また人間サイドのオリキャラ増やして正直スマンカッタ。でも艦娘以外の人間がこの世界どうかかわっているのかも、少しだけ書いて行きたいです。
ラストに向けて少しずつ助走をつけていきます。
数日前、ホノルル基地第二艦隊 提督執務室
Starring:アトランタ
ニュージーランドの援軍艦隊が帰還早々、何故か居残り組の自分まで呼び出された時は、何か嫌な予感がしたのだ。そして当然のようにそれは的中する。
遠征軍から、旗艦のアイオワを始め、レキシントンとサラトガが報告に来ている。
「まずはお帰りなさい。報告書はリアルタイムで読んだけど、直接所感を聞きたいわ」
「それより、
食い気味に身を乗り出すアイオワに、ガーベラ・タネンバーグ少将は、ぱさっ
「耳が早いわね。でも仕事が先よ」
アイオワが渋い顔をして唸る。報告が最優先なのは至って当然のことである。ただ焦れる彼女を楽しそうに見ているのは、正直どうかと思う。部下いびりというより、子犬を弄って遊んでやっているようでだ。二十代で大規模艦隊を任されている俊英と言う話なのだが、人柄の方はどうにも尖っている。好かれてはいるが。
「制海権は一進一退ね。今のところ轟沈は抑えられてるけど、一刻も早く北太平洋の戦力を南に振り分けるべきだと思う」
「異論はないわ。……北洋艦隊がいなければね」
Admiralは、海図を呼び出し、コンソールに展開した。状況はきっと、よろしくない物なのだろう。
深海棲艦北洋艦隊は、硫黄島の疾患により、日米両国に包囲を受けている。しかし環太平洋の人類軍が、北洋・南洋両艦隊に挟み撃ちに合っている状況は変わらない。
「北洋艦隊は、和平に応じたりしないのでしょうか?」
サラトガの質問は、沈黙で返された。そんな生易しい相手では無かろう。”もしそうだったら”、窮地を切り抜ける布石になるが。
「さて……何だったかしら?」
あーもうと言わんばかり、アイオワが机に両手を置いた。
「大和とBattleしたい!」
まるで子供の用に、彼女は唯一無二の要求を突き付けた。Admiralは静かに微笑を浮かべているけれど。
「あの、そろそろ」
本題に入ってやれと、サラトガが苦笑して助け舟を出す。それで満足したのか、Admiralは扇子をパチンと閉じ、
「アドミラル津田の話では、彼女は今かなりひどいスランプのようね」
「Yamatoが? Realy?」
「そう聞いているわ」
大和と言うフネは、連合艦隊の象徴と聞く。そんな彼女とスランプのイメージは、どうも繋がらない。
「でもNo problemよ! Yamatoなら乗り越えるわ!」
「そうでしょうね。でも時間がないの。”決戦”は近い」
息をのんだ。太平洋を取り戻すには、その大きな戦いを経なくてはいけない。一人の轟沈も出さずにだ。
「そうなっても、MeがYamatoをHelpするわよ!」
「アイオワ、ちょっと頭冷やしなさい。不調なのはあなたも同じでしょう?」
レキシントンに痛い所を突かれて、アイオワは悔しそうに口をつぐむ。どうやら彼女は、まだ重めのスランプから抜けきっていないらしい。彼女が何を悩んでいるか、アトランタはだいたい察しがついた。いや、この場の全員が気付いていて、復活を信じている。そしてもちろん焦ってもいるのだ。
「まあいいでしょう。この四人でタスクフォースを編成する。そしてタネンバーグ少将の名において命じる。大和に勝ってきなさい」
Admiralは、扇子でアイオワを差す。彼女の振る舞いは威圧的だが、頼もしさも周囲に与えると思う。
「もちろんよ必ずWinするわ!」
今すぐ旅支度を始めかねないアイオワを、Admiralが呼び止める。
「テストを兼ねて、〔ミズーリ〕を連れてきなさい。砲弾は置いておくけど、補給物資を運んでもらう」
「
派手好きな二人である、個人的にいれば、守る対象が増るだけで迷惑である。あれは移動司令部兼対地攻撃用。かさばるから見つかりやすい。
「私も、
レキシントンまで悪乗りを始める。ため息は何とか我慢した。
「ええ、ただしあなたも同じよ。やる以上は翔鶴と瑞鶴に勝ちなさい」
「もちろんよ!」
「サラも、レックスの補佐をよろしく頼むわ」
「はい。頑張ります」
ああやだ、こういう体育会のノリ。
「それからアトランタ。あなたを呼んだのは他でもない」
やっぱり自分にも何かあるようだ。日本の防空艦とやりあえとかごめん被る。水雷戦隊に勝てと言われたらもっと嫌だ。もうあいつらと関わりたくない。
「アトランタ、あんたは津田宏武大佐に会って、信頼できる人物か見極めなさい」
予想外の名前が出てきた。そもそもAdmiralは、津田提督の着任以来色々と面倒を見てきた。今更自分が彼を寸評する事に意味があるとは思えない。
「何故、私が?」
「それはあなたの胸に聞きなさい」
理不尽極まりない命令だった。ついでに言えば、日本艦とやりとりするのもそもそも調子が狂うのだ。津田提督だって別に興味は、ない。
「じゃあ別の子にしましょうか? 最大のチャンスを逃がすわよ?」
「……」
黙り込むアトランタを、アイオワたちが不思議そうに見つめている。自分だって、彼女たちを支えたい。でもどうも駄目なのだ。そう言うのは。
「あんた、彼と腹を割って話すべきだだと思うわ」
「……腹を割った結果。なにも無かったら?」
つい本音が漏れ出す。Admiralの表情が苛立たし気に変わる。
「あーもういいわ面倒くさい。命令、丹賑島に行きなさい。行かないと抗命罪」
「……」
予想はしていたが、結局そうなるらしい。
アイオワ、大和、そして津田宏武。そして今は味方になった、ソロモンの仇敵たち。変わるわけないのだ。どうしたって。