さて…仮面ライダーシグマはシリアス展開多くない?
大丈夫…この回で一旦落ち着くよ…多分…
大輝と恭平はその場で立ち尽くしていた。その理由は目の前で起きていることによるものであった。
大輝「フェン…リル…」
恭平「止めるぞ…あれは…暴走だ!!」
フェンリル『グルルルルルゥ』
フェンリルは一瞬で大輝と恭平の目の前から消え、いつの間にか恭平の背後に立っていた。恭平は反応が遅れ、生身でフェンリルの一撃を受ける。
その一撃によって、恭平は吹き飛ばされる。
恭平「ぬぅぅぅ!?だはぁ!!」
大輝「っ!?なんて速さだ…ヴェルの速度を完全に上回ってる!!だが…俺が止めるしかない!!変身!!」
『PHI BOOST』
大輝は仮面ライダーファイブーストに変身し、加速してフェンリルの背後に回る。チャンスだと思い、後ろから一撃を与えようとするが、突然フェンリルは後ろを振り向きファイの一撃を受け止める。そして、ファイの腕を掴んだまま、地面に叩き続ける。
フェンリル『グルルルァァァァ!!』
ファイ「ッッッ!!」(これが…フェンリルの力!!圧倒的過ぎる!!)
フェンリルはファイを地面に叩き続けたあと、ファイの腕を掴んだまま駆け出し星王コーポレーションの外へと出る。
そして、宙に飛んだあとファイをそのまま地面へと投げ飛ばす。投げ飛ばす速度はもはや超光速を超える勢いだった。
フェンリル『グラァァァァ!!』
ファイ「クハッ!?ッッッ!!」
ファイはその衝撃で変身が解除され、立てる気力すらない状態にまでなっていた。フェンリルはそんな事お構いなく大輝の首を掴み、首を掴む威力を徐々に上げていく。大輝はフェンリルの腕を掴み、拘束を解こうとするが力が強すぎて解けずにいた。
大輝「や…めろ…お前は…なんだ…仮面ライダー……だろ!!その力…に……振り回されるな!!」
フェンリル『グルルルゥ!!』
大輝「怒りで……敵か……味方かも……判断が出来ないのか………俺も………ここまで……か…」
大輝がそう言ったその時、大輝の視界の端にベータリカバリーへと変身した雫の姿が見えた。大輝は目線で「やれ」と送るとベータは静かに頷く。そして、ベータはフェンリルがギリギリ気づく所で必殺技を発動する。
『フルカバリーストライク』
ベータ「いけぇぇぇぇ!!」
フェンリル『グルルルゥ!?』
フェンリルは大輝の首から手を離し、咄嗟に防御するが、ベータリカバリーの浄化の力によってダメージは蓄積され、やがてその意識は落ち元の人間の姿へと戻り、気絶する。大輝は咳き込みながら「よくやった」と言い、指を指して「笹島 恭平を頼む」と言いながら気絶する。
雫「ハァハァ…恭平…」
雫は恭平に近づき、傷をリカバリーの力で癒す。そして、辺りを見渡し、母夢が倒れている事に気づき、近づいてリカバリーの力で治そうとするがそれを優里に止められる。
優里「無駄だ。その力とて、死人を蘇らせることは出来ない」
雫「………え?待って…ということは……」
優里「大地 母夢は死んだ。おそらく精神体へと直接攻撃されたんだろう…その攻撃に精神体が耐えられなくなり、破壊したか自壊したかのどっちかだな。とりあえず、大地 母夢の死体は地下へと運び、六峰と不知火は休憩室へと運ぶ。お前達!!手伝え」
優里は社員達にそう言い、社員達は頷く。社員達は手際良く永遠と大輝の身体を担架に移して休憩室へと移動を開始する。優里は母夢の遺体を肩に乗せ、地下へと行く。その前に雫に向かってこう言う。
優里「お前が落ち込むことはない。これは…俺の落ち度だ。お前はそれなりに戦えてたよ」
雫「ッ…」
優里はそう言うが雫の目は明らかに自身の落ち度だと思わんばかりの目をしていた。優里はそれを見抜いていたが、あえて言わずに地下へと行くのだった……
―――――――――――――――――――
ルナ「お母さん…私が……お母さんを止めれていたら」
碧「あれは…確定していた未来…未来はそう簡単には変えられない。君が止めたとしても母夢さんは向かってた。彼女は君達の事を守りたかったんだよ。母として…ね?」
碧はルナを励ますが、依然としてルナの表情は暗いままだった。どうしようかと悩んでいた碧の所に優里が来た。優里は母夢の遺体を地下室に既に預けている状態だった。
優里「彼女の遺体は鑑識にまわす。それよりも碧、次の未来を見てくれ」
碧「どうして?ってなんとなく分かるけど…不確定だとは思うよ?」
優里「それでもだ。見てくれ」
優里の気迫に押され、碧は未来を視る。すると、とんでもない光景が頭の中に入っていく。碧は一瞬激しい頭痛がし、頭を抑えるがすぐに収まる。そして、今見た未来を優里に説明する。優里は「やはりか」と言い、ルナにも説明する。
優里「各地でマキアが強盗、殺傷…などの事件を起こすらしい。これはユリが母夢さんから智慧の泉の力を奪い、それによって智慧をマキア達にもたらした事によってすべてのマキアがハイマキアとほぼ同じようになっている。このままでは人類はマキアによって敗北する。ルナ、お前はマキアだが、人類と共存したいと思っているんだろう?なら、協力してもらう」
ルナ「協力?でも…私はそこまで強くはないし、戦闘経験だって全然ない」
優里「それでもいい、お前は"傷を治す"力を持っているんだろ?それを使い、戦況を有利に動かす」
ルナ「………分かった」
ルナは一瞬戸惑うが、了承する。優里は街中の様子をドローンによって確認し、早急に移動を開始する。
優里(これからだ…智慧の泉の力…必ず手に入れ、マキアを支配する)
優里のその思いは誰にも悟られず、ただ膨れ上がっていくのだった……
―――――――――――――――――――――
恭平は1人、プロフェッサー坂月に呼ばれていた。その理由が重要な案件があるということなので仕方なくプロフェッサー坂月のいる研究室に向かっていた。
恭平(この大変な時に…プロフェッサーは何を考えているんだ?)「プロフェッサー、来ました。入ってもいいですか?」
プロフェッサー坂月「いいよ。どうぞ」
プロフェッサー坂月からの了承に応じて、扉を開けるとプロフェッサー坂月が不気味な笑みを浮かべて恭平を見ていた。
恭平「それでプロフェッサー…重要な案件とは?今、マキアが街中の至る所で暴れています。早急にお願いします」
プロフェッサー坂月「あぁ、重要な案件っていうのはね、
恭平「これは?」
プロフェッサー坂月が見せたものはエンティティドライバーに似たドライバーとライセンスカードだった。プロフェッサー坂月は「こほん」と言った後、説明を始める。
プロフェッサー坂月「これは"ジェネシスドライバー"。エンティティドライバーに似ているがその完全上位互換だ。それとこっちはプラネットアビリティカード、"惑星"の力を宿したアビリティカードだ。これらを使って変身する仮面ライダーの名は仮面ライダージェネシス…今、最も最強に近い仮面ライダーだ。これを使って君にお願いしたい事があるんだ」
恭平「お願いしたいこと?」
プロフェッサー坂月「そそ、そのお願いっていうのが―――――――――――――――――」
プロフェッサー坂月が言うそのお願いに恭平は頷く事しか出来ずにいた。その後、ドライバーとアビリティカードを受け取った恭平は1人、何処かへと向かうのだった。その光景をプロフェッサー坂月は不気味な笑みで眺めていた。
空夜「彼にドライバーとアビリティカードを渡したんですね。どうしてですか?プロフェッサー」
プロフェッサー坂月「単純な話さ。面白くなりそうだから」
空夜「あなたの考えそうな事だ。ハッハッハッハッ!!」
プロフェッサー坂月「ハッハッハッハッハッハッハッ!!」
空夜とプロフェッサー坂月は二人して高笑いをするのだった……
―――――――――――――――――
永遠は星王コーポレーションの休憩室で目を覚ます。辺りを見渡し、大輝が寝ているのが確認できる。それと同時に嫌なことを思い出す。
永遠「おか、あさん……ッッッ!?うっ!」
永遠はうずくまり、胸を抑える。それは仮面ライダーである自分にとって最も抱いてはいけない感情だったからだ。
永遠「だめだ…こんな感情、抱いちゃ…俺は仮面ライダー…守るために戦うヒーローだ…ダメだ…ダメだダメだダメだ!!」
大輝「ッッッ…うるさい……少し黙れ、六峰 永遠」
永遠「大輝…ごめん…でも、お母さんを殺されて落ち着いてられると思う?」
永遠は目が覚めた大輝にそう問う。大輝は永遠をじっと見つめた後、ため息を吐きこう言う。
大輝「こういう時だからこそだ。死人はいくら願っても蘇りはしない。俺はもう、過去の事には精算はついている。六峰 永遠、お前が大切なのは母親…家族だけか?」
永遠「それってどういう…」
大輝「そういうのは自分で考えろ。それよりも街に出るぞ、大変なことになっている」
大輝はスマホの画面を永遠に見せる。そこにはマキア達が人間などを襲ったり、建物を壊したりなどをしている動画だった。
永遠「これは…もしかして!?」
大輝「あぁ、お前の母親…大地 母夢から"智慧の泉の力"を奪い取り、それを使ったユリの仕業だ。今のマキア達はハイマキアと同等の智慧を持っている。お前も…仮面ライダーなら一般市民を助けるぞ」
永遠「そう…だね…」
永遠と大輝はマキアが暴れている街へと繰り出すのだった……
――――――――――――――――――――
ユリ「ふふん♪ふふん♪この世界こそ…私が求めていたもの!!街のあちこちで人々が絶望している…素晴らしい!!」
ユリは1人、街中ではしゃいでいた。それも、一般市民の怖がる表情を見ながら…そんなユリにグリードは話しかける。
グリード「君は凄いね。"智慧の泉の力"はもう身体に馴染んだかい?」
ユリ「ふふっ、そうねぇ…もうすっかり馴染んでいるわ。これなら六峰 永遠なんてあっさり殺せそう」
グリード「そうかい。でも、油断はしてはダメだよ?六峰 永遠…フェンリルはかつての最強に君臨していたんだから」
ユリ「分かってる…それでも、智慧の泉の力を持っている私の方が有利ではあるわよ?」
グリード「それもそうか。まぁ、君の願いが叶うのを願っているよ。僕は少しひと暴れしてこようかな」
ユリ「そう、いってらっしゃい」
ユリはそう言い、グリードはその場から移動する。その少し後にユリは面白いものを見つけたかのような顔をする。
ユリ(彼女は…ふふっ面白くなりそうね?)
ユリの目線の先にはひたすらにマキアから人間を守る少女の姿が写っていた。ユリは面白そうだと思い、その少女の背後へと移動し、挨拶を交わす。
ユリ「こんにちは…ルナちゃん?」
ルナ「ッ!?なんで…ここに…」
ユリ「なんで…か…私は逆に君がここにいるのが不思議なのだけれどね?貴女…人間の味方なんかしているの?マキアなのに?」
ルナ「私は…人間と共存したいと思ってる。それがたとえ過酷な道のりでも…いつかきっと!」
ユリ「分かり合えない」
ルナ「えっ…」
ユリはため息を吐きながらそう言う。ルナはユリが言った言葉に「どうして?」と言う。ユリは再びため息を吐きながらもこう言う。
ユリ「マキアは人間とは違う。人間は元々が違う存在なんて嫌悪する他ない。だから、国同士で戦争なんてものが起こったりもするのよ。分かるでしょ?元々の種族が違うのだから分かり合えるわけがない。私は…元々は空間の記憶から生まれた意思だけれど、私もどっちかといえばマキアよ?だから人間とは分かり合えない。意味分かるわよね?」
ルナ「でも…お母さんは…人間と…お父さんと分かり合えて、お兄ちゃんと私が産まれた。だから、時間は掛かるけどいつかきっと!!」
ユリ「それが私達には無理って言ってるでしょ!!」
ルナ「ッッッ!?」
ユリはルナの頬にビンタする。ルナは倒れ、ユリの顔を見上げるとユリの表情は冷たく冷酷なものとなっていた。そして、とんでもない事を言い出す。
ユリ「そんなに人間と分かり合いたいって言うなら…死んで転生でもしてみたら?それがいいわよね!なら私が殺してあげるね?」
ルナ「くっ…」
ユリは手のひらにエネルギーを溜める。そして、それをルナ目掛けて飛ばす。ルナは死を覚悟して目を閉じる。その瞬間、「危ねぇ!!」と言う声が聞こえルナの体はふわっとした感じになる。そして、目を開けると見知った顔の男と目が合う。その男は……
航輝「ルナ、大丈夫か?」
ルナ「うん…ありがとう!そして…お帰りなさい!」
航輝「あぁ、ただいま。それにしたって、あの女…人の女に手を出しやがって!!許せねぇ…けど、今はあいつらに任せるか」
ルナ「あいつら?」
ルナがそう聞き、航輝は指を指す。その先には4人の人影があった。ルナはよく目をこらえると永遠、大輝、雫、優里の4人が来ていた。
優里「アイツを倒せばこの騒動も収まる。いくぞ!!」
雫「うん、優里さん…サポートは任せてください!」
大輝「俺もスピードでヤツを上回る」
永遠「うん…頑張ろう…頑張らないと」
4人はドライバーを装着し、それぞれのカードを認証、セットする。そして、4人で掛け声を合わせる。
永遠「変身…」
大輝/雫/優里「「「変身!!」」」
『KAMEN RIDER PHI BOOST』
『KAMEN RIDER BETA RECOVERY』
『CREATION FLARE PROMETHEUS』
大輝、雫、優里は変身を完了する。しかし、永遠はひとり慌てたようにする。それもそのはず、いつもなら変身が出来ていたが、ドライバーはおろかライセンスカードすら反応しなくなっていた。
永遠「なんで…なんで変身出来ないんだ!?」
ユリ「ふふっ、面白いわね。変身出来ない…哀れなただの化け物」
ファイ「六峰 永遠がマキアだとドライバーが認識して変身プロセスが作動しなくなっているのか!?仕方ない…俺達3人でなんとかしよう」
ベータ「うん、そうだね」
アステル「………あぁ」
ユリもベクトル ドミニオンカスタムへも既に変身を完了し、戦闘態勢に入る。そして、先に動き出したのはアステル。アステルは車からドアを剥ぎ取り、ドアをベクトルに投げ飛ばす。ベクトルはそれを影の手で受け止め、粉微塵にする。
ユリ「今の私は神と同等…あなた達のような凡夫じゃあ…私には勝てないわよ?」
ファイ「やってみなければ分からないだろう?」
ファイはスピードを活かし、ベクトルの背後へと回るも、まるで重力が重くなったかのように地面にめり込む。そして、ベクトルはベクトルサイズを取り出し、ひたすらにファイに攻撃を繰り返す。
ファイ「ッッッ!?重すぎる!!」
ベクトル「私はね?重力すらも思いのままに操れるようになったのよ?あなたのスピードなんて完封出来るわよ」
アステル「智慧の泉の力によるものか!?喰らえ!!」
アステルはアステラリウムで矢状のエネルギーを飛ばす。しかし、ベクトルに矢状のエネルギーを掴まれ、壊される。そして、ベクトルは一瞬でアステルの目の前まで移動し、連続パンチを喰らわす。アステルはそのまま倒れ、変身が解除される。
ベクトル「アッハッハッハッハッ!これが神の力よ!!」
アステル「ッッ!?ぐはっ!!」
ベータ「優里さん!?今回復を…」
ベクトル「させないわよ?」
ベータ「なっ…きゃあ!?」
ベータはベクトルに腕を掴まれ、そのまま遠くまで投げ飛ばされる。そして、宙に飛ばされたと同時に瞬間移動してきたベクトルからパンチを喰らわされ、地面に叩き落とされる。そのままベータは強制変身解除され、血反吐を吐く。
雫「かはっ…ゲホッ…ハァハァ…もう1回……変身して……」
ファイ「やめ…ろ…強制変身解除からの再変身は身体に負荷が!!」
雫「それでもやらないと!!ゲホッ…ゲホッ…」
永遠はその光景を見て、自分には他に何か出来ないか考えるが何も思い浮かばずにいた。
永遠「どうしたら…このままじゃ、みんな死んじゃう!!そしたら…今度こそ……俺は…もう…生きられない!!」
ルナ「お兄ちゃん…」
航輝「永遠…チッ!何してんだ!!永遠!!お前が助けないでどうすんだよ!!お前しか…今動けるやつがいねぇんだろ!!なら…仮面ライダーとして頑張るしかねぇんだよ!!」
永遠「でも…お母さんすら守れなかった俺に…守れるものなんてないよ。航輝……ドライバー渡すから…航輝が代わりに…」
その瞬間……永遠の頬に鋭い痛みが走る。それは今まで経験してきた痛みの何倍も強かった。永遠は思わず「えっ…」という声が漏れる。永遠は航輝から胸ぐらを掴まれこう言われる。
航輝「俺が認めた奴は…お前みたいな奴じゃねぇ!!もっと…凄い奴だった!!見損なったぞ!!永遠!ルナ、朝陽さんのとこに行くぞ」
ルナ「ッッ…ごめん…お兄ちゃん…私もそう思う。ごめんね…」
ルナは航輝に手を引かれるまま連れて行かれる。そして永遠はひとり取り残される。その時、後ろから大輝の声が聞こえる。
大輝「なっ…ぐはっ!?」
大輝は変身が強制解除され、血塗れの状態だった。ベクトルは大輝の胸に足を乗っけてこう言う。
ベクトル「つまらないわね?あなたのその力…聖女から貰った力よね?それなのに私より弱いって…つくづくヴェルが報われないわね?……あら?永遠じゃない、そんな所で絶望したような顔をしてどうしたの?」
永遠「ぜつ…ぼう…ハハッ…そう…だね…友達だと思ってた人から拒絶され…仮面ライダーにもなれない…もう俺に生きる価値なんて…」
ベクトル「アハッ…アッハッハッハッハッ!!それよ!あなたのそのすべてに絶望した顔!最…高よ!!その顔を最後に見れてよかったわ。じゃあ…死んで?」
大輝「六峰 永遠!!逃げろ…」
雫「永遠!!逃げて!!」
優里「逃げ…ろ!!」
ベクトル「じゃ、さよなら~」
ベクトルがベクトルサイズを永遠に向かって振り下げる。その瞬間、青白い光が永遠を囲み、そのまま永遠はいなくなる。ベクトルは不思議に思い辺りを見渡すが永遠の姿は確認できなかった。
―――――――――――――――――――
永遠「ここ…は?」
トワ「ここは現世と精神世界の狭間だ。命が危うかったからお前を身体ごとここまで来させた」
永遠の疑問にトワはそう答える。それと同時に今現実世界で起きていることを映像化して永遠に見せる。
トワ「今、世界は智慧を手に入れたマキアによってめちゃくちゃになって来ている。お前に問いたい、永遠…お前はどうしたい?」
永遠「どうしたいって…守りたいよ!!でも…ドライバーは反応しない…友達だった彼からは見捨てられ…お母さんは死んだ…もう…俺は生きられないんだよ!!」
トワ「それがお前の答えだな。なら…俺からお前に頼みたいことがある」
永遠「………それって?」
永遠はトワにそう問う。トワは息を吸って吐いたあと、こう言う。
トワ「お前は生きろ…俺の分までな。お前にはその資格がある!!それに…お前が大切なのはお袋だけか?違うだろ?お前には仲間がいるんだからな!!」
永遠「ッッ!?でも…そうしたら君は?君の存在はどうなるの!!」
トワ「消える…元々、俺の魂は摩耗して、次の転生は無理だったんだ。だから、俺の想い、記憶、全てをお前に託して俺は消える。そしたら永遠、お前は正真正銘の六峰 永遠になれる。お願いだ…楓を…見つけてくれ」
永遠「俺…君の分まで生きていけるかな?」
永遠のその問いに対してトワは永遠に抱きつきながら言う。
トワ「生きていける!!だから、"頑張れ"!!」
その瞬間、周りからも声が聞こえるようなそんな感じがした。
大輝「六峰 永遠」
雫「永遠」
恭平「永遠」
航輝「永遠」
碧「永遠」
優里「六峰」
ルナ「お兄ちゃん」
『『『『『『『頑張れ!!』』』』』』』
そして、光が収まると元の現実世界へと戻っていた。目の前には今まさに武器で自分にトドメを刺そうとしているベクトルの姿が映った。その姿はあまりにも遅く永遠は腹に一蹴りを入れ、ベクトルはうずくまる。
永遠「どうしたの?地面にコインでも落ちてた?」
ベクトル「六峰…永遠……いや…フェンリルか!!」
永遠「いや?俺は正真正銘、六峰 永遠だよ?」
雫「永遠…なの?でも…その髪と眼は…」
雫はそう言う。今の永遠の髪色は白く、前髪に青色のメッシュを入れた状態で、眼の色は碧色に染まっていた。
永遠「ただいま。ふぅ…俺は…六峰 永遠…仮面ライダー…シグマ!!俺は諦めない。それが俺だからだ!!」
永遠はドライバーを装着し、手のひらから新たなカードを創り出す。それは蒼白く染まったカードでオオカミのマークが付いていた。永遠はドライバーにそのカードを認証させる。
『FENRIR ABSORB SCAN』
認証させると同時に2匹のオオカミ…フェンリルのアバターが生成される。2匹のフェンリルはベクトルに攻撃を仕掛けていく。
永遠「変身!!」
『ABSORB RISE』
『ABSORB POWER FENRIR』
『KAMEN RIDER SIGMA FENRIR FORCE CONTROL』
2匹のフェンリルは永遠に纏わりつき、装甲へと変化する。そして、永遠に装甲が全て装着され、仮面ライダーシグマフェンリルへと変身を完了する。その姿はオオカミのような顔となり、全体を通して青白く染まり、肩部にはフェンリルの顔が両方ついている感じとなって足部と腕部には爪のようなものが装着されている。
シグマ「お前との決着をつけてやる」
ベクトル「面白い!!」
ベクトルはベクトルサイズでシグマに攻撃するが、シグマの肩部分で攻撃が止まる。ベクトルは驚くがシグマは何ともないようにベクトルサイズをベクトルから取り上げ、破壊する。
シグマ「これで武器はなくなった。お前を潰すだけだね」
ベクトル「ッ!?」
シグマはベクトルの首を掴み、そのまま前方のビルへ駆け出す。そしてベクトルを引きずりながらビルの表面を上がっていく。
シグマ「ここからいい眺めが見えるよねぇ!!」
ベクトル「なっ…ぐわぁぁ!?」
ベクトルは地面へと投げ飛ばされ、大ダメージを負う。シグマは地面へと着地し、ベクトルに向かってこう言う。
シグマ「お前を潰す。ドライバーもお前自身も壊す。刃ちゃん自体は悪くはないからね」
ベクトル「お前も…弟を殺したでしょ…」
シグマ「それはこれから償うさ。今はただ、お前を潰すだけ考える」
『
シグマはそう言い、武器を生成する。蒼白く重い大型の剣のようなものだ。シグマはそれを両手で持ち、ベクトルに攻撃する。その攻撃は非常に重く、ベクトルは受けただけで地面へと仰向けで倒れる。
ベクトル「あっ…アッハッハッハッハッ!!そんなに強いのね…智慧の泉の力を持った私でも太刀打ち出来ない…ハハッ、一度体勢を立て直さないといけなさそうね。私はこれにて退場するわね?」
ベクトルは影に入り、逃げようとする。しかし、シグマがそれを許す訳もなく、腕を掴まれ、シグマはこう言う。
シグマ「逃がすとでも?俺はお前を潰すと言ったでしょ?なら…
ベクトル「なっ…あーもう無理ね…そこまでやられちゃ…私にはどうしようもないわね。いいわよ、やりなさいよ!!出来るならね?」
大輝「ゲスめ!!頬月 刃の身体だから…六峰 永遠が傷つけないということか!!」
『CANON MODE』
大輝のその言葉とは裏腹にシグマはフェンドライブバスターをキャノンモードへと変え、アビリティカードを3枚入れていく。
『STRIKE』『GAUNTLET』『TEMPEST』
『TRIPLE REMIX』
ベクトル「えっ…」
シグマ「逝け」
『フュージョンリミックスブレイク』
ベクトル「ぎゃあああ!?このまま…私は消滅するの?嫌だ…嫌だぁぁぁぁぁ!!」
シグマ「予想以上に硬いなぁ…まぁ、もう終わりか」
『フュージョンリミックスブレイク』
シグマは更にもう一発入れ、ベクトルは爆発し、シグマは爆発した中へと入っていくと、頬月 刃を抱えて出てくる。地面には壊れたフォージュギアとメモリアルカードが転がっていた。
シグマ「ミッション…コンプリート…お母さんの智慧の泉の力も取り返した」
シグマは変身解除しながらそう言い、手のひらから智慧の泉の力の光を取り出す。大輝は辛うじて立ちながら永遠にこう言う。
大輝「本当に…六峰 永遠…お前か?俺には別人のように見える」
永遠「本当に六峰 永遠本人だよ。でも…もう大輝たちとは居られないかな」
大輝「それはどういう?」
大輝がそう聞くと永遠が指を指す。そこには空夜ともう1人…恭平がいた。そして、周りには黒い仮面を被った男とも女ともとれない何人かが永遠を囲むようにして立っていた。
大輝「あれは…」
雫「恭平…どうして…」
永遠「そっちから出てくるなんて思わなかったよ。"ノーネーム"…異常事態発生時に行動する部隊だったかな?彼らが出たということは…狙いは俺か、智慧の泉の力かな?」
永遠のその言葉に空夜は笑いながらこう言う。
空夜「正解…それと同時に六峰 永遠…君の"仮面ライダー"としての資格を剥奪させてもらうよ。さっさとドライバーとライセンスカードを渡したまえ」
永遠「……嫌だね。それに今回は疲れたからもう帰るね?」
永遠は刃を抱えたまま何処かへと消えていく。まるで…風のように…空夜は「やれやれ」と首を振って撤退の合図をする。恭平も撤退しようとするが、雫に呼び止められる。
雫「恭平…なんで…」
恭平「世界を救うため…こうするしかなかった…永遠は敵だ。俺はあいつとも戦う」
雫「恭平…」
恭平はそう言い残し、その場を後にする。雫と大輝はそのまま、優里の"星王コーポレーション"へと帰っていくのだった…
―――――――――――――――――――
永遠達が戦闘を行った地では…1人の少女があるものを回収していた。
「コード"シックス"、フォージュギアとメモリアルカードの回収に成功…六峰 永遠は智慧の泉の力を保有済み…どうしますか?コード"ワン"」
『引き続き監視を続けろ…六峰 永遠は我々の希望だ』
「了解…フォージュギアとメモリアルカードはそちらへ送ります。コード"ワン"…隊長、我々の計画は成功しますよね?」
『あぁ…必ず成功する。その為には…六峰 永遠が智慧の泉の力…いや、聖女が持つ智慧の泉の力も取らなければならない…そうしなければ彼は…"ジリオン"へと覚醒出来ないからな、以上だ。コード"シックス"は監視…その他の者達は引き続き、調査を依頼している』
「はい…私は六峰 永遠の監視をしつつ調査の方も独自で行います。では…」
その少女が通信を切り終わるとヘリコプターが到着する。そして、その少女はヘリコプターに乗ってどこかへと向かう。その道中でその少女はこう思う。
(必ず…この世界を完全平和へと導く…六峰 永遠…いや…生き別れの弟よ…その時まで待っていてね…)
その少女はそう固く思うのだった……
TO NEXT STORY……………
第2章、これにて完結!!次回からは新たな章へと入ります。
仮面ライダーシグマフェンリルのスペックは仮面ライダーシグマのフォーム図鑑に掲載しています。ぜひ、お読みください!!