ところで、皆様イベントはどうでしたでしょうか? 私はE4を突破したところで資源切れを起こし、ギブアップしました。しかし通常海域掘りに切り替えた結果、矢矧をお迎えできましたヾ(*´∀`*)ノ
皆様はイベントどこまで行きましたか? 良ければ結果だけ感想欄に書いて行ってください。
硫黄島攻略作戦発動予定日まであと八日。
Starring:提督
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その日の深夜。赤城は帰還する艦娘たちを無言で待ち続けた。ひとりひとり「おかえりなさい」「ありがとう」と声をかけて回る彼女は痛々しかった。でも誰もそれを止めない。彼女はきっと、立ち上がる為に藻掻いているのだから。
吹雪が帰ってきた時には、感極まった様子で彼女を抱きしめた。吹雪はされるがままにして、えへへと笑った。
さあ、次は俺の仕事がまっている。
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そして俺は、休息明けのある艦娘を呼び出す。もっと休ませてやりたいのだが、作戦開始前に
だから俺は、目の前の人物に告げた。単刀直入に。
「瑞鶴。お前艦隊旗艦やれ」
「ちょっと待ってよ!」
案の定というか五航戦瑞鶴は完全に混乱していた。こいつ割と自分の価値を分かって無いところあるよな。
「私はやだから! 加賀さんは必ず戻ってくるよ! 赤城さんだって!」
瑞鶴はどんと机を叩き、身を乗り出す。そういう反応になるよな。俺も加賀の復帰を疑った事はない。だが。
「まあ話を聞け。Deep-1掃討には、赤城に活躍してもらう事になる。指揮を執りながらじゃなく、フリーハンドで戦って欲しいんだ。だから代理の指揮官がいる」
「何で私なの? 金剛さんは? 空母なら翔鶴姉だって」
「金剛の方が旗艦経験は豊富なんだが、うちの艦隊は空母偏重だ。正規空母が指揮を執った方が回る。翔鶴は先頭切るより支える方が向いてるだろう」
脳内で咀嚼して、俺の言っている事に納得した、というか納得してしまったのだろう。難しい顔で俺を見ている。
「あともうひとつ。この配置は加賀の意見も聞いている。『瑞鶴を選ばなければ怒っていたわ』と言われたよ。本人に言ってやればいいのにな」
「加賀さんが!? うそでしょ?」
加賀のやつ、もっと褒めてやればよかったと思うが。こいつはまだまだ追いつかない事に自覚できていても、自分自身もまた高みにいる事が分かってない。翔鶴も然りだが。
さあ、なんて事だと驚愕しても、もう逃げられないゾ。
「これは俺も加賀も一致してるんだが、まだお前の視野は狭い」
「それは、分かってる」
「だがお前の性格は皆に好かれるし、気遣いも出来る」
「何よりだ。これが一番大事なんだが、お前は周囲に支えてやりたいと思わせる人徳がある」
「……提督さんみたいに?」
俺? 俺はそんなの持った覚えはないがな。まあいい。
「分かった。引き受けるよ」
「頼んだ。ここが正念場なんだ」
正直万全の体制ではない。瑞鶴の器量が赤城に劣るとは思っていないが、彼女は現代に来てから指揮官としての経験値を積んでいない。彼女も次世代のリーダーだと期待しているのは、俺も加賀も、恐らく先輩も同じだが、なにぶん時間が足りない。十分な場数を踏ませたかったが。
「あとだな。グラーフとアークの練度を作戦までに少しでも上げておきたい。これも赤城が担当していたんだが」
「はいはい。それもやるのね」
ぞんざいに答える瑞鶴の表情には、面倒くさそうなものは感じない。望むところなんだろうな。
「あとだな」
「まだあるの?」
今度は嫌そうな顔に変わった。残念ながら、出来る奴は使い倒すのが組織ってもんなんだよ。
「昨日の戦闘で大鳳が見つかった」
「大鳳が!?」
「訓練、頼む」
瑞鶴は軽口を叩かなかった。マリアナの責任を感じているのか。このタイミングでそんなものまで背負わせたくはなかったんだがな。
「
瑞鶴は背筋を伸ばし、敬礼した。「五航戦」を強調して。
Starring:漣
●執務室
「いいから寝てください!」
普通に仕事を再開しようとするご主人さまである。漣は、肩を怒らせて説教する。体格差があるから、まるで意味をなさないが、そうしなければいられない。
「そうは言うがな。これから
困ったように言うご主人さまだが、こちとら付き合いはそこそこ長いのだ。半分意地になっていると分かる。不安なのだろうなと思うが、このタイミングで体を壊されたら最悪である。
「ご主人さまは色々あって気を張ってるんです。ここは無理にでも寝てください」
ようやく卒業した睡眠薬をもう一度処方させてでも寝てもらう覚悟である。彼は嫌がるだろうが。
「頼むよ。後悔したくないんだ」
泣きそうな顔になる。この表情は反則だ。でも今日ばかりは負けない。
「大淀さん。お願いします!」
「えっ!」
書類を決裁していた大淀さんの手が止まる。今の会話を聞かないようにしてくれたのはありがたい。でも申し訳ないが巻き込まれてもらう。
「大淀さん、ご主人さまの作戦計画書をいつも読み込んでますよね? 自分の作戦案を採点してもらってるのも知ってます」
何故それをと言う顔。悪いけれど、執務室に出入りしていたら皆知っている。大淀さん楽しそうだし。
「作戦の大筋は決まってるんですよね? 子細は大淀さんに考えて貰って、起きたらチェックしてください」
「いや流石にそれは」
ご主人さまは首を振る。これは睡眠の誘惑と戦っている顔である。大淀さんは、珍しく拳を握りしめ、黙り込んでいる。それはそう。自分がやった無茶ぶりは過大な重責を押し付けるものだ。でもそうでもしないともうどうしようもない。
「漣もやります。ご主人さまの
大淀さんが頷いた。強い人だと思う。漣と違って。
「分かりました。私が責任を持って作戦案を仕上げます。漣さん。補佐を」
覚悟を決めたように大淀さんが言う。漣も頷く。もう逃げられないし、逃げる気もない。
「だが待て、夜が開けたら町長さんに説明にいかないと。その準備も」
「それは漣が行きます」
「お前、前に行って子ども扱いされたろ?」
「長門さんに来てもらいます」
言い返そうともごもごしていたが、漣たちが正論だと理解はしているのだろう。張り詰めた気持ちが抜けたように息を吐く。
「分かった。寝るよ。大淀、変な奇策は盛り込む必要はない。いつも通り基本に忠実にな」
「はい!」
ここで初めて破顔している自分に気付く。許されるなら大淀さんとハイタッチを決めていたところだ。
「では漣さん」
「はい!」
二人は頷き合い、ご主人さまから閲覧権を受け取った作戦計画を開いた。