1年A組 ボーボボ先生   作:笛吹酒

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始まった林間合宿!~宙を舞うバスとその行方~

 

 

 

「クリア自体は全員したんでしょ?じゃあ大丈夫だきっと!」

「いや~分かんねえぞ?雄英なら条件達成してても動き次第で容赦なく赤点にしてくるぜ」

「赤点は嫌だ赤点は嫌だ赤点は嫌だ……」

 

 

程なくして現れた相澤先生によって、期末試験の結果が告げられる

 

「さて、結論から言えば……赤点を取ったものはいない」

グリフィンドォォォォル!!!

「うるさいぞ峰田 お前たち皆、教師陣が想定していた以上の伸びを見せている」

 

普段辛口の相澤から飛び出した高評価に、生徒達は沸き立つ

 

「こうなれば…俺達もより厳しく理不尽な壁を用意しなければならんな くくく…教え甲斐のある生徒たちで嬉しい限りだよ」

(((これ以上…!?)))

悪い顔で笑う相澤を前に、生徒たちの歓声は消えた

 

 

 

 

「全員揃っているな」

「「「はい(はーい)!」」」

「伸ばすな芦戸 ボーボボ先生も返事しなくていいです じゃあバスに乗り込め」

 

 

 

A組が全員バスに乗り込むと、運転席に座っていた男がゆっくりと振り返った

「クックックッ…残念だがこのバスの行先は楽しい楽しい林間合宿なんかじゃねえ…」

 

男は、黒い目出し帽で顔を隠しており、残虐な笑みを浮かべている

 

「なっ…」

「誰だ!?」

「まさか(ヴィラン)!?」

雄英生徒20名!地獄へとご招待だぁ!!ギャハハハハ!!

バスは急加速し、強いGで生徒達は座席に押し付けられる

「くそっ…!」

「ぐぅ…マズイ!」

「クソ(ヴィラン)が…舐めてんじゃ…」

 

「待てお前ら」

「「「!?」」」

反撃に出ようとした生徒達は、座席に座ったままだった相澤の声に動きを止める

 

「この人は(ヴィラン)じゃない 雄英の専属運転手だ」

「「「嘘だろ!?」」」

「オレッチの名は黒幕(こくばく) 敵次郎(ヴぃらじろう)だ! よろしくなガキども」

「「「怪しすぎる!」」」

 

 

「とにかく…みんな無事か?さっきの衝撃で怪我した人はいないか?」

「おしり打ったぁ…」

「こっちは大丈夫だよ!」

「青山が頭打ちそうだったから咄嗟に俺が割り込んだ!」

「ナイスだ切島!!お前は大丈夫だったか?」

「おうよ!全身"硬化"で無傷だ!」

「」

「青山ぁーーーーッ!!」

「死んでる……」

 

 

 

しばらくバスに揺られていると、バスはゆっくりと停車して、相澤が降りた

「もう着いたんかな?」

「まだめっちゃ山中だぞ」

「トイレ……」

 

「先ほどオレッチは言ったな 『地獄へとご招待』だと」

「運転手さん?」

 

再びバスが動き出したかと思うと……

 

──感じたのは体が浮かび上がるような感覚

 

「……麗日さん?」

「ううん、うちじゃない ていうかこれ…」

「「「落ちてるーーーっっっ!?」」」

 

ガシャァン!!!

 

崖下に勢いよく墜落したバス、奇跡的に(ギャグ補正で)大きな怪我のなかった生徒達がバスから這い出して来ると、残骸の上に立った黒幕(こくばく)が高らかに宣言する

 

「キャストは1年A組!迎え撃つはピクシーボブ操る土人形!タイムリミットは無し!天然の迷路(ラビリンス)を抜けて合宿場まで辿り着け!」

地獄の林間合宿はもう始まってる!超えて見せろ……プルスウルトラだ!

 

「…なんであの人が盛り上げてるんだ…?」

「というかこの滅茶苦茶な感じ…もしかして」

「いつの間にか姿見えなくなってたもんな…まさか」

「「「ボーボボ先生!!」」」

 

'黒幕'と呼ばれた男が目出し帽を掴み引っ張る

 

 

──茶髪で片目が隠れ、青いヘッドホンをした少年が現れた

 

 

──少年が自身の髪を掴み引っ張ると、そのマスクの下からボーボボが現れた

 

 

「よく見破ったなお前たち」

「「「今の誰ですか!?」」」

 

 

 

「さっき言った通りだ この崖と反対方向に、お前たちが泊まる施設がある 20人で協力して、この森を抜けてこい」

「ボーボボ先生はどうするんですか?」

「俺は土に還る」

ギュルルルルル……

ボーボボは、ドリルのように回転して土に潜っていった

 

「…………よし、行こうみんな!」

「緑谷もだいぶスルースキル付いたよね」

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

生徒達が宿に着いたのは、18時を過ぎた頃だった

「ぜぇ…ぜぇ…死ぬかと思った……」

「クソが…また割愛しやがった…!」

「何言ってんだ爆豪…?」

 

 

「想定より遅かったな… 何が……ピクシーボブ?なぜ目を逸らしてるんです?」

「いやー…珍しく生徒褒めてたからちょっと…出来心で難易度上げてみようって…」

「……」

「ちょっと強度上げた泥人形をね?その……虎が壊すの苦戦するくらいのをいくつか」

やりすぎです

 

からからと笑いながらピクシーボブが言う

「とにかく!今日のところは皆お風呂入ってご飯食べて寝る!本格的な訓練は明日から!相澤先生から徹底的にしごいていいって言われてるからね!」

 

 

 

 

 

男女の風呂場を分ける仕切りに手を置いた峰田は、達観したような表情をしている

「成程ね…そういう事だったんだ… 体育祭でおぞましいモン見せられてインポになりかけたのも……職場体験でコキ使われたのも……眼球に強酸コーティングのゴム弾ブチ込まれたのも……バスごと落とされた衝撃で決壊するハメになったのも……全てはこの壁の向こうに広がる桃源郷へと至るための試練だった……と、そういうワケなんスね」

「なんで失明してないんだアイツ?」

「先生が言うにはギャグ時空の賜物だって」

「峰田君!何をするつもりだやめたまえ!」

「やかましいンすよ……」

 

壁とは!超えるためにある!!Plus Ultra!!

もぎもぎを利用して高速で壁を登っていく峰田 その速度は飯田や緑谷の妨害も間に合わず……

「長かった冬の時代を超えて!眼前に広がるはオイラの桃源……」

 

 

木組みの部屋に、3人の漢が並んで座っていた

 

「……………………」

「……………………」

「…………フン、まだ温度が低いんじゃないか?」

「言ってくれるわ……ならばロウリュと行こうか」

「いいだろう……気の済むまでかけろ」

ゆっくりと立ち上がったエンデヴァーは、ボーボボのアフロへと水をかける

 

ジュウゥゥ………

 

勢いよく吹き出した水蒸気が3人を覆い、体感温度を上げる

「これくらいでなくてはな どうだ?炎熱耐性の無いお前たちでは耐えられまい」

「この程度、あの日の甲子園の死闘に比べればぬるま湯に過ぎん」

「ボーボボ、お前は華道部だったろう」

「ふふ…そうだったな虎マネージャー…」

「ふふふ……」

「む、なんだ貴様ら 同郷だったのか」

「「いや全然」」

「なんなのだ!!」

 

 

 

な、なにぃーーーーっ!?」ゴロゴロゴロ

転がり落ちた峰田は、絶叫しながら頭から落下した

「峰田君!?」

「い…今まで聞こえていた女子達の声は…?」

「峰田君大丈夫!?だいぶ強く頭打ってたけど!」

「お…オイラは女子風呂を覗いたと思ったら…オッサン共のサウナだった……」

「朦朧としてる…喋っちゃだめだ峰田君!」

「もっと恐ろしいものの…片鱗を……ガクッ」

「峰田君ーーーーーっ!!!」

 

「早く先生んとこ連れてった方がいいんじゃねえか」

「ナイスマジレスだ轟!緑谷はやく!」

「う…うん!!」

「空見てみろよ瀬呂 山の中だから星も月もはっきり見える」

「ほんとだ 合宿中にギリ満月見れそうだな」

わぁ綺麗…

「あの形スイートポテトに見えねえ?」

「腹減ってんのか?」

「甘いもの食いてえな…」

「お前らも少しは峰田を心配してやれよ!のんきか!」

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

林間合宿 二日目──

 

 

「さて、この合宿でお前たちにやってもらうのは個性伸ばしだ 個性も身体能力だからな、使えば使うほど強靭になっていく この合宿中、ゲロ吐くほどひたすら個性を使い続けてもらう そのための助っ人に…」

 

煌めく眼でロックオン!

猫の手手助けやってくる!

呼ばれてないのにやってくる!

どこからともなくやってくる……!

キュートにキャットにスティンガー!

「「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!!」」」

 

(((5人いるーーーっ!?)))

 

「……の皆さんだ」

(((スルーした!?)))

 

 

「あちきの個性、'サーチ'!この目で見た人の情……」

 

生徒達をゆっくりと見回していたラグドールの視線が、ボーボボで止まる

 

 

「????????¿¿¿??¿」

 

 

「ラグドール!どうしたの?背景が宇宙になってるわよ?」

「きゅう」

「ラグドール!?」

 

目を見開いて崩れ落ちるラグドール、慌てるワイプシ、目頭を押さえ天を仰ぐ相澤、光るボーボボ

 

「デクくん、ラグドールどうしたか分かる?あの人の個性関係?」

「えっと…ラグドールの個性は見た人の情報が分かるんだ 細かく色々…」

「「「ああ……」」」

「なんで納得してるのキティズ!?何があったか説明して!?」

 

 

 

 

 

「さあ昨日言ったね!世話を焼くのは今日までだって!」

「言ってたっけ?」

「言ってたの!描写外で!己の飯は己で作れ!ってことでカレー作りよ!」

 

個性を使い続けて全身ボロボロの生徒達を待ち受けていたのは、夕飯作りだった

 

ひぃひぃ言いながら作っていると、小さな子供が緑谷を睨んでいる

 

「マンダレイ、その子は?」

「ああそうね、昨日は遅かったから会わなかったわね 私の従弟の洸汰」

「そうなんですね!洸汰君、よろしグフゥ!?

「緑谷の緑谷がぁ!?」

「……ヒーローになりたいなんて連中と、つるむ気はねえよ」

「つるむ!?」

「ヒーローだって!おかしいやつしかいねえ…!」

「そ…そんなことは!」

「あのアフロの奴も!」

「そ……!」

 

 

 

(第一種目は!陶芸だ!)    (く…俺が草むしり検定を持っていれば…!)

   (緑谷!全身に力を籠めろ!そうすればチクワもチーターだ!)

         (サイコロを作ってこい 当然つぶあんでな)

  (鼻毛はいずれ世界を獲る)   (お前たち、ピーマンを見かけたら(ヴィラン)と思え)

      (アヒャヒャヒャヒャ!…なんだ、ふざけているのか?)

 

 

 

 

「そん…な、…ことは、ない…!…

「めちゃくちゃ詰まってんじゃねえよ!」

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

林間合宿3日目の夜、肝試し中にそれは起こった

 

 

 

 

 

「ピクシーボブ!!」

「飼い猫ちゃんは邪魔ね!」

 

布を巻かれた大きな棒状の物を持つ男

──その足元で、頭から血を流して倒れているピクシーボブ

 

「なんで…なんで(ヴィラン)がいるんだよ……!」

「皆!施設に戻って虎たちと合流!ここは私が食い止めます!」

 

 

 

 

 

 

 

「に…肉、断面見せ……てぇえ…!」

「ンだコイツ……!」

「B組にこんな奴いたか?」

てめえマジで最近とぼけすぎだぞ紅白頭!?

「悪い」

 

拘束具を纏い、異常なほど伸びた歯を地面に突き立てた男がいた

 

「こいつ一人じゃねえ…速攻でぶっ殺して合流すんぞ!」

「ああ」

「肉ゥゥゥゥゥ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

麗日と蛙吹の前に、四つ足の獣が立ちはだかる

 

「運が無かったな小娘ども……我こそは全ての動物の頂点に立つ帝王よ……無惨な屍になりたくなければ我のもとに平伏し…奴隷の身分で一生飼われる事を許そうぞ」

グルルル…と低い声をあげ、全身の毛を逆立てながらも堂々と胸を張るその姿は、全ての動物の頂点に立つと言うのもうなずける、カリスマに溢れた立ち振る舞いであった

 

その見た目は15cmほどのチワワであった

 

(かわいい)

「喋る犬…野良とは考えにくいわね」

「ちょ…ちょっと撫でていいかな」

「何!?王たる我を恐れぬか!?」

「危ないわお茶子ちゃん、動物に化ける個性の人間かもしれないわ」

こんなにつぶらなお目目をしているのに!?

「落ち着いて 関係ないわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ吸うな!ガスだ!」

「何何!?どうした物間!?」

「くっ…少し遅かったか…!まだ近くに八百万がいるはず…倒れた皆連れて合流するよ!」

「緊急事態ってこと…分かった、従うよ」

 

「…はぁ、思ってたより逃げられたっぽいな…めんどくさ…」

森林にピンクの煙が広がる その中心部で、ガスマスクを付けた男が独りごちた

「あっさり全滅されても興覚めだったけど…腐ってもエリートって?

 でもどうせ助からない …こういう時に学歴なんて何の役にも立たないんだよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

報酬(クッキー)分の働きは……しよう

紙袋を頭から被りパンツ一丁といった格好の男は、それに似合わない威圧感を放っている そのプレッシャーは、USJでの襲撃を経験した砂藤達でさえ冷や汗を流すほどだった

 

「……こいつ、強い…」

口田、個性で先生たちに連絡出来ねえか…?

だめ、動物たちが逃げてる それに…隙が無い!

 

別れは済んだか?ならば…絶望を始める

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハハハ!!いいなお前!ガキのくせに戦い方が分かってる!!」

「洸汰くん…僕の後ろに」

 

筋肉の鎧に身を包んだ男が、緑谷と洸汰を前に笑っていた

 

「いきなり砂で目潰ししてくる奴ぁいままで殺してきたヒーローにはいなかったよ!誘拐ミッションなんて退屈なモンかと思ってたがなかなか愉快じゃねえか!」

「…っ誘拐だって…!?」

「ああそうだ!一応聞いとかなきゃな…!ターゲットは、あー…誰だったか……」

「…………」

「……力づくで聞き出してみろや!」

「なんなんだコイツ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「谺。蝗槫粋菴捺姶螢ォ!!!」

「あの時の脳無…!いえ、少し違う…?」

「ヤオモモの強化繊維も私の酸も効かない!泡瀬の個性は意味ないしどーしよ!」

「ぐっ…急に刺された……確かに今の状況じゃ活かしづらい個性だけどさ……」

 

多腕の脳無が、様々な武器を振り回しながら追いかけてくる

こちらが攻撃しても武器が周囲に引っかかっても意にも介さず詰めてくる姿は、3人を焦らせる

 

 

 

 

 

 

 

 

「……流石プロヒーローだ…完全に不意を突いたはずなんだけどな……」

酷い火傷痕でツギハギの男が、イレイザーヘッドの捕縛布で捕らえられている

 

「無駄話はいい 目的と人数、配置を言え」

「っぐぁ!…ひでぇな、質問しながら折りやがった ……何焦ってんだぁ?」

「もう1本もいくか?さっさと吐け」

「……残念」ドロリ

「っ!?」

男の身体が、泥のように溶けた

「'個性'か…!?いや、炎との関連が無さすぎる……いったい何が」

イレイザー!

「っ…!ボーボボ、状況は?」

「林の中に、'火'と'ガス'のようなものが見えた 複数犯だ」

「チッ…厄介だな とりあえず生徒達の避難を最優先に……ん?」

イレイザーの言葉を手で遮り、ボーボボが言う

「イレイザーヘッド、'あれ'を使うぞ」

「……………………やむを得ないか」

イレイザーヘッドは、今学期一の苦い顔をした






整合性って言葉は苦手で書きたいとこだけ書くので、飛ばされたシーンがあったら「あ、だいたい原作通りだったんだな」って感じでお願いします
生徒側も(ヴィラン)側も人の増減がありますが、そのあたりが結果に反映されるとは限りません
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