「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さないッ!!」
「なんだコイツ・・・ッ!?」
「きゃあーーっ!?ちょっ!?と、止まれーーーっ!!」
「なんであんなに銃弾食らってて、銃乱射して突っ込んでこれるんだよぉーーー!?」
「アル様への愛ですっ!」
「なぜ、そこで愛っ!?」
「アル様への愛をバカにするなぁっ!!」
「いや、してな・・・へぶっ!?」
開幕早々に便利屋のハルカが敵陣に突っ込み、風紀委員会の所謂モブちゃんたちを薙ぎ払っていた。
・・・陸八魔 アルへの愛を叫びながら。
「ん!あの娘スゴい!タフネスがダンチ!私も負けられない!」
ー ATTACK RIDE・・・BLAST!
しれっと変身して戦闘を行っている、ライダーズ。
その内の一人、ディエンドに変身したヨワコがBLASTで負けずと風紀委員のモブちゃんたちを薙ぎ払う。
射たれたモブちゃんたちは、目を回してのびている。
『ひ、卑怯ですよっ!?仮面ライダーの力で戦うのはっ!?』
「ん?峰打ちだから問題ないよ?その証拠にみんな気絶してるだけだし。だいたい、少数に対して大多数で攻撃を仕掛けてきた、あなた達に卑怯とか言われたくない」
『銃を使っていて、峰打ちとはっ!?それはそうですが、まさかこれほどとは・・・!!』
「これは可笑しな事を・・・。先程の長い話では、仮面ライダーを相手取るために用意した戦力、と言っていたでしょう?」
アコの焦った声にそう返しつつ、「ジカンデスピア」の側面でモブちゃんたちを気絶させていくウォズ。
『あなたの始めた物語でしょう?最後まで、足を止めてはダメですよ?天雨行政官?』
『奥空さん・・・!?う、うぅ~・・・!』
「(アヤネは怒ると本当に恐い・・・)それはそれとして、久しぶりの大暴れ。私もちょっとハッチャケる・・・!」
ー ATTACK RIDE・・・ILLUSION!
ディケイドのチロコは先ず、6人の分身を生み出す。それを見たモブちゃんたちは、急にチロコが増えたことに驚き動きを止める。
「予想外の事に驚くのはいいけど、今は戦闘中・・・足を止めるのは愚策でしょ?」
ー ATTACK RIDE・・・SLASH!
6人のチロコは、一瞬で複数のモブちゃんたちを峰打ちで気絶させて、ライドブッカーの刃先を撫でて血を拭う様な仕草をする。
「ん、鍛え方が足りない。もっと精進するべき!」
「いや・・・鍛えてどうこうなる事かな?これ・・・」
「あはは!やっばーいっ!そりゃ、怪人達を倒す力なんだから、それを向けられたら私たちみたいな一般人はイチコロだよね~?」
「ん?そう?でもほら、あっちなんかライダーの力なんてなくても、無双してるよ?」
カヨコとムツキの指摘にチロコは別のアビドス組の方を指差し、そちらを見る二人。そこでは・・・。
「マイ!ミイ!アレをやりますよッ!!」
「アイ・・・!やるんだね!?今!ここでッ!!」
「ふぅ・・・二人に合わせる。好きに動いて・・・!」
「「「ジェット・ストリ○ムアタック!!!!」」」
「いや伏せ字になってな・・・ぐあぁああーっ!?」
「これが、噂のアビドス「黒い3年生」の力・・・!?うわあぁー!?」
「「「え、なにそれ知らん・・・恐っ・・・!」」」
特に、黒をパーソナルカラーにしているわけでもない三人。恐らくネタ元を知っているだけの一般モブちゃんを倒して、そのまま進軍して行く。
ちなみに誰かが踏み台にされるなんて事はなく、最後まで無双していた。
「しっかし、スゴい数だなぁ・・・。はいそこー、密集しなーい!」
ー ズガァアアアンッ!
「「「「「「「「「「「「うぎゃぁーーーっ!?」」」」」」」」」」」」
「だけどまぁ、数だけいたってねっ!」
淡々と愛銃である「セイントプレデター」で、ミサキがモブちゃんたちを吹き飛ばす。
「うひゃー!みんな若いねー。お姉さん、圧倒されちゃうよー」
「くっ!このっ!余所見しながら避けるな!」
「えっと、イオリちゃんだったっけ?」
「そうだっ!」
「君、筋は良いしセンスもある。実力だってかなりのもんだね」
「いきなりなにっ!?敵を褒めて、なんのつもり!?」
ホシノが周りの状況を冷静に分析しながら、突っ込んできたイオリを余裕をもってあしらいながら、会話をする。
「んー?いやぁお姉さん、見込みのある娘はついつい指導したくなっちゃうんだよねー」
「はあっ!?」
「ほいっと、足元がお留守だよー」
「わあっ!?けど、この程度・・・!」
「立ち直しが遅い!視線を敵から逸らすな!動きが直線的で読みやすい!もっとフェイントを混ぜたり敵の動きを読んで虚を突け!」
「は、はい!!」
「じゃ、今日の講義はここまででーす!」
「へ?うっ・・・!きゅう~・・・」
「まだまだ伸び代があるから、君はきっと強くなれるよー。・・・で、そこで隠れてる君が次の相手かな?」
「・・・いえ、降参します」
「うへ、じゃあお姉さんと先生のところでお休みしよっかー。変な気は起こさないでね?」
「しませんよ・・・。あ、イオリを運んでいっていいですか?放置しておくのは、ちょっと・・・」
「そうだねー。じゃ、行こっか?」
ホシノはイオリの足を持って引き摺りながら、チナツと共に先生のいる後方まで下がるのであった。
~ゲヘナ風紀委員会 後方指揮所~
『第一中隊、全滅!退却し、再整備に入ります!』
『第三中隊、これ以上の続行は不可能!補給のため、一時撤退します!』
『こちら第六・・・・・・』
次々と上がってくる被害報告に、アコは戦慄していた。
「なんなんですか、これ・・・。この規模ですよ?なんでこちらが劣性なんですか・・・っ!!」
「行政官・・・もう、これ以上は・・・・・・」
「・・・いいえ、まだですっ!第八中隊も投入!どんなに力で圧倒されても、数ではこちらが上なんです・・・!隙を突いて、先生だけでも確保できれば何とでも・・・・・・」
ー キング!ギリギリスラッシュ!
「!!??・・・な、何事ですっ!?」
「じ、ジオウです!!ジオウが、この指揮所まで侵入!補給中だった部隊と物資を吹き飛ばしました!」
「はあっ!?」
「被害報告!物資は全損、人員は吹き飛んだ衝撃で全員気絶!行政官・・・ッ!」
「・・・・・・全軍、戦闘行動を止めて負傷者の回収。先生へ通信を繋げてください。・・・停戦の連絡をします」
戦意を折られたアコは、指揮車のモニターに映るジオウに畏怖の視線を送ると、小さく唇を噛んだ。
「うん。そちらの停戦要求に応じます。じゃあ、手分けして負傷者の治療をしようか。・・・みんなー!戦闘終了ー!怪我人の手当てよろしくねー!」
「なんとかなりましたね?先生!」
「うん!ユメも、ずっと私と大将を守ってくれて、ありがとうね!」
「うぅ・・・ここは?て、え!?先生!?」
「気がつきましたか、イオリ。よかった・・・」
「チナツ?え?なんで私たち、アビドス側にいるの?」
「あなたが戦闘で倒れた後、こちらで手当てさせてもらってたんです。ちなみにたった今、行政官から停戦の命令が下りました」
「それって・・・」
「はい。私たち風紀委員会の敗けです」
「・・・そっか」
自分達の敗け。その事実に俯き、痛む身体に顔をしかめるイオリ。
「お、目が覚めたんだー」
「あんたはっ・・・!」
「お姉さんの名前は、小鳥遊 ホシノだよー。ま、今はまだ体にダメージが残ってるだろうから、そこで大人しくしててねー?」
「・・・あのっ!」
「んー?」
「・・・次は、絶対に負けないから!」
イオリの啖呵にホシノは少し目を見開くとすぐに、ふにゃりとした笑顔で「楽しみにしてるよー」と手を振って、怪我人の手当てに向かった。
~風紀委員会 指揮所~
「取り敢えず、君が停戦してくれて助かったよ」
「アコでいいです。・・・よく言いますよ。あのタイミングで、あれだけ派手に物資から何から吹き飛ばされれば、心も折れます・・・」
「ああー・・・その、物資関係に関しては後で被害の報告書をまとめてシャーレに送って?こっちで補填するから」
「は?なんで・・・」
「流石にやり過ぎた感が否めないからね・・・。なにより、シャーレは生徒達の味方ですからっ!」
「・・・だったら、大人しく捕まって欲しかったんですけどね?」
「それはそれ、これはこれって事で!」
「もう・・・何ですか、それ?ふふっ」
暗い面持ちで話すアコにソウゴは敢えて、おちゃらけた感じで返し、毒気を抜く。
少し和やかな雰囲気が流れたところに、通信が入る。
『アコ』
「え?・・・ひ、ヒナ委員長!?」
『アコ、今どこ?』
「わ、私ですか?私は・・・そのぉ・・・ゲヘナ近郊の見回りです!風紀委員会のメンバーと!そ、それより委員長はどうしてこんな時間に・・・出張だったのでは?」
『さっき帰ってきた』
「そ、そうでしたか!お出迎えできず、すみません!えっと・・・今は少し立て込んでいまして・・・・・・」
『ふぅん・・・?何かあったの?』
「いやぁ・・・そのぅ・・・・・・」
「他の自治区で、委員会のメンバーを独断で運用しないといけないようなことが?」
「・・・えっ?」
ヒナの最後の言葉がアコの後ろから聞こえたことにより、アコはギギギ、と擬音が付きそうな程ゆっくりと後ろを振り向く。
「・・・・・・」
「ヒナ、委員長・・・・・・」
「・・・アコ。この状況、きちんと説明してもらう」
その一言でアコは白目を剥き、恐らくロクな目に合わないであろう自分の未来を思い、数瞬の間だけ気を失うのであった。
一般生徒にライダーはオーバーキルよなって。
たぶん変身してなくても、アビドス勢+便利屋なら返り討ちにしてたと思う。