1年A組 ボーボボ先生   作:笛吹酒

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職場体験!明かされるボーボボの過去…!?

 

 

 

「コスチューム持ったな 落とすなよ」

「「「はい!」」」

 

 

職場体験当日、駅での諸注意を終え生徒達はそれぞれの職場に向かった

 

 

 

 

 

 

電車の中、飯田が思いつめたような表情をしている

 

「ヒーロー殺し……お前は…」

 

「やはり保須を選んだのはそれが目的か」

 

「!!…ボーボボ先生、いつの間に」

「ヒーロー殺しを捕まえたいのだろうが、今のお前に奴と戦うのは無理だ」

「そんなつもりはありません……そんなつもりは」

「…復讐か?」

「…………」

「復讐なんて…虚しいだけだぞ」

「……!もしかしてボーボボ先生…」

「……昔、俺にはパートナーがいたんだ」

 

 

 

〜10年前〜

 

 

俺は、二宮金次郎像が背負う薪の1本だった

 

「は〜あ、来る日も来る日も、沢山ある薪の1本として生きていく……こんなんで良いのかなぁ?俺」

「ふふっ、随分大きな独り言ね」

「!誰だ?」

 

俺に話しかけてきたのは、同じように背負われていた薪の1本、牧子だった

同じ境遇の彼女と、打ち解けるのに時間はかからなかった

 

来る日も来る日も語り合い、ある日牧子は言った

「あのね、私には夢があるの」

「夢ぇ?」

「そう、…自由の女神ってあるでしょ?」

「自由の女神って言うと……ケニアの」

「うんアメリカの それの持つ松明になりたいの」

「なれるのか?そんなの」

「ふふ だから夢だって言ったじゃない …それでも私は信じてるわ いつか海を越えて……広い世界に旅立てるって」

「世界……か」

「もちろん、その時はあなたも一緒よ?」

「俺もか?」

「当たり前よ、そうじゃなきゃつまらないもの」

「ははは…そりゃそうだな そうなったら、俺も着いて行ってやるよ」

「ええ…約束よ」

「ああ…約束だ」

 

 

しかし、幸せは長く続かなかった

金次郎像は取り壊され、俺と牧「あっ…あの!!」

 

 

……………

 

「なんだ飯田?」

「いえ、その…話が見えないんですが…」

「まだ途中だぞ」

「す、すみません!」

 

……………

 

しかし、幸せは長く続かなかった

予選をあっさりと勝ち上がった俺だったが、決勝で牧子に手も足も出なかった

「あれ!?え?」

「くそっ…なぜ勝てない…!すべてはお前に勝つためだったというのに…!」

「そう…あなたは全てを捨てて来たのね…」

「ボーボボ先生!話変わってませんか?」

「そうだ…4年前お前に負けてから…!それだけを考えて…!」

「あなたが勝てないのはそれが理由よ」

「ぐっ……!」

 

木彫りの熊を片付けた牧子は、平均台から降りた

 

「じゃあねボーボボ もう会うことはないでしょうけど」

「くっ…待て!」

ボーボボは咄嗟に牧子を追おうとしたが、水を吸ったセーラー服では思うように身体を動かせず、小さくなる背中を見送ることしか出来なかった…

 

……………

 

「…という訳だ」

「どういう訳ですか…?」

「なんだ、聞いてなかったのか?」

「いえ…!その、聞いてはいた…はずなのですが…っ!」

「まったく…お前はどう思う?」

「ハァ…論外だ 復讐などという己の感情で力を振るうなど…英雄の対極に位置する」

「手厳しい意見だ だがそういう事だぞ飯田」

「…分かっています 分かってはいるのですが…!」

「………」「………」「………」

「っヒーロー殺し!?」

「「なんだと!?」」

 

対面に座るボーボボとステインが同時に立ち上がる

 

「………ああ俺か」

 

「ヒーロー殺しッ…!なぜここに…!」

「東北限定コラボマイト人形を買いに行っていただけだ ここで戦う気はない」

「お前がそうだったとしても…!」

「落ち着け飯田、お前の職場体験は向こう(保須)に着いてからだ 今のお前はまだ無免許の学生だ」

「しかし先生!」

「ハァ…順法精神も無いヒーロー志望か…失望させてくれるな」

「ぐっ…!」

 

3人は再び座りなおし、静寂が訪れる

 

「………」「………」「………」

 

 

 

「ってボーボボ先生は戦えるじゃないですか!!!」

「確かに!!」

「チッ!」

 

電車の窓を開け、外に身を乗り出すステイン

 

「まっ…待て!」

「…一つ聞いておく ボーボボ」

「なんだ?」

「俺はお前を計り兼ねている 本物なのか偽物なのか」

「………」

「お前にとって…ヒーローとはなんだ?何をもって、お前はヒーローを名乗っている?」

「………」

 

ボーボボは何も言わず、駅弁に入っていたおにぎりをステインに投げ渡す

 

ステインがそれを片手で受け止め、中身を開く

 

「ム、何奴」

 

中にいた武士を見たステインはフッと軽く微笑み、おにぎりを懐にしまう

 

「ハァ…それがお前の答えか いいだろう」

 

それだけ言うと、窓から飛び降りた

 

「…仕方ないか 今この場で戦うと乗客を巻き込みかねん」

「ボーボボ先生…今のやりとりは…?」

「知らん だが今ので分かっただろう 復讐は何も生まないと」

「今のどれでですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光の届かぬ裏路地、ヒーロー殺しと…その凶刃に晒されたヒーローがいた

 

「ハァ…お前は粛清対象だ…!……む?」

 

その路地に、白いコスチュームに身を包んだ男──飯田が足を踏み入れる

「見つけたぞ…ヒーロー殺し!」

「…あの時のガキか それで?お前は如何なる理由で俺の前に立つ」

 

答えによっては…子供であっても容赦はしない

そんな一触即発の空気の中、飯田は大きく息を吐き出す

 

「挫かれた兄のため!俺のため!(かたき)討ちをさせてもらう!!」

「…論外」

 

弾かれたように飯田が走り出し、迎撃せんとステインも飛ぶ

 

 

そして、二人がぶつかる──

──瞬間、飯田の身体が大きく沈み、ステインの横を走り抜ける

 

「!?」

 

ステインが振り向いた時、飯田はその背に負傷したプロヒーローを背負っていた

(ヴィラン)相手とは言え…嘘をついた!(かたき)討ちの意思はない」

「…ブラフか 悪くない、お前は価値がある …だが背中のは駄目だ 置いていけ」

「そう言われて置いていく訳がないだろ」

「当然だ そうしたら2人とも斬り捨てていた だが…余計な荷物を背負った状態のお前が、この俺に対して意思を押し通す力があるというのか?」

めらりとステインから殺気が溢れる

 

「いや…俺一人では無理だ だから応援を呼ん

ガシャアアアン!!

 

ボーボボが落ちてきた!

 

「先生ーーーっ!?」

 

「飯田君!間に合った!!」

「悪ぃ先生、足場間に合わなかった」

「緑谷君!轟君!」

 

「ハァ…次から次へと…!」

 

 

「よし!お前たち!合体するぞ!!」

「「「はい(ああ)!!」」」

「!?」

 

ボーボボから鼻毛が勢いよく伸び、ステインはそれを跳び上がって回避する

鼻毛はそのまま緑谷と轟、飯田を掴み、鼻毛と氷が4人の身体を覆っていく

 

 

鼻毛真拳超奥義『五身合体 ゲナハルドン!』

 

 

現れたのは、全長4mを超す巨大な戦士

機動力に長けた飯田と緑谷がそれぞれ右足と左足に

氷による拘束力の高い轟は右手に、集客力のある両国国技館を左手に

胴体にはボーボボが組み込まれ、その頭部には酢味噌が添えられている

 

「…これが…鼻毛真拳…!」

『いくぞヒーロー殺し!』

 

右手から氷が、左手からテニスボールが乱射される

「くっ…相撲は関係ないのか!」

氷とぶつかり合い複雑な軌道を描くボールを、壁を駆け上がり躱すステイン

『逃がさん!』

右足から排気を吹き出しながら勢いよく回し蹴りを繰り出す

「だが…大振りだ!!」

氷で覆われた右足にナイフを突き立て、それを支点に胴体へと飛ぶ

「もらったッ!!」

 

「射出!」

 

胴体から勢いよく飛び出したボーボボのアフロに絡め捕られるステイン

「ぐっ…離れろ貴様…!」

「今だやれーーーーっ!!」

『アラスカ…スマァァッシュ!!』

雷のようなオーラを纏った氷の蹴りがステインを捉え、意識を刈り取った

 

 

 

 

「飯田君!…よかった、無事だったか」

「マニュアルさん!」

「ボーボボさん、職場体験中なのに任せちゃってすみません こっちの被害は0です」

「お前目玉焼きに何かける?」「にぼし」

「そうか、向こうも片付いたか」

「ええ、エンデヴァーがあっという間に」

 

その時──

 

「…さねば  …れかが…血に…染ま…ねば…!」

 

隠し持っていた武器によって、ステインを縛っていた縄がはらりと落ちる

その眼光が、憎悪が、殺意が、その場にいたヒーロー達の足を縛る

 

「ヒーローを…取り戻さねば…!」

 

隣で、ボーボボがスマホを触っている

「くそ…X(エックス)じゃ分からん…取り戻さねば…!」

イー〇ンよ…!鳥に戻さねば…!

 

「来い!来てみろ…偽物共!!」

 

「来るな!来るな…偽物(インプレゾンビ)共!」

 

「俺を殺していいの「俺に返信(リプ)していいのは相互フォロワーだけだ!!」

 

「さっきからなんなんだ貴様は!!」

 

鼻毛真拳奥義『だからmixiはじめました!!』

 

「古ぐわぁあああああ!!」

 

 

「牧子……仇は取ったぞ……!」

 

 

「牧子…って誰だろう」

「ボーボボ先生のパートナーだった人だ…多分」

「知ってるのか飯田」

「ああ…前に話を聞いたんだ」

「どういう人?」

「確か…元々は二宮金次郎像の薪だったけど自由の女神像の松明になるのが夢で、取り壊しによってボーボボ先生と離れ離れになったけど決勝戦でボーボボ先生を倒したらしいんだ…」

「………」「………」

「悪ぃ飯田、分かんねえ」

「飯田くん、一応病院に行っておく?さっきの戦闘で頭ぶつけたとか」

「くっ………!!そうなるよな……!!」






風邪でダウンしておりました
なんかボーボボっぽくないな?と思ったらそれは全部風邪のせいです


次回はボーボボ要素薄めの番外編として、他生徒の職場体験を書く予定です 趣味です
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