1年A組 ボーボボ先生   作:笛吹酒

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牙をむく鼻毛真拳!そして…戦友との別れ!

「…………おや?」

 

 

ボーボボの顔を掴み、'AFO(オール・フォー・ワン)'を発動したAFOは、研究所のような場所にいた

壁には大量の薬品が並び、アフロの男らしき影が入った培養ケースがいくつも立ち並んでいる

その周辺に、白衣を着た男達が何人も集まり、資料を片手に議論していた

 

「あ、新人さんですね?こっちこっち、貴方にはこれを担当してもらいます」

両目にモノクルをかけた男が近づいてきて、AFOに紙の束を手渡した

「…………」ペラリ

 

『鼻毛真拳における食パンは何枚切りが最適か』

『鼻以外から出す鼻毛の強度と長さ』

『ギリシャ神話と鼻毛~第十一項~』

『鼻毛を理由に仕事をサボる100の方法』

『無機物との'聖鼻毛融合'の可能性』

 

「…………」

 

ふんっ!」ビリビリビリ

あーっ!!何をしているんですか貴方は!」

「茶番に付き合うつもりはない 君たちが彼の'個性'だと言うのなら……」

めらり、とAFOの全身から殺気が溢れる

全員殺せば事は済むかな?

「「「ヒィイイイイイ!!!」」」

「く、ここで暴れられたらオデ達の研究成果が壊されてしまうど!」

太った研究者の1人が壁のレバーを下ろすと、AFOの足元の床がパカッと開く

「何!?」

飛行系個性を発動する間もなく落下した先には…

 

居酒屋のような風景が広がっており、AFOはその椅子の一つに座っていた

「おう兄さん!もうちょっとで料理出来るから待っててな!」

「…茶番には付き合わないと言

へぃこちらお通しです!!

スパァン!!

顔面にところてんを叩きつけられるAFO

「…………」

'空気を押し出す'+'筋骨発条化'+'瞬発力×4'+'膂力増強×3'

「「「ぎゃああああああああ!!!!」」」

 

居酒屋は跡形もなく吹き飛ばされ、ドーナツを育てる牧場だけが残った

「大きく育てよお前達~立派なドーナツになれるようにな~」

柵の中で走り回る小ドーナツに、手足の生えたマグカップが餌の5円玉を撒いている

「沢山食えよ~お前………いや、待てお前!!」

豹変したマグカップは、餌に群がる小ドーナツの中で少し角ばった形のドーナツを掴み取る

「ドーナツかと思ったら…お前…ッ!バウムクーヘンじゃねえか!!

 紛れ込んでんじゃねーーーーっ!!!」バキィ

「ぐはあ!!」

「…………」

'火炎×2'+'乾燥'+'燃焼促進'

広大な牧場は、瞬く間に炎に包まれた

「あ゙ぁぁぁぁぁ俺の牧場がぁあああああ!!!」

 

牧場を燃やし尽くした炎が収まると、クマが授業を受けている教室になっていた

 

AFOは、100年余りの人生の中でも、最も長く大きな溜息をついた

「こんなものを延々と見せ続ける気か?もういい、もう沢山だ」

 

どろり…と空間が歪み、鋭い爪を持つ赤黒い肌の腕がいくつも生えてくる

 

「君を殺すための個性を考えた 'ボケ殺し'が僕に適合出来れば話は簡単だったんだけど…」

 

'操毛'+'悪魔の手'+'引力'+'脱毛'+'遠隔操作'+'酸'

 

「君の出鱈目に対応するために文字通り()()を増やして…毛への有効打になる個性を合わせた」

 

'手'が振るわれる度に空間が壊れ、新たに白い空間が現れる

 

「その効果は体感してるだろう?君の流派に準えるなら……'毛狩り真拳'とでも言おうか」

 

そして、景色が完全に塗り替わった

 

 

見渡す限り白い空間が広がり、その真ん中にちゃぶ台が一つ

そこで、細長い紫色の物体に手足を顔を付けたような、奇怪な生物が食事をしていた

そして、その顔には見慣れたサングラスがかけられていた

「なるほど…君が'鼻毛真拳'の本体というわけか」

AFOが近づくと、その物体はゆっくりと立ち上がり振り向いた

KING鼻毛だ あいつから個性を奪いたければ……その力を証明してみろ」

「……」「……」

ビリビリと、二人の放つ威圧感がぶつかりあう

「…こちらから行くぞ!うおおおペナント真拳奥義!!」

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

KING鼻毛を瞬殺したAFOは現実世界へと戻ってくる

掌を何度か開き、幾度となく体感した()()()()()感覚がしたことを確認する

「フフ…ハハハハハ!!ついに手に入れた!不可能を可能にする力!!」

手を離したことで足元に倒れ伏すボーボボを蹴飛ばしながら、飛び掛かってくるオールマイトの方を向く

AFOーーー!!

随分と遅かったなぁオールマイト!!衰えたじゃないか!!

オールマイトに向けられたAFOの腕が大きく膨れ上がり、個性を発動させる

 

'空気を押し出す'+'筋骨発条化'+'春の思い出'+'瞬発力'+'イースト菌'

 

「ぐぉぉぉおお………お?」

ほのかにパンの匂いが香る暖かな突風が、オールマイトに襲い掛かった

「…………んん?」

思わず自分の掌を見るAFO その隙を見逃すオールマイトではない

「どうやら不発のようだな!こんどはこっちから行くぞ!」

「……まあいい、'衝撃反転'+'衝撃吸収×2'+'浮いてる敵にめっぽう強い'+'甲羅'+……」

「TEXAS……!」

 

「'ぬのハンカチ'!!」「SMASH!!!

 

「ぐはあああああ!?」

頑丈そうな甲羅が頼りない布に変わり、まともに攻撃を受けるAFO

「くそ…'個性'がうまく動かない……!何故だ!」

「お前は…'鼻毛真拳'に振り回されているんだ…!」

「何!?」

吹き飛ばされたAFOの近くに、ボーボボが立っている

大きなダメージを受けてふらついているが、その闘気は落ちていない

「お前の中で鼻毛真拳が暴れているのが分かる…!個性が上手く動かないのも、お前が鼻毛真拳を制御できていない証拠だ!」

「なるほど、そういうことだったのか」

いつの間にか、オールマイトも近くに来ていた

「正直貴様がボーボボと同じことを出来るようになったかと思いヒヤヒヤしていたが…精神的にも見たくなかったし形勢は逆転したみたいだな、AFO!」

「さあ、観念しろ!お前もここまでだ!」

「……黙って聞いていれば…僕が()()()()()()()()()…だと?舐めるな!」

 

全因解放

 

「っぐぅうう!?」「ぎゃあああ!!」

AFOの全身から放たれた衝撃波で、吹き飛ばされる二人

「ハァ…ハァ……個性の発動が狂わされるなら…全てをまとめて放てばいい…!負担の大きい力技だが……致し方ない 君たちを殺して、……ついでに全国のところてん工場を潰す!

「なんで!?オレとばっちりじゃん!?」

肩で息をするAFOに、ボーボボが語りかける

「A…FO、変わらないな…お前は昔から」

「…なんだと?」

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

「発光する赤子」が生まれる一年前、俺達は同じ畑で捕れた大根だったな

「は?」

三人の中でもお前が一番瑞々しく、葉の艶も良かった

だがお前は大根としてではなく、肉料理のメインを飾ろうとした

「おい…!」

「もうやめろ兄さん!僕らは野菜なんだ!肉にはなれない!」

「何を言うんだ 皆自分からメインを譲ってくれるんだぜ」

「じゃあオイラデザートやっていいか?大根ゼリーなんてどうだ?」

そしてお前は弟の■■に焼肉のたれを

「やめろ!!!!!!!」

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

「僕の脳にゴミのような情報を流すんじゃない!!」

「ふふ…AFO、お前が奪った'鼻毛真拳'は…不完全だ」

「何を言うかと思えば……!この期に及んで時間稼ぎでもするつもりか?」

「時間稼ぎはもう、いい ここからは'象徴'の時間だ…!」

そして、AFOは気付く

先ほどまで倒れていたオールマイトが──目の前に立っている

──ボーボボのサングラスをかけて!

「なるほど…これが'鼻毛真拳'…ボーボボ君の見る景色か」

満身創痍なはずのヒーローは、それでもしっかりとAFOを睨んで言う

 

「まるで世界が白黒になったようだよ!」

「サングラスだからだァ馬鹿が!!」

 

とっくに救助され避難しているはずの教え子の声が、遠くから聞こえた気がした

「…サングラスをかけたからなんだ?状況は変わっていない!」

「変わっていないかどうか…試してみるか?AFO!」

「ほざけ!」

全因解放!

オールマイトに向かって放たれる衝撃波!

 

鼻毛真拳!

ボボガード

 

「ぐぎゃはあ!!!」

引っ張り起こしたボーボボを盾に、衝撃波は防がれた

「…えっ!?あれ!?す、すまないボーボボ君!身体が勝手に……」

「そ…それでこそ……、鼻毛真拳だ……ガクッ」

ボーボボくーーーん!?…おのれAFOよくも!!」

「君の仕業じゃないか!!」

フォッフォッフォッ……力は正しく受け継がれているようじゃのう

「通りすがりの老師!!」

「知っているのかAFO!?」

そう……始まりは90年前じゃ……

「「話が長い!!」」バキィ

うごぉ!?

魔王(AFO)象徴(オールマイト)の拳を同時に受け、老師は吹き飛ばされた

 

「……………ふんっ!」バキィ!

突然、自身の顔を勢いよく殴るAFO

「はぁ……危うく呑まれていた…なるほど危険な力だ…!」

「何の話だ……!?」

「(これ以上の'全因解放'は保たない…だが長引かせればそれも危険だ…仕方ない)」

AFOの腕が大きく膨れ上がり、禍々しい気配を放ち始める

'筋骨発条化'+'瞬発力×2'+'ギンヤンマ'+'膂力増強'+'他界創生'+'肥大化'+'鋲'+'バーゲンセール'+'霊揺'+'槍骨'+'ヘミングウェイ全集'

「オールマイト、これから今の僕が持つ最高最適な個性達で君を殴る もはや半分くらい意味の分からない個性が混じっているが…君を殺すには充分だろう そのはずだ 多分」

「ならば私も…全力で迎え撃つ…!」

'ワン・フォー・オール'+'鼻毛真拳'

「鼻毛を生やした仇敵なんて見たくはなかったよ!」

「お互い様だ!うおおおおおお!!」

 

二つの大きな力がぶつかり合い、激しい衝撃波が発生する

 

そして、砂煙が晴れる

「はは……ははははは!!'衝撃反転'がまともに発動するかは賭けだったが!その様子だと勝ったようだね!!」

そこには、不健康な骸骨のような様相になった、ボロボロの男が立っていた

「まだ立っているのは流石と言うほかないが……勝負あったね、オールマイト」

「まだ…私は立っているぞ…!AFO…!」

「いいや、その姿(トゥルーフォーム)を晒した今、'象徴'としては既に死んでいる」

「…………!」

「そしてその命も……これから潰える」

 

天に地に 数多の正義があろうとも

 

「!?」

突如として聞こえてきた、自分でもオールマイトでもボーボボでもない声

「誰だ!」

 

貫き通すは 己が正義

 

振り返っても人影は見当たらない それも当然だ

辺り一帯は吹き飛ばされて、一般人がいるはずもない

 

揺るがぬ道を携えて 巨悪を討つは戦友(とも)のため

 

ようやく見つけたのは、自身の背後、足元に佇む小さな物体

赤い楕円に手足が生えたような奇妙なそれは、確かにAFOを見据えていた

 

たとえこの身が朽ちたとて されど折れぬは戦友(とも)のため

 

足元の謎の物体は気になるが、オールマイトから目を離し続けるのは危険だとAFOは判断した

手負いのヒーローが最も恐ろしい 故に、目の前のボロボロの男に対して油断は無かった

 

ターゲット確認 エネルギー充填 進路クリア オールグリーン Ready…

 

それがいけなかった

 

GO TO HELL!!!!!!!

「!?!?ぎゃああああああああ!!!」

地面から勢いよく飛び上がったその物体は、寸分違わずAFOの尻に突き刺さった

 

「……うわぁ」

「オールマイト!今だーーーっ!!!」

「えっ……ああ…!な、なんかごめん!Love Knowledge SMASH!!!!!

 

 

 

こうして、黎明期から暗躍し続けたスーパー(ヴィラン)は、ヒーロー達の前に陥落した

 

ありがとう、平和の象徴(オールマイト)…… ありがとう、おしりの革命児(カンチョー君)……!

 

 

 

 

 

 

「どういう…感情で受け取ればいいんだよ……!」

「かっちゃん……」

 

 

 






ちょっと色々訳分からなくなったけどなんとか絞り出しました

鼻毛真拳はとられたままですがAFOは投獄されるので安心ですね なんせタルタロスですから



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