1年A組 ボーボボ先生   作:笛吹酒

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悪は絶対に許さない……正義の美少女戦士!出る時間帯間違えてるよ!

ルミリオンがオーバーホールと会敵する、少し前

 

ボーボボ達は、とうとう四方を壁に囲まれてしまっていた

「囲まれたぞ…!」

「イレイザー!'抹消'は使えないのか!」

「奴め徹底して姿を現そうとしない…見えんことには発動できません」

「くそっ……!'施錠'もこの範囲じゃ流石に追いつかんぞ…!」

その時、イレイザーヘッドのプロとしての感覚が、背後からの僅かな()()を感じた

「っそこか!!」

咄嗟に振り向き、'抹消'を発動させる

歪みに歪んでいた地形が元に戻り、同時に壁からはじき出される人影

「よくやった!捕らえるぞ!」

ようやく窮屈でなくなったヒーロー達が、人影を拘束せんと動く

 

 

 

それはボーボボだった

「わー待て待て!俺だ!」

「「「なんでお前だよ!!」」」

 

「しかし…現に入中の能力は切れています 奴はどこに?」

 

「「「「俺ならここだ!」」」」

少し離れたところに、色の違う4つの宝箱のようなものがあった

「「「「さあ、本物がどれか分かるかな?」」」」

 

宝箱A

「Bの宝箱はミミックだ」

 

宝箱B

「Cは嘘をついている」

 

宝箱C

「Bの宝箱はミミックだ」

 

宝箱D

「そうだな…俺の事を話す前に少し昔話をしようか ああ、昔話といってもおじいさんおばあさんが出てくるようなむかしむかしって意味ではない、そうだな…ほんの60年ほど前のことだ 充分長いって?フフ、君たちの価値観で言えばそうかもしれないな だが、悠久を生きる私にとっては瞬きの間に過ぎるような刹那の出来事だよ さて、話がそれたな 今から60年ほど前、冴えない中年の男がいた 個性は'爪弾'、特筆すべきことのないごく普通の男だよ ある日男が洗い物をしていると、排水溝の奥で何かが光っていることに気付いたんだ 『何か落としたかな?』と、男は不用心にも排水溝を覗き込んだんだ すると、光は見えずに、代わりに視界が緑色に埋め尽くされたんだ 不思議に思ったが、少し顔を離してみればその謎は解けた なんと、排水溝の横幅とピッタリ合う太さのきゅうりが詰まっていたんだ それも、排水溝の奥に届くような僅かな光でさえ反射して輝いて見せるほど瑞々しさに溢れた、新鮮なきゅうりだ なるほど、きゅうりが詰まっていただけかと納得した男だったが、すぐにおかしな所に気が付いた 排水溝パイプときゅうりの幅がぴったり同じなら、普通は水が流れず詰まってしまうんじゃないか?とね うんうん唸って考えてみても、現にきゅうりはピッチリと隙間なくパイプに詰まっているし、水は問題なく流れている 困った男は、息子に聞いてみることにしたんだ あ、それとAはミミックではないよ 今年で9歳になる彼の息子は、論理的な思考と柔軟な発想を持つ賢い子だった 親バカだって?ああ、事実そうだろう 確かにその息子は同年代の子に比べて幾分か賢かったが、父であるその男は口を開けば息子の聡明さを自慢することに精を出しているような人間だったからね 他の人から見たら親バカといって差し支えないだろう 話がそれたね 息子になぜきゅうりが排水溝に詰まっていても水の流れが詰まらないのか聞いてみると、『簡単だよお父さん、きゅうりはほとんどが水で出来ているんだよ だから、水が詰まる事はないんだよ』とあっさりと答えた 男は目から鱗が落ちる思いだった 男の中で疑問が解決すると同時に、『ではどこまでが'水'として認められるのだろうか?』という新たな疑問も生まれた そこで手始めに男は、食塩水を排水溝に流してみた 流した食塩水が詰まる事は無かったが、きゅうりの表面をよく見てみると、小さくて白い結晶のようなものが付着しているのを見つけたんだ 『ははあ、'食塩水'の'水'の部分だけが流れて、'食塩'が残ったのだな』 次に水饅頭をねじ込んでみれば、みるみるうちに水分が抜けて、普通の饅頭になってしまった 楽しくなった男は、今度は'水曜日'を流してみることにしたんだ だけど、流したとたんに、チリン、チャリンと小さな金属がパイプ内を落ちる音…クシャリ、と紙がたわむような音が立て続けに起きた 慌てて覗き込むと、既にそこにきゅうりは無く、水に濡れてクシャクシャになった紙幣が重なって詰まっていた どうしたことだ、男は原因がさっぱり分からずに、呆然と取り出せない紙幣を眺めるしかなかった 後になって考えてみると、それは

「しゃらくせえ!!!!!!」

合流したファットガムが、喋くり続ける宝箱Dを肘と膝で挟み砕くように粉砕した

 

「何してんねん!エリちゃんは見つけたんか!?」

そう言われ、ナイトアイ達はハッと正気を取り戻した

ボーボボは宝箱Aに頭から突っ込んで「暗いよー!怖いよー!」と言っていた

「しまった…既にルミリオンが単独行動を始めて5分は経っている」

「エリちゃんが件の部屋にまだいるなら、そろそろ到着する筈だ」

「恐らく治崎もそこにいる…一刻の猶予はないな」

立ち上がったボーボボは、ヒーロー達を見まわした

「よし、聖鼻毛融合(ボーボボフュージョン)を使う!イレイ「二度とやらん」

「…ナイトアイ!」

「私はこの作戦の指揮を執る必要があります」

「ロックロック!」

「俺がそっち側いったら誰が止めんだよ」

「リューキュウ!……いないな  …………ファットガム」

なんで俺が最後やねん!いっちゃんハマリ役やろが!

「お前でけーんだよ!取り込む側の気持ちになれよ!」

「見ぃ!今はシュットさんやから大丈夫や!」

「はぁ…………聖鼻毛融合(ボーボボフュージョン)!!!

「嫌そうな顔やめぇ!何が不満か!」

ファットガムが、ボーボボのアフロの中に飛び込んでいった

「……?」

切島は少し考えこんでいたが、合点がいったかのように手を叩いた

「ああ!合宿の時の奴はボーボボ先生と相澤先ぐぁ!

あれは忘れろ

ウス

 

 

 

 

 

 

 

ルミリオンとオーバーホールの戦いは、苛烈を極めていた

『即死じゃなければ個性で治せる』オーバーホールは、エリへの被害を気にせず大規模な攻撃を繰り出せる 一方で、ルミリオンはそれらからエリを守りながら戦う必要がある

「だからどうした……ヒーローはいつだって困難を超えていくんだ!」

「いい加減に諦めろ 壊理を背負ったままじゃ透過も出来まい」

そして、再び広範囲に攻撃が飛んでくる

(だめだ…エリちゃんはともかく俺は避けきれない…!せめて致命傷は避けて…!)

 

その時

 

「ッ!?」

 

オーバーホールが仰け反り、その目の前を何かが通過する

 

 

「凄い!さすがはボスね!だけど…これ以上はやらせないわ!」

「次から次へと……誰だ」

「君は……?」

その姿は、小さな子供のように見えた

フリルの付いた水色の衣装は、おおよそその場には似つかわしくない

「そうね!自己紹介しなきゃ!あたしは愛と希望の戦士……」

鎖鎌を肩に担ぎ、ポーズを決めながら、少女は堂々と名乗った

魔法少女☆ボボファット!ここに見参☆

 

名前でその少女の正体を察したルミリオンは、げんなりとした

「まほうしょうじょ……!」

ルミリオンに担がれたままのエリは、嬉しそうだ

 

「何者でもいい…ルミリオン(そいつ)の荷物が増えただけだろう…!」

オーバーホールは地面に手を付き、再び攻撃を仕掛けようとする

「でもそうね……こんな地下じゃ、気分が悪くなっちゃうわ!」

ボボファットの手にはステッキが握られており、それを振りながら唱え始める

「マジカル・マジカル……フェアリー☆ミスト!」

 

POP!!!

 

ステッキから白い煙のようなものが吹き出し、ルミリオン達を覆いつくす

ゴホ…ゴホ…煙幕か 不快だ…!」

「さて、ルミリオン、防いでね!」

「え?な、何を?」

「この煙、可燃性の粉なの!マジカル・マジカル……」

「え?」

 

トロピカル☆粉塵爆発

 

 

BOOOOOOM!

 

 

 

 

~~死穢八斎會 事務所跡地~~

 

瓦礫の山に穴が空き、怒りに震えたオーバーホールが現れる

「くそ……本物の異常者…!なんて野郎だ……」

「しぶといのね!だけど悪は必ず滅びるの!」

「!?どこだ!」

再びボボファットの声が聞こえ、見渡すオーバーホール

彼女?は、瓦礫の上からオーバーホールを見下ろしていた

その隣にはエリもいた 苦しそうにうずくまっている

「あら?どうしたのエリちゃん?」

「うう……まほうしょうじょさん……私からはなれて…!」

彼女の角が僅かに大きくなり、光を放ち始める

「ここで'暴走'とは…全くもって運が無い奴だな」

勝ちを確信したオーバーホールは語る

「壊理の個性は'巻き戻し' お前のような子供なら数秒で消してしまう

 それを止められるのは俺だけだ さあ壊理……戻「うっさいわ!ごふっ!?

いつの間にか目の前にいたボボファットに、ガラスの灰皿で殴られた

 

「とっても素敵な個性じゃない!だからエリちゃん…少し手伝ってくれる?」

「え…?う・・・うん」

再び高所を取ったボボファットは、ステッキを振る

「マジカル・マジカル…ドリーム☆7.62mm口径M134

銃口に申し訳程度にリボンが巻かれた無骨なミニガンが、飛び出してきた

ファイアアアアアアア!!!!

ぎゃあああああああ!!!

大量の弾がばら撒かれるが、エリの'個性'によってそれが()()()()

「これこそ…あたしとエリちゃんの友情の力!尽きない弾丸!」

 

 

UN 

 DECREASE

    不減(ふげん)
 

 

 

 

遊んでいる場合か!

イレイザーヘッドが、瓦礫の下から這い出してきた

「遅いわイレイザーヘッド!何やってたの!」

「誰のせいだと思っている!」

「エリちゃんを確保したわ!そこで伸びてるルミリオンと一緒に連れてって!」

「ちゃんと仕事はしているのが腹立つな…!」

「さてじゃあとどめを…あら」

ボボファットの身体が、光に包まれ始める

「時間切れみたいね……」

「まほうしょうじょさん……」

「忘れないでエリちゃん……私、私達はいつだって貴方の…」

それを言い切る前に、身体は完全に光に包まれ…

 

光が収まると、そこには2つの人影があった

背中に大きく『界王』と書かれた山吹色の道着を着たファットガムが膝を付き、

大きな肩当てが特徴的な戦闘服を着て髪を逆立てたボーボボが、それを見下ろしていた

「くっ……なんて力やボジータ……」

「カカファット、これがエリートである俺様と落ちこぼれの貴様の差だ」

 

きゃあああああああああああ!!

 

憧れの魔法少女が目の前でオッサン2人に変わった、エリの悲鳴が響き渡った

 

 

 

「ぐ……まだだ…………!」

 

再びオーバーホールが現れるが、その姿は大きく変わっていた

70行目辺りでボボファットが倒していた音本と酒木を融合し、異形の姿になっている

さあ英雄症候群ども……壊理を返してもら…… …?

瓦礫に触れ能力を発動しようとするも、何も起こらない

「さて…投降する気はなさそうだな」

髪を逆立てたイレイザーヘッドが睨んでいる

「地下じゃ狭くて動けなかったけど…ここなら存分にやれるわ」

ドラゴンの姿になったリューキュウが、ずしりと歩を進めた

「エリちゃん、凄く悲しそうな顔をしていた…!絶対に許さない……!」

全身に赤い雷のような線を纏わせたデクが、怒りに震えている

 

「最後のは俺じゃな」

「オーバーホール…もういいだろう」

オーバーホールの目の前に、ボーボボが立っていた

「なんだと…?」

「死穢八斎會は…かつて自警団(ヴィジランテ)としても活動していた (ヴィラン)になりかねないチンピラを束ね、まとめ上げた 確かに自警団(ヴィジランテ)行為は違法だが、そこには奴らなりの正義があった」

「……そうだ…だから俺は」

「だがお前は間違えた!部下を軽んじ、堅気に薬物を流し、あまつさえ少女を切り刻み道具にした!

 今のお前の行為は先代が望んでいることなのか!?」

「っ貴様に何が分かる!組長(オヤジ)のやり方じゃ生き残れないんだ!」

「道に外れて生き残って……それで喜ぶとでも思っているのか!」

「くっ……!」

跪いたオーバーホールの肩に、優しく手を置くボーボボ

「今ならまだ引き返せる 罪を償い……戻ったら、腹を割って話し合え」

「…………」

「それはそれとして」

 

 

鼻毛真拳奥義 『死穢八斎會は今日で解体じゃーーーい!!!』

「ぐはあああああああああ!!!!」

 

 

 

「指定(ヴィラン)団体がデカイ顔してんじゃねーよ 犯罪者が」ペッ

(((台無しだ…………)))

 

 





ボボファット(CV:諸星すみれ)

鼻毛真拳究極奥義 『聖鼻毛融合(ボーボボフュージョン)』によってボーボボとファットガムが合体した姿 合体時間は1分
日曜朝8時半くらいから放送してそうな衣装に身を包んだ、少女の姿をしている
魔法のステッキを振ることで、メリケンサックや鎖鎌、重火器などのメルヘンアイテムを作り出すことが出来、それを使って平和的に敵を無力化する




元々オバホ融合後は主人公に任せるつもりだったんですけど、冷静に考えたらイレイザーヘッドがいる時点で詰んでるなってなりましたね デクの戦闘経験値がどんどん奪われていく……
ナイトアイは'予知'の解釈が全く分からなかったので空気になりました 生き残ったから許して
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