【完結】FF8の世界に転生してスローライフを満喫する話。 作:速射弾
いきなりだが、私はイケメンだ。己の容姿が良いと気分が良い。
月並みな言葉だが産んでくれた両親に感謝。
さて、イケメンに産まれたからには何をするか、芸能活動? 雑誌モデル? 女遊び? ホスト?
それらをやってみたくないわけでは無いが……全て違う。
正解は……ガンブレードでモンスター退治だ。
ガンブレードという武器はイケメンに良く似合う、逆に言えば普通の容姿ならばガンブレードを使う事は即座に選択肢から除外していただろう。
というわけで故郷を離れた私はすぐに貯めていたお小遣いを消費してガンブレードを購入した。
そんなイケメン専用アイテム、ガンブレードとは何か?
持ち手が銃のグリップになっている剣、といったところか。
銃身が無いので弾を撃って攻撃することは不可能な近接武器だ。
①にカッコいい、②に扱いづらそう、③に剣と銃を合体させる意味ある?が来る青少年憧れのファンタジー武器である。
切りつける際にトリガーを引くと弾芯の無い弾に込められた火薬が爆発し、その衝撃で刃が振動する事で高周波ブレード的な何かとなり切れ味を増す、という本当にそんな事が可能なのか? と思わざるを得ない疑問に満ちた機構の剣なのだ。
そもそも、できるできない以前にトリガーに人差し指をかけたまま鉄の塊を何かにぶち当てるのは確実に指が折れるだろう。
だが、その疑問は実際に使ってみる事で解消した。
なんと、G.F.をジャンクションしてるお陰で指が頑強になり、切り付ける程度の衝撃では折れる気配が微塵も無い!
ガンブレードはG.F.をジャンクションする事前提の武器だったのだ!
答えがわかった直後に「じゃあジャンクションが無い他FFナンバリングで出てくるガンブレードはどうなるんだろう?」
というクエスチョンが脳内に湧いてきたが一瞬のうちにG.F.の副作用で記憶喪失になりこの疑問は忘れた。
一応、故郷に居た時からガンブレードを使うことは決めていた。
なので木材などで自作の木刀ガンブレードを作ってそれで素振りや型の研究などはしてはいたのだ。
それにしても形状から連想される動きの型が独特すぎるし、都会に出てきて調べてみても『いかがでしたか? ガンブレードの購入はこちらでどうぞ!』が浅い情報とセットで出てくるだけだ。
その程度の情報しか無くて参考にできる資料が少なすぎる。
昔の映像や紙媒体の武器専門誌の情報で、遠心力を利用して強大な刀身を振り回すのを基本とするというのはかろうじて分かった。
実物を振るって見ると当然ながら木で作った自作のガンブレードと重さが全然違う、巨大なペン回しを身体全体でやっているような感覚だ。
しかも自分自身すら独楽のように回る事もあるので一瞬視界がターゲットから切り離される場面が出てきたりする。
巨大な刀身故に攻撃力はただの剣より高いのは間違いないが、やはりこれはロマン兵器の側面も僅かに持ち合わせている為、使いやすいとは口が裂けても言えない。
まあそんな事を思いつつもFF8好きとしてガンブレードを使わない選択肢はあり得ない。
理由は当然見た目のカッコ良さだった……。
この武器には大雑把に分けて2つの種類がある。
リボルバータイプは強大な刀身を盾代わりにも出来る両手使用型、グリップの銃部分は回転式拳銃が使われていて回転式の弾倉が男心を鷲掴みにする。
込められる銃弾の数は6発。明らかな火力ブッパロマン兵器型。
オートマチックタイプは銃身が細めで攻撃を受けるのには向いていないが片手使用可能、グリップにはオートマチックピストルが採用されている。
装填可能な弾の数は15発、扱いやすく小回りも利くし拡張性も高い。
リボルバータイプと比べると威力は落ちるが整備がしやすく装弾数が多い。
素早く振り回せるので攻撃の手数が魅力的。
スペックを並べて見るとオートマチックタイプは明らかに使いやすく改良された後という感じがするし、比較的振り回しやすく初心者向けだろうというのは想像に難くない。
だが、個人的には折角ガンブレードを使うなら安定性を投げ捨て恐ろしい火力で敵を威圧するぐらいの方が勝率が高くなる気がするのだ。
何よりリボルバータイプは原作主人公が使ってるというのが良い。カッコいい。
いや、甲乙つけ難いぐらい負けず劣らずオートマチックタイプもカッコいいのだが。
私が憧れたのはリボルバーのスコールでサイファーが憧れたのはオートマを使っていた映画だった、ただそれだけだ。
現代でガンブレードを実践に持ち込む人間は圧倒的に少なく珍しい。
無駄に技量が必要なので基本的に武器コレクター用のコレクションアイテムと言っても過言では無い。
なので実践でも訓練でも珍しがられて「ガンブレード使ってるぞ!」という注目の視線に晒される事となる。
これが思っている以上に恥ずかしい。
ある程度使い慣れて型を綺麗に確立できているならまだ気分はマシだっただろうが私はペーペーの不恰好ガンブレード使い見習いだ。
スコールとサイファーはよくこの視線を無視して鍛え上げたなと思う。
前者は自分の事で精一杯で周りを気にする余裕が無く、後者は目立ちたがり屋な性格でなんとか乗り越えたのだろうか?
常識人の私はFF8が大好きという想いがなければ即座に根を上げ他の武器に鞍替えしていただろう。
特異な性格に振り切った人間でないと訓練が恥ずかしい所も使用者を増やさない要因のひとつかもしれない。
そして今日も同業者に見られながら街の外で素振りをする一日が始まるのだった……。
そんな日々を過ごす頃が私にもあった。
いつのまにかそんな時代も過ぎ去り、既に私は一端のガンブレード使いになっていた。
まあ、同種の武器を使う人間が少なすぎて一端のガンブレード使いというのがどういう基準なのかわからないのだが……。
己に魔法を這わせ高速の直線移動をしたり、ブレードの振りに合わせて地面から魔法を高範囲に巻き上げるラフディバイド
自らの回転剣舞に合わせて魔法を円のように撃ち出すフェイテッドサークル
魔法を束ねガンブレードの刃を擬似的に伸ばすブラスティングゾーン
これらをなんとかFF8知識からの独学で使えるようにはなった。
独学なので原作と同じ技をキチンと再現出来ているか分からないが、それっぽくまとめる事はできたのではないだろうか。
そういう訳でとりあえずは一端と言っても良いのではと思っている。
連続剣は少しスコールが使ってた物と違う気がするが一応、形は仕上がっている。
これはおそらくキロスに教えてもらったブラッド・ペインが混じり私オリジナルの物に仕上がってしまっているようだ。
何だか自分が回転する数が多いとは思ってはいたが、やはり気のせいではなさそうだった。