「昨日の戦闘訓練のV、見させてもらった
その…あー、なんだ…頑張ったなお前ら」
(((…気を使われている!)))
「今日のヒーロー基礎学だが、俺達とオールマイトと、もう一人の4人体制で見ることになった
ボーボボ先生は先に行ってる 準備が済んだらバスに乗って移動開始だ」
A組生徒たちは、校舎から離れた訓練場に向かうため、バスに揺られていた
バスの中で互いの'個性'の話で盛り上がる生徒達
そして、幾度となく議論されている話題に移り変わる
「考えれば考えるほど分からなくなるよな…あの能力は」
そう、ボーボボの'個性'及びその戦闘力の話だ
「俺の放電だって無効化されたしなー」「あれは無効化とは違くねぇ?喰らったうえで回復していたように見えたぜ」「いっぱいの猫、僕の個性で操れたから多分本物だよ」「私見つからなかったし探知系は無いよね!でも腕にテープ巻いたらネギになってた!」
「オールマイト並のパワーの
「もう着くぞお前ら その辺にしとけ」
答えの出ない議論は、相澤先生の声がかかるまで続いた
訓練場に着いた生徒達を、宇宙服に身を包んだスペースヒーロー13号、そして赤いトサカを頭に付けたボーボボが出迎えた
「皆さんようこそ!ここはあらゆる事故や災害を想定した訓練が出来る訓練場…
その名も
(((本当にUSJだった!?)))
「そして僕はマスコットキャラのボッディ!逆らえば血を見ることになるよ!」
(((アウトだよ!!)))
ギリギリのネタを披露する2人に、生徒たちの中に不安が広がる
気を取り直して13号の演説、──自分たちの個性が容易に人を殺せるようなものであること、それを人に向ける危うさ、今回の訓練ではその個性の正しい使い方を学んでほしいといった内容の演説を終え、拍手が上がる
そしていよいよ授業が始まろうとした時…
「っ全員ひとかたまりになって動くな!」
悪意が襲来する
突如広場に広がった黒い靄と、そこから次々に現れる影を前に、相澤は冷静に分析する
(転移の個性か…こんな大量の人間を送れるなんてな…だが、見た目ほどの脅威じゃない
ほとんどは数合わせのチンピラ…最悪生徒たちでも勝てるだろう 問題は…)
無視できない存在、主犯格であろう数人に目を向ける
1人は、全身に手のようなオブジェを付け、悪意に満ちた目がこちらを睨む
1人は、黒い靄で輪郭が見えない 恐らくはこいつが転移の個性の持ち主だろう
1人は、脳をむき出しにした黒い肌の男 感情が読めない顔で不気味に沈黙している
1人は、大きなアフロとサングラス、その特徴的な姿はよく見知った顔と一致する
(……)
(なんかいる…!)
靄の男と手の男が口を開く
「…先日いただいたカリキュラムによればオールマイトがいるはずなのですが…」
「…どこだよ…せっかく大衆引き連れて来たってのに…平和の象徴がいないなんて…」
「子供を殺せば来「不法侵入ーーーッ!」ぐぁっ!?」
ボーボボが、喋っていた手の男とその周辺のチンピラを鼻毛で吹き飛ばした
「チケットも持たずに入場とは、テーマパークを舐めるなよ」
「っなんなんだよお前は…!」
生徒たちは大いに混乱していた
突然広場に黒い靄が広がり人相の悪い集団が現れたと思いきや、その靄の中から
そのまま集団の半数を吹き飛ばしたのだから
「何なんだ…またボーボボ先生がなんか呼んだパターンか!?」
「……いや、アレは
宇宙猫状態からいち早く復活した相澤が指示を出し、広場に駆ける
広場では、チンピラに囲まれたボーボボが…
──袋叩きにされていた
「なんだこいつ全然弱っちいぞ!」「さっきまでの威勢はどうした!」「舐めやがって!」
「あっ!痛い!やめ…やめて!痛…いい!ああ!もっと!もっとぶってぇぇぇぇ!」
ボーボボを囲んでいるチンピラの一部を蹴散らし、声をかける
「遊んでる場合ですかボーボボ」
「相澤ちゃん…」
「やめてください それより主犯格が動きます」
「ああ まずはこいつらを片付ける!伏せていろイレイザーヘッド!」
鼻毛真拳奥義『
「「「ぎゃああああ!」」」
渦のように広がった鼻毛が、残っていたチンピラを一掃する
「す…凄ぇえええ!やっぱダンチだぜボーボボ先生!」
「見学してる場合じゃない!早く避難を…」
「させませんよ」
生徒と13号の前に、黒い靄の
「初めまして 我々は
悠々と名乗ろうとした靄の
「…あ、危ない危ない… 随分と好戦的な生徒たちが揃っているようで…」
「ハッ
「能力の不明な相手にはとりあえず遠距離で牽制 有効なようですわね」
そう言った八百万は、創造した銃で再びゴム弾を発射する
しかし…
「おっと」
靄に吸い込まれたゴム弾は、八百万の前に新たに現れた靄から飛来し、腹に突き刺さった
「ぐぅっ…!」
「ヤオモモ!」
「平気…ですわ それよりも…!」
「飛び道具は返される!13号先生の個性も相性が悪い!」
先制攻撃を放った生徒に代わり、障子や砂藤、尾白といった近接向きの生徒が前に出る
「流れるような交代…連携……つくづく優秀な生徒たちだ
だが初めから私の役目はこれ… 散らして…嬲り殺す!」
生徒たちは靄に飲み込まれた
「チッ…まばたきの瞬間に厄介な奴に逃げられたか… だが
「クソ…クソクソクソ…!ヒーローってのはどうしてこう苛つかせるんだ…」
思い通りにいかず癇癪を起こす子供のように、ガリガリと首を掻き苛立ちを露わにする手の男
──しかしその手がピタリと止まる
「…まぁ、別に最初からあいつら当てにしてた訳じゃないや 黒霧と脳無がいればそれで済む」
「つーことで、やれ脳無」
瞬間、バン!!と凄まじい音がして、
ボーボボが立っていた場所には、脳無と呼ばれた
「……ッ!」
同僚が殴られ吹き飛ばされたと理解すると同時に、脳無がこちらを向く そして──
バン!!
ガードするように交差した両腕は容易くへし折れ、相澤は吹き飛ばされる
「は…はは!!ははははは!流石脳無だ!ツーパンで両方死んだ!マジでチートだ!!
どんな気分だァ!?オールマイト並のパワーとスピードの脳無!散々俺たち
仰々しく両手を広げて笑う男、その横に黒霧と呼ばれた男が現れる
「申し訳ありません死柄木弔、一名…生徒に逃げられました」
「はははは…は? …はぁ……お前さぁ、せっかくいい気分だったってのに… お前がワープゲートじゃなきゃ粉々にしてたよ…」
上機嫌から一転、苛立たしげにガリガリと激しく首を掻くと、平坦な口調になって言う
「まあいいや ヒーロー2人も殺したし…結局オールマイトはいねえし…今日は帰ろっか」
「けどその前に…平和の象徴の矜持ってやつを…へし折ってから帰ろう…!」
死柄木が水難エリアからこちらに来ていた緑谷達の方に走る そして生徒たちにその手が──
鼻毛真拳奥義
『白の絵の具博物館!』
次の瞬間、地味な展示物の並ぶ博物館の中にボーボボ達はいた
「「「ボーボボ先生!!」」」
「悪いが…閉館時間までここにいてもらうぞ」
戦闘訓練で何度も見た、ボーボボの
しかし──
「無駄だよヒーロー」
「ジャアアアアアアアア!!!」
脳無が両腕を勢いよく振るうと、ボーボボの作り出した空間が引き裂かれた
「なっ!?」
周囲の風景がUSJに戻り、ボーボボは脳無に殴られ再び吹き飛ばされる
「がはっ…!…こ…この力はまさか…!」
研究所のような機器が並ぶ暗い部屋の中、
悪魔が愉快そうに話す
「鼻毛真拳の使い手がヒーローをやっていると知った時は…僕も肝を冷やしたよ」
「きみを野放しにしていては弔の…いや、僕の脅威にすらなり得ると考えた」
「だから、世界中を探して…やっと見つけたのさ きみを殺すための'個性'を」
「生憎僕には合わなかったけど…'それ'は先生と僕の最高傑作…脳無に使うことにした」
悪魔は笑う
「きみとオールマイトを確実に殺すための構成さ
'ショック吸収'に'超再生'… そして…」
死柄木弔は笑う
「そう、'ボケ殺し'だよ ヒーロー」
真面目回でした
この小説は
執筆:笛吹酒(深夜の姿)
調整:笛吹酒(日中の姿)
で分業しとります 日中の自分の仕事量が多いです
先に言っておきますが、'ボケ殺し'の持ち主は魚雷ガールとは関係ない一般人です
メイン軸にボーボボ以外のキャラを登場させる予定は(今のところ)ありません