かっこいい足柄さんは大好きだけど、私が書くとこんなドタバタ劇になってしまします。でも戦場で大活躍する足柄さんもちゃんと書くつもりです。
皆様はどんな足柄さんが好きですか? 舞台行った方のご意見も是非聞いてみたいです。カモ━━━━щ(゚д゚щ)━━━━ン!!
●同日同場所
Starring:提督
俺はNINEアプリを立ち上げ、苦笑した。まあこれは見せてもいいだろう。妙高にスマホを手渡す。
「あの子ったら」
その台詞は今日何度目だろうか? まあそれも仕方がなく、送られてきたのはマッチョたちの死屍累々をバックに、拳を振り上げる足柄の姿があった。
「しかし、何で俺に送って来たんだろう?」
また受信する。今度は『どう? 宣言通り勝ったから、約束の物をヨロシク』とある。
「これ那智に送ろうとして、間違えたのかも知れませんね」
酒でも賭けて勝負してたとかかな? まああいつららしい。
「あら? 消えたな」
ものすごい勢いで、送りつけられた写真が消えて行く。まあこんな誤爆したらこっ恥ずかしいか。そんな事を思っていたら、着信。「事情説明」の電話だな。ここは適当に騙された事にしてやるか。
『あああの提督! さっきの写真は!』
案の定テンパってるようだ。それにしても妙に大げさだ。
「ああ。面白かったぞ。あの
『え、あ。そうなんです! 私は気が進まなかったけど、秋雲が絶対面白いからって』
こいつ今、心の中で秋雲に手を合わせてるな。なんか面白くなってきた。
「まあ那智とどんな賭けをしたかは知らんが、誤爆には気を付けろよ?」
『ひゃ、ひゃい』
ん? なんかますます反応が変だな。
『あの提督。違うんですよ?』
「え? 何がだ?」
『だから違うんです!』
よく分からんが違うらしい。
「ご主人さま。そろそろ赤城さんと打ち合わせの時間じゃないですか?」
漣が声をかけてくれる。まだ早いがそうか。この状態で話を続けるのもかわいそうだよな。気遣い
「じゃあな。また面白いの作って貰ったら、俺にも教えてくれよな?」
『ひゃい』
ほんと、どうしたんだこいつ?
顔を上げたら、今度は妙高が苦笑していた。くそでかため息とともに。
「どうした?」
「いえ、妹の
そうか。それだけ焦っていたんだろうな。
「提督。男女交際云々の件ですが、たった今解決しました。足柄はちゃんと男性に興味があります」
「そ、そうか?」
今ので何が分かったのだろう? 姉妹の以心伝心か? 艦娘の聴力なら、今の通話を聞き取るのは造作もないだろうが。
「今回の件は私の勇み足です。帰ってきたら謝罪しておきます。私が直接川内さんにお願いしたと言う事にしますので、提督はノータッチで通してください」
「そうだな。そのほうが良いな」
それで終わると思ったら、妙高は何故か俺の顔を見つめ、うんと頷いた。
「それと。たまには妹を秘書艦に指名してあげて下さい」
「えっ? どう言う事だ?」
「あの子もなかなか、人を見る目があると言う事です」
えっ? 話の流れが見えなかったが、聞き返そうとした時妙高は既にドアノブにてをかけていた。
「よく分からんが、分かった」
俺は妙高を見送る。その後何故かずっと、漣の機嫌が悪かった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
●
Starring:妙高
鳳翔さんは困ったように微笑し、掌で奥の座敷を示した。やはりここのようだ。密談用に防音もしっかりしているから、今の状態の彼女には最適だろう。中では案の定というか、那智と羽黒が号泣する足柄をあやしていた。
「ほら姉さん。お水飲んで」
「もうほっといてよぅ。私の春は終わったの」
羽黒が差し出したコップを手に取り、水を流し込む。そのあと結局とっくりごとどぶろくを一気飲みするので何の役にも立ってない。
「そんなに知られたくなければ、行いを正せばよかろう?」
那智の言葉には「自分は知られてもいいから、行いを正す必要なし」と言うニュアンスが感じられて大変宜しくないが、指摘する状況でも無かろう。というか予想以上の荒れ具合だ。
「そんなの私じゃないもん」
「ないもん」って。いっぱしの重巡がまあ。
「で、でも司令官さんはうそ写真だって言ってくれたんだよね?」
羽黒がフォローするが、足柄は止まらない。
「そんなのバレてるに決まってるじゃない! 乱暴者だと思われたぁ!」
再び足柄に火がついて、号泣が始まる。まあ100人の巨漢を叩きのめして悦に入るのは、十分乱暴者の定義に入るであろう。
「そもそもなんだが、
那智が言うと。
「ごめんなさい。私もそれは少し知りたいです」
羽黒が口添えする。いつぞや酒の席で自分より弱い相手とは付き合わないと豪語した足柄である。提督は一般人よりは鍛えているであろうが、彼の仕事はデスクワークだ。
足柄はぐすんぐすんと鼻を鳴らしながら、内心を吐き出した。
「だってあの人。海防艦の子たちと話す時に、すごく優しい目をするんだもん」
これは重症である。
「まさか飢えた狼のタイプが、『子供に優しい人』だったとは」
興味深そうに那智が言う。そう言う那智だって、武人以外興味が無さそうな体ではあるが、いざとなったらどうなるか分からないでしょうと思う。
「でもそんなに意外でもないような。司令官さんと姉さんなら、子煩悩そうで良いパパとママになるかも」
羽黒が言うが、足柄はそんな事を聞き入れず。
「そんな夢はもう終わったのよぉ」
ぐったりと座卓に突っ伏して、うにゃー、と変な声を漏らした。三人は
でもまああれだ。戦闘大好きの妹が、初めてした恋なのだ。なんとか叶えてあげたくもある。
「提督には私から言っておきます。差し当たっては、秘書艦として指名してもらうように頼んでおきました」
「もう駄目よ。だって……」
いつもの怖いくらいの前向きさは、一体何処へ行った。
「しっかりしなさい。あなたが好きになった男性は、写真数枚で貴方の事を色眼鏡で見る様な人なのですか?」
「それは、そうだけど」
赤城さんを思い浮かべる。妹のライバルは、色々と規格外だ。でも女性としての魅力は決して劣るわけではないと思う。
「私も協力します!」
「この状態のこいつと呑んでもつまらんからな」
妹たちもそう言ってくれる。足柄はそんな姉妹たちの顔を順番に眺め、またわーんと泣き出した。
「ぐすっ! ありがとう! ぐすっ!」
「ほら泣いてる暇はないわよ。今日は決起会と行きましょう」
こうして妙高姉妹は、大いなる作戦目標に向けて行動を開始したのだった。
レースは新勢力を迎え、戦いは激化してゆく。