって「ジオウ」のソウゴさん!?なんでアビドスにいるんだよ!?」

 

 

 騒ぎを察知したアビドス組もこの場に勢揃いし、どんどん混沌と化してくる現場に通信が入る・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~柴関ラーメン跡地~

 

 

 「な、なんですかこれ!?」

 

 「柴関ラーメンが・・・」

 

 「ユメ先輩!!無事ですか!!」

 

 「ホシノちゃん!みんな!大丈夫だよ~!」

 

 「あっ!あんたらは、便利屋じゃない!?まさかあんたら・・・!!」

 

 「いや、どうやらこの惨状の原因は、あちらさんにあるみたいだよ?」

 

 

 ミサキが指差す方向を一斉に見ると、ホシノが表情を歪めて呟く。

 

 

 「ゲヘナの、風紀委員会・・・!!」(ギリィッ!)

 

 『まさか、便利屋を捕まえるために・・・?いえ、だとしても一般人に被害を出してまで・・・!それに、他の自治区で何の事前警告もなしにこんな・・・!!』

 

 「あんまり穏やかじゃないよね・・・」

 

 

 アヤネの言葉を先生が継ぐと、アビドス組の中でゲヘナ風紀委員に対するヘイトが高まっていく。

 

 その時・・・・・・。

 

 

 『こんにちは、アビドスの皆様。私はゲヘナ学園所属の行政官、アコと申します。今の状況について少し説明させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか?』

 

 「アコちゃん・・・その・・・・・・」

 

 『イオリ。反省文のテンプレートは私の机の、左の引き出しにあります。ご存じですよね?』

 

 「ぐっ・・・!」

 

 『行政官ということは、風紀委員会のナンバー2・・・』

 

 『あら、実際はそんな大したものではありません。あくまで風紀委員会長を補佐する秘書みたいなものでして・・・』

 

 

 「ごちゃごちゃ・・・言ってんじゃないわよッ!!」

 

 『はい?』

 

 

 アコの言葉を遮り、沈黙を保っていたアルが叫んで話を中断させる。

 

 

 「あんた達!なんでここを砲撃なんてしたの!!ここは、ただの飲食店よ!?私たちを捕まえるのが目的だったのかもしれないけど、やっていいことと悪いことが・・・・・・」

 

 『はぁ・・・。何を宣う(のたま)かと思えば・・・元をただせば、あなた達のせいではありませんか』

 

 「は・・・?え?」

 

 『不注意に攻撃を敢行したのは、間違いなくこちらの落ち度です。ですが、あなた方規則違反者がその場にいなければ、私たち風紀委員会が動き、こうなることはなかった。だって、私たち風紀委員会は・・・あくまで、私たちの学園の規則違反者を逮捕するために来たのですから』

 

 「あ・・・」

 

 「なによそれ・・・。じゃあ、大将は、あんた達のせいでこんな目にあったんじゃない!!ふざけんなッ!!」

 

 「ち、ちがっ!わ、わたしは・・・!」

 

 『違いませんよ。全て、あなた達、便利屋68の、今までのツケです。お分かりいただけました?陸八魔 アルさん?』

 

 「・・・そこまでにしてくれるかな?」

 

 『おや、「シャーレ」の先生ですか。なにかありましたか?』

 

 

 アコの詰問にどんどん顔を青ざめさせ、更にセリカに詰め寄られたことで震え出すアル。

 それを見かねた先生が話に割って入る。

 

 

 「あなたの言う通り、アルちゃん達は問題を起こしてきたのかもしれない。けど、今回の事に関してはちょっと違うんじゃない?」

 

 『・・・なにを言われるかと思えば、話を聞いていらっしゃいましたか?彼女達がこちらにいなければ、私たちは・・・』

 

 「そもそもさ、なんでこれだけの兵力を動かすほどの行動を、事前にアビドスへ通達しなかったの?そうすれば、こちらと合同で彼女達を逮捕するなりなんなり出来たよね?・・・少なくとも、今回のような被害なんて出さずにさ」

 

 『・・・・・・』

 

 「大体、彼女達との付き合いは短いけどさ、それでも彼女達が悪人ではないって事くらい、私にはわかるんだよ。ちょっと困った子達ではあるかもしれないけどね?」

 

 「先生・・・」

 

 「それでもこうやって何の告知もなく、他の自治区で攻撃をしかけるのは・・・何か他に、別の目的でもあるのかな?」

 

 

 何かしらの確信を持って、先生がアコへそう問いかけると「はぁ・・・」と短くため息を吐いてアコが答える。

 

 

 『・・・なるほど。先生の考えは分かりました。アビドスの皆さんも同じ考えなのでしょうか?』

 

 「うへ、便利屋の子達がどうとか抜きにしてもさ?こんな暴挙に出られたら、気分悪いよね~」

 

 「ん、便利屋・・・というより、そこのアルのポンコツぶりは見てきた。私もそこまで悪人だとは思えない」

 

 「で、でも!こいつらがいなかったら、柴関はこんなことにはならなかったんじゃないの!?」

 

 「セリカちゃん。確かにそうかもしれません。しかし、今回の争点はそこではありません。そもそも、ゲヘナ側が何の通達もなく武力を行使して、他自治区へ攻め込んだことが問題なのです。・・・彼女達は、体よくあの行政官の目的のために利用されたに過ぎません」

 

 「・・・そう言われたら、確かにそうかも。ごめん、便利屋のみんな。ちょっと頭に血が昇りすぎてた。・・・でも、今までの事は別だからねっ!」

 

 「ん、セリカはツンデレ。セリカはこうでないと」

 

 「ん、今日もナイスツンデレ!満足、満足」

 

 「うっさい!チロヨワ先輩コンビ!」

 

 「後輩たちの漫才は置いといて・・・取り敢えず、アビドス側の回答としては・・・・・・」

 

 『かかってこい、全員ブッ飛ばしてやる』

 

 

 声を揃えてアコへ回答を叩きつける。

 

 

 『そうですか・・・うーん・・・本当は穏便に済ませたかったのですが・・・・・・ヤるしかなさそうですね?』

 

 

 一気にその場が殺気立ち、一触即発の雰囲気の中、カヨコが前に出る。

 

 

 「か、カヨコ・・・?」

 

 「天雨(あまう) アコ」

 

 『あら、あなたは・・・』

 

 「このやり取りで、やっと確信が持てた。最初からあんたはこの状況を狙ってたでしょ?」

 

 『カヨコさん・・・。面白い話をしますね?』

 

 「最初はどうして風紀委員会がここに現れたのか、理解できなかった。風紀委員会が他の自治区まで追ってくる理由、それも私たちを狙って?こんな非効率的な運用、風紀委員長のいつものやり方じゃない。だからアコ、これはあんたの独断的な行動に違いない」

 

 『・・・・・・』

 

 「それに、私たちを相手にするにしてはあまりにも多すぎるこの兵力。他の集団との戦闘を想定していたとすれば、説明がつく。とはいえ、アビドスの生徒に対しても過剰戦力・・・なら結論は一つ」

 

 

 通信機のホログラム越しにアコを睨み付け、カヨコは告げる。

 

 

 「アコ、あんたの目的はシャーレ。最初から、先生を狙ってここまで来たんだ」

 

 「私?」

 

 『ふふっ、なるほど。・・・ああ、便利屋にカヨコさんがいることをすっかり忘れてました。のんきに雑談なんてしている場合ではありませんでしたね・・・。まあ、構いません』

 

 

 パチンッ!とアコが指を鳴らすと、風紀委員の兵力が次々に追加される。

 

 

 『カヨコさん、あなたの推理は概ね正解です。ですが、一つだけ訂正を。・・・私の狙いは、「先生」と「絆 ソウゴ」の二人です♪』

 

 「ちっ!これだけの兵力を惜しみ無く投入してくるなんて・・・!!」

 

 『当然です♪先生だけなら確保は容易でしょうが、仮面ライダーを相手取るのです。・・・おかわりも勿論、用意していますよ♪』

 

 「だからって、ここまでするっ!?」

 

 『それともう一つ。この状況は想定はしていても、意図的に起こしたものではありません。・・・まあ、今更信じてはもらえないでしょうが。一応、事の次第をお話しさせていただくと、きっかけは、ティーパーティーでした』

 

 

 「もちろんご存じですよね?」と前置きして続ける。

 

 

 『ゲヘナ学園と長きにわたって敵対関係にある、トリニティ総合学園の生徒会の事です。そのティーパーティーが、シャーレに関する報告書を手にしている・・・と。そんな話が、うちの情報部から上がってきまして』

 

 (あ、これヒフミちゃんとアズサちゃんの事だな・・・)

 

 『当初は私も「シャーレ」とは一体何なのか、全く知りませんでしたが・・・ティーパーティーが知っている情報となれば、私たちも知る必要があります。それで、チナツさんが書いた報告書を確認しました』

 

 (確認するの遅くないです・・・?)

 

 『連邦生徒会長がキヴォトスの外の大人へ残した、仮面ライダーという超戦力を抱えた、超法規的な部活。どう考えても怪しい匂いがしませんか?』

 

 (・・・まあ、否定は出来ない)

 

 『シャーレという組織は、とても危険な不確定要素に見えます。これからのトリニティとの条約にも、どんな影響を及ぼすのか分かったものではありません。ですからせめて条約が無事締結されるまでは、私たち風紀委員会の庇護下にお迎えさせていただきたいのです。ついでに、居合わせた不良生徒たちも処理した上で・・・といった形で』

 

 (こいつ・・・!絆一家を敵に回す気か!?)

 

 

 アビドスの面々は、最後の言葉に戦慄した。長期間のソウゴの拘束?馬鹿を言え、お前には見えていないのか!私たちの後ろで、すでに激情を渦巻かせているソウゴの家族が・・・!!

 

 なお、本当にアコのプランが実現した暁には、キヴォトスからゲヘナという名前は永劫に消え去るだろう。いや。割りとガチで。

 

 

 「・・・へえ、先生とダディをねぇ?」

 

 「パパを私から奪う?・・・破壊してやる

 

 「我が魔王に手を出す?させるとでも?」

 

 「ソウゴさんが奪われる、ソウゴさんが奪われる、ソウゴさんが奪われる・・・・・・」

 

 「あ~あ、アイのスイッチ押しちゃったよあの娘・・・。ま、うちもだけど」

 

 「はぁ・・・。ホント、アイもマイも感情に振り回され過ぎ・・・。ここはクールに殲滅しよう」

 

 「ん、ミサキたち程じゃないけど、おじさんは私にとっても大切な家族。人の大切なものを奪おうとしてるんだから、自分達もそれなりの覚悟があるよね?」

 

 

 「ん?なんか一部からの圧が強いような?」などと呑気に構えているアコを合掌して見る、アビドス勢。

 

 そんなアビドス組を尻目に、便利屋組は話し合う。

 

 

 「どうする、社長?今ならまだ、なんとか逃げれる。戦闘が始まれば、もう後戻りはできないよ?」

 

 「ふふっ・・・」

 

 「社長?」

 

 「・・・ねえカヨコ、あなたはもうとっくに私の性格、分かってるんじゃなくて?」

 

 「・・・?」

 

 「こんな状況で、私たちの事を庇ってくれた人たちを置いて逃げる?そんな三流のやり方、私たち便利屋がするわけないじゃない!!」

 

 「・・・あはー!」

 

 「あの生意気な風紀委員会に一発食らわせないと気が済まないわ!」

 

 「アル様っ!」

 

 「ふぅ・・・社長の考えは分かった。でも、アビドスの連中が私たちと連携を取ってくれるかわからな・・・・・・」

 

 「よっし、便利屋っ!ヤル気満々の先輩達を暴れさせて、私たちは各個に奴らをコテンパンにするわよ!!」

 

 「そういうわけだから、背中は任せるよ~」

 

 「!?」

 

 「ソウゴさんはともかく、先生は私たちで守らないといけません。みんなで守りますよ、いいですね?」

 

 「話が早いな・・・」

 

 「当たり前よっ!この私を誰だと思ってるの?心配は無用!信頼には信頼で報いるわ!それが私たち、便利屋68のモットーだもの!」

 

 「はい!先生には私たちも色々とお世話になりましたので!絶対に成功させます・・・!」

 

 

 気力に溢れるアビドス組と便利屋を確認したアコは、少しだけ気圧されるが持ち直して指示を出す。

 

 

 『連中が意気投合するのがここまで早いのは、想定外でしたが・・・まあいいでしょう、それでは。全軍、攻撃を開始します。連中を制圧、先生と絆 ソウゴを確保してください。あ、先生は外の人なので、怪我はさせないように十分に注意を』

 

 「なんか良く分かんないけど、わかった!!私に続けぇーーー!!」

 

 「イオリ・・・。せめて、明日の朝日は拝めることを祈りましょうか・・・。行きます・・・っ!」

 

 

 こうして、アビドス対ゲヘナ風紀委員会の戦いの火蓋が切って落とされた。




 次回、戦闘回。どっちが勝つかな?
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