日米同盟召喚   作:パスタ〜マン

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どうも、作者です。
最近は筆が遅くて目も当てられません()
ブルアカは熱が冷めてしまい最近は結構遅延していて申し訳ないです()
そして日本国召喚をなんも考えずに出してしまったことを過去の自分に怨嗟を向けつつ書いております。
この作品もブルアカの方もニケの小説に関してもかなり遅い更新ペースになると思いますので気長にお待ちください(カス)

さて、皆さんからまたこの作品はどうでしたでしょうか?
感想、評価が励みになりますのでよろしくお願いします。
では、また今度に。


第二話

ギム郊外

日米桑共同防衛陣地

 

西方騎士団の攻撃から約数時間後。本部に、作戦の第一段階の成功と死傷者なしの報告が齎された。

 

 

「初動は上出来。慣れない中で騎士団の方々も、十二分に実力を発揮していましたな。」

 

 

「えぇ、ですがここからが本番です。我々はこのままロウリア王国陸軍を殲滅しましょう。」

 

 

「はい………ですが、やはり作戦通りとはいきませんでしたね。」

 

 

本来なら、砲兵大隊の攻撃が予定されていた。しかし、ロウリア軍の進撃速度が予想よりも早く遊撃部隊との会敵が早くなった。それ故に、本来なら部隊の半分、一万五千人を消滅させる想定は破綻していた。だが、それでも部隊の三分の一を消し飛ばした点は評価に値する。

 

 

「えぇ。ですが、偵察部隊から更なる援軍が来るとのことです。すでに、砲兵大隊も準備を完了しておりここから本格的な反撃と行きましょう。」

 

 

大内田はそう言って笑う。

ロドリゲスも思考を変え、次のチャンスを掴むべきと結論付けた。

 

 

 

 

 

 

数日後

ロウリア軍野営陣地

 

 

「たった一回の攻撃で約五千人が死亡、か。」

 

 

「だが、どうやったんだ?クワ・トイネは十分もしないうちに攻撃と退却をしてきたそうだぞ?」

 

 

「我が軍にもできないことを蛮族どもができると思うか?」

 

 

「だが———」

 

 

喧喧諤諤。その言葉が合うほどにロウリア軍参謀達は紛糾していた。そもそも、彼らの常識からして僅か十分足らずで十分な攻撃と退却をこなす事は不可能とわかっていた。

どこかで必ず綻びが生じるはず、参謀達はそう判断した。しかし、現実では格下と見ていたクワ・トイネが軍事的な優位を覆しかねない戦果を挙げている。こうなると、そもそもの今戦争の前提条件が崩れてしまう。

故に、彼らは焦る。敵の戦力の見直し、現在の優劣、各軍の連携の再確認等々………やるべきことが増えて一時攻勢の中断も話に上がるほどの衝撃を突きつけた。

だが、どんな時代、国どんなところでも現実を見ない愚か者とはいるものである。

 

 

「お言葉ですが、相手は獣人どもの集まり。ただの蛮族が群れをなしているだけです。おそらく、そんなもの奴らのまぐれでしょう。そもそも、そんなことが可能ならあの時点で先遣隊は文字通りの全滅をしていたのでは?」

 

 

血気盛んな若手とは、往々にして経験と理性的な判断力に欠ける。それが全て悪いとは言わないが、時には大きな弱点を晒すことになるのを忘れてはならない。

 

 

「確かにそうだな。だったらこのまま進撃しても良いのではないか?」

 

 

「うむ、彼の言うとおりだ。どうも、蛮族相手に臆病になりすぎなのでは?」

 

 

現に、慎重派であっても根底にある差別意識を刺激され正しい判断を鈍らせる。尤も、何もわからない状況で正しい判断をせよと言われてできる人間なんて早々いないが。

 

 

「………だが、やはりおかしい。ここは一旦、日を置いて攻撃を———」

 

 

 

 

ドガァァァァァアァァァアァァンッ!!!!!

 

 

 

 

それは、一瞬だった。最初の一発、それが聞こえた頃には兵の耳を劈き、兵の体を切り刻み、残った者達に恐怖と困惑を叩き付けた。

なんとか生き延びたことができても四肢が欠けていたり、状況の理解をできずにただただその場に立ち尽くすことしかできない。

 

 

「なっ、なな、何が起こった———!?」

 

 

生き残った一兵卒………否、"現"大将軍は漏らす。辺りを見渡せば、"人だったモノ"で散らかっている。

天幕があったところを見れば、肉の一欠片すら残らないほどズタズタになっている。言わずともわかってしまう。自分たちは終わり、と。

結局、集められたら大軍は盗賊上がりや忠誠の薄い者も混じっている。それらの士気を高めるために略奪等を容認していた。

 

だが、それすらできないとなればあとは簡単だ。

 

ある者は身を引き摺り、ある者は腰が抜けながらも恐怖に歪んだ顔で逃げ延び、ある者はそんな兵達に刃を向ける。

最初の頃のプライドも威光もかなぐり捨ててでも生き延びる…………無様なモノ達の妥当な末路だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちら、鳳。お客は帰宅した模様。また、"酒"を飲み過ぎて倒れている客多数。まだ酔いきれていない客もいる。処理を頼む。どうぞ。」

 

 

「こちら楽屋。了解した。"星"及び"種籾"が台本を寄越せと申している。鳳は交代までそのまま舞を続けてくれ。」

 

 

「こちら、鳳。了解。」

 

 

天を舞し演者達………機動第五師団偵察ヘリコプター旅団所属のヘリ数機は地上を見据える。

帝国陸軍は、米海兵隊の砲兵部隊と共同でロウリア軍陣地を文字通り消滅させた。

元々平野に近しいところだったが、今や一つの穴が空いている。

生き残りは数えるほどしかおらず、ロウリアの出鼻は完全に砕かれた。

 

 

「しっかし、ほんとに中世以前の軍勢だな。数だけは一丁前だがそれすらも意味がない。」

 

 

「あぁ。まぁ、でもくだらない思想を振り翳す悪魔だ。やるなら徹底的にやってやろう。」

 

 

「だな。帝国を敵に回したこと、あの世で後悔してろ。」

 

 

搭乗員達の言う通り、日本とアメリカという大国の存在をロウリアが知ったのはもはや手遅れになるその時のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

クワ・トイネ公国 マイハーク港

 

 

目の前にはクワ・トイネが誇る海上の最大戦力約50隻が揃っていた。

だが、この軍勢の長たるパンカーレは不安に駆られる。敵はこの軍勢の80倍………逆立ちしたところで到底敵う相手ではなかった。

故に、自国の最高戦力であっても何人生き残れるか、と悲壮感漂う思考に陥る。

 

 

「………彼らを死地に送り込むことしかできないとはな。提督の名が廃れたものよ。」

 

 

「………ですが、我々は最善を尽くさなければなりません。」

 

 

側近もまた、この状況を憂慮しパンカーレ同様どうしようもない気持ちに呑まれていた。

 

そこへ、一人の伝令が駆け付ける。

 

 

「て、提督!先程、海軍本部から魔伝届きました!」

 

 

「読め。なんと返事が?」

 

 

「はっ、では………"本日の夕刻、大日本帝国並びにアメリカ合衆国の"キドウブタイ"計68隻が共同でロウリア海軍に攻撃を加える。貴艦隊の武官を1人大日本帝国海軍の軍船に搭乗させよ"とのことです。」

 

 

「何……?たったの68隻だと?数字の間違いはないのか?」

 

 

パンカーレは困惑する。伝令の言う日本とアメリカはやる気がないのか、と。

しかし、命令とは言え部下を死地に送り込んでしまうのはやはり良心が痛む。

重苦しい沈黙の中、"私がいければどれほど良いのか"そう思わずにはいられなかった。

 

 

「………提督。私が行きます。」

 

 

「しっ、しかし———!」

 

 

「問題ありません。最悪、泳いででも戻ってきます。」

 

 

沈黙を破った男…………ブルーアイは海軍一の剣術家だった。確かに彼ならば生き残れるだろう。だが、それでも自身の可愛い部下の1人を失うことは怖いモノだった。

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんなんだこの船は———!?」

 

 

パンカーレ以下、軍港にいたほとんどの兵は目の前の船……否、"艦"に圧倒される。

確かに日本とアメリカ絶大な技術力を保持している、と耳にした。最初は疑っていた。どうせ、列強には敵わないと。

しかし、今やその考えを改めざるを得ないほど目の前の艦は存在を示している。

 

目測では測りきれないほどの巨大な砲、山おも越えようとする巨体………それは聳え立つ城。海の王者、主役、海神の名を意のままにしたとある武勲艦だ。

今でこそ、主役の座を降りたがそれでも圧倒的な強さは変わらない。

 

すると、1人の士官が駆け寄ってくる。

 

 

「………失礼。貴殿が此度の観戦武官でしょうか?」

 

 

「……はっ!?は、はい!クワ・トイネ公国海軍第二艦隊所属、ブルーアイと申します………」

 

 

「わかりました。では、どうぞこちらへ。」

 

 

見惚れてしまうほど美しい船体を眺めていると、声をかけられた。どうやら彼が案内役、そう気付いた時にはすぐに自己紹介を済ませ足早にこの艦に乗り込んだ。

 

 

「あ、あの、不躾ながらこの船は一体………?」

 

 

「この船……あぁ、"大和"のことですね。昔の我が海軍が作り上げた超大型戦艦です。就役からすでに半世紀以上は経っている長寿艦でもありますよ。」

 

 

朗らかに笑う日本軍士官とは反対に、ブルーアイは背筋を伝う汗を感じた。

彼らはこんな船を数十年も前に作っていた?ミリシアルですらこんな船を作れるかわからないのに彼らは平然と言ってのけた。それがまた恐ろしく、ただひたすらに敵に回すべきではないと直感でわかってしまう。

 

 

 

 

 

 

翌日

ロデニウス大陸沖

ロウリア王国東方征伐海軍 旗艦 "ロウリア"

 

 

「ふっはっはっはっ!!実に壮観だ。美しいな、我が艦隊は………!!」

 

 

大洋を数多の帆船が進む。この日をどれほど夢に見たことかもはやわからない。

だが、今の景色は間違いなく現実だ。

この艦隊の司令官たる"シャークン"はそう思った。

この艦隊ならばクワ・トイネなぞ取るに足らないとしか言いようがない。ロウリアはこの艦隊を揃えるため、国力を注ぎ込んで来た。その結果が4400隻にも及ぶ大艦隊だ。

 

 

「これならばパーパルディアも……いや、まだ時期尚早だ。ここは袖を今一度閉めなくてはな。」

 

 

「えぇ、そうですね。海将殿。」

 

 

信頼のおける副官も、この場にいる他の船員たちもロウリアの勝利を信じてる疑わない。

 

 

 

だが、理想と現実は時として残酷なまでに乖離するモノ。彼らはそれを忘れていたのだ。

 

 

 

 

 

「………?はっ!?なんだあれは………!!」

 

 

大国から入手した"ソウガンキョウ"なるものを携えた見張り員が叫んだ。

釣られてシャークンも見張り員が見ていた東の方角に目を向ける。何やら飛んでくる物体がある………確かになんだと言いたくなるような出来事だ。

 

兎にも角にも、あれは飛竜か?いやいや、それとも別の存在か?

良いしれぬ恐怖を噛み締めながらその物体は喋り出す。

 

 

『我らは大日本帝国海軍である。すでに、貴艦隊は同盟国のクワ・トイネ公国の了解を侵犯している。直ちに、領海の外へ撤退せよ。』

 

 

 

 

「な、なんなんだ………?」

 

 

「わ、わかりません。ですがコケ脅しでしょうか?」

 

 

「う、うぅむ。わからん………兎も角、迎撃しろ。どこの国かは知らないが、クワ・トイネの味方は我らの敵だ。」

 

 

「は、はっ!」

 

 

シャークンの命令から程なくして帆船の乗組員達は弓で攻撃をした。すると、謎の飛行物体は高度をさらに上げ幾ばくかの旋回の後、東の方向へ戻っていった。

 

 

 

 

 

 

「奴さん、撤退しそうにないですね。」

 

 

「あぁ。だが、そのための日米合同艦隊だ。引いてもらっては演習にすらならん。」

 

 

「Admiral ヤマモトの言う通りだ。こんなことで引かれてしまっては興が覚めてしまう。」

 

 

「「「「「はっはっはっはっはっ!!!!」」」」」

 

 

すると、皆一様に笑う。言うまでもなく、彼らこそが今回の日米合同艦隊の幕僚陣だ。

そして、今現在は報告を受けて対応策を始動させる真っ最中のこと。

艦隊司令部は特に驚きもなく、冗談混じりの談笑会にも見える。

 

 

「はっはっはっ………では、どうやって敵を仕留めましょうか?」

 

 

「そのことについてだが、我が軍の倉庫に眠っていた骨董品類の処理をしてもよろしいか?」

 

 

「アメリカ軍の?すでに、ほとんど処理をしていたと聞いたのですが………」

 

 

「いや。あまりにも使い勝手が悪いのと処理方法が面倒くさくて放置されているのがあったんだ。」

 

 

「あぁ。そのことなら既に上から話を通されていますよ。尤も、うちの陸軍と海軍も嬉々として在庫処理セールと銘打って所謂"ブロックバスター"の処理に出ています。」

 

 

「まぁ、こちらも同じようにブロックバスターのような物だ。」

 

 

なるほど、確かにちょうど良い時だなと場違いながらも士官達は思った。"そろそろ対応年数の限界が近い弾薬類をこの際だから全て処理してしまおう!"と日米両軍は判断し、政府の承認を経てブロックバスター………文字通り街の一区画を消滅させる爆弾類、焼夷弾、榴弾の廃棄に乗り出した。

 

 

「まぁ、こんな大量の不良在庫を押し付けられるロウリアはたまった物ではないでしょう。」

 

 

「いやいや、弾け飛ぶほど喜んでくれるさ。」

 

 

その時に生きているかは加味しないものとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの羽虫………もしや生物ではないのか?」

 

 

頭をよぎるのは先ほどの飛行物体のことばかり。

少なくともシャークン含め、あんな生物なんて見たことがない。となれば、結論は一つ。あれは造られたものということだ。だがどうやって?大国と呼ばれるミリシアルやパーパルディアはあのような飛行物体を造って売買しているなど聞いたことはない。ムーは不明だが、同じように造っていないだろう。

 

 

「全く何もわからんな。」

 

 

「はい。ですが、これ以上は考えても仕方がないかと。今は、目の前の敵に集中しましょう。」

 

 

「だn———」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぷっはぁっ!!!!………はぁ、はぁ、はぁ……………ぇ?」

 

 

海水が体に入り込む。高波にやられただろうバカな俺は、大急ぎで海面から顔を出す。

しかし、あたりを見ても先ほどまでいた壮大な艦隊の姿はどこにもない。

 

だが、水が入り込んだ鼻に微かな血の香りと焼ける匂いが入り込む。

 

 

「な、なんだよ、これ………!!なんで、俺たちの艦隊が………!!」

 

 

たった数度の攻撃で全て艦船が沈む?

明らかに非現実的だ!

これは夢か?そうだ、夢なんだ!夢ならば覚めなくてはいけない。そしたら仲間がいつものように暖かく出迎えてk———

 

 

「ロウリア艦隊の生き残りに告ぐ。我が艦隊が貴殿らの救出をする。それまでは近くの板を掴み溺れないようにしておくことを要請する。」

 

 

………あぁ。これは夢なんかじゃなかった。俺達は負けたんだ。訳もわからない軍隊の靴底にされただけだった。

 

 

水兵達は、ようやく現実を見ることができた………負けた、簡単で屈辱的な現実を。

その時の彼らは抜け落ちたほど表情が変わらなかったそうな…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「———はい、はい。わかりました。では、そのように。」

 

 

一方その頃、地上の日米桑軍の総司令部は一つの連絡を受け取った。電話を取っていた大内田も、そのことを知る。

 

 

「どうやら海軍の連中はうまくやってくれたようですな。」

 

 

「えぇ。これで我々も気兼ねなく戦えそうですね。」

 

 

同じようにロドリゲス司令官もペンタゴンからロウリア艦隊の消滅の報を受けた。

ともあれ、これにてロウリア王国海軍は事実上の消滅。海軍機能は崩壊したと言って差し支えない。

 

そして、遂に舞台は揃った。

 

陸軍本部からもとある作戦のため陽動兼本命の攻勢計画を実行せよ、とのお達しも来ている。

ロドリゲス達米海兵隊と陸軍の師団、航空戦力も整った。

クワ・トイネ公国西方騎士団も戦意充分でいつでも逆侵攻は可能としている。

 

 

「まずは相手方の40万、これを消滅させましょう。」

 

 

「これが直轄軍なのか、それともかき集めた諸侯軍なのかはわからない。だが、これらを殲滅したところで諸侯との関係どうこうは考えなくて良い………そう言う認識でよろしいか?」

 

 

「はい。一旦これらの戦力を殲滅し諸侯の抵抗力を削ります。また、これらの諸侯の再編が確定したと政府から連絡がありました。すぐにアメリカ政府にも情報が伝達されるでしょう。」

 

 

「しかし、そこは我々の領域じゃないからな。結局のところ、我々は戦争屋だ。政治屋なんかではない。軍政を敷け、と言われたらやるしかないがかなり億劫ではある………」

 

 

苦虫を噛み潰した顔をしながら、ロドリゲスは漏らした。これは、旧世界でアフリカ統治の大失態を犯した経験からだったが……今は置いておこう。

 

 

「……えぇ。では、作戦会議にいきましょう。」

 

 

「わかった。しかし、この程度の作戦一週間で終わってしまうのではないか?いや、寧ろ一日二日で終わるかもしれないな。」

 

 

「はははっ……では、賭けてみますか?アメリカ軍と帝国陸軍、先にどちらの旗がハーク城に翻るのかを………」

 

 

「乗った。100ドル賭けよう。」

 

 

「では、私も同じように。」

 

 

慢心はいけないが軽口を叩けるほどロウリア軍は矮小な存在だ。いや、確かに文明圏外の国家からすれば絶大な脅威だが………中世如きの軍に遅れをとるほど帝国も合衆国もバカではなかった。

 

 

 

 

「………では、作戦を説明しよう。」

 

 

「まず、前提条件として相手方は陸海空合わせて60万人ほどの兵力を持っている。しかし、此度の海戦………ロデニウス沖海戦に置いて敵海軍の戦力を消滅させた。これにより、敵方は海からの攻略を完全にシャットアウトされた。」

 

 

「次いで、陸軍も最初の攻撃を見事に防いでいる。だが、敵は約40万人の控えさせまだまだ予断を許さない状況だ。」

 

 

「そして、我々は陸空の連携でこの40万人を地獄へ送る。全員に無償配布のチケットを配ってやれ!」

 

 

「「「「「はっ!!!!」」」」」

 

 

「よしっ、良い返事だ!………まず、旧国境付近に駐留する総軍を叩く!明朝と共に"特別"な飯をご馳走してやるぞ!」

 

 

「次に、敵本陣を破壊し一日で工業都市ビーズルを攻略する!本日2100までに全員準備させろ!!」

 

 

「最後に!明日の0800に敵首都を攻略する!また、今回の作戦に限り一部兵器の無制限使用が許可された!では全員、準備にかかれっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

同日

ロウリア王国

王都ジン・ハーク ジン・ハーク城内部

 

 

「………はぁ?パンドール含めた先遣隊が全滅?」

 

 

それは、あまりに非現実的なものだった。僅か数日で責任者を含めた先遣隊が全滅するなど前代未聞だ。

そんな報告を受けたハーク・ロウリア34世は臣下が狂ったのかと疑う。しかし、目の前の部下は体に包帯や添木を所々に着けている。その姿は医学を志さなかった自分でさえも痛々しい姿を見せている。

 

 

「………それで、もう一度説明してくれ。頭の整理がつかん。」

 

 

「……ゴホッ、ごほっ……も、もうし、わけございま、ぜん。なにぶ、ん、体は……」

 

 

「………陛下、彼の者は充分に働いております。ここは、今一度休息を取らせるべきではないでしょうか?私どもも彼から報告は受けておりますので彼が無理にやる必要はないかと。」

 

 

見かねた宰相のマオスが進言する。おそらく、今目の前にいる男は休息を取らなければ危ない。そう考えると、やはりマオスの言うことは正しい。

 

 

「わかった。貴殿は今一度充分な休養を取り次の戦に備えよ。」

 

 

「ゴフォッ!!ゴフォッ!!……ば、ぃ、ありがた、き幸、せ………」

 

 

足を引き摺りながら報告に来ていた東方征伐軍臨時大将軍は退出する。

服の一部に血が滲み、適切な手当てをしていなかったためか疫病にも罹っている疑いもあったが仕事をやりきりすぐさま病棟にぶち込まれた。

 

 

「……先ほどの臨時大将軍の言い分では、謎の攻撃により部隊の幕僚は即死。また、ほぼ全ての兵は死亡し残った兵も武器を捨て散り散りになりながら撤退したそうです。」

 

 

「パンドール達が死んだことでその時階級が一番高かった彼が就任した、と。」

 

 

「はい。あくまで臨時、と言う但し書きが付いてしまいますが。」

 

 

だが、これだけ聞いても現場で何があったのか分かりかねる。まずまずクワ・トイネはこのような攻撃をできるのか?

文明圏外とは言え纏まった数の部隊を数回の攻撃で壊滅させるにしてもやはり大国の力が必要だ。

ともすれば———

 

 

「………まさか、パーパルディアがクワ・トイネにも支援をしてるのか?」

 

 

「………へ、陛下!流石にそれは不味いですぞ!!あの使者に聞かれたらなんと言われるものか…………」

 

 

「いや、このようなことができるのは大国だけであろう。であれば、自然と我々のことを支援するパーパルディアにも疑いの目は行く筈だ。」

 

 

ハーク・ロウリアの言い分は理に適っている。

対立する二カ国を両方支援し、最終的に莫大な富を得るのは何も不思議なことではない。

どちらが勝っても武器や戦費の徴収をすればいいだけの話だ。

 

 

「だが、これに関してはよくわからない。一先ずは内務卿達を招集し御前会議を開かなくてはならん。」

 

 

「……はっ、すぐにでも召集いたします。」

 

 

「うむ………あとは海軍の攻勢次第だ。もしかすると地上での苦戦は必至かもしれん。パタジンとヤミレイを御前会議前に集めてくれ。」 

 

 

「そちらに関しても了解しました。」

 

 

そう言って、マオスもまた退出する。

兎にも角にも、状況を整理して新たな戦略を考えなくてはな、と考えた。

ふと、窓の外に見える空を見上げるとこの国の行く末を知っているかのように空は笑っていた。

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