イベントが進まない。新艦娘もこない。支援艦隊も試してみたけど道中大破じゃ意味がない。だから次は絶対割る為に私は課金だけは最後まで撮っておきます。
さて、甘い告白回が終わり、周囲に目を向けると、そこはかなりの修羅場のようです。艦娘たちの反撃なるか?
Starring:赤城
左手を天井にかざした。地下室だから太陽は見えないが、それでも指輪はきらきら光って、自分たちを祝福してくれる気がした。漣を見やると、彼女も同じような気持ちらしい。このままだと、また嬉し泣きを始めそうだ。
「……すまんな。俺の方で付ける手が……無くなっちまって」
ひゅーひゅーと小さく息を吐き、彼が言う。その姿は痛々しくて。でも顔を背ける気にはならなかった。
「そういう自虐は禁止です。右手にはめてくれるなら、私たちは幸せですよ」
「そうです!」
彼は悪かったと苦笑する。ケッコンした以上は、しっかり自尊心は養うつもりだ。
「今、木葉司令官が作戦を立ててくれています。安心して寝てください」
「……先輩にも、苦労を掛けた。この指輪、も」
宏武さんは静かに目を閉じ、寝息を立て始めた。麻酔が効いたのかもしれない。
漣が、彼に歩み寄り、そっとキスをしようとして、思い直しておでこに変える。自分に遠慮しているなら――そう言いかけたのを察して、彼女は首を振る。
「初めては不意打ちより、ご主人さまから」
漣ははにかむ。いい子だわこの子。
「じゃあ、二人でほっぺたに」
「いいですね。それじゃあ……」
彼の頬を片方ずつ占領し、そっと唇を近づけ――咳払いに止められた。
「三人ともおめでとう。でもごめん。今厄介な状況なの」
赤城たちは顔を見合わせ、自分たちも小さく咳払いをした。
「それで、状況はどうなんでしょうか?」
自分たちのことばかりで頭になかったが、とりあえず宏武さんの命が繋がったとして、戦いの情報が欲しくなった。今回受けた傷の借りは、きっちり返さねばならない。
木葉司令官は、小脇に抱えていたタブレットを渡してくる。
「今私たちがいるのが、呉市役所の地下に建設された避難所。ここまでは良いわね? 久我たちは旧鎮守府の地下司令部を占拠してる」
「ご主人さま、それは……」
漣が深刻そうに口を開きかけ、頭を振る。かなりよくない状況だが、まずは全部聞くべきだと思ったのだろう。
「深海棲艦の方は?」
こちらはクーデター以上の懸案事項だった。呉の上空から陸上型を投下するなど、近海にはかなりの戦力が存在すると思われたからだ。
しかし、宏武さんはピケット艦隊を配置していて、先日戦ったお化け大砲でも防げると言っていた。司令部が混乱しているとはいえ、普通に考えてやすやすと侵入を許すとは思えない。
「それがね、お化け大砲のスペックは、久我のミスリードだったみたい。……上位種がいたの」
「……え?」
「前に大和さんたちが沈めたのより、もっと凄い化物砲を用意していた、ってことですか?」
木葉司令官は深刻そうに頷いた。
「ピケット艦の頭越しにまんまと砲撃を許したわ。資材倉庫が埋まって、呉の艦娘は出撃出来ない。ついでに言えば、戦える子は出払ってるわ」
ぎりりと、自分の歯が鳴る音が聞こえる。不甲斐ない。宏武さんを支えられなかった。その思いは漣も同じだったようだ。こぶしを握り締めている。
「あんたたちのせいじゃないわ。むしろ私たち提督の責任。一番悪いのは久我だけど」
「久我
殺す。赤城はこの瞬間、そう誓った。
「恐らくだけど、ここで講和派を潰しておいて、南洋艦隊との適度な関係を維持。北洋艦隊ともそれなりの距離を持ちつつ、艦娘の発言権を抑えたまま、この戦争を鎮静化させる。バランス外交ってやつね」
「そんなの、上手くいくわけありません!」
漣が言う。自分も同意だ。深海棲艦も艦娘も、ロボットではない。自分たちには自分たちの。彼女達には彼女たちの事情があるのだ。久我の理屈が一方的に通るとは思えない。
「そうね。だから講和派は反対してたってわけ」
「度し難いです」
とは言えここで文句を言っていても、どうしようもないことくらい頭に血が上った状態でも分かる。
「南洋艦隊の戦力は?」
これに関しては、木葉司令官も若干言いにくそうに眉を寄せた。それだけでよい状況とは言えないと分かる。
「お化け大砲を旗艦にした一個艦隊が瀬戸内海の出口を塞いでいるわ。それに……」
「それに?」
「南洋艦隊の主力が北上中。道中の拠点は、同じやり方で工廠を無力化されたわ」
「せ、戦力はどうなんです?」
木葉司令官はタブレットを操作し、一枚の写真を見せる。
「那覇所属の彩雲が、命がけで撮ってきたものよ」
それは、海を埋め尽くすイ級の群れだった。それに囲まれるように悠然と北を目指す姫級たち。半端な数ではない。直感で分かる。恐らくだが呉の戦力を丸ごと合わせたより多い。
「呉は、持つんですか?」
嫌な質問だったが、木葉司令官の返事は、それに関しては明るかった。
「こちらも無防備じゃないわ。間もなく、鎮守府の防衛システムが反撃を始めるから」
そう言って彼女は、時計に視線を落とす。
「そろそろね」
まるで見計らったように砲声がした。病室の外から避難者らしき悲鳴が上がるが、言い含められたのか、兵士たちが「大丈夫です! あれは味方の砲撃です!」と言って回っている。
「レガシーを生かしてるのは、何も米海軍だけじゃないわ」