ジオン公国次元転移記(改定版)   作:masakoba(正博)

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第5話 宇宙戦艦ヤマト2199 (1)

 新しい世界へと着いた様だ。

 だが地球が赤いのだ。

 

 「ギレン兄。新しい世界に着いた様だけど、人類が滅んだ世界?」

 

 ギレン兄は頭痛がするのか、こめかみを押さえていた。

 

 「ユーリ、キシリアが来るぞ」

 

 「キシリア姉ならいつ・・・・・待った、急用を思い出したからこれで」

 

 

 ところがギレン兄が、俺の右腕をホールドして離さない。

 

 

 「逃がすと思うか。一蓮托生と言う言葉を知っているな」

 

 「ユーリ君、大馬鹿だから分かりません。だからその手を離して」

 

 「兄上、兄上」

 

 「「来たーーーーーーーーーーーーーー!」」

 

 

 キシリア姉は執務室のドアを入って、見つけたと言わんばかりの笑顔で近づいてきた。

 

 「兄上、重要なお話があります」

 

 「それではお邪魔なので・・・キシリア姉の邪魔になるから手を離してギレン兄」

 

 「いーえ、お前にもお話があります。お座りなさい」

 

 「済みません。キシリア姉、俺急用があるので。また今度」

 

 「座れと言ったら座れぇ!」

 

 「・・・・・・はい」

 

 「もう2人共分かっているようですね」

 

 「宇宙戦艦ヤマトの世界だろう。新か旧か知らんが」

 

 「新作の2199ですね」

 

 「何故分かる?」

 

 「遊星爆弾の形状が違います」

 

 「それで何がしたい?」

 

 「決まっています。ヤマトを無事にイスカンダルまで、護衛するのです」

 

 「お前、ジオンに16万8千光年の旅をしろと。ガミラスと戦えと」

 

 「今のジオンには簡単な事です」

 

 

 結局、キシリア姉の迫力にギレン兄が負けて行く事になった。

 ユーリ君流石に自身無いよ、ギレン兄責任取ってね。

 

 

 

 キシリア姉により地球艦隊を守る為、「メ号作戦」への参加が提案された。

 だが原作が変わり過ぎるとギレン兄を始め全員から拒否された。

 理由は古代守が行方不明にならないと、主人公の古代進が出て来なくなると言う物だった。

 これには流石のキシリア姉も、反対とは言えなかった。

 

 ただし「ジオン式メ号作戦」をする事になった。

 地球艦隊が帰った後、ガミラス艦を叩くと言う物だった。

 ただし、これは実験でありアルカディア号とスーパーロボットのみの参加となった。

 

 

 「艦長、発進して」

 

 「アルカディア号発進! フォールドして冥王星近くまで」

 

 

 暫くすると冥王星付近に、デ・フォールドした。

 

 「地球艦隊居ません。敵艦捉えました!」

 

 「艦載機全機発進せよ。俺も観測に出るから」

 

 「艦隊戦用意。三連装パルサーカノン準備」

 

 

 はぁーやだやだ、冥王星まで来たよ。

 ストライク・フリーダムでため息をついた。

 

 

 「今日はあくまでも観測だから攻撃の通じないロボットは普通に下がる事。それとガイデロール級1番大きな奴は、アルカディア号用の目標だから手出し無用。帰ったら戦闘報告書を出してね」

 

 

 

 まずは最初にクリピテラ級駆逐艦。これに勝てないようじゃ無理だよね。

 グレートマジンガーから「ネーブルミサイル!」…『ズガンンンンンン』。

 コンバトラーVから「超電磁ヨーヨー!」・・‥『ズガンンンンンン』

 ボルテスVから「ボルテスバズーカ!」・・・・『ズガンンンンンン』

 ゲッターロボGから「ダブル・トマホーク・ブーメラン」・・『ズガンンンンンン』

 

 おお、通用する。

 地球製のロボットの攻撃が通用した、まあ駆逐艦程度沈められないと。

 

 おお次が来た、デストリア級巡洋艦ちょっと強いクラスだね。

 ガンバスターから「バスターミサイル!」・・・・『ズガンンンンンン』

 マジンガーZから「アイアンカッター!」・・・・『ズガンンンンンン』

 キュベレイ?「ファンネル!」・・・・『ズガンンンンンン』

 高機動型ゲルググ?「沈め!」・・・・・『ズガンンンンンン』

 

 いける、いけるぞ、攻撃が通じる、ただ無視だ、無視。

 次が来た、ケルカピア級高速巡洋艦、伊達に高速じゃあない速い。

 ゴーショウグンから「スペース・バズーカ!」・・・・『ズガンンンンンン』

 ライディーンから「ゴッドアロー!」・・・・『ズガンンンンンン』

 キュベレイ??「ファンネル!」・・・・『ズガンンンンンン』

 高機動型ゲルググ??「沈め!」・・・・『ズガンンンンンン』

 

 

 よしよし、これなら充分可能性が出て来たぞ、でもね我慢、我慢。

 さあ問題のガイデロール級戦艦だ、アルカディア号が通じれば。

 アルカディア号「三連装パルサーカノン撃てぇ!」・・・・『ズガンンンンンン』

 

 おお貫通したよ、うん何とかやれそうだ。

 アルカディア号「アンカーチューブ発射乗り込め!」

 おい待て! あのバカ共艦内白兵戦をやってやがる。

 シーマ海兵隊この為に乗り込ませたのか。

 もうヤダユーリ君帰りたい、言う事聞かない奴ばかり。

 敵艦に海賊旗上がったよ、よかったね。

 

 

 

 ジオンに帰った俺は戦闘報告書をまとめると、ギレン兄に投げ渡した。

 

 「兄上。戦闘報告書を読んでもらえましたか?」

 

 「ああ、読んだ」

 

 「これで行けますわ」

 

 「キシリアお前これを見たのか?」

 

 「見なくても分かります。圧勝でしたから」

 

 「これにはこう書いてある『行けません』」

 

 「ユーリ!何故嘘を書くのです。あれだけ圧勝ならガミラス恐れるに足らずです」

 

 「・・・・・・・・・・・」

 

 「ユーリ! 返事をなさい」

 

 「キシリア。俺もユーリの意見に賛成だ。何故だか分かるか」

 

 「何故です?」

 

 「今回ユーリがテストと言ったのは敵の情報集めと、こちらが外宇宙で戦えるかだ」

 「ええ、知っていますわ。だから敵艦を拿捕して来たではありませんか」

 

 「ユーリは安全性を考え、今回スーパーロボットしか連れて行かなかった。安全性を考え戦艦を戦艦で沈める様に指示した。ところがだMSで参加した馬鹿が居る。敵艦の内部に空気や人体に害をなす成分、これを調べずに勝手に白兵戦を命じた馬鹿が居る。私でも賛成等とても出来んよ」

 

 「・・・・・・・・・」

 

 「ヤマトは全てくれてやる。お前について行くと言う者を連れて、イスカンダルでもどこへでも行くがいい。私達はこの世界から去る」

 

 「・・・・・・・・・・」

 

 「流石のユーリも今回の件は許さんだろうな。自分の配下でなくてもジオンの仲間を情報の無い敵艦に放りこまれたんだからな。全員隔離中だ。ユーリは隔離病棟の前で一睡もしておらん」

 

 「・・・・・・・・・・」

 

 「ユーリはユーリなりに、お前の夢を叶えてやろうと言うのが今回の様子見作戦だ」

 

 「・・・・・・・・・・」

 

 「いかにあいつの魔改造されていると言ってもMS、スーパーロボットが行った事の無い外宇宙で、機体はどうでもいい隊員達が無事で居られるかを、心配しての作戦をぶち壊されてみろ。ユーリは誰よりも仲間を大事にする。もうあいつの目にはお前は映らんし言葉も聞こえん、それだけだ」

 

 キシリアは何も言えずに、執務室を出て行った。

 

 

 その頃、ジオン公国機動船団を遥か彼方より偵察する飛行機が飛んでいた。

 ガミラスの空間高速偵察機FG156スマルヒであった。

 

 その機影は当然ジオンでもキャッチしておりギレンに報告されていた。

 ギレンは笑いながら、呟いた。

 

 「フフフ巻き込まれたか。だがキシリア最後のチャンスだ。でないとユーリはペンダントにこう願うだろう『俺の中のキシリアの記憶も存在も全て消してくれ』。失敗したら2度とお前をこうは呼ぶまいキシリア姉と心から親愛を込めては」

 

 

 

 ガミラス冥王星前線基地では、緊急会議が行われていた。

 司令官ヴァルケ・シュルツと副司令官ゲルフ・ガンツと作戦参謀ヴォル・ヤレトラーの3人が、偵察機の送って来た映像を解析していた。

 

 「地球の脱出船では無いですか?」

 

 「しかしこの星の科学力で造れる様な規模の船では無い」

 

 「兎に角ガミラスでなければ敵だ! 目障りだ、叩き潰せ!」

 

 

 冥王星前線基地よりクリピテラ級駆逐艦1隻とポリメリア級強襲航宙母艦2隻が、ジオン公国機動船団攻撃の為に出撃した。

 

 ジオン公国機動船団上空に来襲したガミラス艦隊は、母艦2隻からDWG229メランカ空間艦上攻撃機40機を襲撃させた。

 

 フォールドレーダーで亜空間より接近する艦隊は、早くからギレンに伝わっていた。

 そしてギレンはキシリアに、迎撃の指示を出していた。

 

 「1機たりともジオンへ、近づけるでないぞ」

 

 「キシリア様の背中は・・・・」

 

 「今日は無用。お前もいつもの戦士に戻り、敵を生きて帰すな! 私も戦士として戦う良いな」

 

 「分かりました。真紅の稲妻の名に恥じぬ戦いを致しましょう」

 

 

 キシリアとジョニーは最前線へと出て来た。

 

 

 「紅い坊主。キシリア様を最前線に連れてくるな。下がれ!」

 

 「キシリア様は戦士として戦うと仰せになった。俺も戦士として戦う」

 

 「ガイア。マジらしい、つまり敵を生かして帰すなって事だろう」

 

 「でもキシリア様はどうする?」

 

 「オルテガ。ご本人がお決めになった事。戦士として戦うって事は気づかい無用。敵を倒せって事だよ」

 

 「皆も聞け! 今日の敵は初めて対する外宇宙からの敵。だが臆するな、我らはジオン引かぬ、負けぬ」

 

 

 そして敵影が見えた。

 

 

 「来たぞ! 真紅の稲妻の名を知ってあの世へ行け!」

 

 ジョニーの高機動型ゲルググが稲妻の如く先に仕掛けた。

 瞬く間にメランカ3機を落とした。

 続いてキシリアのキュベレイがビームガンで、メランカのコックピットを貫いた。

 これを見たキシリア軍に火が付いた。

 ゲルググがビームライフルで、1機撃墜すると、ビグロがクローアームで敵を切り裂いた。

 キシリアのキュベレイを狙ったミサイルをライディーンがゴッドブレイカーで斬り落とし、その勢いでメランカを串刺しにして爆散させた。

 黒い3連星はポリメリア級強襲航宙艦を、ジェットストリームアタックで撃破、次に向かった。

 艦載機の殆どを落とされた時、クリピテラ級駆逐艦が砲撃を始めた。

 その1発がキシリアのキュベレイの頭部を吹き飛ばした。

 今までユーリが超合金やバリア等を工夫して殆ど無敵と思われた機体が、初めて大きなダメージを受けたのである。

 

 この時になって初めてキシリアは悟った、ユーリが何故あれ程慎重になっていたのかを。

 無敵な存在などいない自分達より強い存在等いくらでもいる。

 それをユーリはいや兄上も分かっていたのだろう。

 自分は人が工夫し研究して来た物に乗り、自分は強いと勘違いをしていたのだ。

 自分は何て愚か者で、一体今までどんな貢献をしてきたのであろう。

 ユーリは幾度も死にかけ、いや死を経験しながらもジオンを強くし守って来た。

 そして他の世界に多くの仲間を作って来た。

 ユーリは本来ガンダムに存在しないイレギュラーな存在だが、ギレンに並ぶ頭脳を持ち、ドズルをも上回る戦闘センスを持つ。

 それでいて誰よりも明るく、誰よりも仲間思い、誰よりも慎重で、誰よりも勇気を持つ、そんなユーリの優しさを私は甘えていながら裏切ってしまった。

 私は一体誰なんだろう、キシリアは頭脳明晰、冷静沈着、憑依転移者失格だな。

 だけどユーリは今私が温かい心に傷をつけ苦しんでいる、戦わす訳にはいかない。

 責任を取らねばならないキシリアで無く私自身が。

 ごめんねキュベレイお前を作ってくれた人を傷つけ貴方にも、でももう少しだけ力を貸してあいつをユーリの所に行かす訳にはいかないのお願いだから私に力を。

 

 

 その時キュベレイが何処からともなく現れた金色に輝く光に包まれた。

 ユーリの愛機にして消えて行った『ブラッディ』と同じ輝きに包まれキュベレイが見えなくなった。

 輝きが消えた時キュベレイの頭部が復元されていた。

 そして『ブラッディ』が合体していた、キュベレイを金色に染めて。

 

 「そうかお前ユーリの作品を守りに来たんだな。私の魂をやる、その代わりあいつを倒してくれ。そして厚かましいがキュベレイをユーリに返してくれ頼む」

 

 

 金色のキュベレイが戦艦に向かって、ユーリの時の猛々しい飛び方と違い、優雅で優しく飛んだ。

 それでいて敵艦の激しい砲火がかすりもしない。

 キュベレイが両腕を突き出しビームガンを構え撃った。

 いつものビームでは無く金色に輝くビームを放つと敵艦を貫通し大爆発を起こし沈んだ。

 戦場に歓喜の声は無く、ただ静けさが支配していた。

 

 

 キュベレイが通常色に戻ると同時に、『ブラッディ』が離れ飛び去った。

 そして恐怖が皆の頭をよぎった、血だまりに倒れ伏すユーリの姿が。

 1番にジョニーがキュベレイを背後から抱えると一直線にジオンを目指した。

 他の者も少し遅れて追従した、キシリア専用格納庫に。

 滑走路に着くとキュベレイを横たえさせ、ジョニーはゲルググのハッチから直接キュベレイのハッチに飛ぶ移り、外からハッチを開いた。

 中では左腕から少し血を流したキシリアが気を失っていた。

 大至急で救護班が呼ばれ、病院に運ばれ精密検査を行ったが過労による失神と判明した。

 ジョニーは仲間にこの事を伝えると、キシリア軍は初めて歓声を上げた。

 

 

 キシリアの病室にギレンが入った。

 

 「これでユーリの居るありがたさ、凄さ、そして自分の甘えに気付いたろう。ユーリの優しさに感謝するのだな、本気でお前を見捨てていたら『ブラッディ』を貸す事はしなかったろう。これに懲りたなら自分を見直す事だ、まあ今は休め今日はご苦労だった」

 

 そう言って病院を後にした、病室ではキシリアの閉じられた瞼から涙が流れていた。

 別の病院では、隔離を解かれ喜んでいた全員がユーリから説教を食らっていた。

 

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