今日から始業式!ついに制服を着て登校だ!
は〜。キンチョーする。どんな子がいるかな......。
「ええっとお、春休み前からお伝えしたとおり、アローラから留学生が来てくれています!そしてこの2-Aのクラスメイトになりまあす!レイラさんです!どおぞー!」
ジニア先生の紹介で、教室に入る。
「こんにちは!アローラのポケモンスクールから来ました!シナミレイラです!よろしくお願いします!」
みんな拍手してくれた。
あ!ボタンちゃんがいる!同じクラスになったんだ。やった!でも、後ろの方の席だし、ここから話しかけたら恥ずかしがっちゃうかな......?
「あ!ラブリースターさんだ!」「留学生だったんだ!」「え、ラブリースターさん知らないの?会長のポケモンを一撃で......」わいわいガヤガヤ......。
ひゃー!有名人になってる。恥ずかしいっ!さすがにラブリースターさんは嫌だ。
「はあい、みんな静かにねえ。レイラさん、ありがとうございまあす。じゃあ、レイラさんに質問がある人〜」
みんなわくわくした顔で手を挙げてくれてる。同級生の子たちはフレンドリーな感じだ!
「はいっ!留学期間は1年ですよね?3年生からはアローラで過ごすんですか?」
「私は今、アローラのポケモンスクールに在学している扱いなんですが、パルデアとは教育システムが違うので、私は今年でスクールを卒業することになるんです。この1年の間にこっちで就職活動して、パルデアで就職できたらいいなと思ってます!」
「はい!将来の夢はなんですか?」
「ジムリーダーになりたいです。アローラにはポケモンジムやポケモンリーグがないので、パルデアでジムリーダーになって経験を積んで、いつかアローラにポケモンジムを作りたいです!」
「はいはいっ!手持ちのポケモン教えてください!」
「シャンデラ、ミミッキュ、ヤバソチャ、ポットデス、ゲンガー、ジュナイパーです」
ジニア先生は「ああ!そうだあ!はあい!」と言って手を挙げた。
「そうでしたあ!レイラさんのジュナイパーは珍しいすがたをしてるんですよお。見せてもらっていいですかあ?」
「はい。ジュナイパー、みなさんにご挨拶するよ!」
「スンッ!」
進化してもお返事はスン!なんだね。ジュナイパーはかしこいなぁ。しゃべれるようにならないかなぁ。
「みなさんの知ってるジュナイパーとはすがたが違いますよねえ?このすがたは『ヒスイのすがた』と言って、一度は絶滅してしまったと思われてたんです。大変珍しいポケモンなんですよお!」
ジュナイパーはドヤ顔で『かくとうZ』のポーズをキメた。
そんなこんなで自己紹介を終えた。
ジュナイパーが人気者になってる隙に、ボタンちゃんに声をかけに行くことにした。
「ボタンちゃん、同じクラスだね!よろしくね!」
「......さっき目が合ったのに何も言わないから、無視されたんかと思った」
「違うよ。教室に入って早々、教壇から『ボタンちゃーん!同じクラスで嬉しいよー!大好きー!』って言いたかったけど、ボタンちゃん恥ずかしがるかなと思って......。いつもとテンション違うと寂しいよね。ごめんね。次からアローラ人の距離感にするね」
「そっか、勘違いした。ごめん、ありがとう。アローラ人の距離感はいいや。今日みたいな感じでよろしく」
「わかった!ボタンちゃんが寂しくない程度に絡むね。やりすぎたらごめん。先に謝っとく」
「余計なこと言うんじゃなかった......」
この日は簡単な説明や教材の受け渡しだけで終わった。
アオイちゃんは隣の2-B、ネモちゃんは遠くの2-Fになっちゃった。みんな同じクラスがよかったなぁ。
他のメンバーはペパー先輩やオルティガ先輩と同じ学年だった。知らなかったとはいえ、すごく失礼な態度取っちゃった。
メッセージで謝ったら、みんな昨日みたいな感じでいいよって言ってくれたし、オルティガ先輩はみんなに対して似たような態度だし、そういう人なんだと思うことにしたけど......。
やっぱり私、ペパー先輩に嫌われてるのかも。
フトゥー博士に会ったことは、あれから3年近く経ったけど、誰にも話してない。
思い出すと色違いちゃんを思い出すから、悲しいし悔しいし怖いし、結構長いこと考えないようにしてたけど、ことフトゥー博士との出会いに関してだけ言えば、思い返せば不思議で素敵な出会いだった。
あの一件がなかったら、ゼイユちゃんとスグリくんに会えなかった。
スグリくんのおかげでおもちパーティできたからグラジオと出会えたし、パシオに落っこちたりもしたけど、グラジオのおかげで明確な夢ができて、ゼイユちゃんのおかげで今、夢を叶える地、パルデアに立てている。
フトゥー博士の息子さんであるペパー先輩とも、運命的な何か......。いや、運命の王子様はシュウメイくんだといいなって思ったりして......。
かっこいいし気が合うし、もっと仲良くなりたいな。へへへ。
でもちんちんを見せるのは結婚してからにしてほしい。
......私、なんでこんなこと考えてたんだっけ。
まぁいいや。明日から授業だ。頑張るぞっ!
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授業が始まってみると、思ったよりも勉強についていけていた。先生もみんな、優しくて良い先生ばかりだ。
授業が終わったら、ライドポケモンになってくれる子を探すのが日課になった。ゴールデンウィーク明けの宝探しには、ライドポケモンが必須だ。
しかも、指定のポケモン以外をライドポケモンにするには、試験を受けてポケモンにもライド免許を取ってもらわないといけないとの事。
早くゲットして仲良くなって、練習してもらわないと......。
でも、私はいまだに野生のポケモンをゲットするのが怖い。マスターボール級のボール投げ名人が聞いて呆れる。
歩き回って疲れてきちゃった。木陰で少し休もう。
どうしよう。ジムトレーナーになるなら、対戦相手のレベルに合わせたポケモンを用意しないといけないから、ジムトレーナーになったらポケモンをもっとゲットしないといけないのに。
「はぁ......」
大きすぎるため息が出て、膝を抱える。もうすぐ暗くなっちゃう。早く帰らないと。でも、なんだか悲しくなってきちゃった。頭も抱える。
「よう。こんなとこで何してんだ?迷子ちゃんか?」
「ペパー先輩!こんにちは!」
立ち上がってシャキッと姿勢を正し、頭を下げる。
「すみません。歩いてたらちょっと疲れちゃって、休憩してただけなんです。お気遣いありがとうございます」
ペパー先輩は頭を抱えて首を横に振った。
「レイラはなんでオレに対してそんなにビビってんだよ」
「最初のメッセージから『貴様のような無礼な余所者の愚民が、かわいくて優しくてチャンピオンランクのオレ様のカノジョに失礼なことしたら、ぶっころがすから覚悟しろ』って脅されましたし、謝っても無視されましたし......」
そこまでは言われてないな。でも、それくらいの圧はあった。
「言ってないだろ!何からツッコんだらいいかわかんねえちゃんだ......」
ペパー先輩、怒っちゃうかな。どうしよう......。
「まず、ごめんな。オレ、メッセージのやり取りは苦手なんだよ。返事がないとモヤモヤするから、逆にいつもオレから終わらせちまうんだ」
謝られちゃった。更に申し訳ない。
そういえば、フトゥー博士はペパー先輩からのメッセージにお返事できなくなっていっちゃったって言ってたな。お返事待つの、つらいよね。
「あと、アオイはカノジョじゃねえよ。大切な親友ダチだ。オレの相棒のマフィティフが体調悪くしたときにアオイが助けてくれたんだ」
しまった。ペパー先輩が捨てられたポケモンさんみたいにな顔になってしまった。片想いちゃんだったか。
「アオイはお人好しすぎるし、すぐ無茶するからよ。オレのオカルト話を信じてミミズズに砂ぶっかけられたり、オトシドリにでっかい岩ぶつけられたり、メカみたいな凶暴なドンファンに追いかけ回されたりしてキズだらけになりながらも、ずっと笑顔で一緒に冒険してくれたんだよ」
まぁ、スーパーマサラ人だからね。
「行きずりのカメラマンの頼みを聞いて、やべービーム発射する変なでっかいリングマをボコしてゲットしてきたし、ともっこ退治とか言って悪い伝説のポケモンをボコしてゲットして従わせてるし、そいつらの親玉もとんでもないヤツだったけど、ボコしてゲットしてたし......」
それはスーパーマサラ人ってだけでは説明つかないかも。
「歴史の先生が『大昔に大厄災を起こして封印された伝説のポケモンを見てみたい』ってボヤいてるの聞いて、平然と封印解いてゲットして来ちまうし、マスターボールすらぶっ壊すような幻のポケモンを、モンスターボール買ったときにオマケでもらったボールでゲットしてるし......」
ふむふむ、わかった。それは『汎用人型バトル以外も兵器』だね。納得。怖っ。
「とにかくちょっと変なこと言うと、とんでもねえ事してくるんだよ。オレのマフィティフも危険なポケモンからオレをかばって大ケガして体調悪くしちまったんだ。だからアオイもいつか誰かのために大ケガするんじゃないかって、すげー心配してんだよ」
パパのポケモンさんも、パパをかばってしんでしまったらしいし、スーパーマサラ人のパパも、ママをかばって生身で伝説のポケモンにボコされてしにかけたらしいし......。
スーパーマサラ人とはいえ、ちっちゃくて細身の女の子のアオイちゃんが、ひとりで誰かのために無茶して伝説のポケモンをボコしに行くのは、確かに危険過ぎる。
「......いざとなったら私がアオイちゃんを助けに行きますね!私、岬から海に落ちても生きてたくらいにはがんじょうですし、幻のポケモンさんに穴に落とされてワープしても、誘拐されて上空から落とされてもピンピンしてたくらいには運もいいんで!」
「どういう人生送ってんだ!転落しすぎちゃんか!?そういうのがダメだっつってんだろ......」
ペパー先輩が仰け反って驚いたあと、ため息つきながらがっくりと肩を落としてる。リアクションがいちいち大きいし、表情豊かなんだな。
「ボタンも友達ダチの成績を改竄するためにアカデミーのシステムをハッキングしようとするし、ネモはネモいし、マジでオマエらなんなんだよ......」
『ネモい』......。初めて聞いたけど、どういう状態かおおよそ見当がつくな。
っていうか、ボタンちゃんハッキングできるんだ!かっこいー!
「今の時代にこんな事いうのも良くないかもだけどな、アオイもボタンもネモもレイラも女なんだからよ......。危険なことはしないでくれよ......」
「そう言われてみれば、ペパー先輩って年下の女の子でハーレム形成してるんですね。構成員として頑張ります」
「......おい。ぶっころがされたいのかよ」
心臓が縮みあがって、ぐはっ!ってなった。ボケのつもりだったのに、マジで怒ってる......というか、汚物を見るような目で睨まれた。怖い。
「大変失礼致しました。申し訳ございません」
めちゃくちゃ綺麗に90度に頭を下げた。
「そういうボケなのかマジなのかわかんねえ反応すんのやめろよ......。敬語もいらねえし、呼び捨てでいいからよ」
ため息して頭抱えて、急に笑顔になって、実は結構イジり甲斐あるタイプ?
最初はボケて、怒られて怖くてマジの謝罪をしたつもりだったけど、なんか面白いかも。
「わかった。改めて、仲良くしてね」
「おう。もう暗くなるし、寮まで送っていくぜ」
「ペパー、ありがと」
「おう。行こうぜ」
しまった。サラッと呼び捨てにしてしまった。
しかも夕暮れ時に一緒に帰るとか、青春のやつじゃん。だからなんだってんだ。
ドキドキするのは、さっきペパーがこわいかおしたからだ。ちくしょーめ。