【完結】FF8の世界に転生してスローライフを満喫する話。   作:速射弾

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33話 バラムガーデン③

 

私はこう見えてもアルティミシアと常に一緒にいるというわけでは無い。

2人とも良い年をした大人なのだ、適切な距離感というのも大事だろう。

彼女が治療を受けていた時ならともかく、怪我が治り満足に動けるようになった今、プライベートの時間は彼女にだって必要だ。

 

まあアルティミシアと過ごす以外は、ショッピングモールに行ったりモンスター狩りや記事を書く相変わらずの暮らしなのだが……。

バラムガーデンに来たからには自分の時間でやりたい事も多い。

見たい物が沢山あるため、幾ら空き時間があっても足りなさそうだった。

 

ここは私にとって楽しい夢のテーマパークであり、安らげる公園だ。

エスタの関係者として適切な振る舞いを心がけよう、などという意識は残念ながら毛頭無い。

しかしながら、わざわざ事件を起こすほど私は非常識な人間でも無い。

普通に生活する分には何も問題無い筈だった。

 

 

 

「君、そこで何をしている?」

 

私はスーツを着たガーデンの教師数名と、武装した警備員数名に取り囲まれていた。

どうやらゲームで目にした黄色い帽子と厚手のブカブカした教員服はやめたらしい。

あれも見てみたかったので少し残念な気持ちになりながら質問を返した。

 

「あれ? 私、何かやっちゃいました?」

 

「生徒から訓練施設で不審な人物が居ると通報があった。これは一体何をしている」

 

何って……いつも通りモンスターを調理して食べていただけだが?

見たらわかるだろう……。

食虫植物型モンスターであるグラットの千切りを氷水で締めてから、毒消しを振りかけてサラダを作った私は、それを頬張りながら警備員の発した意味の無い質問に答えた。

 

「食事……ですかね?」

 

その返答にざわつく教師達。

何か変な事でも言ってしまったかな……。

 

私は訓練用に自然を再現した広い施設でモンスターを狩っていた。

ガーデンの訓練施設は誰でも立ち入りが許可されており、モンスターと戦うのも自由な筈だ。

それは一度キスティスと入った時に教えてもらったので憶えていた。

 

「そのようにお伺いしたんですが……ダメでしたか?」

 

「確かに狩るのは自由だが……食べても良いという規則は無い、今回は前例の無い事なので見逃すが、生徒に悪影響を与えそうな行動は謹んで頂きたい」

 

教員達は規則を新しく追加する必要があるかもしれないと話しながら、私の食事現場の始末をして去っていった。

 

 

 

この行動はエスタの面子に泥を塗ったのかもしれない。

流石に報告しておいた方が良いと思い、普段ラグナ達が居る接客用の談話室に行って事のあらましを説明した。

 

「おこられちった」

 

「そりゃしゃーねーなー」

 

「いや、でもケダチクより美味い恐竜も居るんだよ? せっかく殺すなら食べなきゃ勿体無いって」

 

「マジかよ、そいつは確かに勿体無いかもな……。よっしゃ、ちーっとばかしシド学園長に相談してみっか?」

 

ソファーから立ち上がった大統領の発案にキロスが待ったをかける。

彼は顎に手を当て、補佐として忠言を投げかけた。

 

「ふむ、しかし我々は部外者だ、彼等の方針に口を出す立場では無いと思うが」

 

「なんだよキロスは大袈裟だよなぁ〜。ちょーっと美味いもんあるよって教えてあげるだけじゃねぇか」

 

これは善意からくる親切な行動だと言うラグナ。

少し無言で考えたキロスは「まあ良いか」と反対意見を引っ込めた。

 

「私は大統領を補佐するのが仕事だ、行動の選択権は上司に委ねるさ」

 

それに頷くウォード。

先程の忠言はただのポーズだったらしい。

付き従う2人の補佐は絶対自分達が楽しみたいだけだった。

 

 

 

大所帯でいきなり学園長室に訪問した我々を、シドは何時もの笑顔で快く受け入れてくれた。

早速ラグナの軽い挨拶が炸裂する。

 

「学園長さん、どーもどーも」

 

「何か御用件でも? 気になる事が御座いましたら何でもお伺い致しますよ」

 

「かくかくしかじかで、モンスターの中には美味いの居るから、殺すだけはちと勿体ねーなって話になりまして」

 

「なるほど……。ガーデン内部に居る美味しいモンスター……おそらくアルケオダイノスの事ですね。

クレイズさんの記事で読みましたよ、一応バラムでも食用とされてた歴史があるみたいですねぇ」

 

「そんで俺も食べてみたいから訓練施設でBBQやっちゃ駄目ですかねぇ〜って話でして……お願いします! この通り!」

 

頭を下げて手を合わせ、シドに頼み込むラグナ。

その背後で私とキロスの思いはシンクロした。

 

「そんな話だったか……?」

 

「BBQは初耳……だな」

 

シド学園長が返答に困っていると学園長室の扉が開く。

丁度、ガーデンの教師が何かの報告書を持ってきたようだった。

 

 

「学園長、何かございましたか?」

 

「ああ、いや……訓練施設でバーベキューをやりたいと言うお話が来まして……」

 

客が居る事を確認し、部屋を見渡した年配教師の瞳が私の目と合う。

 

「ん? 君は先程の不審者か……ちょうど良かった。ついでにその事を報告致しましょう。

先程、訓練施設内でモンスターを食べている彼の非常識な行動が、生徒及び学園への悪影響を招く可能性があると判断されまして。

禁止事項としてその辺りの事を追加してはどうだ、と言う意見が出ております」

 

ガーデンの教師は学園長に報告という名の告げ口をした。

私も同じようにラグナに告げ口をしたような物だ、文句を言える立場では無い。

しかしそれはともかく、モンスター喰い専門家として言いたい事はある。

 

 

「学園長、モンスターを食べるイコール非常識で悪影響では無い筈です」

 

「我々の言う非常識とは施設内での君の行ど「モンスター食は正しい知識で活用すれば安全で依存性はありません。むしろ健康に良いんです!」

 

おっと、ついつい声を荒げてしまった。

あまり大声をあげるのは逆に心象を悪くするか……。

ここは一旦クールになって冷静にメリットを羅列しよう。

 

 

「世界的に見ても雑誌記事になるぐらい、段々とモンスター食の素晴らしさが再認識されているのです。

むしろ頭ごなしに否定するというのは、時代遅れと言えるでしょう。

誰も被害は受けないし、反社会的な要素も存在しないクリーンな行動です」

 

むしろ世間一般で許されている酒やタバコの方が依存度が高く、体に良くないと私は続けた。

 

 

「まぁまぁ落ち着いてください。話はわかりました」

 

シド学園長は宥めるようにジェスチャーしながら妥協案を語る。

 

 

「訓練施設はモンスターを放し飼いにしているビオトープのような物なのですねぇ

餌となるモンスターの死体が無くなると食物連鎖の妨げになるかもしれません。

ですが、体の一部分のみを食べる。とすれば問題にはならないでしょう」

 

許可を出して貰えるみたいだった。

正直こちら側が無理を言っている立場なので期待していなかったが、結果的に言いに来て良かったのかもしれない。

 

 

「後は生徒への悪影響の懸念ですが……これからガーデンはモンスター退治が主軸となっていきます。

食べるという選択肢は覚えておいて良い知識かもしれません。今後の授業内容に反映する事を検討してみましょうか」

 

「しかし学園長……知識も無いのに真似をする生徒が出て問題に繋がったり、将来的にガーデンのイメージを損なう事にもなりかねないと思いますが……」

 

「あまり厳しく締め付け過ぎても生徒達のためにはなりません、ここはひとつ新たな試みを試して見るのも良いと思いますよ」

 

流石シド学園長は格が違った、フットワークの軽さが凄い。

授業への反映という話になるとは思っていなかった。

偉そうに言った手前自分がこう思うのもなんだが、むしろ私の言う事を間に受けてそんな事を検討して良いのだろうか……。

 

私は疑問を抱きながらもまあ良いかと軽く投げ捨て、不服そうに教員室に帰って行く教師を見送った。

一方でラグナは恐竜を食べられる事に喜んでいる。

 

 

「つまりバーベキューできるって事だよな!」

 

「申し訳ないですが……訓練用施設内での調理及びBBQは色々と危険ですし、生徒達も見たら羨ましくなってしまうと思うので、だめですねぇ……」

 

「食堂で調理して貰えば良いと思いですよ」と提案してくれた学園長の言葉に、食えるならそれで良いかと満足そうなラグナ。

バーベキューはできないがモンスター食の名誉は守れた、その結果に私も満足だ。

喜ぶ私達を見るキロスとウォードもなんだか笑顔である。

 

 

 

居なくなっても困るから狩り過ぎないでね、という施設管理者の忠告を聞き届けた私達は、いざ訓練施設内へと食材ハンティングへ向かう。

……と言っても、もうラグナ達も歳である。

見た目は思ったよりも若く見えるが、身体的な機能に期待するのは間違いだろう。

張り切って戦いたがる大統領はウォードに羽交締めされ、私がサクッと獲物を狩る事になった。

 

残った死体はモンスター達に処理されるから放置で良いらしい。

まさに自然界で私が狩る時と同じような環境になっている。

一体幾らぐらいかけたらこんな場所を運営できるようになるのだろうか?

私は運営資金を生み出したノーグという経営者の凄みを感じていた……。

 

 

 

お料理をするにはぴったりな時間帯に、食堂のバックヤードにお邪魔する。

忙しいのに場所を貸してくれた調理場のコックさんとマダム達には感謝だ。

食堂の調理場は流石に生徒達を養って居るだけあって、規模もデカい。

スペースも広ければコンロの数も多く、数人前を一気に作る事前提の大鍋やフライパンは大迫力だった。

 

 

モンスター肉はガーデンの料理人達が普段扱わない食材なので、今回のシェフは私が務めさせていただく事にする。

やはりシンプルにステーキにするか? それとも煮込み?

骨を持って肉に丸ごと齧りつく様なグリルオーブン焼きでも野生味たっぷりで面白いかもしれない。

まあなんにせよ、巨大な肉の塊を切り分けない事には始まらない。

食堂のおばちゃん達が興味深そうに見ている中で、私はガンブレードを取り出して構えた。

 

 

……その時、何処からともなくスーツ姿の年配教師がやってきて怒鳴り声をあげた。

 

「何やってる! こんな所でガンブレードの無断抜刀してる奴は誰だ!」

 

それは今日既に2回は顔を合わせた人物。

食堂のおばちゃんが「ヤマザキ先生こんばんは〜」と呑気に挨拶する中で、ヤマザキ先生と呼ばれたこの世界に似つかわしくない和名の人物は私を見て怒りを露わにした。

 

 

「またお前か! 一日に何度問題を起こせば気が済むんだ!」

 

客人相手だがもう我慢ならんと声を荒げる。

どうやら訓練施設以外での抜刀は許可取りが必要だったらしい。

そういえばそんなのもあった気がする……。

原作知識とか以前に常識的に考えれば良いだけの話だった。

 

 

謝る私の姿を見たラグナが遠巻きにクスクス笑っている。

ヤマザキ先生もどうやらその姿を見つけたらしい。

「責任者として君の管理はどうなっとるんだ!」と説教の流れ弾が炸裂した。

 

二人で仲良く立たされる俺とラグナ。

口髭が似合う教師は、これからはバラムガーデンのルールに従ってもらうとご立腹だ。

美女以外からの説教に価値を感じていない私達は、それを聞き流してやり過ごす作戦をアイコンタクトで伝え合った。

 

 

「もーいいじゃねっかよぉ~。ヤマザキ先生とか言ったっけ? これから美味い肉焼くんだけど俺達と一緒に食おうぜ。

だからさ〜今だけ料理の為の抜刀は許してくれって」

 

「肉の鮮度が下がるので、そろそろ料理に戻らせて欲しいです。反省しているので今日だけは抜刀を見逃して下さい……」

 

猛省する私達の説得は通じている気配がなかった。

なかなか納得してくれないヤマザキ先生にキロスが話しかける。

 

「私共の管理不足が招いた事でお手間を取らせてしまい申し訳ありません。二人にはキツく言い聞かせておきますので……」

 

私達が怒られている間に抜刀許可と魔法の使用許可を貰ってきたらしい。

許可証を見せながら保護者面をするキロスとウォードは、何とか鬼教師の怒りを鎮める事に成功したのだった。

正直助かった……。

 

 

 

いつのまにかエルオーネもここに居た。

諸々の許可を貰うついでに二人が連れてきたようだ。

 

「アルティミシアさんも誘ったんだけど……。断られちゃった」

 

「人嫌いだからしゃーねーな」

 

ラグナの真似をして私は後ろ頭を掻いた。

美味しく焼けたら後で学園長夫妻とミシアさんにも持っていってあげよう。

 

 

「少し時間かかるから適当に待っててよ」そう言って私は料理に取り掛かる。

この人数の料理なんて作った事が無いが、デカい調理器具のおかげで一回で済みそうなのが助かる。

人数分を補えるだけの肉を確保していて良かったと、初めてモンスターの大きさに感謝した。

ある意味嬉しい悲鳴と言えるだろうか? 一人で生きていた頃ではそんな悩みを感じた事が無かったのだ。

 

 

 

調理用の包丁でブラスティングゾーンを発動すると刃がダメになってしまう。

なのでガンブレードを使う必要があったのだが、こういう時の為に魔法に耐えられる小型ナイフの様な物を作ってもらっても良いかもしれない。

 

おばちゃん達の注目を集めながら繰り出された魔法のチェンソーは、アルケオダイノスの硬い筋と骨を断ち切った。

前回食べた時とは違い、今回はストレスに気を遣って予め眠らせてから丁寧に倒したので血抜きは完璧だ。

 

まずファイアで骨のついている部分を強火で焼く。

酒をグラビデで浸透させて下処理を施した肉は、表面に焦げ目がしっかりつくように火を通す。

 

肉を焼いてる間にソース作りだ。

すりおろしたグラットが鍋の中で煮立つと、熱によって毒が分解され個性的な風味が出てくる。

これがステーキの肝であるソースのベースとなるのだ。

グラットは基本的に不味いモンスターだが、こうした扱い方によっては美味しく食べられる食材となり得るのである。

 

 

甘い香りを発するチャツネができ上がるが、味自体は甘く無い。

砂糖とミメットというお酒を入れて再び煮立たせ、香辛料で味を整える。

本当はここにケダチクのフルーティでマイルドな体液でも有れば良いのだが、この学校にブチュブチュは存在していなかったので今回はお預けだ。

花畑を荒らす害虫はガーデンに必要無いという事だろう。

 

業務用クッキングヒーターが巨大なフライパンへ均等に熱を伝え、肉の焼ける音と香りが厨房に充満した。

肉の脇で野菜が肉汁を吸い、艶やかに火が通る。

野菜も肉も焦げ目が芳しい。

美味しそうだね、と話しかけてくるおばちゃん達と雑談しながら焼き上がりを待つ。

量が多いので食堂を貸してくれたお礼に、彼女達にもお裾分けしよう。

 

 

一見固そうだが、グラビデのおかげでその歯応えは繊維を残しつつ柔らかくなっている最高の仕上がり。

骨がついているので手で持って豪快に齧り付いても良し、ナイフとフォークで食べても良しだ。

焼く時に滲み出てきた肉汁とオイルをソースに混ぜて、焼き野菜と一緒に皿の上に添えた。

 

アルケオダイノステーキの溶解液風ソース〜季節の訓練施設を添えて〜完成だ。

 

 

 

 

配膳カートを借り、皿を乗せて完成を知らせる。

ステーキは本日我々が食べる夕飯に一品追加するという形にした。

みんな早く食べたくてたまらないみたいだ。

 

「よっしゃ、じゃあこの人数で一緒に食べれる場所を教えてくれよヤマちゃん」

 

私が見ない内に何故か馴れ馴れしくなっている大統領。

そのコミュニケーションは強引とも受け取られかねないが、従来の軽々しさがそれを感じさせない。

これで大統領まで上り詰めたのから凄い男である。

ヤマザキ先生もそれにタジタジになり、大きなテーブルがある別室に案内してくれた。

 

そうして私、ラグナ、キロス、ウォード、ヤマザキ先生、エルオーネの夕飯が始まる。

 

本当に自分も一緒に食べるのか……?

そう聞こえてくる様なヤマザキ先生の複雑な表情。

 

 

(まだまだ甘いな、ラグナが社交辞令なんて使えるわけがない……。諦めろ、これから私達は一緒に飯を食うんだよ)

 

初対面の人間に囲まれて気まずそうなヤマザキ先生を前に、私とキロスとウォードの三人は腕を組みながらしたり顔で頷く。

奇しくもその考えている内容とタイミングは完璧に一致していた。

 

 

「美味しい……!」

 

これがモンスターの肉だと知って驚くエルオーネは、元々あまりモンスター食に対して好ましく思っていなかった。

ウィンヒルの周りは虫や土塊といったモンスターしか居なかったので、ゲテモノのイメージが強かったらしい。

 

「ブチュブチュみたいに気色悪い色の肉じゃないから食べやすいだろ?」

 

そう言うドヤ顔のラグナは、さっき我慢できずに試食した時はうめーうめーと感激していた癖にすっかりベテラン面だ。

その調子の良さにエルオーネが可愛らしく目尻を緩めた。

 

悔しいが美味い……とナイフとフォークで品の良い食べ方をしているヤマザキ先生。

御年配の胃袋にすら重たく感じさせない質の高い脂、それがアルケオダイノスの食材として凄い所でもあった。

 

 

 

食事会は既に空気がほぐれ、自由に話す場になっていた。

 

「そうか……ラグナ君は若い頃に妻を……」

 

「まぁ俺には勿体ねー良い奥さんだったなぁ、だから死んだって知った時はそりゃーもう悲しかった。俺が言うのも生意気だけど、ヤマちゃんも仕事に一生懸命になりすぎない様にした方が良いぜ。奥さん大事!」

 

「……そうだな、思えば前の職場を辞めてここに再就職してから十数年。拾ってくれたガーデンへの恩を感じて仕事に力を注いで来たが、そろそろ陰で支えて来てくれた妻との時間も大切にするよ」

 

酒とか飲んでいない筈だが、なんかもう深い話をするぐらい二人は仲良くなっている。

 

 

「そういえばキロスとウォードは結婚とかどうなの? 大統領補佐官ってかなり良い仕事だし、彼女が居なくてもお見合い話とかありそうだけど」

 

私の質問にキロスが野菜をつまみながら答えた。

 

「何度か付き合っていた女性がいた事もあるんだ、しかしどうも長続きしなくてな……。

『私と大統領どっちが大事なの!?』と言われるのがお決まりの最後だったよ。つまり私の人生はラグナ君に壊された様な物だ」

 

「俺のせいかよ!」

 

「あーわかるよキロス、なんか付き合っても自分の趣味を楽しみすぎてると振られるよね……」

 

「え、クレイズは彼女居た事あるんだ……私、船の上で転々としながら生活してたから、そういう相手出来た事無かったな……」

 

なんか自分だけ話題について行けないみたいでショックだと言うエルオーネ。

ラグナがエルは可愛いからこれからボーイフレンドなんて幾らでも出来ると慰めていた。

 

「ウォードはどうなの?」

 

「ウォードはずりぃよ、コイツ走り方がダサいって理由で振られてから、いっつも歩く様になったんだけどよ〜。

そしたら声が出ねーのもあって寡黙に思われて、それを支えてあげたいって言う女にモテてんだぜ。

良い年なんだから遊んでないでさっさと結婚しろって」

 

「…………」

 

参ったような表情。

ウォードの今の沈黙は何か伝えたい訳ではなく、何も言い返せないだけなのだ。

彼と付き合いが短い私も、それぐらいは分かるようになってきた。

 

「そういうラグナ君は意外と一途だな」

 

「あーっと……その……な? もし再婚とかそっち系の話があっても、まずは息子との関係をどうにかしねぇとな……」

 

宿命の戦いが終わって1年。

どうやらまだラグナとスコールは顔を合わせて血縁に関する話をしていないみたいだった。

 

 




料理……回? ヤマザキ先生は一応ちゃんと原作キャラです。
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