ジオン公国次元転移記(改定版)   作:masakoba(正博)

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第10話 宇宙戦艦ヤマト2199 (6)

 ジオン公国機動船団ではギレンとユーリが話し込んでいた。

 

 

 「ギレン兄、七色星団には行かないの?」

 

 「行くぞ。ただしお前と2人だけだ」

 

 「何をこそこそと喋っているかと思えば私も行くぞ」

 

 

 ハマーン様がいつの間にか、執務室の扉を開けて立っていた。

 

 

 「ギレン兄、どうぞ」

 

 「お前なぁ・・・。ハマーン、キュベレイではとても無理だ」

 

 「そう言うと思った。では私にも『ブラッディ』を作れ!」

 

 「それでも無理だ。理由は魂の同調が出来ていないからだ」

 

 「今のままで俺達と同等の機体に乗ったら、100%死ぬよ」

 

 「ハマーン、ちょっと来い」

 

 

 

 ギレン兄はハマーン姉を秘密の工房に連れて行った。

 

 

 「ここは何だ?」

 

 「私の秘密工房だ。今は格納庫として使っている」

 

 「ギレン兄、開けるよ」

 

 

 ユーリがシャッターを開けると、ハマーン姉は驚いた。

 

 

 「これは『ブラッディ』がこんなにも!」

 

 「それは違う『ブラッディ』はユーリの機体だけだ。これはVF―25改の量産機だ」

 

 「???」

 

 「ハマーン姉。こっちに来て」

 

 

 奥にもう1つ部屋があった。

 

 

 「ここにもあるが量産機とは、雰囲気が違うな」

 

 「流石、ニュータイプ。ここれは兄妹様に作ったカスタム機だ」

 

 「ハマーン姉の機体もあると良いね」

 

 「どういう事だ、私にも作ってくれたのではないのか?」

 

 「部屋の端を見ろ。1機分空いているだろう」

 

 「ああ。私のはこれから作るのか」

 

 「違う。あそこには私のものになった機体が置いてあった」

 

 「ハマーン姉よく見て。この部屋には機体を出すところは無いんだ」

 

 「ではどうやってギレンは機体をこの部屋から出したんだ?」

 

 「出したのでは無い、機体が自分の意志で出たんだ」

 

 「この子達は自我を持っている。だから魂の同調が出来た時に魂から出てくるんだよ」

 

 「良く分からんが、今は乗れないと言うのは分かった」

 

 「心・魂の奥底から飢える事だ。乗りたいあの力が欲しい、そして楽しみたい私はそう心から飢えた」

 

 「俺はね。みんなを守れる力が欲しいと欲した」

 

 「今は出来んな。だがその時が来れば言われた通りやってみよう」

 

 

 

 

 

 ドメル艦隊がヤマトを沈める為、七色星団に集結した。

 

 ・ゼルグート級一等航宙艦・ドメラーズⅢ世(ドメル将軍乗艦)

 

 

 ・ガイペロン多層式航宙母艦・第1空母バルグレイ

  艦載機:艦上戦闘機DWG109デバッケ(57機搭載)

 

 

 ・ガイペロン多層式航宙母艦・第2空母ランペア

  艦載機:艦上攻撃機DMB87スヌーカ(57機搭載)

 

 

 ・ガイペロン多層式航宙母艦・第3空母シュデルグ

  艦載機:雷撃機FWG97ドルシーラ(36機搭載)

 

 

 ・ゲルバデス級航宙戦闘母艦・ダロルド

  艦載機:重爆撃機DBG88ガルント(1機搭載)

 

 

 (計5隻)

 

 

 

 ごめんねドメル将軍ミノフスキー粒子散布して、ヤマトへの挑戦状送れなくして。

 ハマーン姉がどうしても行くと言うので、アルカディア号に頼んだ。

 

 

 「ハーロックごめんね、急に出撃頼んで」

 

 「気にしないでください。相手はドメル将軍、腕がなります」

 

 「戦闘空母だけだよ。それ以外は僕らの獲物だからね」

 

 

 

 

 一方ドメル艦隊では。

 

 

 「まだ通信を送れんのか!」

 

 「何か妨害を受けているようです」

 

 「ダロルドより信号。我敵艦と交戦中。ただしヤマトではない」

 

 「敵らしき機影3機、空母に向かっています」

 

 「何者だ? 取り合えず警戒態勢を取れ!」

 

 

 

 アルカディア号から出撃した、ユーリ、ギレン、ハマーンは戦闘態勢をとった。

 

 「ハマーン姉、緑の空母からやるよ」

 

 「ここはお前達に任す」

 

 「どちらへ?」

 

 「ドメル将軍に挨拶と謝罪だな」

 

 「了解」

 

 

 

 

 「敵機1機こちらに向かってきます!」

 

 「ほう、強気だな。対空迎撃用意」

 

 「敵機より通信が入っています」

 

 「スクリーンに出せ」

 

 「ドメル将軍まずは無礼を謝罪する。ヤマトが標的だろうが邪魔をさせてもらう」

 

 「こちらの事情に詳しいな。何者だ?」

 

 「『ジオン』取るに足らない地球人だよ。別世界のな」

 

 「良く分からんが、面白そうだ」

 

 「我ら『ジオン』を舐めるなよ。バラン星の大艦隊を潰したのは我々だ」

 

 「何! そうかこんな少数に負けるとは」

 

 「それは違う。私も少しだが戦力を持っている。貴方方と比べるとお恥ずかしい限りだがね」

 

 「それではその戦力を何故出さん?」

 

 「亜空間戦法を封じる為とこれで充分だからさ」

 

 「舐めているのはそちらだろう。戦艦1隻で何が出来る」

 

 「戦艦1隻ともう1機はおまけだ。本来2機で来る予定だったからな」

 

 「そんな戦闘機2機で何が出来る」

 

 「そこのゲール君なら分かる筈だ。たった2機の凶鳥に大艦隊の殆どを潰されたのを」

 

 「何をふざけた・こ・と・・・ヒィー! ドメル将軍あれはダメです。あれは異常なんです」

 

 「どうやら本当らしいな。だが私もドメル逃げる訳にはいかん!」

 

 「それでは戦闘開始といこう」

 

 

 

 ギレンが嬉しそうに帰って来た。

 

 

 「ギレン兄、お帰り。嬉しそうだね」

 

 「当たり前だ! 外宇宙の名将と話をして来たんだぞ。嬉しすぎて、暴れまわりたい気分だ」

 

 「ドメル将軍と1機でやらせてあげるから、ちょっと落ち着こう」

 

 「本当だな、約束だぞ。それでお前は何をしている?」

 

 「見てる。2人とも火が着いちゃって、1人でやらせろって」

 

 「お前何しに来たんだ」

 

 「分かりません」

 

 

 

 

 ハマーンは3隻の空母と戦っていたが不満だった。

 いつもの癖で空母の弱点である飛行甲板を、ファンネルで3隻同時に撃ち抜いてしまった。

 艦載機の出せない空母は、ただの箱だった。

 

 

 「仕方が無い、そろそろ沈めるか」

 

 

 

 ハマーンの油断だった、背後に続々と艦載機群が現れていたのである。

 ガミラス得意の亜空間戦法である。

 ドメルは艦載機を2段3段の後部甲板に集めさせ、瞬間物質移送機でハマーンの背後に転送していたのである。

 ドメルの旗艦の艦橋は分離でき、独立戦闘指揮艦として動き瞬間物資移送が付いている。

 ドメルはハマーンに気付かれる事無く、空母に近づき艦載機を出したのである。

 

 雷撃機と攻撃機の飽和攻撃がキュベレイを襲い、ファンネル格納部、右腕、右足を破損させた。

 ハマーンは怒った敵にではなく、自分自身に怒っていた。

 いつもならファンネルで一瞬で終わっていた。

 いつもなら敵がいる前で油断などしなかった。

 いつもなら愛機キュベレイをこんな惨めな姿にしなかった。

 私は一体何をしている。

 私は一体誰だ。

 私は思い出した、私は『ハマーン・カーン』!

 偉大なる父より授かった名前に泥を塗ってしまった。

 傷付いた愛機キュベレイよ、『ブラッドシステム』で魂をやろう。

 だから最後にもう1度だけで良い奴らを殲滅する力を貸してくれ、この『ハマーン・カーン』に。

 

 

 キュベレイは最後の力出し切る様に、上に飛翔した。

 そして輝く光となった。

 ガミラスは撃破したと喜んだ、ギレンとユーリも喜んだ何かの誕生を祝う様に。

 

 輝く光は突然弾けた、そして流星群となりガミラス艦載機群を飲み込み消し去った。

 そして流星群はガミラス空母の周りを取り囲むと、ビームの嵐を叩きつけた。

 空母は沈んでいき、流星群は1つの白い塊になった。

 

 

 「ハマーン姉、おめでとう」

 

 「何がめでたい! 私は失ったのだぞ、愛機キュベレイを」

 

 「キュベレイなら今乗っているよ」

 

 「何処を見ている。これは『ブラッディ』だ!」

 

 「あのね。ハマーン姉に見せたVF―25改達は抜け殻なんだ。あれにはね、魂を入れなくてはいけないの。それも自分の分身と言える物の魂を、ここまで言えば分かるよね、そうキュベレイさ。でも勘違いしないで欲しいのは、取り込んだのはキュベレイがVF―25改を取り込んだんだ」

 

 「キュベレイが取り込んだなら、何故キュベレイにならない!」

 

 「キュベレイはハマーン姉の望みを叶える為に魂になった。ハマーン姉が望んだ力を与える為に、そして見つけたそれがVF―25改それの魂になった。ハマーン姉が乗りたがった機体でもあったからだけど、私を忘れないでくださいってだからカラーは白で武器はファンネルとビームガン。私はいつまでも貴方を守ります願いを叶えます、でも私が愛機キュベレイであった事忘れないで下さいとね」

 

 「お前はそこまでして私の願いを叶えようとしてくれたのか。『ハマーン・カーン』は誓う、お前が愛機キュベレイである事をそして勇姿を忘れない」

 

 「じゃあこいつの名前は『キュベレイ』だね」

 

 「でもこいつは『ブラッディ』になったのでは無いのか?」

 

 「言ったでしょうそれは魂の無い機体だったと、名前は心の奥から素直に付けるんだ。俺は俺の血を吸ったから『ブラッディ』に、ギレン兄はこだわりが無かったからだから『ブラッディⅡ』にした。じゃあ、ハマーン姉の素直な気持ちは?」

 

「素直な気持ち、やはり私の愛機は『キュベレイ』だ」

 

 

 その時嬉しさの表現なのか『キュベレイ』のエンジン音が大きく唸った。

 

 「ありがとう『キュベレイ』」

 

 「『ブラッディ』又お前の兄妹が増えたよ。名前は『キュベレイ』仲良くね。さてギレン兄は心配無いから、アルカディア号を見て来るね」

 

 「私も行こう」

 

 

 

 

 

 ゲルバデス級航宙戦闘母艦・ダロルドの艦長ドーラ・バレク大佐は笑っていた。

 

 

 「ガハハハハッ。何だあの艦はわしを笑い殺す気か。ガハハハハッ」

 

 

 アルカディア号は苦戦していた、いや苦戦ではない戦いにすらなっていなかった。

 自慢の三連装パルサーカノンは敵の装甲に弾かれてしまう。

 ミサイル発射装置、連射砲は既に破壊され、残るは艦首衝角と白兵戦用アンカーチューブのみ。

 艦体は見る影も無くボロボロになり、幽霊船かと思う程破壊されていた。

 ハーロックは調子に乗っていた、敵を甘く見ていたと考えていた。

 先日の次元潜航艇UX-01『異次元の狼』と引き分けた事で自分が本物の『ハーロック』になった気でいた。

 ユーリ様に名前を付けて頂きギレン総帥からは誉め言葉と正式に名前を、キシリア様からは大海賊旗を貰った時嬉しくて泣いた。 

 だが現実はどうだ相手は純粋な戦艦では無い、空母と戦艦をくっつけた様な代物だ。

 面目が無かったジオンにギレン総帥・ユーリ様に、何より1番尊敬している『キャプテン・ハーロック』に。

 『キャプテン・ハーロック』は宇宙を飛び回り、どんな強大な敵にもひるまず立ち向かい常勝無敗憧れた。

 だが俺は全てに泥を付けた。

 『キャプテン・ハーロック』の相棒だったトチローが命を込めて作ったアルカディア号はこんな物では無かった。

 俺はやはり物真似でしかなかったらしい、突然笑いが込み上げて来た。

 狂った様な笑いで無くうっすらと嘲笑った。

 物真似なら物真似らしくやってやろう。本物の『キャプテン・ハーロック』に良くやったと褒められる戦いをしよう。

 心の中に何かが生まれた。

 それは本物の『キャプテン・ハーロック』と、40人の仲間が持っていたそれは『勇気』!

 

 ユーリとハマーンが助けに入ろうとした時、『ブラッディ』達が待っていろと言う様に突然停止した。

 その時、輝く光がアルカディア号目指して飛んできた。

 そしてアルカディア号に衝突し、アルカディア号が光に包まれ爆発するように輝いた。

 

 

 

 「何じゃもうお終いか。つまらんのガトランティスと戦っている方がましじゃ」

 

 

 ダロルドの艦橋中が大笑いしていた。

 別の場所で同じく笑顔でいる2人がいた、ユーリとハマーンであった。

 輝きが消えた。

 

 

 「ドメル将軍の下に戻るぞ。暇つぶしにもならんかったわい」

 

 「暇なら相手をしてやる。そして帰るのはあの世だ!」

 

 「誰だ! 姿を見せろ、腰抜け」

 

 「俺の名は『キャプテン・ハーロック』どこを見ている。さっきから目の前にいるぞ、ガミラス! よく見ろ」

 

 

 輝きが消えた闇から1隻の艦が現れた、アルカディア号だった。

 それも傷1つ無い綺麗な姿であった。

 

 

 「馬鹿な、貴様は沈んだ筈!」

 

 「沈んださ、物真似をしていた俺は。そして生まれ変わった本当の『キャプテン・ハーロック』にな」

 

 「う、撃てぇ、撃てぇ! あの幽霊船を沈めろ。撃て、撃て、撃ちまくれ!」

 

 「本物の戦いを見せてやる。行くぞ! 相棒」

 

 

 戦いは逆転した。

 ダロルドの主砲が、アルカディア号の装甲に弾かれる様になった。

 

 

 「三連装パルサーカノン、一斉発射用意。撃てぇ!」

 

 「そんな豆鉄砲いくら撃っても『ズガンンンンンン』うお、何事だ!」

 

 「敵弾貫通! 第2砲塔大破、第3格納庫火災発生」

 

 「馬鹿な。さっきまで効かなかった物が何故!」

 

 「本物と言った筈。重力波ミサイル発射!」

 

 「ドグワンンンンンン、ドグワンンンンンン」

 

 「動力部火災発生」

 

 「信じられん・・・・」

 

 「総員白兵戦用意。アンカーチューブ撃てぇ!・・・ミーメ後は頼む」

 

 「気を付けて、ハーロック」

 

 「ドガンンンンーーーー」

 

 「何だ、これは!」

 

 「敵艦より繋がっています。外れません!」

 

 「ドキュンンンン、ドキュンンンン、ドキュンンンン」

 

 「ぎゃーああ、うあああ、敵が侵入!グアアア」

 

 ダロルドの艦橋が血で染まった時、ハーロックが現れた。

 

 「貴様はハーロック! これが戦士のやる事か」

 

 「すまん、言い忘れていた。俺は『宇宙海賊』そしてこれが海賊流の戦いだ!」

 

 「ドキュンンンン」

 

 「ぐおおおお・・馬鹿な・海賊だと・ふ・ざ・け・る・・・・・・・・」

 

 「総員、戻るぞ!」

 

 

 ハーロック達がアルカディア号に戻って来た。

 

 

 「アンカーチューブ収納・三連装パルサーカノン発射準備。撃てぇ!」

 

 

 ゲルバデス級航宙戦闘母艦・ダロルドは宇宙の藻屑となり消えた。

 

 

 「おめでとう。『宇宙海賊 キャプテン・ハーロック』」

 

 「ユーリ様。ありがとうございます。しかし何もかも分からないのですが」

 

 「君とアルカディア号は『ブラッディ』達の量産型と1つになったんだ」

 

 「ユーリ様の乗っている機体の量産型と1つに?」

 

 「難しい話をすると長くなるから簡単に説明するね。君とアルカディア号は量産型の力を借りて本物になったんだ。君が心から憧れ尊敬する『宇宙海賊 キャプテン・ハーロック』に」

 

 「本物の『宇宙海賊 キャプテン・ハーロック』に私が」

 

 「その証拠に40人の仲間がいる、相棒も応えてくれる。君は物真似を卒業したんだ」

 

 「!では他の人も1つになれば」

 

 「なれると思うよ。でもね、間違って欲しく無いのだけど簡単に1つになれる訳じゃあない。『ハーロック』1つになる前に君は本物にもあった筈の何かを心の奥底で芽生えさせたんだ。そうして君の物だったアルカディア号がそれに応え魂となって量産型と1つになったんだ。俺には君に芽生えた物が何であるかは知らない、聞く気も無いそれは君と『キャプテン・ハーロック』だけが知っていればいい。ただね、君のやり方は君だけの方法であって他の者がやればそいつは多分死ぬだろう。それぞれにはやり方があるけど俺は知らない、それは当人が探し出さなければならない」

 

 「少し理解出来たと思います」

 

 「今はそれで良い。さてギレン兄の所へ行こうか」

 

 

 

 ドメル将軍の下を再び訪れたギレンは。

 

 

 「どうやら舐めていたのは、こちらの様だ。旗艦以外全滅だそうだ」

 

 「我々は強くなっていく。それはドメル将軍、貴方方ガミラスが強大であるからだ」

 

 「理解は出来る。弱き者を倒しても意味が無いからな。だが我々よりも強く者はこの宇宙に幾らでもいる」

 

 「私はね。貴方が羨ましい。バラン星で見た大艦隊がぶつかり合う戦闘。銀河対銀河そんな戦闘をやれる貴方がね」

 

 「あれ、まだお話し中だった?」

 

 「ユーリ、あれはハマーンか」

 

 「うん。それとアルカディア号が、量産型と1つになったよ」

 

 「ドメル将軍。貴方方のおかげで2人も進化した。感謝する」

 

 「全員揃ったなら、戦闘開始といこうか」

 

 「貴方の相手は私だ、他の者には手を出させん」

 

 「その様な戦闘機1機で何が出来る!」

 

 「その艦、重装甲・大火力が売りと言った所だろう。ただ乗組員の練度は低そうだ。ユーリ。私にも理解出来た、下がってくれ」

 

 「さっきから何を言っている?」

 

 「艦橋の瞬間物質移送機の所を見たまえ」

 

 

 ドメル将軍が視線を移すとそこには地球人の戦闘機が浮いているのが見えた。

 

 

 「いつの間に、レーダー何を見ていた! だが惜しかったな、私を殺すチャンスだったのに」

 

 「何を言っている相手は私だ。弟は瞬間物質移送機の構造を読み取っていただけだ」

 

 「馬鹿な! 外から見ただけで何が分かる。しかもガミラスの最高科学だぞ」

 

 「弟には特殊な才能があってね。機械の1部を見れば全部を把握する」

 

 「ガミラス人でも無いのに分かる物か」

 

 「以前拿捕した戦闘艦があってね。弟は時間をかけて解析し、ガミラス科学も知識として持っている」

 

 「くっ! あの戦闘機を逃がすな。撃ち落とせ!」

 

 「何度言えば分かる。相手は私だ!」

 

 

 『ブラッディⅡ』が翼をデルタ翼にすると、機体前部から円錐状のバリアを展開突撃攻撃を始めた。

 ドメラーズⅢ世の主砲490mm四連装陽電子ビーム砲7基が、次々破壊され数秒でメイン武装が潰された。

 

 

 「主砲が一瞬で全部潰されただと! 何でも良い撃てる武器は全て撃てぇ!」

 

 

 ドメラーズⅢ世からミサイルや速射砲ありとあらゆる攻撃が『ブラッディⅡ』に襲い掛かるが通じない。

 

 

 「敵機、真正面から突っ込んで来ます!」

 

 「死ぬ気か! ガミラス1を誇る重装甲破れるものか」

 

 

 「ドゴンンンンンン・・・・・・ギィユィュンンンンンンーーーーーーー」

 

 

 「どうした?」

 

 「敵機! 正面第1装甲で1度停止しましたが、今度は回転しながら次々装甲を破っています」

 

 「敵機艦内へ侵入しました。回転を続け艦内を破壊しながら直進、このままでは動力炉に激突します!」

 

 「仕方が無い、艦橋を分離しろ!」

 

 

 ドメル将軍は艦体を放棄、独立戦闘指揮艦で離脱した。

 ドメラーズⅢ世は内部より爆発炎上、そして動力炉が爆発したのであろう大爆発がおき轟沈してしまった。

 その爆炎の中より『ブラッディⅡ』が、無傷で飛び出して来た。

 

 

 「あの大爆発を耐えるとは」

 

 「だから言ったのです。あれは異常ですと」

 

 「今更泣き言を言っても始まらん。今はどうやって敵を倒すかだ」

 

 「この状況でまだ戦うと・・・・貴方も異常だ」

 

 

 ドメル将軍は敵を道連れに自爆する方法を考えていたが遅かった。

 直上より『ブラッディⅡ』が独立戦闘指揮艦に突っ込み貫いた。

 独立戦闘指揮艦は爆散し、名将ドメルは宇宙に散った。

 

 

 「最後まで戦うみたいだったね」

 

 「ああ・・・素晴らしい将軍だった。友になれていたらと思うよ」

 

 「ギレン兄・・・帰ろう、みんな!」

 

 

 ユーリ達3機と1隻は、ジオン公国機動船団を目指し帰って行った。

 その頃ヤマトではガミラス特殊部隊が潜入、森雪が連れ去られていた。

 

 

 

 ユーリ専用格納庫改め総帥直轄機体テスト場では再び混乱が起きていた。

 まず総帥直轄機体テスト場に、一般兵のアルカディア号が堂々と降りて来た。

 総帥直轄の場に一般機体が降りる等不敬罪ものである。

 しかしそれより全員を凍り付かせたものが降りて来た。

 『ブラッディ』タイプが2機から3機に増えているのである。

 血の色からユーリ・金色からギレン、そして純白からハマーンが降りて来た。

 

 

 「ただいまって? どうしたの、みんな」

 

 「ユ、ユ、ユーリ様。せ、せ、説明をしてください。もう何が何やら」

 

 「ああ。ハマーン姉も同型機を手に入れたんだ。名前は『キュベレイ』間違えると怖いよ」

 

 「へっ『キュベレイ』ってMSの名前じゃ?」

 

 「うん。『ブラッディ』の同型機と一体化したの」

 

 「もう分かりませんが、分かりました。それでアルカディア号は?」

 

 「アルカディア号は『ブラッディ』タイプの量産型と一体化したの」

 

 「これも分かりたく無いですが?・・・量産型! 量産型って何です!」

 

 「ギレン兄が作らせているの。今の所50機程だけどね。じゃそう言う事で頼んだよ」

 

 「おい、お前等ちゃんとやっておけ。俺は胃薬飲んでくる・・・量産型・・はは・・・マジ辞めたいこの仕事」

 

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