仮面ライダーシグマ   作:仮面執事

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今回の結末や如何に!!

この戦いを見逃すな!!


CODE40 Fの覚悟/壊れる

 

大輝は途方に暮れていた。大切な仲間を2度も同じような目に合わせ失ってしまったのだ。

大輝の目は死に、足をふらつかせながら街中を歩いていた。その時、ある人物から声をかけられる。大輝はその声の主を見るとそこには…

 

玲音「大輝…さんだよね?あの、大丈夫ですか?」

 

大輝「あなたは…遠山さんでしたっけ…その、永遠の友達の…」

 

玲音「はい、その遠山で間違いないですよ!丁度、星王コーポレーションに行こうと思ってたんです。よかったらご一緒してもいいですか?」

 

大輝(彼女の厚意を無駄にする訳にはいかない…しかし、今の俺には…)

 

「随分とやつれたな…この間とは大違いだ」

 

玲音の背後から聞こえた声に聞き覚えがあった大輝は玲音を押し退けて、玲音の背後にいる人物の姿を見る。

そこにはフードを深く被りながらも圧だけは消えていなかったロードがいた。大輝はロードの服の襟を掴み、こう言う。

 

大輝「なぜお前が遠山さんといる!!答えろ!!」

 

ロード「まぁ待て、少し落ち着け…俺はこの女に保護され、この女の家で生活している。永遠にこっ酷くやられたんだ、傷が深く、今の状態ではまともに戦えない…だから、休息中だ。危害を加えるつもりはない」

 

大輝「信用できるか!!」

 

玲音「ちょっと待ってください!彼は…ロードは今は大丈夫…です。私が保証します、それに彼を保護したのは私です…彼がもし暴れた場合の責任は私にあります!」

 

ロード「ということだ、分かったな?俺はお前達と今の所は戦うつもりはない…もういいだろ?離してくれ…それにお前は今、大変なんじゃないのか?仲間が危険に晒されているのだろう?」

 

大輝「なんで…それを…」

 

ロード「ただの勘だ、気にするな」

 

ロードはそう言い、大輝の肩を叩き、玲音は大輝に一礼だけ済ませると、星王コーポレーションの方へと歩いていく。

ロードも玲音の後を追いかけるようにしてついて行き、大輝はその光景を眺めることしか出来なかった。

 

大輝「俺は…どうすれば…また、過去と同じようにしないといけないのか…」

 

大輝はそう言い続け、葛藤を続けるのだった……

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

永遠は雫を社長室のソファへと寝かせる。丁度その時、柊と鈴蘭が訪れる。事情を知らない柊と鈴蘭に永遠は説明し、柊と鈴蘭は唖然とする。

 

柊「そんな…恭平さんが?……俺、ちょっと行ってきます」

 

永遠「ちょっ!?ダメだよ!!君が行っても…鈴蘭ちゃんもなんとか言ってあげて!」

 

鈴蘭「柊が行くのなら私も行きます…必ず、この命に代えても恭平さんは助けます!」

 

永遠「だからそれがダメなんだって!!君達はまだ若いんだから、命を張る必要はない…そんなのを恭平に聞かれたら悲しむよ?」

 

柊「そう…ですね…でも、どうしたら!!」

 

鈴蘭「永遠さんが助けに行ってくれるんですよね?」

 

永遠「勿論、恭平は仲間だから助けに行くよ。でも、1つだけ懸念点がある」

 

永遠は柊と鈴蘭に恭平を助けると言うが、1つだけ懸念点があるとも言う。それはマキアに変えられた恭平を分離出来るかどうかだった。

 

永遠「基本、侵食はしていてもある程度大丈夫な範囲だったらリカバリーの力でどうにかできる。でも、元々の共鳴率が高いと分離ができないんだ」

 

柊「ガンマは恭平さんとの適合率が極めて高い…救う事が出来ないということですか?」

 

鈴蘭「そん…な…雫さんはその事は知ってるんですか、永遠さん?」

 

永遠「知らないし出来ない可能性の方が高いと思う。仮に教えても雫ちゃんを混乱させ、救ったとしても後遺症は残るよ」

 

雫「うっ…うぅ…ここは?」

 

永遠が柊と鈴蘭に恭平について話していると雫が頭を抑えながら目を覚ます。雫はなぜ自分が社長室のソファで寝ていたのか分からず困惑していた。

永遠はなるべく恭平の事を触れずに話そうとし、雫に声を掛ける。

 

永遠「雫ちゃん、大丈夫?その…何も覚えてない?」

 

雫「えっと…確か、大輝と恭平とで優平君と戦ってて…それで……あっ…恭平が…マキアになって…あ、あぁぁぁ!!」

 

永遠「ッッ!?雫ちゃん!!」

 

雫は頭を抑えながら混乱し、涙を浮かべながら叫ぶ。永遠は隣で雫の手を握り、こう言う。

 

永遠「大丈夫、大丈夫だから…落ち着いて?恭平は必ず助ける。ひとまず紅茶を飲んで、それから話そう?」

 

雫「ハァハァ…あり、がとう…永遠…私、その…まだ収拾がつかなくて…」

 

永遠「今は俺の話を聞いてくれ。確率は低いだろうけど、恭平を助ける方法はある」

 

雫「そ、それって?」

 

永遠「リカバリーの精神浄化能力を最大限引き出してマキアになった恭平に当てることだ。現状、この方法が恭平を助けられる…雫ちゃんにしか出来ない事だよ」

 

雫「私…にしか…」

 

雫がそう言ったその時、楓と碧が慌てて社長室へと入ってくる。どうやら、何かあったようで急いで来たらしく髪は乱れ、楓に関しては息を切らしていた。

 

楓「ハァハァ、永遠…玲音…さんが来たのですが…ハァハァ…玲音さん…と一緒に彼も…来ています!」

 

碧「なんでこんな時に来るんだよ!!面倒くさいから永遠が相手してよね!?」

 

永遠「えっ、ちょっ…誰が来たのさ?」

 

楓「今、来てるので…分かり…ます」

 

楓がそう言い、永遠は未だ混乱してる雫の手を握りながら待つことにする。数分後、社長室のドアが開き入ってきたのは玲音とロード(・・・)だった。

永遠はその事に驚きつつもなぜ玲音と一緒にいるのか気になり、玲音とロードがソファに座ってからその事について聞く。

 

永遠「ロード、なんで君が玲音さんと一緒にいる…マキアの幸せしか望んでいない君がなんで人間である玲音さんと一緒にいる?答えろ!」

 

ロード「声を荒げるな、傷に響く…それに今は(・・)休息中だ、無駄な争いをしたくない…仲間が危機的状況なんだろう?なら、そっちの方に意識を向けておけ…俺の事は羽虫か何かだと思っていればいい」

 

永遠「なんで今の状況を知っているんだ?君に情報を渡してくれる存在なんて今はいないはず…まさか!?」

 

ロード「永遠は勘が鋭いな、俺の機械を支配する力で監視用ドローンをいくつか飛ばしている…無論、カモフラージュ機能付きでな…だからこそ、情報が俺の所に入ってくる…笹島 恭平がマキアになった事もそのドローンによって知った」

 

永遠「その話は今はやめろ…雫ちゃんが混乱する」

 

ロード「言ってろ、その女の事情は知らん。それよりもあの男…不知火 大輝の方も切羽詰まっていたぞ?何をしでかすか分かったもんじゃない」

 

永遠「それはどういう事?」

 

永遠のその問いにロードは淡々と答えていく。

 

ロード「今のあいつは自分のせいで仲間を失い、焦燥に駆られている。昔、同じような事があったんだろ…そういう奴は二度と繰り返さないように焦り、そしてまた同じような目に遭う…それがずっと続いていく。止めたほうがいいぞ、大切なものを失ってしまう前にな?」

 

永遠「ッッ!?雫ちゃん、大輝に連絡してみて!」

 

雫「うっ、うん!お願い、出て!!」

 

雫がスマホで大輝に連絡を試みるが、電波の届かない場所にいるのか繋がらず、ロードはほらなっと言いそうな顔で永遠を見ていた。

 

永遠「まずい…早く大輝を止めないと!!」

 

雫「そうだね、早くしないと恭平が!!」

 

二人はそう言ってその場を後にする。この部屋に残ったのはロードと玲音、楓に碧、柊と鈴蘭だけであり沈黙の時間が続いていく。

誰よりも先に口を開いたのは楓だった。楓はロードに対してこう言う。

 

楓「それで…ロードは何をしにここに来たんですか?まさか、ただの近況報告だけ…というのはないですよね?」

 

ロード「楓…お前、智慧の泉の力をまだ持っているな?」

 

楓「ッッ!?」

 

柊/鈴蘭/碧「えっ!?」

 

玲音「?」

 

ロード「永遠が使っていた力は完全ではなかった…完全な力なら俺は死んでいたからな。楓、お前は何を企んでいる?」

 

楓「私に企みもなにもありませんよ…ただ、永遠にだけ負担を掛けたくないだけ…私自身、この力を使って何かしようと思っている訳ではありません…それに、智慧の泉の力といっても残されているのは微々たるものです。使える代物じゃありません」

 

ロード「そうか…お前はそういう奴だったな、それが聞けて何よりだ。じゃあな、行くぞ…玲音」

 

玲音「ちょっ、急に!?ごめんなさい!それでは…失礼します!待ってよ、ロード!」

 

ロードは玲音の手を無理やり引きながら去ろうとする。しかし、楓は去ろうとしていたロードにこう言い、引き止める。

 

楓「ロード、あなたは永遠に負けてもまだ、マキアの幸せを望んでいるんですか?それだけ…それだけでいいので聞かせてください」

 

ロード「俺が望んでいるのはマキアの幸せだ…それは間違っていない…人間とは分かり合えないと思っている。だが、分かり合える世界があるとしたら見てみたいものだな」

 

楓「そうですか…引き止めてすいません…では、また会う日があれば…」

 

ロード「いずれまた、永遠と戦う事になる。その時だな、会うとすれば…」

 

ロードはそう言い、その場から玲音の手を引き去っていく。楓はただ、俯きながらこう思う。

 

楓(あなたの幸せはほんとに…それだけなのですか?ロード…)

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

永遠は雫を後ろに乗せ、バイクで大輝の位置情報を探りながら向かっていた。雫は運転している永遠にこう聞く。

 

雫「永遠…恭平を助けられるんだよね?リカバリーの力なら…その認識で合ってる?」

 

永遠「うん、助けれるかは五分五分だけど…きっと助かる。その前に大輝が暴走して恭平を倒したら助けられない…位置情報的にも大輝は今、旧科学研究所に向かっているはず…このバイクなら大輝よりも先に着くから安心して!」

 

雫「うん…分かった…」

 

永遠(雫ちゃん…思ったより元気がないな、大切な人があんな姿になったから…必ず助ける!!)

 

永遠はバイクの速度を更に上げる。その時、青いエネルギーが永遠と雫に向かって放たれ、永遠はバイクを傾け避けるがその拍子に転倒し、雫もまたバイクから飛ばされる。

 

永遠「ッッ!?」

 

雫「きゃあ!?」

 

永遠「なんだ…今の………あなたか、迅さん!!」

 

永遠と雫の目の前にいたのは坂月 迅だった。彼は永遠に近づき、こう言う。

 

迅「久しぶりだね、永遠…智慧の泉の力も馴染んでいるようでなによりだ。ジリオンバード、君も久しぶりだね。ご主人様の後ろに隠れてないで出ておいで」

 

ジリオン「マイメーカー、なぜマイマスターの邪魔を?理解し難いです…マイメーカーはどちらかというと平和主義のはず…今、マイフレンドの命の危機なのです…邪魔はしないでもらいたいのです」

 

迅「君の言うことは最もだ…しかし、私にも計画があってね。永遠…智慧の泉の力を渡して欲しい…その力があれば、私は!!」

 

永遠「"楓と鳳凰を幸せにすることができる"って?ふざけるのも大概にしてほしい……雫ちゃん、先に行って…あとで追い付く」

 

雫「うっうん!」

 

永遠は静かにそして冷静になりながら雫にそう言い、雫は旧科学研究所へと走って向かう。迅はなぜ永遠が自身の思惑に気付いているのか分からずに困惑していた。

 

しかし、永遠は迷う事なくその事について答える。

 

永遠「元々、PROJECT SIGMAは楓の中にある智慧の泉の力を器である俺に移す為に計画されたもの、俺が智慧の泉の力に耐え得る器に成長させる為の計画…そして、智慧の泉の力を取り込んだ俺を使って、鳳凰をこの世界に再び呼び戻し、楓と迅さん…鳳凰と幸せに暮らすこと…至極単純な事だけど、あなたにとっては人生全てを賭けてまで実現したかったことでしょ?」

 

迅「そうだ…だが、その計画はもう破綻している…ならば、私が智慧の泉の力の器となって彼女を呼び戻すまでだ…だから、智慧の泉の力を私に渡してくれ!!」

 

永遠「だから、ふざけるなって言ってるだろ?智慧の泉の力はいずれ返すつもりなんだ、今更…誰の手にも渡させない!!」

 

迅「ッッ!?そうか…分かった、私も大人だ…君の意見は尊重するよ…ただ、言わせて欲しい。私は楓の幸せを望んでいる…傍に私がいなくてもね…そして、永遠…君が楓を幸せにしてやってほしい。頼まれてくれるかい?」

 

永遠「言われなくても俺は楓を幸せにさせる…迅さん、あなたも楓の幸せを望むなら…今、すべき事をその目で確かめてくれ…それが俺なりの頼みだから」

 

迅「分かったよ。……永遠、最後に聞いてほしい事がある…恭平君の事だけど…もう、手遅れだ」

 

永遠「そんな事…最初から分かってたよ…だから敢えて雫ちゃんには伝えてないんだから…ヴェノムの能力を食らった時点で人間としての命は失ってるんだから…けど、希望はあった方がいいでしょ?」

 

迅「そう…だね…早く行くといい…恭平君の最後を見れなくなる」

 

永遠「うん…そうだね」

 

永遠は転倒したバイクを立て直し、乗って旧科学研究所へと急いで行く。迅は拳を強く握りながら現状を噛み締めていくのだった……

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

大輝は旧科学研究所の正面入口まで来ていた。その理由は恭平を救うことであり、大輝なりの贖罪のつもりでもあった。

 

大輝「俺自身で恭平を救い、雫の大切なものを取り返す!!その為なら…俺の命がなくなってもいい」

 

大輝は扉を開け、中へと入る。辺りは不気味なぐらいに静寂に包まれ、一瞬ではあるが恐怖を抱く。

しかし、それでも進まないといけない理由がある大輝は奥へと歩みを進めていく。

 

歩みを進めていくと1つの部屋に目がいく。そこには看板に実験室と書かれた部屋であり、何故か扉が少しだけ開いていた。大輝は奇妙に思いながらもその扉を開け、目の前の光景に驚きを隠すことなく目を開かせる。そこにいたのは……

 

 

大輝「なぜ…あいつらの…これは…クローン?」

 

かつて大輝と共に戦った4人だったのだ。液体の入ったカプセルに眠ったまま閉じ込められ、起きる気配すらなかった。

その時、入ってきた扉の前で1人の声が聞こえる。大輝にとって聞き覚えのある声はこう言う。

 

「そうさ、クローンだ。快斗君、真昼君、信介君、春菜君の4人の遺伝子情報をもとにして造られた」

 

大輝「星…空…創始!!あのクローンは一体なんだ…何の…為に…」

 

創始「君がヴェノムとマキアとなった4人を倒したあとに遺伝子だけ回収し、研究していたんだ。4人はそれぞれのライセンスカードとの共鳴率が極めて高く、ハイマキアに転用しても使える…そう思ってクローンを創ったのだがね、やはり反抗しだしてね殺処分し、再度同じように繰り返していたんだ、今は7代目だったかな?」

 

大輝「お前はそれでも…人間…か?明らかに人間のしていい範疇を超えてるぞ!!ましてやクローンを創るなどと!!」

 

創始「それの…何がいけない?私は気になる、興味のあることは追求すべきと思っている…無論、クローン製作もその1つだ…分かるだろ?私には既に人の心はない…あるのは単なる探究心のみだ!!」

 

大輝「狂ってる…お前はこの世に存在してはいけない人間だ!!」

 

大輝は創始に殴り掛かろうとするが1つの影によって邪魔をされ、吹き飛ばされる。その影は大輝が助けようとした存在であった。

 

大輝「くっ………恭平!!」

 

創始「彼は既に私達の支配下にある…君の声は届かないよ?」

 

大輝「クソッがぁぁぁ!!」

 

大輝は創始に向かって殴り掛かろうとするが、マキアとなった恭平に掴まれ、止められる。創始はため息をつきながら大輝にこう言う。

 

創始「そう感情的にならないで欲しいなぁ…私としたは武力を用いるのは非効率的だと思っているのだが…」

 

大輝「クソッ…クソックソックソッ!!」

 

ガンマ「ウガァァァ!!」

 

大輝「だっ―――――ッッ!?」

 

ガンマは大輝の脇腹を殴り、吹き飛ばす。大輝は受け身を取るが、防御ができておらずかなりのダメージを受けてしまう。そんな大輝にガンマは静かに近づいていく。

 

創始「ほれ、早く変身しないと君が死んでしまうよ?」

 

大輝「クソッたれが………ハァハァ……変…身」

 

『ENTITY DRIVER』

 

『PHI PROCESS SCAN』

 

『PHI RISE』

 

『READY GO RIDER.PHI ENTITY』

 

『KAMEN RIDER PHI』

 

ファイ「ハァァァ!!」

 

ガンマ「ガァァァ!!」

 

お互いの拳がぶつかり合い、その場には衝撃波が放たれる。押し合いとなり、拳同士のぶつかり合いは拮抗するが、ファイの執念によって、ガンマは押されていく。

 

そしてファイの攻撃がガンマに当たり、ガンマは押し倒され、ファイはひたすらガンマを殴っていく。

 

創始「いいぞ…君のその覚悟は大切な人を絶望のドン底に突き落とす!!その時だ…その時が…君の終わりだ(・・・・・)、そうだろう?絵月君」

 

絵月「えぇ、彼の器としての成熟はもうすぐそこまで来ている…そして成熟したその時が…私が完全になるその時でもある!!」

 

創始に呼ばれ、ファイがガンマを殴り続けている所を見ていた絵月はそう語る。そう、この絶望的な状況こそ彼女が求めていたものであり、大輝を絶望に追い込む事で自身の器として成熟させ乗っ取るという算段だった。

 

ただ、絵月はそれに伴って邪魔な存在がいることも熟知していた。

 

雫「大輝っ!!待って!!」

 

ファイ「ッッ!?雫!!……くっ!?」

 

ファイが雫に一瞬だけ、気を取られた隙にガンマはファイの攻撃から抜け出し、後ろへと引く。ファイは再度、攻撃しようとするが雫がファイの腕を掴み、それを止める。

 

ファイ「邪魔を…するなっ!!俺が…俺がやらないといけない!!」

 

雫「だめっ!!恭平を私のリカバリーの力で助けられる!!永遠がそう言ってたの、だから止めて!!」

 

ファイ「何?それは…本当か?」

 

雫「うん、だからっ…「助けられる?無理だよ、そんなの」!?」

 

優平「助けられる訳無いでしょ?俺の毒を喰らった時点で彼は既に死人だよ。助けたところで生きては……いない」

 

雫「そん…な…でも…リカバリーなら…」

 

優平「その力でも死人を蘇らせる事は出来ない…六峰 永遠はそのことが分かってて敢えて隠してたんだよ、雫さん…あんたを傷付けない為にもってね?でも、俺が言っちゃったから意味ないけどねぇ!!」

 

し雫はその場で腰を抜かし、涙を流す。ファイもその事実に力が抜け、突進してくるガンマに当たり、そのまま倒れる。

 

ファイ「くっ……クソックソックソックソッ!!また…俺は繰り返すのか!!あの時と同じ事を!!」

 

優平「壊れていけ…お前も俺と同じように大切なものを失い続けろ!!」

 

雫「恭平……私、嫌だよ…恭平がいない世界なんて…」

 

ガンマは戦意を喪失したファイにトドメを刺そうとファイに向かって歩みを進める。その時、雫から垂れた涙が地面に落ちると共にガンマの動きが止まる。

 

これには優平も、創始も、絵月も予想外の表情を浮かべ、ガンマは片言だが言葉を綴る。

 

ガンマ「オレ……ヲ……タオ……セ…ダイ……キ」

 

ファイ/雫「「!?」」

 

優平「まさか…一時的に自我を取り戻したのか!?なんてやつだ…」

 

雫「恭平?……大輝、恭平を楽にさせて…」

 

ファイ「だが、俺には…」

 

雫「いいから…早く!!」

 

ファイ「ハァハァ……ウワォォォォ!!」

 

『PHI INSTALL』

 

『ファイランクフィニッシュ』

 

既に自我を失ったガンマがファイに攻撃しようとするが、それよりも早くファイの必殺技が当たり、そのまま爆発する。その時、ガンマライセンスカードが飛び出て、爆発の中心には恭平がいた。

 

恭平「あり…がとう……おかげで……俺は……」

 

ファイ「恭平…」

 

雫「うっ…うぅぅ…恭平!!」

 

恭平はそのまま消滅していき、ガンマライセンスカードもまた壊れ、その光を失っていく。ファイは恭平の最後を見届けると同時にもう一つの目的を果たすべく、動く。

 

ファイ「お前達も楽にさせてやる…」

 

『PHI INSTALL』

 

『ファイランクフィニッシュ』

 

ファイ「安らかに逝け」

 

ファイは4人のクローンが入ったカプセルを必殺技を使って破壊する。雫はその光景をそっと見て胸が苦しくなるのを必死で抑える。

 

ファイはそのまま入口まで戻っていき、雫もその後を追っていく。その光景を創始、絵月、優平の3人は静寂に包まれた中、見ていた。

 

ファイ「ハァハァ……恭平、すまない!!」

 

雫「大輝っ!!……ありがとう…恭平を楽にさせて…くれて…」

 

ファイ「構わ…ない…俺にとっても恭平は…楽にさせてやりたかったから……な……あとは恭平のドライバーとライセンスカードを回収する…だけだ」

 

雫「うん、そうだね。永遠が来たら回収しに行こう」

 

ファイ「あぁ」

 

優平「そんなのダメに決まってんじゃん」

 

ファイ「ぐわぁぁ!?」

 

雫「大輝っ!!きゃあ!?」

 

ファイは突如、現れた優平の蹴りによって飛ばされ、雫は優平に捕まってしまう。ファイは雫を助けようとするが、その時、予想外の事が起きる。

 

ファイ「しず……うっ!?ぐぅぅぅ!!ぐはぁ!?」

 

雫「大輝!!」

 

優平「あーらら、ドライバーが負荷に耐えきれないで壊れてやんの。無茶ばかりするからそうなるんだよぉ?お兄ちゃん?」

 

大輝「ハァハァ…雫を…返せ!!」

 

優平「嫌だね、雫さんはお前を更に絶望に落とす為のピースなんだ…変身能力を失ったお前は雫さんを助けられずに絶望する…そして、俺の復讐は完成するんだ!!じゃ、雫さんは人質だ…明後日の昼12時に東京タワーのてっぺんで待ってるから、助けに来るんだよ?王・子・様?」

 

優平はそう言うと、雫と共に暗闇の中へと消えていく。大輝は壊れたドライバーを他所に悔しがりながら地面を叩く。

 

大輝「クソッ…俺は…誰も救えないのか…」

 

永遠「大輝っ!!……雫ちゃんは?」

 

大輝「連れ去られた…俺は何も出来なかった…こんな屈辱があるか…俺はもう仮面ライダー…じゃない…」

 

永遠「ッッ、大輝…ひとまず帰ろう…君は休息が必要だ」

 

大輝「……………」

 

永遠は大輝を支えながら星王コーポレーションへと戻っていくのだった。

その頃、坂月 迅は永遠の言葉を思い出しながらあるところへと向かう。

 

迅「私にできること…私はこの世界を…平和にしたい!!」

 

 

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次回予告 CODE41 絶望の淵/Fの再誕


大輝「今は……そっとしておいてくれ」

恭平を自ら殺め…雫までも囚われてしまい、完全に戦意を失くす大輝。

永遠達には大輝の壊れたドライバーを直す術がなく困り果てていた。

そこに現れたのは驚愕の人物だった。

迅「それなら、私が協力しよう」

そして、ファイは復活を遂げる…

『PHI DIMENSION』

ファイ「待たせたな…雫…」
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