前回の続きです。
優里さんは死に…永遠は怒りの感情で絵月へと戦いを挑む…
さて…どうなることやら
シグマ「ハァァァァァァァ!!」
アナスタシア「怒りに任せたその攻撃…いいですねぇ!!いいですよ!永遠君!!」
シグマ「黙れ!!」
永遠は怒りに身を任せ、アナスタシアに攻撃を繰り返す。アナスタシアはその攻撃を次々と避け続ける。
航輝「マズイぞ…どうすんだ…これ」
雫「止めるしかないでしょ」
恭平「俺達にあれが止められるのか?」
シグマはフェンリルの力で機動力を底上げし、上下左右関係なく、アナスタシアをスピードで翻弄する。アナスタシアは対応していくが、徐々にスピードがアナスタシアの反応速度を上回っていく。
アナスタシア「速いですねぇ…流石はフェンリル!!」
シグマ「ごちゃごちゃうるさいぞ!!」
『FENDRIVEBUSTER』
シグマフェンリルはフェンドライブバスターを生成し、バスターモードでアナスタシアに攻撃を始める。その攻撃は非常に重く、アナスタシアでも受け止めるだけで精一杯だった。
シグマ「死ね…」
『SPARKING』『GAUNTLET』
『DOUBLE REMIX』
『ダブルリミックスインパクト』
アナスタシア「ッッ!?きゃあ!」
アナスタシアは必殺技の威力に耐え切れず、地面へと転がる。そして、頭から血を流しながらこう言う。
絵月「素晴らしい!!これこそ…フェンリルの本質…あなたは今、その本質に呑み込まれようとしている…あぁ!!なんて…なんて素敵なのでしょうか!!これこそがマキアの本当の姿!!」
シグマ「もう…喋るな…反吐が出る」
シグマフェンリルは絵月にフェンドライブバスターを向ける。シグマフェンリルが絵月に向ける殺気は本物で、今にも殺してしまいそうなものだった。流石にヤバいと思った航輝達は止めに入ろうとするが、ひと足先にシグマフェンリルと絵月の間に割り込む形でその男は入る。
大輝「やめろ!!お前は仮面ライダーだろ!!人を殺すのが役目じゃない!!」
シグマ「でも!!優里さんはあいつに殺されたんだ!!俺がやらなくちゃいけないんだよ!!」
シグマフェンリルは絵月へと殺意を隠すことなく、大輝にそうぶつける。しかし、大輝は冷静にシグマフェンリルの肩を捕まえながらこう言う。
大輝「お前は…こんな事をする為に仮面ライダーになった訳ではないだろう?お前は人を守る為に仮面ライダーになったんだ!もう…あのような事は起こさせない…頬月 忍をお前が殺した時のような事には絶対に!!」
シグマ「ッッ!?それは…そうだ…俺は、誰かを守りたくて仮面ライダーになったんだ…忍にやったような事…もう二度と繰り返さないように…ごめん、大輝…目が覚めたよ。だから、ケジメはつけさせてほしい」
大輝「あぁ、分かっ―――ッッ!?」
シグマ「大輝!?」
雫「何…その傷」
大輝「くっ…心配するな…ロードにやられた傷だ…そんなに深くは…ガハッ…ゴホッ!!」
大輝は胸の傷を抑えながらそう言う。大輝の顔は今にも気絶しそうな位に青ざめており、雫はリカバリーの力を使う為に大輝に近づき、リカバリーの力を行使するが、一向に治る気配がない。雫はその事に驚愕し、何度も治そうとするが治らなかった。
雫「どうして!!なんで治らないの!?」
絵月「ロードには時空を切断する力を持っていますよ。恐らくその影響で、大輝君の身体は雫ちゃんの持つリカバリーの力が通用しないんです。空間そのものを斬るんです。いくら治癒能力特化のリカバリーでも、空間と空間の狭間にあるものを治癒することは出来ないでしょう?ここは私に任せてください」
シグマ「君はなぜ、敵なのにそこまでするんだ?信用できない!」
絵月「少し黙っててください。できることもできません…ほら、大輝君…どうですか、調子は」
大輝「いい…気分だ…さっきまでの痛みが全くない…なぜそんな事をする」
絵月「理由は単純…あなたが私の子孫だからです。まぁ、それはいいとして今日はもうお開きですかねぇ…では、僭越ながらあなた方を入り口前まで送りますね」
絵月が指をパチンっと鳴らした瞬間…永遠達はいつの間にか旧科学研究所の入り口前まで戻っていた。
永遠「あの人…何がしたいんだ?」
航輝「それはそう……って、優里の遺体は!?」
大輝「完全にあちらに持っていかれたな…どういうつもりだ?」
雫「分からない…けど、絶対に何かに使うつもりだよね。碧ちゃんになんて言えば…」
恭平「伝えるしかないと俺は思う。真実を伝えなければ、星空 碧も納得はしないだろう。ひとまずは星王コーポレーションに戻って説明をしたほうがいい」
永遠「そうだね。彼女…不知火 絵月は許さない…仮面ライダーとして彼女は絶対に止めないと!」
永遠は"殺す"という目的ではなく"止める"という目的を皆の前で宣言し、星王コーポレーションへと戻っていく。
絵月は永遠達を入り口前まで送り、優里の遺体を担いで創始の下へと赴く。そして、遺体をベッドの上に寝かせ創始に向かってこう言う。
絵月「優里君の遺体は手に入れました…私の計画通りですかね、創始君?」
創始「その遺体を使って何をしようというのだね?私にはとてもじゃないが理解できない」
絵月「ふふっ、そうですねぇ…神様が一番驚く事、ですかね」
創始「神が驚く?それは一体どういう事かね?私に分かるように説明してくれ」
絵月「察しが悪いですねぇ…つまり、全盛期の力を取り戻すということです」
絵月のその言葉に創始は驚く。創始は200年もの間、自身の肉体のクローンを作り出しその身体を使い今まで生きてきた。しかし、その肉体を使うにも限界がありかつての肉体の全盛を遥かに過ぎていたのだ。
その為、創始はずっと新たに自身の魂に合った肉体を探していた。絵月はその事が分かっていたから優里という極上の器を用意したのだ。それは、絵月にとっても同じ事であった。
絵月「私が今使っている肉体は私の力と相性が悪すぎるんですよね。力を使う度、身体が壊れていく…なので、ベクトルの力を使っていた彼女…刃ちゃんは私の器足り得る…その意味は分かるでしょ?創始君」
創始「そして、私にはこの肉体を与えると?君のすることは本当に醜く恐ろしいな…まさか、彼の身体を使うことになるとは」
絵月「創始君は早速、取り掛かってもらって大丈夫ですよ。私は私で、この肉体を使い切ってから刃ちゃんの身体に移りたいので」
創始「そうか…分かった、早速取り掛かる事にする。君は彼との決着をつけるのだろう?」
絵月「はい、彼との前哨戦楽しんできますね?」
絵月はそう言うとその場から立ち去る。創始は絵月を見送ると、すぐに優里の遺体に目を向ける。そして、1人ほくそ笑みながら魂の乗り移りの作業に取り掛かっていく。
―――――――――――――――――――――
その頃、永遠達は星王コーポレーション前まで戻っていた。その時、星王コーポレーションの入り口に人集りが出来ていることに気付く。何かと思い、人集りが押しのけながらその中心へと行くと碧が顔を下に向けながら立っていた。どうやら、周りの人集りは記者らしく何かしらの取材を行っていたようだった。心配になった永遠は碧に話しかける。
永遠「何があったの?この記者の人達は一体…」
碧「あっ…えっと、それが…「おい、あれって…仮面ライダーじゃないか!?」
碧の言葉を遮るように記者達が永遠達に押し掛ける。そして、マイクを永遠に向けながら記者達はこう言う。
「今回、中央科学研究所がマキアによって崩壊し、鳳凰地区は政府から閉鎖を言い渡されましたよね!!その事について、仮面ライダーの方にお答え頂きたいのですが!!」
「智慧の泉の発生源は人間、という噂があるのですが事実なのでしょうか!」
「一部の人からはそこの白髪の青年は仮面ライダーであると同時にマキアでもあるという情報がありますが事実でしょうか!」
大輝「その事についてはお答えしかねます。極秘事項なので…それに彼は仮面ライダーではありますがマキアではありません。それについては誤報ということで」
「マキアによって生活を奪われた人達の事をどう思っていらっしゃいますか!それについてもお答え頂きたいのですが」
永遠「それについては俺達が何が何でもマキアを止めて見せます…としか言えません。現状、マキアの力は強大になりつつあります。しかし、僕達仮面ライダーもまた、成長しています。あなた達にはこれからも僕達の事を見守っていって欲しいです…これが僕達から言える言葉です。すいません」
永遠はお辞儀をすると、星王コーポレーションの中へと入っていこうとする。すると、人集りから中年の男性が大声で叫ぶ。
「あんたら仮面ライダーがヘマしたせいで、鳳凰地区に住んでた奴らは別の所に移ってったんだ!!あんたらがもっと適切に対処してればこんな事にはならずに済んだんだ!!なぁ!謝罪しろよ!!あんたらのせいでこんな事になってんだ!!分かってんだろぉ!!」
その男の言葉に釣られ、別の場所からもそんな言葉が飛び交っていく。それは徐々に肥大化していき、記者達も男と同じような事を言い出し始める。
もはや、それは誰にも止められず、段々と伝播していく。その時、航輝が両手を叩き、その音に驚いた人達は一斉に静かになる。そして、航輝はこう言う。
航輝「テメェらは…俺達がどれだけ命張ってるか分かってんのか!!テメェらは外野からただ、見てるだけの観客だろ!!そんなテメェらが俺達を非難するな!!俺達はリングの内側でずっと傷付きながらテメェらを守ってきたんだ!!今更、テメェらが出しゃばって来んな!!」
「何言ってんだ!!俺達は一般人だから、あんたら仮面ライダーとは違うんだよ!!」
航輝「俺達だって元々は一般人だ!!それに、俺や一部の奴らはマキアに家族を殺されてんだぞ?努力もしてねぇ…ただ、指を咥えて見てるだけの観客が非難していい理由にはならねぇだろ?」
「ッッ!?それは………けど!!あんたらが負けたせいで俺達の生活は奪われてんだぞ!!なら、あんたらが頑張ったら元の生活は戻ってくんのか!?」
航輝「約束してやるよ…俺達は仮面ライダーだ…テメェらを守るのが俺達の役目だ…だから、テメェらは後ろで見てろ、もう非難すんな、分かったか?」
「そう…だよな…すまねぇ…信用出来なくなっていっちまってた…もうそんな事言わねぇよ…頑張ってくれよ…仮面ライダー!!」
男がそう言った瞬間、周りも"仮面ライダー"と叫び続ける。徐々に伝播していき、非難していたすべての人達は"頑張れ"と目を輝かせながらそう言う。
さっきの不安な目をもった人達はもうおらず、その場は一気に活気に溢れていく。航輝は永遠の肩を叩きながらこう言う。
航輝「言葉は人同士を繋ぐ…そうだろ?永遠!」
永遠「そうだね!さっ、碧にも現状を説明しないとね!」
永遠達は人集りを掻き分けながら星王コーポレーション内へと入っていき、エレベーターで10階の社長室へと辿り着き、それぞれがソファへと腰を掛けると永遠が口を開き碧に言う。
永遠「碧、もうなんとなく分かっているとは思うけど…言うね?」
碧「うん…覚悟ならできてる」
永遠「優里さんが死んだ…不知火 絵月の手によってね。俺は止めようとしたけど間に合わなかった…ごめん」
碧「ううん…いいよ、謝らなくても。こうなることは分かってたことだから…それでも…少し、いいかな?」
永遠「うん…いいよ」
碧「っ…うっ…うう…僕…を…置いていかないで…優里さん!!どうしてっ…どうしてっ!!優里さんがっ!!うっ…うう…」
碧は涙をぽろぽろと零しながら静かに泣く。永遠はそんな碧を抱き締め、背中を擦りながらこう言う。
永遠「大丈夫…優里さんは君の記憶の中で生き続けるよ、きっとね。だから、心を強く持って優里さんの分まで生きよう?」
碧「うんっ!そう…だね…ありがとう、永遠…励ましてくれて」
永遠「そういえば、優里さんが碧に大事な話があるって行く前に言ってたよね?何の話かな?」
碧「さぁ?優里さんの事は長い付き合いの僕でも分からないよ」
麗「それなら、優里から預かってるわよ?ビデオレター」
碧「えっ…」
その事に驚く碧だったが、麗はそんな碧の驚く姿に躊躇いもせずに、懐から優里から預かったビデオテープを取り出し、大型テレビでビデオを再生し始め、優里が映り、挨拶をし始める。
優里『碧と多分だが六峰達もいるだろう?お前達がこれを見ているということは俺は直接お前達に伝えられなかった…要するに死んだということだろう。このビデオは麗に預けさせているから麗が俺が死んだ場合にお前達に見せると思う。だから、お前達に伝えたい事はこのビデオに記す事にした』
永遠「優里さん…」
航輝「優里…」
優里『まずは碧からだな…お前には俺の跡を継いで欲しい。俺には継がせる跡継ぎがいないからな、碧なら信用できると思ってお前に託すことにした…俺の口座のお金は既にお前の口座にすべて入金してあるから必要な事があれば使ってくれ』
碧「優里…さん…なんで、そこまで…」
優里『それと六峰には俺のお気に入りをやる。好きに使ってくれ、社長室のデスクの上にある左から3番目のスイッチを押してみてくれ』
永遠「左から3番目?」
永遠はビデオでそう言う優里の指示に従い、デスクの上にある左から3番目のスイッチを押す。
すると、デスクが下がり中からスーパースポーツのヤマハ YZF-R1が出てくる。永遠はマジかと言いそうな顔をする。
優里『驚いているようだな、そのバイクは役に立つと思うから大事に使ってくれよ?それと一ノ瀬には俺の行きつけの旅館のフリーパスチケットをやる。恋人との有意義な時間に使ってくれ』
航輝「優里のやつ…余計なお世話だろ!!」
優里『一ノ瀬なら余計なお世話と言いそうだな。まぁ、余計なお世話っていうのはヒーローの本質とも言うしな。それと二ノ宮、お前にはマキアがいなくなったあとのお前にあった仕事場の一覧書類をやる。ビデオが再生された日にその一覧がお前のスマホに表示されるようにしている。前の2人はどうせ仕事なんかいくらでもあるしな…二ノ宮は仕事人っぽいから渡しておくから有効に活用してくれ』
雫「優里さん…ありがとうございます!」
雫は映像の中の優里にお礼を言う。流石に映像の中とはいえお礼を言われるとは思ってないだろうと雫は思っていたのだが…
優里『二ノ宮の事だ、俺にお礼をしているだろう。なぜ分かるのか…俺が天才だからだとしか言えないな。まぁ、それはいいとして…笹島にはデルタ達の保護をして欲しいと思っている。彼ら彼女らはまだ14、5歳と幼い…そんな彼ら彼女らには支えられる大人が必要だ…ちなみになぜ俺が笹島がここにいるのか、デルタ達の事を知っているのかについては俺が情報通だからとしか言えないな。デルタ達が行きそうな場所はピックアップしてお前のスマホに転送しておく、気が向いたら行ってくれ』
恭平「この人は…死んだあとでもそんな事を考えて…凄いな」
優里『そして最後に不知火だが、お前に伝えたい事は伝えてある…あの墓参りの時だ。だから、最後に言っておく…何があっても復讐という言葉は考えるな…お前自身が破滅の道を辿っていく…まぁなんだ、強く生きろよ!これで俺が残せるものは残した…麗は俺と黒須の分まで生きていてくれ…じゃあな』
優里がそう言うとビデオは途切れる。社長室ではそのビデオでの優里の言葉に皆が感傷に浸っていた。それから、永遠が口を開き皆にこう言う。
永遠「優里さんらしいっちゃらしいよね…あの人ってマキアを支配するとか言っておいてさ、その本質は優しさに溢れた良い人なんだなって思うんだ…半分マキアの俺にも優しくてさ、自分の身体はボロボロなのに他人の事を気にしてる。それって凄い事だと思うんだ…だから、優里さんを殺した彼女の事は許せないし許すつもりもないけど、殺すつもりとかはないよ。だからこそ決着をつけないといけない」
大輝「同感だ…だからこそ永遠に任せる。他のやつに邪魔されないように俺達で手を尽くそう…そうだろ?航輝」
航輝「あぁ、俺も優里には世話になりっぱなしだったからな…やるっきゃねぇだろ!!」
雫「私も…優里さんの為に、頑張る!!」
恭平「俺は優里とはそこまで付き合いはないが…やれるだけの事は尽くそう。さぁ、どうする?現社長は」
碧「社長って…なんか気恥ずかしいね。まぁでも、僕は君達のことを応援するだけさせてもらうよ!仮面ライダー達!!」
「「「「「おおっ!!」」」」」
碧のその言葉に全員が声を合わせ一致団結させる。永遠は何か思ったのかバイクの前に立ち、皆にこう言う。
永遠「じゃあ、行ってくるね。後のことは任せる!!」
大輝「了解だ…ちゃんとやってこいよ」
航輝「帰ってきたらパーティーだなっ!!」
雫「マキアが攻めてきても私達で何とかするから!!」
恭平「街の巡回もしておこう」
4人の声に押され、永遠はバイクのエンジンを掛ける。それと同時にカーテンウォールが開き、下の通路へと続く道のりが形成される。永遠は驚くが優里さんらしいと思い、そのままバイクで下っていき、旧科学研究所へと向かう。
大輝「流石にこれは驚いた…10階だぞ…ここ」
航輝「優里の趣味はほんっとうにわっかんねぇな」
雫「ハハッ、それは同感だね」
恭平「むしろかっこいいと思うのはいけないのだろうか…」
――――――――――――――――――――――
永遠はバイクで旧科学研究所まで走っていた。その時、後ろから迫る2つの影に目をやる。
どうやら野良のマキアが永遠の事を追っているようだった。永遠は鬱陶しく思うが、プライムライザーを取り出し、牽制の意味も込めてマキアにエネルギー弾を放つ。
永遠「俺に喧嘩を売るのは止めてもらえるかな?今、忙しいんだ」
「そんなんで引くほど俺達ゃあヤワじゃねぇぞ!!舐めんな!」
「そうだそうだ!!」
永遠「はぁ…面倒臭っ」
永遠はプライムライザーでエネルギー弾を撃ち続ける。マキア達には所々で当たるが、怯むことなく永遠を追っていく。仕方ないと思った永遠は2体のマキアに向かって圧を飛ばす。
永遠「失せろ」
「ヒィィィィッ!?」
「ッッ!?」
永遠が圧を飛ばすと2体のマキアは呆気なく去っていく。その事に安堵した永遠はバイクを更に加速させ、旧科学研究所へと向かう。
―――――――――――――――――――――
旧科学研究所へと着いた永遠はバイクから降り、持ち前の感覚を使って、楓と刃の位置を探り見つけたと同時に全速力でその位置へと向かっていく。
幸い、旧科学研究所内は複雑な構造になっておらず、すんなりと楓達のいる部屋の前まで来ていた。
永遠「この先に…楓と刃ちゃんが…」
絵月「行かせる…とでも?」
永遠「やっぱり来たか…俺の事、待ってたの?まるで待ち合わせで時間に遅れた彼氏の気分だよ」
絵月「その冗談…笑えないですね」
永遠「あれぇ?俺は全力で笑わせようとしてるのに…その貼り付けたような笑顔を…さ?」
冗談を言う永遠は絵月の出方を窺う。絵月もまた、永遠の出方を窺いお互いにどちらが先に手を出すか見極めていた。
先に動いたのは永遠。永遠は一直線に絵月に向かって拳を振りかざす。絵月はその拳を後転倒立をしながら避け、ついでに脚で永遠の顎を蹴る。永遠は蹴られた振動で脳が揺らぐが、すぐに持ち直す。
永遠「やるねぇ…200年前はそんなに戦闘能力なかったでしょ」
絵月「200年も前の話でしょう…今とは大違いです…よ!!」
絵月は華麗に舞いながら永遠の隙を突きつつ、攻撃を繰り返す。しかし、永遠も絵月の攻撃を受け流しつつ攻防を繰り返していく。お互いにジリ貧になりかけた頃…絵月は永遠から話しかけられる。
永遠「このままじゃ、ジリ貧…その意味、分かるよね?」
絵月「えぇ、えぇ…分かりますよ…私達にはこれがある。決着をつけるには持ってこいの物が!!」
永遠はエンティティドライバーを絵月はクロノスタシスドライバーをそれぞれ装着し、ライセンスカードとアビリティカードを取り出し、永遠は認証をし絵月はドライバーへとセットする。
『SIGMA PROCESS SCAN』
『ANASTASIS RELOAD TIME』
永遠/絵月「「変身!」」
お互いに掛け声を合わせ、永遠はライセンスカードを挿入し、絵月はドライバーの左側の時計の針を1周させる。それと同時に絵月の足元と頭上には時計が生成され、絵月がその時計に挟まれ、仮面ライダーアナスタシアへと変身を完了させる。
『SIGNAL TIME』
『TIME OVER ANASTASIA』
『READY GO RIDER SIGMA ENTITY KAMEN RIDER SIGMA』
永遠も仮面ライダーシグマ シグマライズフォームに変身を完了し、重力で周りの物を浮かしながらアナスタシアの目の前まで歩いていく。
アナスタシア「通常のフォームですか…フェンリルは使わないんですか?」
シグマ「持てる力すべてを使って…君を倒したいからね!!」
シグマは拳をアナスタシア目掛けて放つ。アナスタシアもそれに合わせ、拳を突き出す。一見するとアナスタシアの方が押しているようにも見えるが、その力は拮抗していた。アナスタシアはそれに驚き、シグマにこう言う。
アナスタシア「この力…どこから出てるんですか?私のアナスタシアの方が性能は圧倒的に上…フェンリルならまだしも通常のフォームで渡り合える程、やわではないのですが…」
シグマ「"想いの力"って言ったほうがいいのかな?とても素晴らしい力と思うよ!!」
アナスタシア「ならこれなら!!」
『STOP TIME』
アナスタシアは左側の時計の秒針を操作し、9時の方向に合わせる。すると、シグマと周りの物の時が止まる。アナスタシアはシグマの手首を掴み、そのまま投げ飛ばし、エネルギー弾を止まっているシグマに向けて飛ばす。
アナスタシア「少々汚い手口ですが、致し方ありませんね。時よ再始動しろ」
アナスタシアが時を動かそうとした時、甲高い鳴き声とともに、それはアナスタシアの邪魔をする。そう、ジリオンバードがシグマを助けに来たのだ。ジリオンバードはシグマに向けて放たれたエネルギー弾を吸収し、アナスタシアに攻撃を始める。
アナスタシア「ッッ!?ジリオンバード!?止まった時の中を動けるのですか!!」
ジリオンバード『ピィィィィィ!!』
アナスタシア「なっ―――――――」
アナスタシアにジリオンバードの攻撃がヒットした瞬間、時が動き始め、シグマは瞬時に受け身をとり、体勢を立て直す。
シグマ「一体何が…ってあれは…ジリオンバード!?助けてくれたの?」
ジリオンバード『ピィィィ』
シグマ「なるほど…時を止めるか…厄介な力だけどジリオンバードがいる限り君のその力は通用しないみたいだね!さぁ、まだまだいくよ!!」
『SIGMA STRIKE』
シグマ「ハッ!!」
アナスタシア「ッッ!?攻撃力が更に上がって!?」
シグマ「まだまだ!!」
『SIGMA GAUNTLET』
『SIGMA TEMPEST』
『SIGMA SPARKING』
『SIGMA SKY』
『SIGMA OPERATOR』
シグマはガントレットでミサイルを放ち、テンペストで竜巻を複数起こし、スパーキングで雷撃を放ち、スカイで空中を飛びながら攻撃し続け、オペレーターの空間支配能力で物質に干渉し、アナスタシアに猛攻撃を仕掛ける。アナスタシアはこれを防げず防戦一方に陥る。
アナスタシア「な…ぜ…これほどまでの力が…」
シグマ「言ったでしょ?想いの力って」
『SELECT CUSTOM NOVA ENTITY KAMEN RIDER SIGMA NOVA LINK OF CUSTOM SYSTEM』
『NOVA INSTALL』
『ノヴァカスタムフィニッシュ』
シグマノヴァは6人に分身し、それぞれがキックをアナスタシアに向けて放つ。アナスタシアは先程の猛攻撃の影響で身体が思うように動かず、シグマノヴァの必殺技が直撃する。
アナスタシア「ッッ!?うわぁぁ!?」
シグマノヴァ「君のこれまでの行い…絶対に許さない!!」
『KAMEN RIDER SIGMA FENRIR』
シグマノヴァはシグマフェンリルへとチェンジし、シグマフェンリルはフェンリルアブソーブカードのフォースギアのスイッチ部分を4回押していく。
『FIRST TOUCH』『SECOND TOUCH』『THIRD TOUCH』『FORCE TOUCH』
『FENRIR INSTALL』
シグマフェンリルはアナスタシアから遠く離れ、助走をつける。そして、一気に加速しアナスタシアの目の前まで移動し、蹴りを放つ。
シグマフェンリル「この戦いに終止符を打つ!!ハァァァァァァァ!!」
『フェンリルスパイラルフィニッシュ』
アナスタシア「ぐわぁぁぁ!?」
アナスタシアは旧科学研究所の壁をぶち破り遠くへと吹き飛ばされるていく。シグマフェンリルの必殺技の威力は旧科学研究所の壁を全面的に破壊するほどの威力を持っていた。シグマフェンリルは変身を解除し、楓達のいる部屋へと向かっていく。
永遠「いた、楓!!って…あれは!?」
永遠は楓を抱き抱えると、辺りを見渡し刃の事も探すが見つからず他の敵が来る前に楓を抱き抱えて星王コーポレーションへと帰って行く。永遠が楓を連れて帰って行くのを確認した坂月は両手を地面に叩きつけ、声を漏らす。
プロフェッサー坂月「これで…これでいいはずなんだ!!永遠が楓から智慧の泉の力を吸収すれば…楓は助かる…これで良いはずなのに…どうして…こんなに悲しい気持ちになるんだ!!」
???「どうやら…だいぶ、感情を持つようになったみたいだな…」
プロフェッサー坂月「ッッ!?その身体は…」
???「彼が楓を連れて行く前にジェネシスドライバーとアビリティカードを完成させておいて正解だった…それにこの身体…馴染む…実に馴染むぞ!!」
白髪とプラチナピンクの混じった髪をした少年はそう言う。プロフェッサー坂月は自身の身体をまじまじと見るその少年に怒号を浴びせる。
プロフェッサー坂月「あんたはどれだけ非情な事を!!死体を使うだなんて…それでも人間か!!
創始「ハッハッハッハッ!!最早、私は人間の範疇を超えてるやもしれないな…そうだろう?
優里の身体を乗っ取った創始は背後に向かって呼びかける。すると、中からカツコツと靴の音が聞こえてくる。そこから現れたのは…刃の姿をした絵月だった。
プロフェッサー坂月「先程の永遠の戦いで身体は崩壊したはずだっ!!既に頬月 刃の身体に自身の魂の一部を保管しておいたのか!!」
絵月「ふふっ…その通り。私もこの身体は素晴らしいものと思っていますよ?流石は私の力との親和性が高い…
そう言う絵月の目は渇望に満ち溢れていた……
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次回予告 CODE34 Sの過去/聖女の目覚め
無事、楓を救出した永遠。
大輝「まぁ、必ず戻ってくると思っていたのでな。彼女が智慧の聖女…坂月 楓か?」
永遠「皆も気になってると思うけど、俺の過去を話す」
永遠はその決意を胸に大輝達に過去を打ち明ける。その一方で、楓もついに目を覚ます。
楓「ここは…どこでしょう」
永遠「楓の智慧の泉の力は…俺が継承した…もう君は他の人と変わらない人間だよ」
恭平は優里の残したデータを頼りにデルタ達を探しに行く。
デルタ1「我々は一体…どうしたらいいのですか!!」
恭平「お前達は…」
恭平のその言葉はデルタ達の心の傷を癒せるのか…