仮面ライダーシグマ   作:仮面執事

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前回は色々ありましたね。さて…今回はどうなるのかお楽しみに!


CODE22 Bの炎/因縁の決着

 

永遠は目が覚めるとそこは自分の部屋で頭に?マークを浮かべる。

 

永遠「俺は確か…刃ちゃんの身体を奪ったユリと戦って…それで…どうしたんだっけ…」

 

永遠はひたすら記憶を辿るが何一つ思い出せなかった。すると、頭の中に誰かの声が響き渡る。

 

『おい…おい!!』

 

永遠「俺の中にいる君は…誰?」

 

『やっと気づいたか…俺は"トワ"…俺はお前でお前は俺…それだけの存在だ…俺が食うかお前が食うか…それで俺とお前の運命が決まる』

 

トワはそう名乗り、永遠は混乱する。自身と同じ名前で声も同じ…混乱する他なかった。

 

永遠「えっ…ちょっ…そのどういう事?」

 

トワ『混乱するな…お前は理解しているはずだ…元々は"魂は一つ"だったんだからな。それを…"お袋"がやりやがったんだ!』

 

永遠「"お母さん"…が?でも、俺は自分の母親なんて知らないよ?」

 

永遠がそう言うと"トワ"は「チッ!」と舌打ちをしながらこう言う。

 

トワ『お袋の奴…永遠に説明しなかったな?お前は元々はこの世に存在するはずがないんだ…お前の魂は俺に食われ、俺がその身体の主導権を握るはずだったからな。それなのに…お袋はお前の魂を隠し…お前の自我がはっきりするまで俺を封印しやがった!!クソがッ!!』

 

永遠「ちょっと待って!?俺がこの世に存在しないってどういう事?そこの説明をして欲しいんだけど!?」

 

トワ『………はぁ、お前は産まれた時からその身体の持ち主だったんだが、俺が転生し、お前の産まれたての身体の中に入り、お前の魂を食い、それでお前の身体を得ようとした…それだけだ。お袋はそれが嫌になったんだろうな…転生した俺の魂を封印…お前の自我が芽生えるまで俺が干渉出来ないようにした…って所だな、笑えるぜ…そのせいで1つの体に2人の魂が入ってる。まぁ…それもあと数ヶ月で終わりか…』

 

永遠「"あと数ヶ月"?」

 

永遠は"トワ"のあと数ヶ月(・・・・・)という言葉に反応する。"トワ"は『ん?あぁ…』というと説明を始める。

 

トワ『お前は20歳になると死ぬ。そういう運命だ…今までも転生して20年で死んだ…何かしらの病か事故…それらで死ぬ。前回は…ロード達の戦いの中死んだな…お前の場合はどうなるかな?』

 

永遠「死ぬ…か…その前にやらないといけないことがあるよね…ずっと…俺の中にある"使命"…"楓"を見つけ出すこと!!」

 

トワ『そうだな…お前がこれまで転生してきた中で最も"楓"に近づいていってる…お前なら…あるいは…』

 

永遠「意外と優しいんだね?"トワ"って…」

 

トワ『……うるさい』

 

永遠がそう言うと"トワ"が照れたような口調でそう言う。永遠は"トワ"が言った母親の存在が気になり聞く。

 

永遠「俺のお母さんって…どんな人?」

 

トワ『一度会ってるだろ?てっきり気づいていると思ったが…まぁ…俺は会いたくないけど…』

 

永遠「会ってる?どこで!?」

 

トワ『ほんとに気づいてないみたいだな…はぁ、名前は教える。それだけだ…それ以外は教えない』

 

永遠「早く教えてよ!」

 

トワは一瞬黙るが1回溜め息をつくと、こう言う。

 

トワ『"大地 母夢"…俺の母であり、お前の母だ…』

 

永遠「母夢…ちゃんが…俺のお母さん…やっぱり…居たんだ…俺の家族っ!!」

 

永遠は眼に涙を浮かべる。これまで知らなかった親の事を知れたのが嬉しかったからだ。それと同時に会いたいと思ってしまう。

 

永遠「俺、探しに行ってくる。会ってちゃんと話したいもん!」

 

トワ『生憎だが、俺はお袋とは会いたくねぇし、お前にも2度と会わせたくない。お袋と親父は俺を捨てたクズだ。お前の時だって爺さんと婆さんに任せてお袋はどっかに行きやがった。お前も心の中で思ってんだろ?"自分は要らない子"ってさ、だったら会わなくていい…今のお前の居場所は仲間が作ってくれてんだからそれだけで充分、幸せだろ?』

 

永遠「それでも…会って一度くらいは想いを伝えたい!!君はそうやって自分の想いも告げずに逃げてきたんでしょ?なんでお母さんが自分を置いていったのか聞かずに君から離れて行ったんじゃないの?」

 

トワ『っ!?それは…』

 

トワは図星を突かれたのか沈黙する。永遠もこれ以上は流石に無理と判断し、会話を中断しようとする。すると、トワが口を開く。

 

トワ「俺だって…"普通の家族"に憧れてた!!いつも研究所の庭から"普通の家族"を見てきて自分もこんなふうになれたらいいなと思った!!でも…それを捨てたのはお袋…母さんと父さんだ!!もう…無理なんだ…俺達家族が"普通"になれる日なんて…来やしない…俺達は…"智慧の泉の呪縛"から逃れられない運命なんだ…それに"楓"も…』

 

永遠「いや…俺が叶えてみせるよ…楓も救ってみせる。たとえ…俺が消えようとも…」

 

トワ「………だったら…叶えてみせろよ……六峰 永遠……俺はお前の中から見ている。それと…妹…"ルナ"の事も…」

 

永遠「うん!任せてよ!!って…ルナちゃんが妹!?ちょっ!どういう事ぉぉぉぉ!!」

 

永遠がそう聞く中でトワは返事をせず、精神の中から笑みを浮かべるのだった…

 

 

――――――――――――――――――

 

 

1人の少女は金髪の髪をなびかせながら走っていた。後ろから迫ってくる怪物から逃げながら…

 

母夢「はぁはぁ…大変っすね…トワの言ってた事になっちゃったっす。でも…これで逃げ切れたっすかね…」

 

母夢は駆け込んだ路地裏からこっそりと外を見る。どうやら追手はどこかに行ったようで安心して、地面に屈み込む。

 

母夢「よかったっす…なんとか逃げ切れたっす!?」

 

すると後ろから肩を捕まれビクッとする。そしてソっと後ろを見ると大輝が立っていた。その眼は"ここで何をしている"と言わんばかりの迫力をした眼だった。

 

母夢「お久しぶりっすねぇ…遊火さんからの手紙は見て頂けたっすかね?」

 

大輝「あぁ…ちゃんと見た…それでお前はここで何を?何かに追われてたようだが…」

 

母夢「えっと…その…」

 

母夢が答えようとしたその時、澄んだ声が路地裏に響く。大輝は聞いた事がある声が聞こえた事により辺りを見渡すと、空中からヴェルが降りてくる。

 

ヴェル「やっと見つけましたよ…お母様(・・・)

 

母夢「っ!?ヴェル!」

 

大輝「お母様(・・・)?」

 

大輝はヴェルが母夢の事を母と呼んだ事に疑問を抱く。しかし、その疑問はヴェルの次の言葉で晴れる。

 

ヴェル「あら?大輝君じゃないですか!ふふっ…私に会いに来てくれたんですね?それよりも…私がなぜ、この人の事を母と呼んだか気になりますよね?この人は…私達マキアを産んだマキア…ガイア・マキアだからです」

 

大輝「何っ!?」

 

母夢「っ!?」

 

ヴェルから聞いた情報により大輝は母夢を睨みつける。マキアが誕生した発端が眼の前にいるからだ。大輝は母夢の服の襟を掴みながらこう言う。

 

大輝「お前が…お前がマキアを産んだ事によって…この世界がめちゃくちゃになろうとしている!!俺の家族も…マキアによって壊された!!お前には罪を償ってもらう義務がある!!」

 

母夢「っ!?それは…いや…私が原因なのは明白っすね…すんませんっす。私にはもとより生きる資格なんてないっすからね…君の家族のことも間接的ながら関与してるっすからね…」

 

ヴェル「お母様?やっとついてくる気になったってことですか?それでは…行きましょう」

 

ヴェルはそう言い、母夢に近づき母夢の腕を掴もうとする。すると大輝の手がヴェルの腕を弾く。ヴェルは何事かと思い、大輝の方を見ると、大輝はヴェルを睨みつけていた。

 

大輝「こいつは連れて行かせない…まだ、話してほしいことがあるからな…ヴェル…お前を倒す!!」

 

ヴェル「ふふっ…遂に決着の時が来そうですねぇ!!」

 

母夢「戦う!?戦うっすか!!ヤバい…隠れなきゃ…」

 

母夢はそう言い、逃げるように隅っこに隠れる。大輝はそれを確認してからドライバーを装着し、ファイライセンスカードを認証させる。

 

大輝「変身…」

 

『KAMEN RIDER PHI』

 

ライセンスカードを挿し込むと共に変身が完了する。

 

ヴェル「期待…してますよ…」

 

 

ヴェルも怪人態へとなり、路地裏での戦闘が始まる。一方で2つの影がその様子をビルの上から見ていた。

 

 

航輝「朝陽さん…戦闘が始まったみたいだぜ…」

 

朝陽「わかってるよ。ヴェル…彼女は今ここで倒しておかないといけないからね…頼んだよ…不知火 大輝君…」

 

航輝「あんたはフェ…永遠以外の奴には興味がねぇのか?』

 

朝陽「それは…他の子にも興味はあるよ?でも…実の息子と娘の方が気になるのが父親ってもんでしょ?まぁ…俺は君のこと気に入ってるから、ルナと結婚するなりなんなりしたらいいさ」

 

朝陽がそう言うので航輝は顔を真っ赤にしながらこう言う。

 

航輝「はぁぁぁぁ!?何言ってんだ!!ルナとその…けっ結婚とか…まだはえーだろ!!」

 

朝陽「君は面白いなぁ…ん?あれは…母夢!?なんで、あそこにいるの!?」

 

航輝「はぁ?なんであんたの奥さんがファイと一緒にいんだよ!!」

 

朝陽「知らないよぉ!!嘘でしょ…まさか!?母夢の中にある智慧の泉の力を狙って?創始君ならそうするか…楓の方を狙うよりも都合がいい…助けなきゃ!!」

 

航輝「行かなくていいだろ!!それに…ほら!」

 

母夢の所に向かおうとする朝陽を航輝は止め、指を指す。朝陽は航輝か指を差した場所を見ると驚いた顔をする。そこには…

 

永遠「大輝!助けに来たよ!!」

 

ファイ「六峰 永遠!?なぜここに…まさか!?」

 

母夢「っ!?永遠…」

 

永遠「GPS、使わせてもらったよ。とりあえず俺は彼女をここから避難させるから、大輝はヴェルを倒してね。さぁ、こっちへ」

 

永遠は母夢の腕を掴み、走る。ヴェルは追おうとするが、ファイによって行く手を阻まれる。

 

ファイ「お前の相手は俺だと言っているだろ!!」

 

ヴェル「…そうですね。まずは…貴方から倒すとしましょう…」

 

ヴェルは加速しファイに向かって尾で攻撃する。ファイはそれを見切り、避けると同時に剣でヴェルの尾を攻撃する。ヴェルは剣を弾き、一歩後退る。

 

ヴェル「成長…しているようですね。私の初速を見切るなんて…いいですね!!それでこそ私の"好敵手"(ライバル)!」

 

ファイ「お前に褒められても嬉しくはない」

 

ファイもヴェルに釣られるように加速する。その速度は光の速さに到達する一歩手前だった。そこからお互いに加速しながら攻防を繰り返していく。それでも、ヴェルの方が数段(・・)速かった。

 

ファイ「ぐっ!?」

 

ヴェル「やはり人間の肉体ではその速さに適応出来ないようですね。むしろ今までの速さが人間としては異常なだけ…よくそこまで高められました…しかし、私の速さには到底追いつけない!!」

 

ファイ「ハァハァ…俺はヴェルには勝てないのか…クソっ!!家族の敵討ちも出来ずにここで終わるのか!!」

 

ファイは地面に拳をぶつけながらそう言う。ヴェルはファイに近づき、とんでもない事を言い出す。

 

ヴェル「ここで更に追い打ちをかけましょう…14年前、貴方の家族を殺した日…弟君の死体、見つからなかったでしょう?どうしたと思います?」

 

ファイ「何を…言っているんだ…俺の家族は全員…お前に殺されて…まさか!?」

 

ヴェル「貴方の弟は今も私のそばで生きている…優平はご存知でしょう?彼が貴方の弟です。ふふっ…貴方の事を追い込み…絶望の顔を見る…それをこなすための最大のカード!!それは…家族(・・)…」

 

ファイ「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ!!」

 

ヴェル「残念…嘘ではありませんよ?私と君の長い付き合いじゃないですか!!分かるでしょ?私の考える事。まぁ…貴方のその仮面越しからの顔は…予想がつきますがね…ふふっ…ふふふふふふっ」

 

ヴェルはそう言い、ファイを…大輝を嘲笑う。その時の大輝にはヴェルと戦う意思もなにもなかった…

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

永遠は母夢の手を握りながらヴェルから遠く離れていた。そして、丁度いい階段下を見つけそこの裏に隠れる。

 

永遠「ここまで来れば…安全でしょ。大丈夫だった?」

 

母夢「あっありがとうっす…その…どうして…」

 

永遠「しー…どうして助けたかって?それは…やっと見つけた家族だからさ…トワから聞いたよ?母夢ちゃんはその…俺のお母さんだって…」

 

母夢「そうなんっすね…バレちゃ仕方ないっすね!私が永遠のお母さんっす!まぁ…母と呼ばれる筋合いもないっすけど…」

 

母夢は首を搔きながらそう言う。永遠は「そんな事ないっ!!」とちょっと強い声で言う。そして続けてこう言う。

 

永遠「やっと見つけた家族なんだよ?俺はちゃんと家族と向き合って話したい。トワの為にも…自分の為にも…だからさ…今度、ルナちゃんも含めて家族で話し合おう。俺にとってはおじいちゃんとおばあちゃんが今世の家族だったけど…最初の家族も大切にしたいからさ!!」

 

母夢「っ!?そうっすね…そうしましょうっす。私も…家族とは向き合いたいって思ってたっすから…」

 

母夢がそう言ったその時…拍手の音が辺りに響く。永遠が拍手の音が聞こえたところを見ると、青年が立っていた。

 

永遠「零野 空夜!!なんで貴方がここに?」

 

空夜「簡単な話さ…君の後ろにいる女性を保護しに来た。だから、そこをどきたまえ、シグマ」

 

母夢「中央科学研究所はやっぱり変わってしまったんすね…空夜君…」

 

空夜「まぁ…200年もあれば…ね?貴女が来るのを拒むのであれば…力づくでも連れて行く!!」

 

空夜はドライバーを装着し、ライセンスカードを認証させようとする。その時、カランっと音がすると空夜の足元に爆弾のようなものが転がってくる。その爆弾は起動すると煙を巻き、空夜の視界を遮る。

 

空夜「くっ!?スモークだとっ!?誰が…」

 

スモークの煙が晴れると永遠と母夢の姿はなくなっており、完全に見失っていた。空夜は一旦、中央科学研究所の方へと戻ることを決めるのだった…

 

永遠「助かった…ありがとう…」

 

永遠はフードを被った2人組にお礼を言う。母夢は何か知っているような感覚だったがあえて何も言わないようにしていた。

 

永遠「えっと…航輝…だよね?」

 

「違う…俺は…コウキッテイウヤツジャナイ…」

 

永遠「いや、航輝じゃん…もう1人は…知らないけど」

 

母夢「ありがとうっす…朝陽」

 

「いや…礼には及ばないよ…じゃあね、母夢」

 

航輝と一緒にいた片方はすぐさま走り去っていく。航輝も後を追うように走り去っていく。永遠は航輝が見えなくなるまで手を振り続ける。

 

永遠「やっぱり、航輝生きてたじゃん…今、何してるかはあえて聞かなかったけど…元気そうで何よりだね。母夢…お母さんはこれからどうするの?」

 

母夢「あっ…えーと…永遠から面と向かって母って呼ばれるのはむず痒いっすけど…仕方ないっすかね…私はこれから"星王コーポレーション"で匿ってもらうっす。あそこはセキュリティも万全っすからね。じゃあ、元気にしてるっすよ?お母さんは息子の元気な姿を望んでいるっすからね?」

 

永遠「分かってるよ!!」

 

 

そうして2人は別々の方向へと別れるのだった…一方、大輝は…

 

 

大輝「ハァハァ…」

 

ヴェル「さっきの話で心にダメージを負い…変身も解除されたというのにまだ、私に挑むということですか…ふふっ…その闘争心は人間の中では立派なものですね!!ですが…もはや貴方と私の実力は明白…勝てない戦いに挑んでも負けて死ぬだけ…20年前もそうでしたよ?勝てないというのに挑んできて…結局は死ぬだけ…もう飽き飽きです」

 

大輝「だから何だ…人はいずれ死ぬ…その死ぬのが早くなっただけだ!!俺は家族の仇を取れるならここで死んでも構わない!!俺の弟が生きていようがな…俺は弟の幸せを望んで死にたい!!」

 

ヴェル「その弟の幸せがマキアの幸せだとしてもですかっ!!」

 

ヴェルは大輝に蹴りを入れながらそう言う。大輝は抵抗もできずに吹き飛ばされる。

 

大輝「くっ!?そうだ…何も束縛する必要はない…1人の人間なんだ…誰からも縛られず…自由にありたいと思うものだろう!!お前には自由でありたいと願う心はないようだしな!!」

 

ヴェル「っ!?何を言っているのか分かりませんね!!私だって…自由になりたいと願っている!!ですが…マキアである以上…人間との共存はできない!!だから、人間を滅ぼし…マキアの世界を作り出す!!その為にも智慧の泉の力が必要なのです!!」

 

大輝「それはマキアの願いだろ…お前の願いはない。お前は空っぽなんだよ…だから、平気で他者を切り捨てる。お前には元々、何もないんだよ」

 

大輝のその言葉にヴェルは激怒する。ヴェルにとってここまでの怒りは今までなく、すべて人間を真似てしたこと、彼女にとっての本物の感情で怒りを現した。

 

ヴェル「私が空っぽだと?ふざけるなっ!!私は…"家族"が欲しかった!!私を愛してくれる"家族"が!!だから、ヘイトリッド、ナイーブ…優平で家族を作った!!これで私の心は満たされると思った…なのに…満たされず…私の心の中のものは全部吐き捨てられる…私には…分からなかった…14年前もそう…貴方の微笑ましい"家族"が羨ましかった…だから、欲しくて奪った…"優平"を…愛そうとした…だけど…結局は無駄だった…」

 

大輝「そうだな…無駄だ…俺も復讐心を抱いて仮面ライダーになったが…彼らと共に過ごしていく内に"家族"のように思えてきた…結局は復讐心なんて…なくなっていた…お前のことなんてもう…どうでもよくなっていた。マキアかどうかなんて関係ない…俺は自分の見てきたものを信じるって決めた…だが、その前に精算しなきゃいけないことがあった…ヴェル…お前との決着だ…それによって俺の復讐という言葉は精算される…」

 

ヴェル「精算…そうですね…私も思うがままに…貴方と戦い、決着をつける!!」

 

ヴェルと大輝の眼には闘志が漲っており、かつてないほどの緊迫とした雰囲気へと変わった。その時、大輝の周りの景色の時間が止まる(・・・・・・)

 

大輝「これは…前にもあった…"聖女"か!!」

 

シャリンシャリンと鈴の音のような音が聞こえる。大輝は後ろを振り向くと白髪の碧眼をした少女が立っていた。

 

「あなたのその覚悟をした眼…未来を変えられる眼…きっと、永遠の役に立つでしょう…これを…どうぞ…」

 

その聖女は手を差し出すとその手から真っ赤に燃えたようなシルエットのカードが生成される。大輝は無言でそれを受け取り、聖女にこう問う。

 

大輝「お前は…六峰 永遠を知っているのか?知っていることを教えろ」

 

「それは教えられません…私も…あなたの前に来れるのはこれが最後でしょう…ですが、永遠と共に必ず見つけてくださいね?」

 

聖女はそう言うと姿を消し、再び時は動き始めた。ヴェルは大輝の手の中にある赤く燃えるカードを見てこう言う。

 

ヴェル「"智慧の泉の聖女"からの力…見せて貰いましょう」

 

大輝「いいだろう。俺はお前をスピードで超える!!変身!!」

 

『PHI BOOST FORCE SCAN』

 

『BOOST RISE』

 

『IGNITION SPEED BOOST ENTITY』

 

『KAMEN RIDER PHI BOOST LIMITED BOMBER』

 

大輝はブーストイグニッションカードをドライバーに挿し込み変身を完了する。その姿は仮面ライダーファイから更に進化を遂げ、全身が真っ赤に燃え広がり腕部も脚部にはブースターを搭載し、胸部にはオーバーイグニッションコアが搭載されている。

 

ヴェル「それが貴方の新たな力ですか!!面白いですねぇ!!」

 

ヴェルがそう言った瞬間には既にファイはヴェルの目の前まで来ていた。これにはヴェルも驚愕の眼をしていた。今、この瞬間…ファイのスピードはヴェルを超える。

 

ファイ「ハァァァァァァァ!!」

 

ブースターで加速したファイの拳はヴェルの咄嗟に防御として出した尾を弾き、ヴェルの腹へと貫く。ヴェルは衝撃に耐えきれず、空中に吹き飛ばされるが、ファイは追撃し、拳を放ち、ヴェルを地面へと叩きつける。

 

ヴェル「っ!?速い!!それだけじゃない…更にスピードを上げてきている!!」

 

ファイのスピードは既に超光速へと到達しており、ヴェルには到達できない領域だった。その速さは歴然であり、ヴェルはファイの攻撃をすべて躱せず、攻撃を受け続けている。

 

ファイ「俺は…進化し続ける!!もう…お前は俺には勝てない!!」

 

ヴェル「まだまだ…わかりませんよ?勝負なんて…先の見えない戦いなんですから!!」

 

ファイ「それもそうだな…次で決める!!」

 

『FIRST BOOST』『SECOND BOOST』

 

『BOOST INSTALL』

 

ヴェル「私も…そろそろ、決めに入りましょう!!」

 

ファイはブーストイグニッションカードのフォースギアのスイッチを2回押す。ヴェルは脚に全エネルギーを溜める。お互い、タイミングを合わせ、ファイは必殺技を放ち、ヴェルはキックを放つ。

 

『イグニッションブーストフィニッシュ』

 

ファイ「ハァァァァァァァ!!』

 

ヴェル「ハァァァァァァァ!!」

 

ヴェルのキックは躱され、ファイの超光速のキックがヴェルの身体を貫き、ヴェルは地面に倒れ込む。

 

ヴェル「ふふっ…速すぎて…眼で追えなかった…ですね…大輝君…いい闘いでした…」

 

ヴェルは最期にそう言い、その身体は爆発する。変身解除した大輝はこう言う。

 

大輝「いい闘い…か…よかったな…」

 

そう言い残し、大輝はその場から離れるのだった…

 

 

大輝とヴェルが戦った場所から少し離れた場所にヴェルは息を荒々しくしながら座り込んでいた。もはや死ぬ寸前の彼女は大輝との戦いの余韻を楽しんでいた。そんな時、ロードが姿を現す。

 

ロード「ヴェル…負けたのか…」

 

ヴェル「えぇ…完敗ですね…あの速さでは私でも勝てませんでした…ロード…私が行き着く先は地獄でしょうか?」

 

ロード「分からない…だが、お前が望んでいることはなんだ?」

 

ヴェル「そうですねぇ…人間(・・)に生まれ変わってみたいものですかね…それに恋だってしてみたいですし…あっ…もう、無理みたいですね…ロード…あとは頼みます」

 

ロード「あぁ…任せろ」

 

ヴェルはその身体を塵に変え、風に飛ばされていく。ロードはその光景を1人寂しく眺めるのだった…

 

 

TO NE―――――――――――――――――――

 

 

14歳位の少女がソファで寝転がりスマホをいじっていた。それを部屋に入ってきた男性は注意する。

 

「勉強をしろ…スマホばかりいじってないで。それとも、お店の手伝いでもしてくれるのか?」

 

「お店の手伝い…ですか…嫌ですけど?」

 

「居候させてもらってる分際でよく言えるな…家主は俺なんだが?」

 

「ふふっ…いじりがいがあるのは昔から変わりませんね?ですが…今の私はか弱い少女ですよ?青春の時期なんですから好きにさせてください!!」

 

「はぁ…分かった…忙しくなったら呼ぶからそうしたら来いよ?」

 

「分かりました!それまではスマホゲームを頑張りますね!!あっ…でも…私、この後約束あるんでした…六峰(・・)さんの所の刃ちゃんと…」

 

「チッ!!」

 

男性はあからさまに聞こえるように舌打ちをする。それは少女にも聞こえたようでその少女は笑う。

 

「ふふっ…面白いですね…それじゃ、刃ちゃんと手伝うのでそれで許してください!"お義父さん"!!」

 

「分かったよ…ベル…じゃあな、色々やらないといけないから」

 

男性はそう言い、部屋から出ていく。少女は男性が出ていったのを確認すると、ボソッとこう言う。

 

「お義父さん…いい家族ですね…私にとって…」

 

彼女の名前は不知火 ベル。今をときめく中学2年生の父親いじりが好きな少女。彼女の正体は…今は明かされない…

 

TO NEXT CODE……………

 





次回予告 CODE23 Bの父親/Cの告白

「"仮面ライダー"なんてくだらないものになるくらいだったら……」

雫「"仮面ライダー"が下らないぃ?ふざけないでよ!!」

雫の父親が雫を連れ戻しに来た!!

恭平「自分の娘の気持ちを考えてください!!」

そして、訪れるは闇…

優平「姉さんの仇…絶対に許さない!!」

大輝「お前の罪を俺が背負う!!」

恭平から雫への恭平の告白!!

恭平「俺は…雫が!!」

雫「恭平…」

その先にあるのは希望の未来か、絶望の未来か…
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