パパと私とスーパーヒーロー。   作:にゃかぽけ

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また明日

「あ、あった!テラスタルオーブ!」

 

体育館の奥の方に、テラスタルオーブが転がっていた。なんだ、なんともないじゃん。ササッと回収しよっと。

 

「私、取ってくるね!」

 

「あ、ちょっと待っ......!」

 

しまった。真横にムウマ......じゃない。何この子!

目が血走って真っ赤にギラついて、鋭い牙が生えてる。髪の毛......的なやつも長くてすごく禍々しい。悪いムウマだ。やっつけなくちゃ。

 

「ミミッキュ!やっつけよう!」

 

「ハハハ......ッ!」

 

悪いムウマ、笑ってる。速い。強烈なシャドーボールだ。でもミミッキュならばけのかわで耐えられる。ゴーストにゴーストは効果ばつぐん。ミミッキュならやれる!

 

「シャドークロー!」

 

「ハハッ......!」

 

悪いムウマはテラスタルオーブに触れ、ラブリーな感じのテラスタルジュエルが頭に乗っかった。フェアリーテラスタル。ばつぐんがつけない。

 

「......ミミッキュ、かげうち!」

 

かげうちも耐えられた。ダメだ。倒せない。

 

強烈なシャドーボールを受け、ミミッキュが倒れた。

 

「ククク......。ハハハッ......!」

 

悪いムウマはもう一度ミミッキュにシャドーボールを向けてる。死体撃ちはマナー違反だよ。

 

 

ミミッキュがしんじゃう。

 

 

助けなきゃ。

 

 

駆け出した。

 

 

世界がスローモーションに見える。

 

 

ミミッキュを抱きしめた。

 

 

ミミッキュ、あったかいな。

 

 

さて、どうしたものか。

 

 

また無茶しちゃった。

 

 

私もシャンデラの穴を埋めなきゃって焦ってた。

 

 

成長したつもりだったけど、ちょっとしたきっかけでまた逆戻りだ。

 

 

いつでも笑顔で、どんなときでもかっこよく誰かを助けるヒーローなんて無理だよ。

 

 

つらくて悲しくて苦しくて、笑顔になれない時もある。

 

 

失敗だってするし、疲れたりケガしたり病気になったりもする。

 

 

私は、どこまで行っても私のまま。

 

 

シャドーボール、背中のど真ん中に当たりそうだな。

 

 

さすがにかなり痛いだろうなぁ。

 

 

いや、シャドーボールってなんだろう?

 

 

痛いのかなぁ。

 

 

苦しくなったり、気持ち悪くなったりするのかなぁ。

 

 

「レイラ殿ーッ!」

 

 

そんなに遠い距離じゃないのに、シュウメイくんがブロロロームに乗ってかっ飛ばして向かってきてくれてる。

 

 

シュウメイくんのブロロロームならフェアリータイプなんか楽勝だね。

 

 

心強いや。

 

 

お盆明けにはキタカミのお祭りがある。

 

 

歌う約束してるんだ。

 

 

ゼイユちゃんとは結局予定が合わなかったし、スグリくんとは入れ違いだったし、結局まだ会えてないんだ。

 

 

早く会いたいなぁ。

 

 

そうだ。アカデミーのみんなも誘って、私が歌ってるところ見てもらっちゃおうかな。

 

 

マスターボール級のボール投げ名人の実力も見せちゃうんだからね。

 

 

そうだ。スターインパクト号で鬼退治フェスも挑戦しよう。

 

 

とっても楽しみ。

 

 

ふと思い出したけど、次にパシオに行ったら、ライヤーさまの素顔見ようと思ってたんだった。

 

 

口元はイケメンっぽかったな。こんなタイミングだけど、めちゃくちゃ気になってきた。

 

 

チェッタさん、不健康そうだったけど元気してるかな。

 

 

ドリバルさん、人間なのか地底人なのか結局わかんなかったし、次はきちんと確認しなきゃ。

 

 

セキさんとカイさんは元の時代に帰れたかな。

 

 

ヒナギク博士の研究も協力しなくちゃ。

 

 

テルくんはどこに行っちゃったのかな。

 

 

また会おうって書いてあったし、また会えるよね。

 

 

あと私ね、やっぱりショウちゃんの気持ちはわかんないや。

 

 

私の初恋の人は、間違ったことしてた。

 

 

大好きだったから、これから悪いことしないならそれでいいかなって思っちゃったりしたんだけどね。

 

 

でも、それを断ってくれた。

 

 

とっても悲しかったけど、グラジオは心から私の幸せを願ってそうしてくれたのが、痛いほど伝わったんだ。

 

 

一緒に悪いことさせる男の子なんかと一緒にいても、幸せになんかなれっこないんだよ。

 

 

今頃スマホを顔面に落として、前髪短くされて、靴紐踏んでド派手に転んでるだろうな。

 

 

ざまあ見やがれってんだ。畜生め。

 

 

ボタンちゃん、アオイちゃん、ネモちゃん。

 

 

ビワちゃん、メロコちゃん、ピーニャくん、オルティガ先輩。

 

 

皆のおかげでパルデアの生活はとっても楽しいよ。

 

 

友達になってくれてありがとう。

 

 

そうそう。ペパーは最初すっごく怖かったけど、友達になれて本当に嬉しかった。

 

 

私の運命の王子様はシュウメイくんだけど、ペパーにはそれとは違った運命感じちゃったんだよね。

 

 

恥ずかしいし、なんか悔しいから絶対に言わないけど!

 

 

大丈夫。

 

 

またフトゥー博士に会える気がする。

 

 

そうだ。私、フトゥー博士の宿題の答えわかったから、伝えなきゃいけないんだった。

 

 

フトゥー博士がどんな反応だったか、帰ってきたらペパーに話そうかな。

 

 

さすがにこのシャドーボール受けて生きてたら、フトゥー博士に会ったってのも信じてもらえそうだし。

 

 

パパ。

 

 

心配かけてばっかりでごめんね。

 

 

でも私、パパの娘だから、海に落ちても穴に落ちても、空から落ちても、どこから落っこちても平気なんだよね。

 

 

あ、でもここは落っこちる場所がないな。

 

 

逆にダメかもわからんね。

 

 

そうだ、もう私のことはどうでもいいや。

 

 

皆を守らなきゃ。

 

 

パパの言うこと聞いといて良かった。

 

 

元々はマサラのおじいちゃんの言葉だったんだっけ。

 

 

マスターボール級のボール投げ名人をナメるなよ。

 

 

……よし。完璧。捕獲クリティカルだ。

 

 

これで、みんなが危ない目に合うことはないはずだ。

 

 

シュウメイくんとヒロノブくんが同胞になってくれて良かった。

 

 

ふたりのおかげで、トラウマを乗り越えられた。

 

 

忍ポケに夢中になれて良かった。

 

 

社員ちゃん達が勇気をくれた。

 

 

シュウメイくん、ありがとう。大好きだよ。

 

 

早くシュウメイくんとアローラに行きたいな。

 

 

私の理想の王子様。

 

 

アローラのみんなにシュウメイくんのこと自慢しちゃおう。

 

 

パパにも認めてもらえるように頑張らなくちゃね。

 

 

いつかママみたいに、好きな人に思いっきり愛してもらえる、幸せなお嫁さんになりたかった。

 

 

私みたいな生意気でトラブルメーカーな子供が産まれちゃったりして、毎日ドタバタしながらも、笑いの絶えない家庭を作りたかった。

 

 

長生きして、大好きな人とおじいちゃんおばあちゃんになってもずっとラブラブでいたかった。

 

 

いっそ安らかに成仏したいなんて思ってた、あの頃の私とは違う。

 

 

ポケモンお悩み相談所のみんなが救ってくれた。

 

 

生きてるって、本当に素敵なことだ。

 

 

もっともっと、やりたいことがたくさんある。

 

 

安らかに成仏なんてできないよ。

 

 

死にたくない。

 

 

もっと生きたかった。

 

 

もっと……

 

 

ダメだ。シャドーボールがぶつかってきた。

 

 

あれ?なぁんだ。全然痛くないや。

 

 

落っこちてるような、浮かび上がってるような。

 

 

これ、どっちなのかなぁ。

 

 

落っこちてるなら、ワンチャンあるかもね。

 

 

みんな、また明日ね。

 

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