「おいしーーーーー!すっっごくおいしい!!!」
アオイちゃんとペパー先輩が用意してくれたサンドイッチ、なんかキラキラしてるし具材もたっぷり入ってて、なんか......こう......!今まで食べたことないおいしさだ!
「ペパーは料理がとっても上手なんだよ!」
「これはもう上手のレベル超えてるよ!ペパー先輩すごい!」
「オレ、料理人になるのが夢なんだ。人もポケモンも、食ったら元気になるような料理をつくりてえんだ!」
「もうお店出せますって!おやすみの日だけでも、キッチンカーとかやってみたらいいんじゃないですか?」
「確かに。ちょっと考えてみるか......」
「絶対買いに行きます!私がまた食べたいだけなんですけど......」
「ハハッ!食いしん坊ちゃんだな!またいつでも作るぜ。今度はポケモンの分も作ってやるよ!」
「わあ!嬉しい!ありがとうございます!......ところでアオイちゃん。上のパンは......?」
アオイちゃんのサンドイッチだけ、上のパンが乗ってない。
「ミライドンがどうしてもおなかすいたっていうから、先につまみ食いさせちゃったの。あ、ミライドンってのはあの子。私のライドポケモンなの」
アオイちゃんの指さした方を見ると、紫色のロボットみたいな、バイクみたいなポケモンがパンを貪っていた。
『ミライドン』......?
あ。フトゥー博士が未来から連れて来たポケモン、ミライドンって名付けたって言ってた。
でも、なんでアオイちゃんのライドポケモンになったんだろ?ペパー先輩に交換してもらったのかな?それって大丈夫なのかな......?
「最近、上のパンを先にポケモンにあげるのがパルデア流とか言って、流行ってるんだ」
それはサンドされてないっち。
「レイラもライドポケモンをゲットしないとね」
「うーん。でもね、キタカミでゼイユちゃんのモトトカゲさんに乗ったら調子悪くなっちゃったの。私の手持ちは乗れそうな子いないし......」
「アローラではどうしてたの?」
「アローラでは運転席の装備をつけたポケモンさんを呼んで運転するんだ。自分で運転するイキリンコタクシーみたいなのをイメージしてくれるといいと思う」
「そっか。レイラに合う子が見つかるといいね」
リザードンさんは野生にいないしなぁ。でも、パルデアは山や滝も多いし、ライドポケモンがいないと不便だよな。どうすればいいかなぁ。
「ところで、レイラは料理とかすんのか?」
ペパー先輩に聞かれて、背筋が伸びる。
「あっ!はい!一通りの家事はやれます!」
「アオイに料理教えてやってくれよ。壊滅的過ぎてオレにはどうしようもなくてな。サンドイッチもまともに作れねえの」
「そんなことないよ!パルデアの食材が扱いが難しいの!トーフとベーコンはやたら弾力があってバウンドするし、ポテトサラダはカチカチだし、ミニトマトはすぐ転がるからすぐはみ出したり崩れたりしちゃうんだもん!」
みんなで笑った。ペパー先輩、アオイちゃんと一緒に話してるときはいい人なのに。
談笑していると、シュウメイくんが目を覚ましたらしく、結構な距離をとって話しかけてきた。
「ラブリースター殿。先程、皆には破廉恥ハレンチな行為に見えていたようでござる。同胞ができるやもと思ってつい高まってしまったゆえ、周囲の事まで気が回らず......。すまぬ......。こちら、改めて見て頂きたいでござる」
シュウメイくんはちゃんとベルトを閉めた状態で、バックルだけ見せてくれた。
「わぁ!すごい!再現度高っ!!しかもこのシャイン証......!先代ポイズンの形だよね!?」
「なぬ!なんとそこまで......!ラブリースター殿、只者ではござらんな......!?」
「ふふふ......!結局私が!いちばんオタクで!すごいんだよね!!」
キメポーズとキメ顔も完全再現した。
「おぉ!てっぺきで完璧でござるー!!」
シュウメイくんは両手をあげてぴょんぴょん飛び跳ねて、一般人役をしてくれた。
しまった。テンションが上がりすぎた。シュウメイくん以外は絶対引いてる。
「あ!そうだ、レイラ。オルティガにラブリースターのやつ、レッスンしてやってよ!」
ピーニャくん、ナイス助け船。変な空気にならずに済んだ。
「いいですよ!オルティガ先輩!やりましょー!」
「なっ!ピーニャ、余計なこと言うなよ!あんなよくわかんないダンス、オレはやらないからな!」
「Zワザは、ポケモンとのキズナをアローラの土地神様に認めていただくことで使えるようになるんです。ダンスもポーズもタイプ毎にあって、ポケモンにタイプの概念を与えて世界を豊かにしてくださった創造神に感謝を伝える、とっても神聖な舞なんですよ!」
「ふ、ふーん?ただのふざけたダンスじゃなかったのか。そういうことなら、やってやらないでもないぞ」
「やりましょ!じゃあまずは......」
オルティガ先輩にフェアリーZの舞をレクチャーした。オルティガ先輩、かなりスジがいいぞ。
「そうそう!そこでゼンリョクの!美しくはばたくフェアリーポーズです!!」
オルティガ先輩は、ゼンリョクでフェアリーポーズをキメた。
「そして相棒との気持ちが通じ合ったら......『ラブリースターインパクト』!です! オルティガ先輩!とっても上手です!」
「ま、これくらいはできて当然でしょ」
「さすがです!Zワザ自体はZリングとZクリスタルがないと使えませんが、神様も喜ぶし、ポケモンと一緒にやればもっと仲良くなれますよ!」
「ふーん。わかった。その......。一応、感謝してやるよ」
「やった!ありがとうございます!」
オルティガ先輩、カワイイ。男の子用のポーズもあるけど、ついつい女の子用のあざといポーズを教えちゃった。
「なぁ、それってほのおのポーズもあるのか?」
メロコちゃんが話しかけてくれた。嬉しい。かわいい。
「あるよ!こう、腕でメラメラ燃え上がるほのおをイメージして......。それをゼンリョクで相手に向かってかえんほうしゃのポーズ!からの『ダイナミックフルフレイム』!」
「へぇ。結構イケてるな」
「我も!どくのポーズを伝授して頂きたいでござる!」
シュウメイくん、さっきより距離が近いよ。ドキドキしちゃう......!いや、平常心平常心......。
「......うん!いいよ!まずアーボックが威嚇してるみたいにとぐろを巻くようにゆっくりと腕をこう。そして、獲物に向かって、ゼンリョクで飛びかかるポーズ!からの『アシッドポイズンデリート』!」
「『アシッドポイズンデリート』......!高潔無比こうけつむひの響き......!伝授して頂き、恐悦至極きょうえつしごくでござる......!」
「わたしもかくとうタイプのやつやりたい!教えて!」
「ぼくもあくタイプのグルーヴをレクチャーしてよ!」
「いいよ!ねぇねぇ!アオイちゃんたちも一緒にやろうよ!」
「私の相棒、マスカーニャなの!くさタイプがいいな!」
「わたしもウェーニバルと踊る!みずタイプ教えて!」
ビワちゃんとピーニャくん、アオイちゃんとネモちゃんが来てくれた。ボタンちゃんとペパー先輩はモジモジしている。
「うちは別に......。特に好きなタイプとかないし......」
「オレもそんなこっ恥ずかしいポーズできねえよ」
「ボタンちゃん、イーブイ専用のZワザがあるよ!その名も『ナインエボルブースト』!」
「え、それ......。とりあえず、見たい」
「あ!ボタン!裏切り者!」
ペパー先輩はムスッとしてしまった。
「ペパー先輩も一緒にやりませんか?」
「やらねえって」
どうしよう。ひとりぼっちにするのはよくないよな......。
「......じゃあ、ペパー先輩は審査員で!誰が1番ゼンリョクだったか、審査してください!ボタンちゃんもやるの恥ずかしかったら審査員やってね。よーし。みんな!ゼンリョクでいこー!」
「おい!はぁ......。コミュ力オバケ、グイグイ来るな......」
なんだかんだと言いながら、ペパー先輩はガヤ芸人みたいになりながらノリノリで審査してくれた。ボタンちゃんのツッコミも面白過ぎてお腹抱えて笑っちゃった。
最終的に、拳を突き出すかくとうポーズの迫力が凄まじすぎて、ビワちゃんが文句なしの優勝だった。
「やったー!レイラちゃん、教えてくれてありがとう!今度お礼するね!」
「え、そんな、気にしなくていいよ!むしろ一緒にやってくれてありがとうだよ!」
「でも......」
ビワちゃん、いい子過ぎない?世の中の汚い部分を何も知らなそう。
「じゃあビワちゃん、あれ教えてよ。『お疲れ様でスター』!」
「もちろんいいよ!お稽古のあとは挨拶が大切だよね!......こんな感じ!それじゃあみんな『お疲れ様でスター』!」
「「「「「お疲れ様でスター!!」」」」
みんなと仲良くなれた。とっても楽しかった!パパが帰っちゃった寂しさなんか吹っ飛んじゃった。パルデアの人たちも、やっぱりみんな優しくていい人たちばっかり!
あと、王子様のシュウメイくんはやっぱりすごくかっこいい。
アオイちゃんとネモちゃんとボタンちゃんと、一緒に寮に帰ることになった。こういうの、青春だよね!
そういえばツッコめなかったけど、今日もシュウメイくんはビワちゃんに連れて行かれる前までズボンのチャック開いてた。やっぱりついでにちんちんも見せるつもりだったのかなぁ。
えーっと。もう10年近く見てないけど、パパのちんちんってどんな感じだったかな......。
いやいや、何考えてんだ私。よくない!非常によくないぞ!まだ彼氏すらできたことないのに。
男の子と手を繋いだことも......。いや、セキさんと繋いじゃったんだった!うわー!!!
なんとはしたない!でもでも、いつか私も誰かと......。いや!無理無理!そういうのは結婚してから!
「レイラ、どしたん?顔真っ赤だけど......」
「ねえねえボタンちゃん。シュウメイくんってとってもかっこいいよね。お付き合いしてる女の子とかいるのかな......?」
「は!?いや確かに見た目は結構サワヤカだけど、アレだよ!?」
「え、どれ?」
「......どうしようアオイ。レイラがいよいよマジこわなんだけど!」
「うん?確かにシュウメイはテンションがちょっとアレだから、あのテンションついていける子がいなくてモテないだけで、すごく美少年だよね。レイラとは気が合いそうだし、好きになっちゃう気持ちわかるよ。ネモはどう思う?」
「シュウメイのブロロローム、強くてかっこいいよね!はがね どくタイプだし、ミミッキュはブロロロームのこと苦手かも知れないけど......」
「そんな、好きとかじゃなくって!もっと仲良くなりたいなって。あと、はがねの対処はシャンデラがいるから大丈夫!ゲンガーのゲンパチはどくタイプもあるから、どくは効かないし!」
「うわーっ!今までもヤバかったけど、更にイカれたメンバーが増えたー!」
「私もメンバーに入ってるの?」
「そりゃそうでしょ。イカれてるし。......友達、だし」
「ボタンちゃん......!嬉しい!大好き!」
思わず抱きついちゃった。
「うわ!うわーっ!アローラ人の距離感ーー!」