「あのね、ゼイユちゃんの相棒がヤバソチャなの。チャデスの育て方とか聞いてみようかな」
「そうだね。チャデスはまだ発見されたばかりのポケモンだから、不確実な情報が多い。実際に育てたことがある人の意見を聞けるなら、その方がいいかもね」
「そうする!準備しなくっちゃ。チャデス、1回ボールに入っててくれるかな?」
「ちゃすぅ!」
チャデスをボールに入れた。後で手持ちのみんなに紹介しなくちゃ。
「パパ、起こしてごめんね。パパはまた寝る?」
「ううん。本や資料をいくつか借りたから、今から見ようかな。レイラがゼイユちゃんのところに行くなら、今日は公民館にいることにするよ」
「ゼイユちゃんの予定も聞かないとだけどね。さすがに時間が早すぎるし、出かける準備ができたら、私なりにもチャデスのこととか調べてみる。ゼイユちゃんの予定がわかったら、今日の予定はまた話そうね」
キタカミのオジキが私とパパとそれぞれの部屋を用意してくれたの、正直めちゃくちゃありがたい。
調べ事といえば......やっぱり『ポケモンお悩み相談所』だよね!
私にとっては内緒のひみつきちって感じだから、パパには見られたくないんだよなぁ。
友達にも相談できないこととかも、いろいろ書いてるし。
とりあえず布団でゴロゴロしながら、スマホロトムでアクセスした。
..........
レイちゃん:相談させてください。
人からもらったタマゴから、色違いのチャデスがうまれました。
レイちゃん:以前、すごく悪い色違いコレクターから野生の子を守ろうとしてひどい目に合ったこともありますし、こちらでも沢山の方が、色違いにまつわる恐ろしい話をしていて、怖いです。
レイちゃん:色違いを連れている方、これまでトラブルに合われたことはありますか?トラブルに合われた方はどのように解決しましたか?
うにゅ:チャデスであれば真作か贋作かをすぐに確認して。真作の色違いだった場合は国を動かせる。
ごはん職人:うちの色違いシャリタツがアメが大好きと知ったクラスメイトが、アメちゃんあげるからこっちおいでっていう典型的な方法で誘拐しようとしたことがあったよ
ごはん職人:毎日アメあげるから他の人からはもらわないでってお願いしたら素直に聞いてくれたよ。3ヶ月もしないうちにアメに飽きたみたいだけどね。
キンキン:やはり筋肉。筋肉は全てを解決する。変な奴が来たら拳で解決できるように鍛えておくといい。
XYZ:真作色違いだったら厳重な警護が必要だからジュンサーさんに報告してクレベース
ルビィ:タマゴからは贋作しか産まれなかったレジ気ガス
ごはん職人:ソースは?
ルビィ:フロストロトムのドアポケットにあったレジ気ガス
..........
真作?贋作......?よくわからない。
国を動かせるとは......!?なんか大変なことになるかも知れない。とりあえず、まずはパパに聞いてみよう!
「パパー!大変だー!国が動いちゃうかも知れない!!!」
「えぇ!ついにレジギガスのスロースタートが解除されて大陸を引っ張ったのかい!?」
ボケに高度なボケを返してくれた。さすが。
それはそれとして『ポケモンお悩み相談』のみんなが教えてくれた内容を説明した。
タマゴからは『しんさく』は産まれないらしいが、ソースはフロストロトムのドアポケットにあるらしいと伝えた。
なんだか変なテンションになってボケまくってしまう。
パパは真剣に何かを考えている。ツッコミ不在だ。
「なるほど。チャデスはそういうポケモンなんだね。チャデスを出してもらっていいかな」
私はチャデスをボールから出した。チャデスは私を「ちゃちゃ!」と呼びながらニコニコしている。
パパの方に行くように言ったら「ちゃす!」と返事をしてパパの周りをくるくる回り始めた。素直で賢くて、本当にいい子だ。さすが私の子。
「よし、こっちにおいで。ちょっと失礼」
パパは腕に収まったチャデスを、隅々まで見て撫で回した。
「チャデスと生態が似ているヤバチャというポケモンがいる。ヤバチャにも『しんさく』と『がんさく』のフォルムがあって、ヤバチャの『しんさく』の場合は底面に印がある。この子にはそういった印は見受けられないが、チャデスの場合はそれだけで判断していいのか、パパも不安だな」
「そうなんだ......」
「ヤバチャの場合も、しんさくフォルムの色違いとなると......国が動くかはわからないが、少なくとも地方の年間予算を超えるレベルのお金は簡単に動かせる。強固なセキュリティの施設で、少なくとも四天王......出来ればチャンピオンクラスの人間が厳重に守らないといけないね」
「じゃあ、この子が『しんさく』だったら、私とは一緒に居られないの?」
「色違いコレクターに限らず、ありとあらゆる存在が、あの手この手で奪おうと躍起になるだろう。ウチは研究所を兼ねてるから一般家庭に比べれば頑丈だしセキュリティもしっかりしてるつもりだけど、その程度では安全を担保できない」
私がママなのに、そんなの、あんまりだ。
「ゼイユちゃんを疑っている訳では無いのはわかって欲しいんだけど、ひとまずパパがチャデスの真贋の判定方法を調べる。どうしてもわからないときは、ゼイユちゃんたち家族を頼ろう」
「わかった。私も引き続きネットで調べてみる。パパ、一緒にいてもいい?」
「もちろん。むしろそう言おうと思ってたよ。チャデスもレイラも賢くていい子だ。ひとまずチャデスはボールに戻してあげて」
私はチャデスをボールに戻し、ボールを握りしめた。チャンピオンレベルならこの子を守れる?私がチャンピオンになれば一緒にいられる?やはり筋肉。筋肉は全てを解決する。
パパは公民館から借りた『キタカミ携帯獣新書』という本を調べたり、パソコンで何やらをやっていた。
どうか、この子とずっと一緒にいられますように。